クロスオーバー! REBORN!×名探偵コナン 作:cibetkato
「ではっ、皆さん、ハル達から離れないようについて来てくださいね~」
ハルがそう言いながら先導していると、歩美がその手を引いた。
「あの、ハルお姉さん」
「はひ、なんですか?」
「私達は、聞いちゃダメだったの?」
始め何のことかと首を傾げたハルだったが、例の組織の情報のことだと気付き破顔した。
「ああ、大丈夫ですよ!ちゃんとカワイイ探偵さん達にも教えてあげます!」
「極限、心配は無用だぞ!」
ハルの言葉を後押しするように、了平がニッと笑う。
そもそも、例の組織の情報を集めていたのは晴部隊と霧部隊だ。そのトップが2人ともこちら側にいるのだから、向こうよりも詳細な情報が聞ける。
そう了平が言えば、蘭と園子が目を丸くした。
「い、良いんですか?」
「まぁ、話して困ることも無いからな・・・それに、今はいないうちの雷の守護者のランボも5歳の時から守護者の役目を果たしてきたからな、子どもだからと侮るヤツはうちの組織にはいないぞ!」
蘭の問いに胸を張って答える了平に、子ども達は目を輝かせた。
「すごーい!」
「5歳からマフィアですか・・・」
「ふふっ、私達も中学生の時からマフィア絡みの色々な事件に巻き込まれたもんね」
歩美と光彦が感嘆の声をあげれば、京子がニコニコと笑いながら告げる。
「ちゅ、中学生の時から、ですか?」
園子が聞き返すと、京子は笑顔のまま頷く。
「そうだよ?あの時は大変だったよね~、ハルちゃん、クロームちゃん」
「はひ、一番大変だったのはツナさん達ですけど、後方支援のハル達も大変でした!」
「・・・うん、大変だった・・・ボスもたくさん悩んで、苦しそうだった・・・」
“大変”の一言にどれだけのものが込められているのか、その当時を知らない人間には読み取れない。
沈痛な面持ちになった蘭や園子、子ども達にハルはニッコリと笑ってみせた。
「でも今となっては、あの頃は大変だったねーって笑って話せますから!そんな顔しないでくださいね!」
あの過去があったからこそ、皆、強くなれたのだと思う。
ツナの妻になる、なんて豪語して彼についてきたハルだったが、ボンゴレをブッ壊すというツナの決意は固くて、それが終わるまでは結婚とかは考えられないと言われてしまった。
日本とイタリア、物理的にも精神的にも自然と距離を置かれ始めた頃、ハルは一大決心をしてツナのいるイタリアへと向かった。
愛人でもいい後方支援として傍に置いて欲しい。ツナが納得のいくようにマフィア界の浄化とボンゴレの解体が済んだらその時にもう一度プロポーズをする。
ハルのツナに対する想いに、ツナは一瞬困ったように眉根を寄せ、それから優しい笑みをうかべた。
「ハルの好きにして良いよ・・・って、ツナさんは言ってくれたんです~、もうすっごくカッコ良かったんです~ッ!!」
客間に案内しながらその時の様子を語り出したハルは、身悶えして赤面する。
「うん、ツッ君はカッコイイよね」
「はひ!カッコいいです!!」
京子が同意すれば、ハルは嬉しそうに頷く。
愛人発言したのは京子も同じなのだが、どうしても普通のライバル同士には見えなかった。
「あの・・・お2人って、ライバルじゃないんですか?」
蘭が思い切って訊けば、京子が笑う。
「ふふ、約束なの。ツッ君が誰を選んでも恨みっこ無しって。・・・ツッ君は優しいから私達が争ったりしたら誰も選ばないと思うの」
「だから、ケンカなんてナッシングです!」
「・・・ボスは“大空”だから・・・」
微笑むハルと京子を見て、ポツリとクロームが呟く。
「そうね、ツナは全てを包み込んでくれる“大空”。だから皆がついてくるのね」
そのクロームの肩を抱き、ビアンキが微笑む。
「・・・ツナサンは私に普通の生活をさせてくれマス。だから、ツナサンに恩返しするためにも頑張りたい」
イーピンもグッと拳を握り、そう宣言する。
「極限、沢田は好かれているな!無論、俺も沢田のことは好きだぞ!・・・“大空”があってこそのボンゴレだしな!」
「ねぇ、さっきから“大空”って言ってるけど・・・それってナニ?」
「それに、嵐とか雨とか晴とか天候の名前を守護者っていう役職に付けてるよね?」
哀とコナンが口を開けば、了平が口元に笑みをうかべる。
「・・・成程な、沢田が俺とクロームをこちらに付けた理由が極限にわかったぞ!」
本来、詳細な情報を持つ2人を片方に集めるのは合理的ではない。だが、この2人を見ればすぐにわかった。
ギクリ、と身を強張らせた2人の頭をガシガシと撫で、了平はニカリと笑った。
「沢田ほどではないが俺も人を見る目はあるつもりだ。お前達が見た目によらず“優秀”なことはわかった。客間に着いたらきちんと話してやるからな!」
『ファミリーを襲う逆境を自らの肉体で砕き明るく照らす日輪』である晴の守護者の了平の笑顔に、何故か心がぽかぽかと暖かくなったような気がして、哀もコナンも自然と笑みをうかべていた。
そして和やかな空気のまま客間に案内され、それぞれ好きな場所に座った時だった。
ドォン!と何かが爆発するような音が聞こえ、グラグラと部屋が揺れる。
「きゃ!」
「じ、地震?」
蘭と園子が不安そうな表情をうかべる。
ここは地下で、万が一にも生き埋めに遭ったりしたら大変だからだ。
「あ、多分、これはツナさんですね」
その揺れの中平然とした様子でハルが呟く。
「雲雀さんかもしれないよ?」
「はひ、獄寺さんということもありそうですね」
京子が言えば、ハルも他の可能性を口にする。
「・・・ど、どんだけスゴイお仕置きなの・・・?」
園子が思わず呟けば、ビアンキが首を傾げた。
「モニターに映せるわよ?・・・見る?」
一瞬迷ったが、好奇心に負けて、皆が頷く。
「・・・じゃあ、まずはツナと雲雀の方ね」
ビアンキはモニターを操作し、ツナ達がいるだろう地下のトレーニングルームの映像を映し出した。