クロスオーバー! REBORN!×名探偵コナン 作:cibetkato
「誰や?」
平次がコナンを見下ろして訊ねるがコナンも見たことがない顔のため首を振る。
「ボンゴレに頼まれて来た。雷の守護者のランボという」
雷の守護者ランボ。それは最年少の幹部の名だったことを思い出し、コナン達はハッとして彼を見やった。
「あなたがあの・・・」
「話は後・・・気の短い連中が相手だ。早く行こう」
蘭が問おうとした時、ランボはそう言ってくるりと背を向けた。
あまりにもそっけない彼の態度に面食らいながら、コナン達はその後に続く。
「あ、来た。ランボさん!」
そんなランボとコナン達を待っていたのは、入江正一だった。
「入江氏、待たせた」
「大丈夫、待ってないよ。・・・さぁ、どうぞ」
そして、正一に促されるままに車に乗り込んだコナン達は奇妙な沈黙の中にいた。
「・・・あ、えーと、2人ほど新しい顔だね?」
そんな沈黙に気を利かせて、正一が運転をしながら訊ねる。
「あ、俺は服部平次や。大阪から来たんや」
「へ~大阪?ずいぶん遠くから来たんだね。・・・僕は入江正一、ボンゴレの技術者だよ」
「ワシは阿笠じゃ。職業は発明家じゃ!」
「発明家?スゴイですね!ぜひその辺りのお話を聞きたいなぁ」
正一が笑顔になる。技術屋としての血が騒ぎ出したのだろう。
「・・・入江氏、前をちゃんと見た方が良い・・・」
ランボに注意されると慌てて前を向く。
「あ~、ランボさん?知らない人ばかりで緊張してるのはわかるんだけど、もうちょっとやわらかくね?」
「・・・う゛」
お返しとばかりに正一に注意されて、ランボは呻いた。
(緊張していたのか!)
そっけないと思ってはいたが、まさか緊張しているとは思わずコナン達は呆気に取られてランボを見つめる。
「・・・だ、だって、ツナ・・・ぼ、ボンゴレが脅すから・・・」
「脅すって・・・」
「子どもにナメられたら守護者から外すって・・・」
その言葉に、正一はガックリと肩を落とす。
「綱吉君~~~っ!も~、絶対面白がってるな!!・・・ランボさん!そうやって一々反応するからリボーンさんや綱吉君に遊ばれるんだよ!!」
「え!違うのか!?」
「当たり前だよ!綱吉君が本気でそんなことするわけないじゃないか!!!」
色々な所でツナの影響を受けまくっているランボだが、変に臆病な所はあまり変わっていないらしい。
正一は後でツナに一言言わなければと心に決めて運転に集中し、ランボはランボでツナにからかわれたことにショックを受けてどんよりとした空気を醸し出す。
「・・・な、なんや・・・一体、どないなっとるんや?」
意味もわからず首を傾げる平次にコナンは苦笑をうかべた。
「はは・・・さぁな?」
ツナが面白がってランボをからかったということはわかったが、正一の言葉の端々から察するにそれはかなりの頻度で行われているようで、こんな状態でもやるのかとむしろ感心すらしてしまう。
そんな微妙な空気のまま、コナン達は目的地に着く。
「・・・えーと、ここはどこですか?」
地下駐車場に停めた車から降りると、光彦が正一を見上げる。
「並盛のショッピングモールだよ」
答えた正一はそのままスタスタと駐車場の奥の方へ向かう。
コナン達がそれについて行くと配電室と書かれたプレートを確認した正一がその鉄製の扉を開ける。
「さぁ、皆も入って」
促されるままに配電室に入ったコナン達は辺りを見回して首を傾げる。
「・・・どこにでもある、フツーの配電室ね」
園子がポツリと言えば、正一はニコリと笑った。
「まぁ、一般の人にとっては本当に普通の配電室だからね。ショッピングモールの責任者すらそう思ってるし」
唖然とする面々の前で、正一は配電盤の1つを何やら操作する。するとその配電盤は自動で後ろにずれて横にスライドする。
そこに現れたのは例の掌紋認証システムだった。正一がそれに掌をあてると壁のように見えていた戸が開き、エレベーターが現れる。
「・・・こりゃぁ、すごいのぅ」
阿笠博士は度肝を抜かれた様子で呟く。
「まぁ、秘密の地下アジトですからね。入り口を堂々と造るわけにもいかないでしょう」
苦笑した正一は皆が乗り込むのを確認するとエレベーターを起動させて地下7階へと移動を始めた。
地下7階についた面々は、正一に連れられて奥の部屋へと向かっていく。
「なんか、ドキドキするね・・・」
歩美がコナンに話しかける。
「うん、そうだね」
歩美だけではない。光彦や元太、平次も興奮を抑えきれないような表情をしている。
「それって、恐怖のドキドキ?それとも・・・未知なる存在との遭遇を期待するドキドキかな?」
コツ、と足音がして“彼”が姿を現した。
「あ、ツナお兄さん!」
「やぁ、皆。よく来たね」
子ども達が駆け寄るとツナはニッコリと笑う。
「・・・アレがマフィアのボスか」
平次がポツリと呟く。
自分達と同年代に見えるがアレで24だと言う。しかもイタリア全土を牛耳るほどの力を持つ組織のトップ。
平次の視線に気付いたのか、ツナが子ども達から平次に視線を向ける。
「はじめまして、だよね?」
「あ、ああ。大阪から来た服部平次や」
「西の高校生探偵、だよね?」
ツナはそう言って、ニコリと笑う。
どうやらこちらの情報も調べたらしいとわかると、平次はコナンに視線を向けた。
「・・・ツナさん、平次兄ちゃんのことまで調べてたんだ」
その視線を受けて、コナンがツナに問う。
「ああ、まぁ一応・・・毛利さんの所に出入りしている人間は全員調べたかな」
「・・・そっか」
頷くコナンだが、不安に表情を曇らせた。
毛利探偵事務所に出入りしている人間を全員調べたとなると、工藤新一についても調べたことになる。妙に勘のいいツナのことだから気付いているのではと不安になるのは当然だった。
「あ~、一つ聞いてもええか?」
「どうぞ?」
「コイツの話じゃ、黒の組織が狙ってるっちゅう兵器は大人連中には見せられん言うてたらしいけど、アンタともう1人が戦ってたんは大人連中も見ていたっちゅうし、どないなってんのや?」
「ああ、それは彼に聞いて」
平次の問いにツナは苦笑をうかべて正一に視線を向けた。
「・・・えーと、幻術で誤魔化すことは出来ないっていうのは聞いたと思うけど、モニターの映像を変換するのは技術的には可能なんだよ」
「・・・ちゅうと、映像を無害なもんに切り替えておっちゃん達には見せてたっちゅうことか」
「そうなるかな。この基地のカメラとモニターには映像変換技術とステルスリングを応用した技術が搭載されてるんだ。招かれざる客が来る時もあるからね。
・・・毛利さん達には雲雀さんのトンファーvs綱吉君の重火器っていう構図に見えてたはずだよ。」
「正一君が作った技術なんだよ~スゴイでしょ~」
「あ、ああ・・・スゴイっちゅうか・・・映像変換技術ちゅうのはわかったけど、ステルスリングちゅうのは?」
平次が問えば、正一は困ったように笑う。
「どう説明したらいいのかな・・・えーと、霧系のリングで、気配とかをカメラでさえも感知できないように消すことが出来るんだけど・・・」
「まぁ、そういうモノがあるっていうことだけは知っておいて。警察が知ってしまうと君達が知ってしまう以上に危険な状況になるだろうから見せなかったってだけの話だから。
・・・それからコナン君達には説明したけど、この事件が解決したら君達のリングや匣に関する記憶は消させてもらうからね」
どこまで説明しても良いのかと惑う正一を制し、ツナはそう言って有無を言わせない笑みをうかべた。
これ以上は答える気はないというツナの意思表示に、さすがの平次も引き下がるほかなかった。