クロスオーバー! REBORN!×名探偵コナン   作:cibetkato

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未知との遭遇

「さて、じゃあご対面といこうか」

 

 重たくなってしまった空気を変えるようにツナが明るい声を出す。

 

「・・・あのね、ツナお兄さん」

 

「ん?どうしたの?歩美ちゃん」

 

 くい、とスーツの裾を引かれたツナは歩美の視線にあわせるようにその場にしゃがみこむ。

 

「歩美達お菓子持って来たの。これから会う人達ってお菓子好きかな?」

 

「お菓子?・・・お菓子ねぇ・・・どうだろ?ベルとかマーモン辺りはお菓子好きそうだよね?ランボ」

 

 いきなり話を振られたランボは困ったように首を傾げる。

 

「・・・俺はあまりヴァリアーとの接点はない」

 

「あ、そっか・・・正一君は知らない?」

 

「さぁ?僕も正直言ってよくは知らない・・・ヴァリアーのことなら、獄寺君か山本君に聞くのが一番だと思うけど」

 

「それなら当人達に会った方が早いかぁ・・・大丈夫だよ、歩美ちゃん達の好意を受け取らないような失礼なことをしたら俺が怒ってあげるからね」

 

 ツナはそう言って歩美の頭を撫でた。

 

 その発言の意味を知らない子ども達はホッとしたように身体から力を抜いたが、正一とランボは一気に氷点下に突入するかもと肝を冷やした。

 

 

***

 

 

 そして、基地内を連れられて歩くこと数分。大きなドアの前でツナは足を止める。

 

「ちょーっと顔がおっかないかもしれないけど、取って食ったりはしないからね?」

 

 子ども達にそう言いながらツナはドアのロックを解く。ドアは自動的にスライドして徐々に部屋の中が見えてくると、蘭達や子ども達は表情を引き攣らせた。

 

「う゛お゛ぉ゛いッ!そいつらがテメェの言っていたガキどもかぁ!!」

 

「ウルセェ!!」

 

「煩いよ、スク」

 

 XANXUSの叫びと不機嫌なツナの声が聞こえるのと同時に、ワイングラスと花瓶がスクアーロに投げつけられる。

 

 それらを何とか避けたスクアーロは恨めしげにXANXUSに視線を向けた。

 

「ボスぅ・・・人にモノを投げんじゃねェって何度言ったら・・・」

 

「俺はグラス1つだ。それくらい避けやがれ。・・・それよりも文句は花瓶を投げたアイツに言え」

 

 XANXUSはそう言うと、視線をスクアーロから逸らした。

 

「綱吉ィ・・・」

 

「煩いお前が悪いよ。・・・見てごらんよ、すっかり怯えちゃったじゃないか」

 

((((いや、それは花瓶を投げたお前にもビビってる気がする))))

 

 なんてヴァリアーの面々が心の中で思ったりしていると、笑顔のツナのこめかみに青筋が浮き立つ。

 

「ねぇ、今、すっごい失礼なこと考えてなかった?」

 

 ブンブン、と揃って首を振るヴァリアーの面々。

 

「ホントにィ?・・・まぁ良いけど・・・あ、そうだ。ベルはお菓子好き?」

 

「シシシ、お菓子?・・・食べなくはないけど?」

 

「この子達がさ、お近づきの印にってお菓子持って来たんだよ」

 

 ツナの傍にべったりひっついていた子ども達は、ベルの意識が自分達に向けられると身を固くする。

 

「ふーん、で、どんなの?」

 

 ニヤリと笑うベルに、震える手で歩美達がお菓子を差し出す。

 

「・・・仮面ヤイバーチップス?」

 

「ヤイバーチョコ?」

 

「あ~、仮面ヤイバーラムネもありますね~」

 

 ベルだけでなく、マーモンやフランまでもがそのお菓子を覗き込んでいた。

 

「ミーはチョコ以外が良いです~。あ、これもーらいっと」

 

 フランがひょい、と元太の差し出した仮面ヤイバーチップスを取る。

 

「あぁっ!てめ!フラン!・・・なら、王子はラムネ貰っとくし」

 

 ベルは一瞬悔しがるものの歩美の差し出していたラムネを手に取った。

 

「・・・じゃあ、チョコはボクが貰うよ」

 

 光彦の差し出していたチョコはマーモンが受け取り、それから3人は一斉にXANXUSを振り返った。

 

「ボスはいらねーの?」

 

「ミー達で山分けしちゃって良いですか~?」

 

「どうせ、スクアーロとレヴィとルッスーリアは食べないでしょ?」

 

「・・・勝手にしろ。それよりも綱吉、どういうことか説明しやがれ。いつまで待たせる気だ?」

 

 ジロ、とXANXUSに責めるような視線を向けられ、ツナは肩を竦めた。

 

「だって、今は警察の人が基地内をウロウロしてるしさぁ・・・俺が長時間姿を現さないとマズイでしょ?

 多分、彼等は俺の監視の意味も含めてここにいるんだろうし。そ・れ・よ・り・も、どう?可愛いでしょ?この子達!」

 

 ニコニコと問いかけるツナに、XANXUSは子ども達を視界に入れ、凶悪な顔を更に顰めさせた。

 

「俺に、ガキの相手をしろってのか?」

 

「ちょっとは柔らかくなった方が良いんじゃないかなぁ~って思うんだけど?」

 

「・・・フン、ヴァリアーの隊長が柔らかくなってどうする。ヴァリアーはボンゴレの闇の部分だろうが」

 

 XANXUSのもの言いに眉を顰め、ツナは溜息をついた。

 

「普段からピリピリしすぎなんだって、ちょっとは気を抜けって話だよ」

 

「テメェは逆に気を抜き過ぎだ。テメェがそんなだからボンゴレがなめられるんじゃねェか」

 

「ふふっ、ヤダなぁXANXUS。なめてかかって来た相手の末路ぐらい知ってるくせにィ」

 

 完膚なきまでに、もう二度度立ち上がれない程、そんな表現すらも甘いと感じるくらいに徹底した報復。いつの間にそんなやり方覚えたんだとリボーンがこっそり嘆いていた。

 

 ソレをXANXUSは“知っている”だろうと、ツナは言っているのだ。

 

「チッ・・・腹黒が」

 

「それ、褒め言葉?」

 

「マフィアのボスとしては褒め言葉だろ?・・・良かったな、すっかりマフィアらしくなって乳臭さも抜けたじゃねェか」

 

「うん、それは厭味だね」

 

「・・・ハァ・・・まぁ、可愛いんじゃねェのか。一般的にはな」

 

 彼の求めている答えを返せば、ツナは満足げに頷いた。

 

「でしょ?可愛いよねぇ~。アルコバレーノが赤ん坊じゃなくなっちゃって、癒しが無くなったから本当に嬉しいんだけど!」

 

「・・・アルコバレーノを癒しにしてたのはテメェだけだ、綱吉」

 

 他の誰があんな危険物を癒しにできるのか、とXANXUSは深い溜息をつく。

 

 その辺りで、ようやくコナン達は気付いた。

 

 見た目の怖いこのヴァリアーと呼ばれる人達はツナに頭が上がらないらしい。つまり、ツナの傍にいれば絶対に安全というわけだ。

 

「・・・やっぱ最強はアンタねやな、えーと、ツナさん?」

 

「えー?そう見える?」

 

 平次に首を傾げて見せる様子は幼く見えるが、これも計算なのだろうか。

 

「・・・どない見たかてあの人達はアンタを怖がってるやろ」

 

 ズバッと言った平次に、ヴァリアーの面々は震えあがった。

 

(何も知らないって幸せだよね!!!)

 

(つか、こっちに飛び火しねーよな!?)

 

(・・・俺は知らない、俺は知らない、俺は知らない・・・っっ)

 

(いざとなったら、ミーは逃げますー)

 

「あはは。ハッキリ言う子だね。・・・まぁ、でもそういうの好きだよ。それに比べて・・・」

 

 ニコリと笑ったツナは、そのままぐりん、とヴァリアーを振り返る。

 

「・・・ねぇ、さっきから失礼な態度ばっかりとってくれてるけど、減給しておく?それもお仕置きが良い?」

 

「「「「「「減給でお願いします!」」」」」」

 

 お仕置きなんぞされた日には全治ウンヶ月なんて話になりそうで怖い。守護者には手加減するクセにヴァリアーに容赦ないのは何故だと問いたい。

 

「減給で良いの?まあ、それでも良いけどさ・・・つまんないの」

 

 ボソ、と最後につけたされた言葉が怖い。

 

「ツナお兄さん、本当にすごいんだね!」

 

 そんなツナにぴっとりとくっつき、歩美がニコニコと笑う。

 

「ハハ。そうだよ~、歩美ちゃん。俺って本当にすごいんだよ~」

 

 ちっちゃい子パワーはツナを癒したらしい。途端に機嫌が良くなったツナを見て、ヴァリアーの面々は心に誓った。

 

((((ちっちゃい子には優しくしておこう!!じゃないと、アレが怖い!!))))

 

 これでツナの目論見通りヴァリアーは全力で子ども達を守る。その為に面通しをしたのだ。ツナが可愛がっているのを知れば、万が一の時に優先して助ける。

 

 ヴァリアーは10代目の闇の部分を支える部隊となった。表では守護者が警察と合同捜査し、裏ではヴァリアーを動かし万が一が無いように目を光らせる。

 

「・・・うん、これで駒は全て揃ったね」

 

 呟いたツナの言葉に、XANXUSと正一が反応した。

 

「・・・綱吉、動くのか?」

 

「綱吉君、僕達はどうしたら良い?」

 

 さすがは司令部。そう思いながらツナは告げる。

 

「まずは、囮捜査かな?」

 

 最初に動かす駒はもちろん“沢田綱吉”だ。

 

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