クロスオーバー! REBORN!×名探偵コナン 作:cibetkato
「それでリボーンさんが獄寺君と山本君をねっちょりしごくのを止めなかったんだね。いつもならそれとなく止めるのに」
正一が呆れたような表情をうかべる。
「だってさぁ、隼人も武も過保護なんだもん。・・・アイツらの狙いが俺なら、まずは俺が囮になるべきだろ?」
「まぁ、今回に限ってはさほど心配はいらねェな。コイツに狙撃なんてもんは通じねェし体術もボンゴレん中じゃトップ3に入るしな」
ツナが肩を竦めながら主張すれば、XANXUSもあっさりと納得する。
「相手はイタリアンマフィアの戦い方を知らない“素人”だしね、綱吉君がどうこうされるとは思ってないけど・・・警察の人はどうするの?」
「そっちは正一君が相手をしてあげてよ。俺と一緒にいたら怪我しちゃうかもしれないし、そしたら、部下を預けてくれた目暮警部に申し訳立たないだろ?」
「はぁ、わかったよ・・・じゃあ、念の為に通信機を持って行って」
「えー、携帯じゃダメ?」
「ダメ。X BURNER用のシステムをダウンロードしておいたイヤフォン型のを用意してあるから」
「あ、ヘッドフォンじゃなくて良いんだ」
「アレでも良いけど、目立つしね」
そう言いながら正一はジャケットのポケットから白い箱を取り出した。
「渡そう渡そうって思ってたんだけど、なかなかタイミングが合わなくって」
「ありがとう、正一君」
受け取ったツナは早速箱を開いて中身を確認する。
「・・・隼人が持ってたものよりも小さい?」
「うん、綱吉君の場合、獄寺君以上に激しく動き回るからね。余分なものをつけずに敢えてシンプルなデザインにしたんだ」
その分システムは最新のものが入っている。正一がそう言えばツナは納得したように頷きそれを耳につけた。
「あ、そうだ。ヴァリアーが来たらアレ頼もうと思ってたんだ」
ツナが思い出した様子でXANXUSを振り返る。
「なんだ?」
「ん~?アイツらの補給ルートを潰しておいてほしいんだけど」
にこやかにのたまったツナに、XANXUSは口元を引き攣らせた。
「今回は警察に任せるんじゃねェのかよ」
「任せるよ~?リモンチェッロのことはね。でも、それとウチの同盟ファミリーに手を出したのとは別だろ?」
“そのため”のヴァリアーじゃないか。との言葉にXANXUSはああ、と頷いた。
「そういうことだな・・・どうせ、俺達を今回の件に関わらせる気はねェんだろ?」
「当然だね。警察と一緒に動いてんのに暗殺部隊同行させてどうすんのさ」
「・・・だ、そうだ。ベル、マーモン、テメェらは日本ルートの情報を集めろ。レヴィ、ルッスはアメリカルートだ」
「ボスー、ミーと隊長は待機ですかー?」
「テメェらは黒曜だ。こいつらが集めた情報を黒曜でまとめてからこっちに寄越せ」
「ゲロッ・・・師匠のトコですかー」
無表情で呟くフランだが、若干嫌そうに聞こえるのは気のせいだろうか。
「そーか、調べた痕跡も消しとかないといけないな。霧部隊も黒曜に回すよ」
「クローム髑髏はテメェの傍に置いておけ。いざって時の六道骸とのつなぎ役になる」
「うん、わかってる」
XANXUSの言葉に頷いたツナははフランに視線を向ける。
「多分、骸は契約した誰かの身体を使って向こうに潜入してる。フランはそのフォローを頼むね」
「りょーかいですー・・・じゃ、いま黒曜は犬ニーサンと千種ニーサンしかいないんですかー?」
「M.Mもいるんじゃない?骸の身体、黒曜で守ってるだろうし」
「あー“骸ちゃん大好きー”ですからねー」
思わず納得したフランの脇で、ベルが首を傾げた。
「シシッ・・・補給ルートだけでイイのかよ?なんなら組織根こそぎ潰してきたって良いけど?」
「あーダメダメ。相手はイタリアンマフィアじゃないんだから。ボンゴレの名前で派手なことは出来ないだろ?」
「ちぇー。つまんねーの。ぜーんぶ王子が切り刻んじゃえば、ちょー簡単に片付くじゃん」
「はいはい、王子は大人しく情報収集しててねー。間違ってもサクッと殺しちゃダメだかんねー。マーモン、ベルを見張っててよ?」
「わかったよ。暴れないようにすれば良いんだろう?」
いつもなら報酬の上乗せを口にするマーモンだが、ツナの機嫌の具合を考えて口を閉ざした。
「・・・わかったのなら、散れ」
ギロリと紅い瞳に睨まれ、ヴァリアー幹部は早速行動を開始する。
そんな幹部達を見送り、ツナは1人残ったXANXUSを振り返る。
「XANXUS」
「なんだ?」
「総本部の方は大丈夫そう?」
「まぁ、問題ねぇだろ。9代目のジジィやその守護者もいやがるし、チェデフもいる」
「それが心配なんだけどねー」
ツナはぼやき、肩を竦める。
確かに戦力はガタ落ちだが、今更ボンゴレに手を出そうとする連中はよっぽどのバカか、恐れを知らぬ新興勢力くらいだろう。彼らだけでも充分に対応できる。
そうXANXUSが言えば、ツナはその辺りは心配していないと告げ、肩を落とした。
「じゃあ、何が心配なんだ?」
XANXUSが怪訝な表情をうかべて訊ねる。
「父さんやじい様に色々と調べられてやしないかと、心配してる」
「あぁ、そっちの方か」
門外顧問と9代目。ツナLOVE!の2人がツナの留守中に通常業務だけでなく“ヒミツの業務”まで探り出したら後々が面倒そうだとXANXUSは溜息を漏らした。
「あれ、綱吉君のPCのセキュリティ高くしなかったっけ?」
正一が首を傾げると、ツナは溜息を漏らす。
「正一君、甘いよ・・・じい様、9代目の超直感もすっごい当たるんだぞー」
「綱吉が本格的に“力”を使い出すまでは“神の采配”なんて謳われていたしな」
「セキュリティにまで介入できるなんて・・・さすが“ブラッド・オブ・ボンゴレ”非常識極まりない」
ボソリ、とランボが呟く。
「ランボ~、それ骸と同じこと言ってるよ~」
あれ~?接点あったっけ~?なんて首を傾げていると、ランボは呆れたように言った。
「六道氏の真似とかそういうのではなくて、本気でそう思うから言った」
「えー、非常識って言われても、血筋だもんさ~・・・なぁ?XANXUS?」
「・・・それは俺への厭味か?」
「え~違うよ~。そういう風に聞こえた?」
「いや・・・テメェならさらっと言いそうな気がしてな」
彼から視線を逸らしながらXANXUSはぼやく。
血筋など今となっては別段気にしていない。だが、ツナが言うとどうしてもリング争奪戦の時のことが思い出されて口の中に苦いものが広がる。
「・・・俺、そこまで意地悪じゃないけど」
ハッとしてツナを見れば、困ったように眉をハの字にして首を傾げていた。
「悪ィ・・・少しナーバスになっていた」
「別に良いけどさぁ・・・どうかしたの?直前に請け負ってた任務で何かあった?」
「いや、ガキ共を見ていたらテメェのガキの頃を思い出しただけだ」
嫌だ嫌だと言いながら散々マフィア関連の事件に巻き込まれ、否応なしに力をつけなければならなかった中学生の頃のツナ。
彼の運命を決定的にしたのは、あのリング争奪戦だとXANXUSは思っている。
あの時、どう足掻いてでも負かしてやれば良かったかとも思うが、そうしていたら今頃はボンゴレなど存在していないかもしれない。
ツナがボンゴレ10代目だったからこそ乗り越えられた壁もあるのだ。
「・・・そう。じゃあ、早々に立ち去ろうかな?」
XANXUSの意をくみとったのか、クツリと笑ったツナは子ども達の方へ向き直って退出を促す。
「・・・綱吉」
「ん?」
「まだ、ボンゴレ10代目なんて嫌だと思ってるか?」
「思ってないよ。ただ、ボンゴレをブッ壊してやろうとは思ってるけどね」
「・・・お手並み拝見だな」
ニヤリと笑うXANXUSに笑みを向け、ツナは子ども達と共に扉の向こうに消えた。
「・・・ボンゴレをブッ壊す、か。そこだけは変らねェんだな」
ポツリと呟き、XANXUSは目を細めた。