クロスオーバー! REBORN!×名探偵コナン 作:cibetkato
目暮達を引き連れて毛利探偵事務所にやってきたコナン達は、テレビで競馬中継を夢中になって見ていた名探偵を目に入れた瞬間、がくりと肩を落とした。
「・・・毛利君・・・」
「っ!?・・・こ、これは、目暮警部殿!!」
慌ててテレビを消し、立ちあがった小五郎はビシっと敬礼をする。
「・・・随分、暇なようだが?」
「あ、いえ・・・その~・・・ははは」
言い訳が思いつかず、結局笑ってごまかす。
「ねぇ、おじさん・・・警部さんね、相談したいことがあるんだって」
そこにコナンが本題に入るべく口を挟む。
「相談?・・・どういうことです?」
途端に真面目な表情になった小五郎が視線を向けると、目暮は重い口を開いた。
「うむ・・・実はな・・・ここ最近、妙な事件が続いていてな」
「妙な事件、と言いますと?」
「ここ一週間、立て続けにショットバーやエールハウスで、傷害事件が起こっているんだが・・・その現場には、必ず、『A caro il decimo(親愛なる10代目へ)』とイタリア語で書かれた紙が置いてあるんだ」
「・・・親愛なる、10代目へ・・・ですか」
「ああ・・・しかも、被害者死亡により、傷害事件から傷害致死事件に移行。
さらに被害者はどうやら堅気の人間じゃないようでな・・・マル暴(組織犯罪対策部)と合同捜査で動いているところなんだが、身元が一切わからんのだよ。
10代目、というのが誰を指すのかわかれば、また、違うと思うのだが・・・」
目暮の言葉を聞いて、大人達とは別に少年探偵団たる子ども達もコソコソと相談をしだす。
「10代目・・・というと、どこかの暴力団の組長ってことでしょうか?」
「それなら、すぐに警察でわかるんじゃないかな?」
「けどよ、なんでイタリア語なんだ?ここは日本だぜ?」
光彦や歩美、元太が様々言う中で、コナンと哀は、元太の素朴な疑問に引っかかりを覚えた。
「イタリア語・・・って、まさか・・・」
「・・・その、まさかじゃないの?・・・イタリアは、マフィアのメッカよ」
「ねぇ、おじさ・・・!」
振り返り小五郎に告げようとしたコナンだったが、目の前に白鳥の顔があってギョッとする。
「し、白鳥、警部?」
「うん、良い着眼点だと思うよ・・・イタリアのマフィアか・・・とすると、なぜ日本で事を起こす必要があったのかが問題になってくるけど・・・」
「白鳥警部・・・子どもの言うことなんざ、当てになりませんよ?」
小五郎が呆れたように言えば、白鳥は大真面目に反論した。
「いえいえ、毛利さん。・・・コナン君達の言葉で、事件が解決した事実がある以上は、聞き逃すことはできませんよ」
「・・・そう、ですかねぇ・・・」
納得しがたい様子の小五郎だったが、目暮は少年探偵団に向き直り、目線を合わせるようにしゃがみ込んだ。
「他に、気付いたことはあるかね?」
「・・・ショットバーやエールハウスって・・・お酒を飲むところだよね?」
コナンが問えば、高木が頷いた。
「ああ、そうだよ。・・・どの現場もお酒を取り扱うお店なんだ、珍しいお酒なんかも置いていて、結構人気があったらしいんだけど・・・」
「死んじゃった人って・・・そのお店の人だったんですか?」
今度は光彦が問う。
「そう、従業員として働いていたらしいんだけど・・・採用した時の書類は、免許証も含めて全部偽造だったんだよ・・・だから、堅気じゃないってわかったんだけどね」
「免許証まで偽造できるとなると、相当大きな組織ということになるわね」
ボソ、と哀が呟くと、佐藤が頷く。
「そういうことね・・・それにね、妙って言うのはそれだけじゃないのよ、傷害事件の被害者が、亡くなった1人を除いて、警察の取り調べを受けた後に全員行方不明になっているの」
その言葉に、小五郎がギョッとした。
「被害者が全員いなくなったぁ!?・・・目暮警部殿・・・それは・・・」
「ああ・・・当時の状況をもう一度訊こうとして探したんだが・・・店は辞めているし、家も引き払っていて・・・これはますます怪しいということで、被害者全員の身元を調査したら・・・」
「まさかとは思いますが・・・全員、偽造・・・とか?」
恐る恐る訊ねる小五郎に、目暮は複雑な表情で頷いた。
「・・・その、まさかなんだよ、毛利君・・・」
愕然とする小五郎。
目暮と小五郎のやり取りを聞いていたコナンは、わずかに眉間にしわを寄せた。
(ショットバー・・・あの黒の組織のアジトらしき大黒ビルの「カクテル」という店も、バーだったけど・・・まさか・・・な)
嫌な予感だ。
否応なしにこの事件に巻き込まれるだろうことを確信して、コナンは強く拳を握りしめた。