クロスオーバー! REBORN!×名探偵コナン   作:cibetkato

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守護者はボスの勝手にご立腹

 一方、獄寺、山本、雲雀の3人は痛む身体を引きずりながら基地の中を移動していた。

 

「あの時からだね・・・僕が綱吉の無理に異様にムカつくようになったのは」

 

「あ?」

 

「あの時?」

 

 雲雀がポツリと呟いたのに、獄寺と山本が首を捻る。

 

「・・・桃巨会の事件、覚えてるだろう?」

 

「ああ、鉄側警視と出会ったきっかけになったっていう事件か」

 

「イタリアでのゴタゴタが無かったら、10代目にあんな怪我をさせずに済んだのに」

 

 今でも腸が煮え繰り返る思いだ。

 

 並盛中の同級生達を相手に、イタリアンマフィアと桃巨会が手を組んだ巨大詐欺事件。その事件を解決に導いたかと思った後に京子が攫われ、彼女を助けに行ったツナが人質となった京子のために無抵抗で暴行された。

 

 更にツナは京子と引き換えに人質にされて両太腿を撃ち抜かれ、ブチギレた雲雀が咬み殺した後、逮捕されそうになったイタリアンマフィアの凶弾から雲雀を庇ったのだ。暴行を受けたその身体で。

 

 あの後、ランボを除いた守護者で“うっかり”そのマフィアが関係した組織全てを潰してしまったくらいには、皆、腹を立てていた。

 

「いや~、後で我に返って肝が冷えたな、アレ」

 

「ああ、守護者全員で復讐者行きかと思ったぜ」

 

 今となっては笑い話だが、事情を聞いてチェデフからスッ飛んできたラルに怒鳴られて、ようやく事態の重さに気付いて慌てたことを覚えている。

 

「まったく・・・あんな怪我をした身体で僕を庇うとか、ふざけた真似をしてくれて・・・僕のプライドはズタズタだったよ」

 

 雲雀は眉間のしわを深めて呻く。

 

「まぁ、ボスが守護者守ってどうすんだって話だよな~。さすがの俺もツナに怒鳴っちまったし」

 

「俺も、1時間小言を言わせてもらった」

 

 舌の根も乾かぬうちにという程短い年月ではないが、あの時もう無理はしないと約束したツナがまたも自分の身を危険にさらすのだ。

 

「・・・今度は、1時間じゃ済ませられねェな」

 

 ボソ、と獄寺が呟くと山本は苦笑した。

 

「ハハッ・・・自業自得とはいえ、気の毒だな」

 

「当然でしょ、僕もこのムカつきを彼に伝えなきゃ気が済まない。獄寺、説教の前に一発綱吉を殴らせてよ」

 

「一発なら許す」

 

 いつもなら10代目に手をあげるなんて!と大騒ぎしそうな獄寺が、雲雀の申し出を許可するとはかなり怒っている証拠だ。

 

 と思いつつ、

 

「まぁ、一発なら・・・いっか」

 

 などと許容している山本自身も、ツナの無茶に腹を立てていたのだった。

 

「しかし、リボーンさんも10代目が囮役を買って出ることに気付いてたのか?・・・やたらと壁に打ちつけてくれたように思うんだが」

 

「あー、かもなァ。・・・リボーンはツナの先生だぜ?生徒のことくらいお見通しだろ」

 

「だよな。・・・あ~、クソッ・・・身体中が軋んで急ぎたくても急げねェじゃねェか!!」

 

 獄寺が喚いていると、突然、前方の右脇のドアがスライドし、そこからにゅっと人が出て来た。

 

「おわッ!!」

 

 思わず身を引いた山本に彼は胡乱気な視線を向けた。

 

「・・・なんでアンタらがここ歩いてるんだ?」

 

「「スパナ!?」」

 

「ん?」

 

 コトリ、と首を傾げるスパナに獄寺と山本は詰め寄った。

 

「す、スパナ!おまえ、車とか運転できたり・・・」

 

「できるけど・・・」

 

「頼む!!並盛埠頭まで送ってくれ!!」

 

「・・・ボンゴレがアンタらには手を貸すなって言ってたから、ダメ」

 

「じゅ、10代目・・・なんつー用意周到な・・・!」

 

「ツナの超直感、ナメてたわけじゃね―けど・・・なんか余計に腹立って来たのな」

 

 あっさりとスパナに断られ、獄寺と山本が呻く。

 

「・・・当初の予定通り表通りの出入り口から出て、タクシーを拾うしかないね」

 

「ああ」

 

「そーだなァ」

 

 予想していたのかあくまでも冷静な雲雀の言葉に、獄寺と山本はガックリと肩を落としたのだった。

 

 

***

 

 

 薄暗い部屋の中、白い指がするりと藍色の髪を梳く。

 

「・・・M.M?」

 

「あっ、骸ちゃん!起きたのね!」

 

 パッと笑顔になったM.Mを映したオッドアイを眇め、骸は起きあがる。

 

「・・・まったく、ボンゴレも無茶をする」

 

「何が?」

 

 M.Mがその呟きを耳で拾って問うてくるが、骸はそれには答えずに問い返した。

 

「・・・ヴァリアーは来てますか?」

 

「来てるわよ、フランと鮫」

 

「また、素晴らしい人選ですね」

 

 ちっとも素晴らしいとは思っていないような口調で呟き、骸はM.Mを引き連れて自室を出る。

 

 目覚めたばかりで重い身体を引きずり、向かった先は黒曜ランドの元映画館だった場所。

 

「・・・フラン」

 

「あー、師匠・・・おはようございますー」

 

「フラン、今は夕刻です。言うならこんばんはでしょう」

 

 フランのボケに軽くツッコミを入れ、骸はスクアーロを睥睨した。

 

「おたくのボスに伝えなさい。今すぐ基地内をヨタヨタと歩いている守護者3人をひっ捕まえて並盛埠頭に向かえ、とね」

 

「ああ!?どういう意味だぁあ!」

 

「いいから、さっさと連絡取りなさい」

 

 骸に三叉槍を向けて凄まれ、スクアーロは不審げに眉根を寄せながらXANXUSに連絡を取る。

 

『・・・どうした』

 

「あー、六道の奴がなぁ゛、今すぐ基地内をヨタヨタと歩いてる守護者の連中を連れて並盛埠頭に向かえッつってんだけどよォ゛・・・」

 

 スクアーロの言葉で、XANXUSはピンときた。

 

『フン、わざわざ説教役を俺が連れて行くのか?』

 

「僕はヴァリアー側の調査に組み込まれました。もう入り込んでいる必要はないとクロームを通じて命じられましてね。

 ・・・まぁ、無視しても良いんですが後が面倒ですし、こちらの方が面白そうなのは確かです。ですから、ボンゴレを説教するのは彼らに任せることにします」

 

「・・・だそうだァ」

 

『・・・わかった』

 

 骸も綱吉の無茶に相当腹を立てているらしい。

 

 素直に心配だ、と口にすればいいものを。そう呆れながらもXANXUSは退屈凌ぎにはなるかと頷いた。

 

「・・・綱吉のヤツは、何したんだァ?」

 

 通話を終えると、スクアーロは骸に視線を向ける。

 

「別に、ただ囮になってるだけですよ」

 

「そんなコトで説教かァ!?・・・綱吉は強い、そんな心配いらねェだろうがァ!」

 

「そりゃ、5年前とは違うというのはわかってますけどね・・・」

 

 5年前と言われて、スクアーロは漸く守護者がツナに口煩くなる理由に気付いた。

 

「・・・アレは、しょうがねェだろォ」

 

 というか、その後の守護者の暴れっぷりの方が説教モノだと思うのだが。

 

「彼がそういう気質だということはわかってますよ。それに、僕は他の守護者とは立場が違いますから彼の無茶に腹を立てているわけじゃありません」

 

 骸の扱いはボンゴレの中でも曖昧だ。

 

 骸に命令できるのはツナだけ。お願いできるのはクロームだけ。そして、対等にビジネスが出来るのはヴァリアーだけ。

 

 徹底的に他のマフィアとの関わりを排除した骸だが、復讐者を出所してすこし丸くなったように思う。

 

「じゃあ、何に腹を立ててるんだァ?」

 

「・・・彼が僕との約束を忘れてるんじゃないかと思いましてね」

 

「約束だァ!?・・・綱吉とお前がかぁ!?」

 

 スクアーロの大きな声に、骸は眉を顰める。

 

(煩い鮫ですね・・・)

 

「・・・そう、彼が10代目に就任する前夜に呼び出されまして、その時に」

 

 交わされた約束は、ボンゴレに属する者には決して話さないと決めたこと。

 

 説明して欲しそうなスクアーロを無視し、骸は彼に背を向けた。

 

「さて、ヤツ等の補給ルートを潰すのでしたね。さっさととりかかりましょうか」

 

「あ、ああ゛」

 

 あっさりと話題を変えられ、スクアーロは骸から聞き出すことを諦めたのだった。

 

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