クロスオーバー! REBORN!×名探偵コナン   作:cibetkato

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過去のツナがやって来た 4

「・・・僕達から見たツナさんは仲間のために戦ってた。ちょっと愛情表現が激し過ぎるところもあったけど、それは八つ当たりなんだって言ってた」

 

 コナンが言うと、守護者達は初耳だという顔をして首を傾げる。

 

「・・・どういうこと?」

 

「本当は継ぎたくなかったけど、それは“逃げ”だからって・・・それで、10代目を継いだことを喜ぶみんなに少しだけ八つ当たりしちゃうんだって」

 

 “逃げ”という言葉に、ツナは苦笑した。

 

「・・・そっか。もう、関係ないなんて言えないトコまで来ちゃってるんだもんな」

 

 骸と獄寺とランボ以外の守護者と京子、ハル。本来ならばマフィアと関わることもなく暮らしていくハズだった彼等を巻き込んだ。

 

 それを口にした時にリボーンに散々説教をされたことを思い出す。

 

【アイツらは自分で選んだんだぞ。オメェはこれからもずっと逃げまわるのか?ボンゴレをブッ壊すんじゃねぇのか?】

 

「・・・ボンゴレをブッ壊す・・・この誓いからは逃げられない」

 

 その言葉に、守護者達は既視感を覚える。

 

【ボンゴレをブッ壊す・・・それが俺が10代目を継ぐ理由だよ。それでも俺について来てくれるのなら、このリングをもう一度受け取って欲しい】

 

 継承式の前日。呼び出された守護者達はツナにそう問われ、忠誠を誓った。――数名、捻くれた回答をした者もいたが。

 

 目の前の10年前のツナはその時よりも幼いはずなのに、同じ目をしていた。

 

 ああ、覚悟をした者の目だ、と守護者達は思う。

 

「もう、覚悟を決めてたのか?」

 

 リボーンが問う。

 

「・・・ううん、まだ・・・足掻いてるよ」

 

 そうは言いながらも、ツナの眼光は強さを保ったままだ。

 

「・・・クフフ」

 

 骸が不意にツナの傍に歩み寄り、その頭をぐしゃりと掻きまわした。

 

「わっ!?・・・な、なんだよ、骸!」

 

「なんとなくですよ。・・・そんな往生際の悪い君に一つだけ教えてあげます」

 

 訝しげに首を傾げるツナに、骸は笑みをうかべた。

 

「継承式の前夜、僕は君に言われたことがあります。それは・・・」

 

 口を耳元に近づけ、骸は囁く。ひゅ、とツナは息を呑んだ。

 

 未来の自分は、この男にそんなことを言ったのか、と。

 

「これは僕と君だけの秘密です。他言無用ですよ」

 

 骸は念を押し、それからリボーン達に視線を向け意味深な笑みをうかべた。

 

「沢田綱吉の本心は・・・黄のアルコバレーノですら知ることのない所にある」

 

「どういう意味だ」

 

「そのままの意味ですよ・・・10年前の沢田綱吉、絶対に話すんじゃありませんよ?」

 

 リボーンが殺気立つのを目の前にしても顔色一つ変えず、骸は微笑んだままツナに再度確認をする。

 

「・・・うん、わかった・・・」

 

 ツナは頷き、骸の傍を離れてリボーンの腕に触れた。

 

「・・・落ち着いて、リボーン」

 

 途端に、リボーンの殺気が霧散する。

 

 それを見ていた守護者はやはりと思う。

 

 リボーンは大人の姿に戻ってから、たとえ愛人のビアンキであろうと、許しなしには“腕”にさわらせなかった。

 

 唯一、ツナだけはそれを許されていて、2人で乗り越えてきたいくつもの試練が生んだ信頼関係によるものなのだと理解されていた。

 

 そして、それは10年前のツナであっても同様らしい。

 

「・・・ツナ、俺にも言えねェことなのか」

 

「うん、これは・・・ボンゴレに属している者には話したらいけないことなんだ。骸は、少し違う立場だから・・・」

 

 呟くように言うツナは、絶対に口外しないと決意しているようだった。

 

「・・・そうか」

 

(“このツナ”ならば、無理矢理読心術で読めなくもない)

 

 そう思ったリボーンだったが、それはツナとの信頼関係を自ら崩すことだとブレーキをかけた。

 

 それを見ていたコナンは、不意に気づいた。

 

「・・・そうか、もうあの時からツナさんはあの人達の“ボス”なんだな」

 

「・・・どういうこと?」

 

 その呟きに隣にいた哀が首を傾げた。

 

「だって、考えても見ろよ・・・10年前のツナさんなのに、あの人達は全く変わらない態度をとってるんだぞ」

 

 少なくとも、ツナがオロオロしていてもバカにしたり、落胆したりした様子は見えない。

 

「そう言われればそうだわ。私達が見てきた“普段通り”の彼等のまま・・・」

 

 哀は納得し、それから淡い笑みをうかべた。

 

「ツナさんって、妙なカリスマ性があるよな」

 

 コナンが言えば、哀も頷く。

 

「そうね、頼りなさげに見えるのに、この人と一緒にいたら大丈夫って思わせる何かを持っているのよね」

 

 コソコソと話す2人に気づいたのは意外にもランボで、その話を聞いて自分のことでもないのに嬉しくなり、そっと歩み寄って2人の頭を思いっきり撫でた。

 

「「!!」」

 

 びっくりしたコナンと哀はバッと上を見上げ、嬉しそうな笑みをうかべるランボを視界に入れて苦笑する。

 

「ありがとう」

 

 コナンと哀には、ランボの言葉は様々な意味が込められているとわかった。だが、一斉に皆の視線がこちらに向いたので2人はギクリと身体を強張らせた。

 

「アホ牛、何やってんだ」

 

「ランボ、まさか子どもを虐めてるんじゃないよな?」

 

 リボーンとツナがそう言えば、ランボはブンブンと首を横に振る。

 

「そ、そんなことしてない!してないぞ、若きボンゴレ!信じてくれ!」

 

「そんな力一杯否定しなくても信じるけどさ・・・えーと、コナン君と哀ちゃんだっけ?」

 

 近付いて首を傾げるツナに、コナンと哀はおずおずと頷く。

 

「良くわからないんだけど・・・“黒のつく物”に気をつけてね?」

 

 唐突に言われたコナンと哀はギョッとして目を瞠る。

 

 “このツナ”は、コナン達の事情を知らないはず。

 

「・・・ツナ、なんでそう思ったんだ?」

 

 2人の事情をツナから聞いていたリボーンが訊ねる。

 

「ん?・・・うーん、なんでだろう?でもなんかそんな感じがしたんだけど・・・」

 

 首を傾げるツナは、未だに超直感を使いこなせていない様子だった。

 

「そうか・・・ツナの勘は当たる。気をつけろよ?」

 

 リボーンはコナンと哀に向かってそう言う。2人は顔を見合わせてから頷いた。

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