クロスオーバー! REBORN!×名探偵コナン   作:cibetkato

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探偵とマフィア、出会う

 事件の概要を目暮から聞いた翌日、コナン達少年探偵団は、公園に集まっていた。

 

「やっぱり気になりますね・・・」

 

 光彦が呟き、歩美や元太が首を傾げる。

 

「光彦君?」

 

「何のことだよ?」

 

「・・・事件のことですよ・・・白鳥警部も言ってましたけど、イタリアンマフィアのボスへのメッセージなら、どうして日本で事件を起こしたんでしょう?・・・耳に、入らないかもしれないじゃないですか」

 

 相手は遠い異国の地にいるのだ。だとしたら、直接イタリアで事に及んだ方が、メッセージも伝わりやすい。

 

「報復が怖かったのかもしれないわね」

 

「報復、ですか?」

 

「ええ。・・・だって、イタリアに直接乗り込めば、地の利は向こうにあるわけだし・・・それに、絶対にそのメッセージが相手に伝わると確信していたからこその、行動だったんじゃないかしら」

 

 哀の言葉に、光彦は目を輝かせる。

 

「さすが灰原さんです!!・・・と、すると、今回の犯人は、日本に地の利があって、相手を知り尽くしているってことでしょうか?」

 

「・・・どう?江戸川君?」

 

「ああ、灰原の考えで、ほぼ間違ってねェだろうな・・・」

 

「ほぼ、ですか?」

 

 光彦が首を傾げる。

 

「ああ、報復を怖がったというのはちょっと考えにくい。・・・俺は、今回の事件はその逆・・・おそらく、潜入されたことに対する報復、と考えている」

 

「つまり・・・どういうことだよ?」

 

「潜入されたことに気付いた。だから、潜入先のショットバーやエールハウスで襲った・・・そして、この日本に来るように、挑発している・・・たぶん、狙われているのは、その被害者達が所属していた組織のリーダーだ」

 

「そういうこと・・・相手の地の利が無い、この日本におびき寄せるための、あのメッセージというわけね」

 

「そっかぁ・・・じゃあ、狙われている人に、教えてあげなきゃ!!」

 

 歩美の言葉に、光彦が顔を顰める。

 

「・・・ですが、狙われているのが誰かもわかりませんし・・・それに、相手はおそらく、マフィアのボスってコトになるんですよ?近づくことなんて、できませんよ・・・」

 

「警察がマフィアを守るとも思えねェしな」

 

 コナンも光彦に同意する。

 

 歩美は俯きながらも、告げる。

 

「そうなんだけど・・・でも、痛い思いをするのは、誰だって、嫌だと思うの・・・たとえ、悪い人だったとしても、狙われてるなら・・・守らなくても良いから・・・せめて、教えてあげたいよ・・・」

 

「・・・歩美ちゃんは、優しいね」

 

 コナンが苦笑をうかべる。悪人に人権はない、とまでは言わないが、悪は悪同士、潰しあってもしょうがないというのは、歩美には“冷酷な判断”と思われたようだ。

 

「・・・でも、教えてあげたくても、誰かがわからないと・・・ね」

 

 哀が言えば、ず~ん、と暗くなる一同。

 

「あ、ごめんなさい・・・」

 

「灰原・・・」

 

 余計な一言を口にしてしまった哀に、コナンは呆れたような視線を送る。

 

「・・・皆サン、どうしましたカ?」

 

 外国語訛りのある聞き覚えのある声に、コナン達は振り返る。

 

「あ、イーピンお姉さん?」

 

 歩美が首を傾げた。

 

 以前、わずかな期間だったが、コナンが住む毛利探偵事務所の下の喫茶店“ポワロ”でバイトをしていた、中国人留学生のイーピンがそこにいたからだった。

 

「あれ?なんで、米花町に?」

 

 光彦も不思議そうに問う。

 

 本来住む場所は並盛町で、その町でのバイトが一時的に出来なくなって、“ポワロ”でのバイトを友人に紹介して貰い“繋ぎ”として働いていた、と説明したのは彼女自身だからだ。

 

「また、バイト出来なくなったのかよ?」

 

 元太が訊くと、イーピンはフルフルと首を振った。

 

「いいえ、違いますヨ。今日は、以前からお世話になっている人が、毛利さんに逢いたいというので、米花町に来ましタ」

 

 ニコニコと笑うイーピンの傍には誰もいない。

 

「・・・その人は・・・どこにいるの?」

 

 歩美が首を傾げる。

 

「ええと、待ち合わせ、してマス」

 

 答えたイーピンに、ナルホド、と納得したコナン達は、イーピンの待ち人を一緒に待つことにした。

 

 

***

 

 

 しばらく談笑していると、遠くの方からイーピンを呼ぶ声が聞こえた。

 

「・・・おーい、イーピン!」

 

「あっ・・・ツナサン!!」

 

 イーピンが立ち上がり、嬉しそうに笑う。

 

 駆け寄ってきたのは、金色に近い茶色の髪と、琥珀色の瞳をした、青年だった。

 

「ごめん、ちょっと道が混んでて・・・ん?この子達は?」

 

「毛利さんの所に住んでいる、コナン君と、小学校のお友達の、歩美ちゃん、光彦君、元太君に、哀ちゃんです」

 

「へー、毛利さんのところに住んでるんだ~」

 

 ニコニコと笑い、彼は目線を合わせるように、しゃがみ込む。

 

「俺は、沢田綱吉です、ツナって呼んでくれると嬉しいな」

 

 人好きのする笑みに、つられるように、子ども達も笑顔になる。

 

 ツナに手を差し出され、コナンがその手を握り締めたその時、ツナが驚いたような表情をうかべた。

 

「ツナお兄さん?どうしたの?」

 

 歩美が首を傾げると、ツナはハッとする。

 

「あ、ううん。何でもないよ・・・」

 

 慌てて歩美達に向き直り、首を振るツナに、コナンと哀は視線を合わせる。

 

「・・・江戸川君、何かあったの?」

 

「いや、普通に・・・握手をしただけなんだけど・・・」

 

 哀の問いに、困惑した様子でコナンは答える。

 

「・・・あ、ごめんね、コナン君・・・思ったより、手を握った感触が柔らかくて、びっくりしちゃったんだよ」

 

 苦笑をうかべるツナがそう言い訳をするので、コナンも哀も納得せざるを得ないが、どう考えても彼の様子はおかしかった。

 

「あの、ツナサン・・・時間は大丈夫なんですか?」

 

「あ、うん。隼人や武は別の用件を頼んであるし・・・了平さんは財団の方に行って情報収集してるし・・・報告待ちの間、ヒマなんだ」

 

「あの、ツナさんは、おいくつなんですか?」

 

 イーピンに笑顔で答えていたツナに、光彦が訊ねる。話を聞くからに、就業しているようなのだが、どう見ても学生にしか見えなかったからだった。

 

「あー・・・良く聞かれるんだよねぇ・・・」

 

 苦笑するツナに、イーピンはクスクスと笑う。

 

「ツナサンは、年齢不詳って、言われていますから」

 

「もー、失礼しちゃうよねぇ・・・あ、ごめん、年齢だったよね?俺はね、今年で24歳だよ」

 

 じっと答えを待っていた光彦に、そうツナが答えると、子ども達は仰天した。

 

「「「「「・・・に、24~~!?」」」」」

 

「あはは、やっぱり驚いたかぁ・・・なぁ、イーピン、俺、そんなに童顔かなぁ?」

 

「・・・えーと・・・若作りですね」

 

「ものは言い様だね・・・というか、イーピン、どっからそんな言葉覚えて来たの・・・?」

 

「えと・・・雲雀サンが・・・そう言っておけば怒られないって・・・」

 

「・・・恭弥・・・今度会ったら、シメる・・・」

 

 ボソ、と呟いたツナに、イーピンはしまったと思う。この手の話題は、ツナには禁句だと思いだしたのだ。

 

「あ、あの!・・・ツナサン、毛利サンのトコに、行きませんか!?」

 

「あ、そうだね・・・じゃあ、コナン君達に、案内して貰おうかな?」

 

「「「「「はーい!!」」」」」

 

 子ども達に笑顔を向けるツナは、もういつも通りのツナで、イーピンはホッと胸を撫で下ろしたのだった。

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