クロスオーバー! REBORN!×名探偵コナン 作:cibetkato
そしてディーノが席に戻ると、さっそく社長夫人が声をかける。
「ねぇ、ディーノ君。この方達沢田さんとお知り合いなんですって、事件絡みでお会いしたそうよ」
「へぇ!ツナとねェ・・・それって最近か?」
「え、ええ」
「・・・じゃあ、アレか?ボンゴレに喧嘩売ってきたっていうアメリカのなんとかっていう組織の事件か?」
どうやら彼から聞いていたらしい。
「そうです」
新一が頷くと、ディーノは苦笑した。
「じゃあ、ツナに伝えた方が良かったかなァ。アイツ、随分とその時に親しくなったっていう探偵にご執心だったから」
なにせ、あの後も守護者達(しかも雲雀と骸)に頼み込んで様子を報告させていたくらいなのだから。
「セレモニーで会えるんですよね?なら、その時にご挨拶します」
「お、そうか?なら良いけど」
ディーノはニカリと笑って言葉を続ける。
「ということは、ツナがマフィアだって知ってんだな。・・・じゃあ、俺も隠す必要はねーか」
「え?」
どういう意味かと新一達が首を傾げる。
「うん、だからな、俺もキャバッローネファミリーっていうマフィアのボスなんだ。ボンゴレとは同盟関係なんだぜ」
爽やかな笑みをうかべてぶっちゃけたディーノに、新一達は唖然とする。
「そ、それは、社長さんは・・・」
「ええ、知ってますよ」
ニコニコと答える社長に、怯えた様子は一切無く。
ボンゴレと同盟を組むくらいだから“イイもん”なんだろうとは思っていても、ここまで普通に接されると困惑してしまう。
「明日、楽しみだなー。ツナの驚く顔が目に浮かぶぜ」
ディーノは子どものように目を輝かせる。
「・・・だがな、ボス。絶対にボンゴレは超直感で気付いてそうだぜ」
そこに水を差したのは他でもない、彼の部下らしき人物だった。
「ロマーリオ!そう言うことは言うもんじゃないぜ!・・・まぁ、ツナの超直感は化け物じみてるけどな」
「・・・そんなことあの人等の前で言ったら、怒濤の嵐の守護者の攻撃で蜂の巣だぜ、ボス」
「ハハッ、獄寺も最近過激な行動が減って来たと思ったけど、相変わらずツナ命なんだよな」
「雨の守護者もそれなりにだと思うけどな」
「あー、山本なァ・・・そういや、恭弥も何かと口煩くなったって、ツナがぼやいてたな」
「へェ、愛されてんじゃねェか。ボンゴレも」
軽い調子で交わされる言葉にボスと部下という以上の関係が伺いしれて、それが彼等に被る。
「・・・仲、良いんですね」
思わず蘭がそう言葉を漏らせば、ディーノがニカリと笑う。
「まぁな!部下あってのボスだしな」
部下がいないとまるで駄目な大人であるディーノの言葉はある意味真理である。
「さて、それではここらでお開きにしましょうか。・・・服部君、自由行動は構わないがホテルの外には出ないようにしてくださいよ」
「おう、わかてるで」
平次が頷いて返事をしたところで会食がお開きとなり、それぞれがホテルの自室へと戻った。
自室に戻ってベッドに寝転がると、平次は大きな溜息をついた。
「あーあ!それにしたかて、ビックリしたなァ」
「・・・まさか、ツナさんの知り合いとは思わなかったよな」
そんな平次に苦笑し、新一も頷く。
「しかも、ツナさんがイベントのスポンサーやて?・・・信じられへんわ」
「まぁな・・・ああいう“ポリシーのある”組織だから、表の仕事もあるとは思ってたけど・・・ここまで手広くやってるとは思わなかったな」
「まったくやで。普通、マフィアちゅうのは裏で仕事するのんが当たり前と違うんかい?」
平次がヤサグレている。
まるで操られているかのような現状に不満があるらしい。
「機嫌直せって、明日にはツナさんに会えるんだぞ?」
「そら、嬉しいけどな・・・」
「まぁ、そういうことで・・・明日に備えて寝ておくか。先にシャワー使うぞ」
「おお、ええで~」
ヒラヒラと手を振って来る平次(まだヤサグレてる?)に苦笑し、新一はシャワー室に入っていく。
「・・・なんや、工藤のヤツ。めっちゃ楽しそうやな」
新一を見送った平次はそう呟いて、天井を眺める。
「・・・俺かて機嫌が悪いわけやない・・・なんや、俺等の知らんところで何かが決められてんかような気ぃして、怖いねん」
ポツリと呟いて、平次は静かに目を閉じた。
「・・・おーい、服部、あがったぞ・・・って、寝てんのか?」
しばらくしてシャワー室から戻ってきた新一は、静かに寝息をたてる平次の顔を覗き込む。
「・・・まぁ、疲れてたんだろうな・・・長旅だったし」
無理矢理起こすことも無いだろうと判断した新一は、平次は放っておいて自分も就寝することにした。
***
翌朝、ボーっとする頭を抱えて、平次は唸る。
「うー、時差ボケが今更来たで・・・」
「大丈夫か?・・・シャワー浴びて来いよ、少しはすっきりするだろ」
「・・・そーするわ」
よろよろとシャワー室に向かう平次を見送り、新一は逸る心を落ち着けようと深呼吸をする。
マフィアといえば犯罪者だが、彼等は違う。
一種のヒーローに憧れる少年のような気持ちになっているのに新一は気付いていた。
「・・・だって、カッコ良かったんだよ・・・」
誰にでもなく呟き、新一は口元が自然と緩むのを押さえようと自分で自分の頬をパンパンと叩いた。
「・・・何してんねや、工藤」
ちょうどそこに平次が現れて、呆れたような視線を向けてくる。
「・・・あ、いや、ちょっと」
へらりと笑った新一に肩を竦めてみせ、平次は溜息をついた。
「工藤は、楽しせやなァ・・・」
「そうか?」
「そうや。・・・ったく、浮かれてんのんが、まるわかりや」
「浮かれてる、か・・・たぶん、そうなんだろうな・・・でも、どうしても“この姿”であの人達に会いたかったんだ」
そう言って微笑んだ新一につられるようにして硬い表情を崩し、平次は苦笑した。
「しゃあないなァ・・・まぁ、和葉の言う通り探さへんでようなったのは、ラッキーちゅうことで前向きに考えるか」
気持ちを切り替えるように言った平次に頷いて見せ、新一は突き抜けるような青空を見上げた。