クロスオーバー! REBORN!×名探偵コナン   作:cibetkato

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旅は道連れ?世間は狭い! 4

 それぞれ朝食を終え、エントランスに集まった新一達。そわそわとする一行を迎えに来たのはディーノ達だった。

 

「よっ!よく眠れたか?」

 

 ニコリと笑うその姿は、まるで白馬に乗った王子様。

 

「・・・って、まんまやんけ!!!」

 

 思わず平次がツッコミを入れた。

 

 それもそのはず、ディーノは本気で不思議なオレンジ色のたてがみの白馬に乗っていたのだ。

 

「デ・・・ディーノさん・・・それ」

 

 いつもならば、白馬に乗った王子様~!とかはしゃぎそうな園子が愕然と呟く。さすがに言葉通りに白馬に乗って来られるとはしゃぐこともできないらしい。

 

「ああ、コイツはスクーデリアっつってな、俺の大事な相棒なんだぜ!」

 

 そう答えるディーノに、そうですか、としか言えない面々。

 

「ふふ、今回のイベントには彼の愛馬が必要だったのよ。だから連れて来てもらったの」

 

 困惑する新一達の元に、社長夫人がやって来てそう説明する。

 

「だ、だからって・・・ここまで乗ってきます?」

 

「あら、日本でも馬は軽車両扱いで公道を走れると思ったけれど」

 

「そ、それは、確かに・・・」

 

 そんな猛者を地元では見たことが無いが、法律上は許されているのは知っている。

 

 知っている、が・・・見ると聞くとでは大違いだ。

 

「大丈夫、コイツは賢いからな!」

 

 そういう問題でもない気がするが、しかしながら周りを見渡しても自分達ほど驚いている人はおらず、こういうことには慣れっこなのだろうかと首を傾げる。

 

「ホテルの人に何か言われたりしなかったの?」

 

 建物の外とはいえ、エントランスまで馬で乗り付けるというのは、いかがなものか。ホテルの従業員に文句を言われても仕方が無いのではと志保が問えば、ディーノはカラカラと笑った。

 

「だーいじょうぶ。ここのホテルはボンゴレの系列だから、コイツがオレの相棒だってことはよーく知ってるからな」

 

「そうじゃなくて・・・って、え?・・・ボンゴレ、系列?」

 

 志保が目を丸くする。

 

 自分達が泊まったホテルが、まさかボンゴレ系列とは思いもしなかったのだ。

 

「じゃあ、コレ・・・ツナさんの」

 

 新一がホテルを見上げて呟く。

 

「そ、これはツナのもんだぜ。・・・今回のイベントはツナがスポンサーだからな。来賓が止まるホテルはみんなボンゴレ系列のものを使ってるんだ」

 

 ディーノの説明に納得のいった様子で頷いた志保だったが、それでもやはり馬が気になるらしくじっとスクーデリアを見つめる。

 

「気になるか?・・・ワリィけど、そう簡単に出し入れできるもんじゃないから我慢してくれ」

 

「いえ・・・別に馬が嫌いなわけじゃなくて・・・このホテルだけじゃなく、公道を走るなら警察とか、いろいろ問題があるんじゃないかと思って」

 

「ああ、それな。・・・イベントで使うって州府には言ってあるから、問題無し!」

 

「・・・なら良いの、ごめんなさい」

 

 答えたディーノに、志保はようやく引き下がった。

 

「いやいや、心配してくれたんだろ?アリガトな」

 

 ニッと笑うディーノに、志保はかすかに笑みをうかべる。

 

 あれだけ食い下がって、文句のようにも聞こえるだろう言い方をしたのに、心配していたのだと気づいてくれたことにホッとしたのだ。

 

「――なぁ、触ってもええ?」

 

 そんな中、和葉がそうディーノに訊ねる。

 

「おう、良いぜ」

 

 許可が下りるのと同時に、女性陣が白馬を取り囲む。

 

「わー、めっちゃ可愛い」

 

「馬って、優しい目をしてるのね~」

 

「叔父様の牧場にもいたけど・・・ここまで綺麗な白馬を見たのって、初めてよ」

 

「まるで、人工物のようね」

 

 最後の志保の呟きに、ディーノがギクリと肩を揺らした。

 

 が、スクーデリアに夢中で誰もそのことには気付いた様子もなく、ディーノはホッと息をつく。

 

(やべー・・・匣兵器のことがばれたのかと思った)

 

 彼等はあくまでも一般人であり、差は有れどマフィアの事情を知るイタリア国民ですらない。そんな面々に匣兵器の事を知られるわけにはいかない。

 

(まぁ、知られたくらいで復讐者が動くわけじゃねーけど・・・巻き込んだりしたら、ツナが怒るだろうしなァ)

 

 ボンゴレほど一般人との線引きが厳しいファミリーは無い。

 

 ツナがボスになってからはそれはより顕著になった。

 

「ディーノ君・・・準備ができたのなら、そろそろ出発しないと」

 

 一見ぼーっとしているように見えるディーノに、社長夫人が声をかける。

 

「ん?・・・ああ、そうだな・・・ロマーリオ!」

 

 頷いたディーノは、後ろに控えていたロマーリオに声をかける。

 

「準備は出来てるぜ、ボス」

 

 そう言って、エントランスに停車していたリムジンのドアを開けるロマーリオ。

 

「さ、お嬢さん方、乗ってくれ」

 

 レディファーストだと言いながら恭しく女性陣を案内するロマーリオ。

 

 やはりイタリア男が女性に優しいというのは本当なのだと実感しながら女性陣4人がリムジンに乗り込むと、最後に社長夫人がそのリムジンに乗る。

 

「お前達はあっちの車だ」

 

 それを見届けたロマーリオは新一達にそう告げて、後ろに控えていたもう一台のリムジンを顎で指す。

 

 勝手に乗れと言わんばかりの女尊男卑な態度に、呆れを通り越して感心してしまった新一と平次は、大人しく指示された車に乗り込む。

 

「フフ・・・イタリアじゃ“ママン”が最強なんですよ」

 

 乗り込んだリムジンには既に社長が乗っていて、扱いの違いに戸惑いを見せていた新一と平次に苦笑をうかべる。

 

「さすがイタリアやな・・・」

 

 妙な感心の仕方をして見せ、平次はうんうんと頷いた。

 

「ま、大阪のおかんもおっかないけどな」

 

 その最強とちょっと違う気がする。

 

 そう思いながらも、新一は無言で頷いた。

 

 

***

 

 

 イベント会場のマニアチェの城塞に着くと、とにかく感動の嵐だった。

 

 同じ文化遺産でも、日本とイタリアとでは系統が全く違うのだから当然ともいえる。

 

「すごーい・・・」

 

 もうその言葉しか出ないのだろう。蘭の呟きに同意するかのように新一は頷く。

 

 いくつもの戦いをくぐり抜けてきたであろう城塞が今もなお堅牢なたたずまいでそこに存在している。

 

 観光目的ではなかったのだが、その景色に女性陣は大満足のようだった。

 

「おい、和葉!あんまりはしゃぐなや」

 

「ええやん!こっから見る海がめっちゃキレイやで~、平次も見てみィ!」

 

 はしゃぐ和葉に、平次は溜息をつく。

 

「ったく・・・俺等は来賓であって、ただの客ちゃうんやぞ」

 

「まぁまぁ、服部君・・・来賓といっても席があるわけでもないんだから、自由にしてくれて構いませんよ」

 

 社長にそう言われれば平次も渋々とだが頷くしかなく、新一と顔を見合わせて肩を竦める。

 

「まぁ、イイじゃねェか。・・・楽しそうなんだしよ」

 

 新一が言うと、平次は眉を顰める。

 

「それにしたって、はしゃぎ過ぎや・・・海に落ちても知らんで」

 

 イタリアに来てから苦労人度が増したんじゃなかろうかと思う平次である。

 

 新一はツナに会えることに浮かれていて、女性陣はイタリアに観光目的で来たかのようにはしゃいでいる。

 

 自分1人がかしこまっているのもアホらしくなってきて、平次は肩の力を抜いた。

 

「あーあ、アホらし。・・・緊張してたこっちがまちごうてたっちゅうことかいな」

 

 ぼやいたその時だった。

 

「あはは!ディーノさん、本当にスクーデリアに乗って来たんですか?」

 

 忘れようとしても忘れられない声が、耳に届いた。

 

 勢い良く振り返り、新一は目を丸くした。

 

「・・・ツナ、さん」

 

 あれから1年近くが経とうというのに、まったく変わった様子も無い。

 

 ディーノとにこやかに言葉を交わしていたツナが、不意にこちらに視線を向け、あ、という顔をする。

 

 そして、パタパタと駆け寄って来るツナに、新一と平次は緊張で表情を強張らせた。

 

「工藤君に服部君!久しぶりだったね!!」

 

 緊張する2人をよそに、ツナは満面の笑みで話しかけて来た。

 

「あ、はい・・・お久しぶりです、ツナさん」

 

 新一が声を絞り出せば、バシン、と腕を叩かれた。

 

「硬い硬い!!久しぶりだから緊張してるのかもしれないけど、もっと肩から力を抜きなよ!」

 

 ケタケタと笑うツナのテンションが高い。

 

 自分達との再会に喜んでくれているからだろうかと期待していると、護衛役なのだろうか、これまた見た顔が自分達の傍に寄って来る。

 

「ツナの言ってた懐かしい人に会う予感って、コイツ等のコトか~。・・・ホンットにツナの直感ってよく当たるのな」

 

 そう言ってフッと笑うのは、彼の雨の守護者、山本武。

 

「まさかだよ~、さすがに俺、彼等に会えるとは思ってなかったし」

 

 ニコニコと返すツナは上機嫌だ。

 

「ツナ、会いたいって言ってたもんな。ホント、久しぶりなのな、元気だったか?」

 

「あ、はい・・・山本さんも・・・」

 

「あ~!沢田さんに山本さん!!お久しぶりです~!」

 

 新一が返事をしようとしたその時、園子の大声にかき消される。

 

「やぁ、久しぶり。蘭さんに園子さんに・・・あ~、えっと」

 

「宮野志保・・・シェリーと言えばわかるかしら?」

 

 戸惑ったようなツナの視線に、志保が答えれば、ツナは破顔する。

 

「ああ、君かァ・・・元気そうで良かった。それで、そっちの子は・・・」

 

「俺の連れや。幼馴染の遠山和葉」

 

「よろしゅう」

 

 平次の紹介に合わせてニコリと笑った和葉に、ツナも微笑みかえす。

 

「うん、よろしくね・・・っと、呼んでるや・・・じゃあ、また後でね」

 

 セレモニー用に用意されたらしい舞台の方で呼ばれているのに気付いたツナは、名残惜しそうにしながらもその場を離れて行った。

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