クロスオーバー! REBORN!×名探偵コナン 作:cibetkato
「なぁ、平次・・・」
「なんや、和葉」
「ツナさんって・・・めっっっちゃ可愛い~!!」
「か、和葉っ・・・それ、ツナさんに言うなや?ブッ飛ばされんで!」
「お、おい・・・」
「ブッ・・・ククク・・・」
傍で山本が聞いているのに、と慌てる新一と、腹を抱えて笑う山本。
「・・・や、山本さん、あの沢田さんには・・・」
和葉がブッ飛ばされるのはまずかろうと蘭が懇願するような視線を山本に向ける。
「クク・・・あー、ツナは女子供には手をあげないし、ましてやボンゴレは掟で一般人に手を出さないように決めてるし、絶対大丈夫だぜ!」
ニカリとわらう山本に、蘭も園子もホッとする。
「何ソレ、ほんまにマフィアなん?・・・いやん、もー、ほんまにエエ人やん!」
和葉はツナとボンゴレがとてもお気に召したらしい。
「ハハッ!可愛い女の子にイイ人なんて言ってもらえたら、ウチの連中、皆喜ぶぜ!」
サラリと恥ずかしげもなく告げる山本に、女性陣が頬を真っ赤に染める。
「・・・うわ・・・イタリアに住んでると、純な日本人でもこうなるのか?」
「・・・さ、さぁ?」
山本のタラシっぷりに大いに困惑しながら、新一と平次は顔を見合わせた。
***
そしてセレモニーが終わると、ツナは真っ直ぐに新一達の元へとやって来る。
セレモニーでのツナのスピーチは堂に入ったものだった。それを告げれば、何とも微妙な表情でツナは答えた。
「まぁ、そういうお仕事も多いからねェ・・・」
スポンサーとしてだけでなく表の企業の社長として、そしてボンゴレファミリーの10代目として演台に立つ機会は多いという。
「マフィアって、やっぱり抗争ってヤツをしてるん?」
興味本位で訊ねる和葉に悪気はないが、新一達はハラハラとその様子を見守る。
「抗争はなるべくしないようにしてるよ。だから、最近では腹の探り合いになるとわかってても会談は欠かさないようにしてる」
「へ~、そうなんや・・・なんや大変そうやわー」
「そうそう、すっごい大変なんだよ~、もう、お腹の中真っ黒な人も中にはいるからねェ」
和葉の正直な反応に苦笑をうかべるツナ。
どうやら相性が良いらしい。ポンポンと会話を交わす様子は初対面とは思えない。
「・・・でも偶然とは思えないねー、あの社長が巻き込まれた事件に服部君が関わってたなんて。しかもこのイベントに呼ばれるとか・・・もう運命的なものを感じちゃうね?」
ニコニコと笑いながらツナが言えば、平次も今度は素直に頷いた。
「せやな。・・・でも、偶然だろうと必然だろうと、会えたんは嬉しいで」
「ふふっ、このイベントにスポンサーとして出席すれば、イイことがありそうって思ったんだよね。で、今日は来る前に懐かしい人に会えそうって直感して・・・そしたら、君達に会えたわけだし。うん、俺の超直感もなかなか使えるね」
満足げに言うツナに、山本が苦笑する。
「なにせ、仕事を全部獄寺に押し付けて来たしなァ」
「・・・あはは、隼人には後でお土産を用意しないとね。でもね、隼人が優秀だから任せたんだよ?」
他の仕事が急遽入ったのだが、どうしても今日のイベントに参加したかったツナは、獄寺を犠牲にしたらしい。
優秀であるが故に、ツナに便利屋扱いされている獄寺である。
「まぁ、本人は嫌がってるわけじゃねぇし、お前の超直感がそう示すならって納得して引き受けたんだから文句を言うことでもねェんだろうけど・・・」
山本は肩を竦め、イベント会場の奥を見つめる。
「アレは見たかっただろうな・・・」
「・・・ああ、ツチノコのはく製?」
そう、このイベントには世界中で見られる不思議な動物の写真やはく製を展示するコーナーがあった。
獄寺が知れば、すっ飛んできそうなコーナーだ。
「獄寺さんって、そういうものに興味があるんですか?」
蘭が問えば、ツナと山本は苦笑する。
「まぁ、中学生の頃からUMAを追っかけてたからね・・・隼人って超常現象的なものが好きなんだよね、ああ見えて」
「・・・UMAって、意外と子供っぽいのね、彼」
ポツリと志保が呟く。
中学生の時からとはずいぶん年季が入っているが、その時は年相応の姿で周りを和ませていたに違いない。
だが、大人になった今、その怜悧な美貌を崩して“ツチノコー!”と叫ぶ姿は、その一面を知らない人物・・・特に獄寺に気があるお嬢さん方には見せられない姿のはずだ。
「ある意味、連れて来なくて良かったかもな・・・ボンゴレ10代目の右腕として恐れられてる獄寺がそんな姿見せたら、なめられちまうぜ?」
「あー、そうかもねー」
人の趣味はそれぞれだが、仕事に支障をきたすのはまずかろう。
山本の言葉ももっともだ、とツナは苦笑した。
と、次の瞬間、その顔が強張った。
「ツナさん?」
新一がいち早くその表情に気付く。
「・・・マズイ」
新一達に会えたことで、少し気持ちが浮ついていたらしい。
そもそも超直感は悪いことを当てる方が圧倒的に多い、ということを失念していた。
ツナが呟いた時、一発の銃声がイベント会場に鳴り響いた。