クロスオーバー! REBORN!×名探偵コナン 作:cibetkato
「ところで、ボンゴレー・・・ミー達はどうしたらいいですかねー?」
「そうだねぇ、やっぱりまずは人質奪取でしょ」
「あー、ですよねー」
「・・・って、オイィッ!?いつの間に来てたんや!?つか、フツーに会話すんなや!!」
のんびりと会話をしているツナとフラン。
ごくごく自然に為されているソレに、平次は思わずツッコミを入れた。
「あれー?なんか見覚えのある顔がー・・・なんでここにいるんですかー?」
「あ~、運命の女神様の心遣いでね、偶然にも再会したわけだよ」
ツナの説明にフランは一瞬呆れた顔をするが、ここで詳しく話せと言ってものらりくらりとかわされてしまうのはわかりきっていたので、あっさりと諦めた。
「・・・そうですかー」
「じゃあ、フラン。ちゃっちゃとやっちゃって」
「いいんですかー?」
「うん、許す」
「ミーの好みに合わせても良いですかね―」
「気兼ねせずやっちゃって」
「じゃあ、幻覚汚染には気をつけてくださいね―?」
軽いノリで言っているが、フランの幻術は復讐者すら騙しきるものだ。
それを気兼ねせず使うとなると、一般人のほとんどが幻覚汚染の影響を受けるだろう。
「う゛お゛ぉ゛いッ・・・大丈夫なのかぁああ!?」
フランと一緒に来ていたらしいスクアーロが、いつもより小声で問う。
「対象を絞りますー」
それでも、幻覚汚染は起きる。
だから気をつけろと言ったのだ。
「・・・武、スク」
「あいよ」
「・・・チッ、わかったぜェエエ」
みなまで言わなくてもわかったらしく、名前を呼ばれただけで山本とスクアーロは新一達から少し離れて背を向け、リングに炎を灯す。
幻術はともかく、死ぬ気の炎は新一達がいる手前大っぴらには使えない。だから、こっそりと鎮静の雨の炎を使い、バリアーを張った。
それを確認したフランはゆっくりと目を閉じて、イメージを頭の中にうかべた。
その瞬間、
「「「「ぎゃあああああああ!!!」」」」
舞台で社長夫人を人質にとり周りを威嚇していた男を含め、全員が頭を抱えてその場に倒れ込んでのたうちまわりだす。
「きゃ・・・!」
「・・・パオラ!!」
スクーデリアに乗ったディーノが、一気に舞台まで駆け上がって社長夫人を救い出す。
「うん、一瞬だね」
「ミーにかかれば、こんなもんですー」
無表情ながらも満足げなフランの肩をぽんと叩き、ツナはニコリと笑った。
***
その後、通報を受けてやって来た自治体警察に犯人達の身柄を引き渡す。
「お疲れ様です!ボンゴレ10代目!!」
ビシ!と敬礼をした警察官の発した言葉は日本語。
ボンゴレ本部のあるシチリアの自治体警察では、ボンゴレ10代目が日本人であるために日本語を習うのが大流行しているのである。
そして、そんな警察官の発した言葉に仰天したのは、新一達だった。
「警察が、マフィアのボスに敬礼してる・・・!」
普通、警察とマフィアって、追う追われるの関係ではないだろうか。
「・・・まぁ、わかてたけどな。政府がボンゴレに頭上がらへんのやぞ、その下の警察かてそうに決まてるで」
「それは・・・そうだろうけど」
開き直った平次に、新一は苦笑した。
「・・・いちいち驚いてたら、身が持たんわ」
「確かにな」
だが、渋々従うのと嬉々として従うのでは天地ほどの差がある。
明らかに後者の立場である警察官に、新一と平次は生ぬるい視線を向けた。
「う゛お゛ぉ゛いッ!フラン、帰るぞォオ!」
事件解決するや否や、スクアーロがいつもの大音量で叫んだかと思うと、フランの被りものを思いっきり叩いた。
「ゲロッ!!・・・痛いですー、カス鮫たいちょー」
「カスって言うなぁああ!!!・・・行くぞォォオ!ボスに報告だァアア!」
ガシッとフランの襟首を掴んで引き摺って行くスクアーロと、無表情で引き摺られて行くフラン。
「あーれー、お助けー・・・」
「う゛お゛ぉ゛いッ!!自分で歩けぇええ!!!!」
「ヤですー、さらわれますー、助けてくださーい」
セリフにも感情がこもっていないが、フランはアレで優秀なので本気で嫌なら簡単に逃げだすだろうから、ただ単にスクアーロをおちょくっているだけなのだろう。
「相変わらず、賑やかだなぁ」
ヴァリアー2人を笑顔で見送るツナ。
「首を突っ込む暇もなかったわね」
そのツナを見ながら志保が呟けば、新一達は苦笑をうかべた。
交渉や犯人の思惑、一切を無視して力技でねじ伏せてしまったのだ。ツナ達に比べれば、自分達など可愛いものだと思う。
「でも、犯人の目的だった“力ある石”ってどうなったんだろ?」
園子が首を捻る。
「それなら、ここにあるよ」
フランから既に受け取っていたらしい。
ツナがくるりと振り返り懐から取り出したのは、何の変哲もないゴロッとした石。
「・・・これ、が?」
「そう。宝石とは違うから綺麗なものじゃないけど・・・マフィアにとっては喉から手が出るほど欲しいものなんだよ」
「敵対ファミリーに渡すわけにはいかねーしなー」
山本が言えば、ツナは頷く。
「そうそう。それに、シチリアはうちのシマだからね。荒らされるのは困る」
「マフィアが欲しがる石、かぁ・・・これってイタリアにしかなかったりするんですか?」
「いや?・・・世界中にあるんじゃないかなぁ・・・それとはわからないまま、河原に落ちてたりとか」
「そ、そんな物騒なものが河原に?」
そうは見えなくても、マフィアが欲しがるような石である。
今度からやたらに石を蹴ったり投げたりしないようにしようと、秘かに心に誓った新一達なのだった。