クロスオーバー! REBORN!×名探偵コナン 作:cibetkato
「じい様、ここ1週間何やってるのかと思ったら、ただのサボリ?」
「そんなわけないだろう?ツッ君のためによかれと思って」
ヨヨヨ・・・。
「・・・ウゼェ」
目の前で泣き真似をする先代に、思わずツナの本音が漏れた。
「ああ!ツッ君がだんだんあのバカ息子に似てきたよ!!」
「バカ息子言わない。XANXUSに憤怒の炎でブッ飛ばされるよ、じい様」
カッコいいじゃん、XANXUS。
のんびりと告げるツナを見て、9代目は養子に思いっきり嫉妬した。
「うぬぬ・・・XANXUSめ、いつの間にかツッ君のお気に入りに収まりおって」
「・・・じい様はいつの間にかキャラ変わったよね」
「こっちが素だと思うけどな~」
ツナと山本が容赦ない言葉をぶつけるものの、まったく9代目がめげる様子が無いのは、さすが先代のボンゴレボスといったところだろうか。
「あ、あの・・・ツナ、さん?」
完全に置いてけぼり状態の新一達に気付いて、ツナは苦笑した。
「ああ、この人はティモッテオさんっていって、先代のボンゴレのボス。9代目だよ」
「せ、先代の・・・」
「ボンゴレのボス・・・」
「ま、マフィア?このお爺さんが?」
マフィアには到底見えない9代目の容貌に、新一達はただただ驚くばかり。
「・・・良かったね、じい様。マフィアに見えないって」
「はっはっは!ツッ君も充分マフィアには見えないよ!」
「・・・現役の場合、それは褒め言葉じゃないってわかってる?じい様」
「はぅっ!」
わかっていなかったらしい9代目に溜息をつき、ツナはおもむろに携帯電話を取り出した。
「・・・つ、ツッ君?」
「・・・チャーオ?9代目直属独立暗殺部隊ヴァリアー改め、9代目必殺捕獲部隊ヴァリアーですかー?」
必殺って何!?と叫ぶ9代目を無視し、ツナはXANXUSを出すように告げる。
『綱吉・・・ジジィが見つかったか?』
「うん、今ねカターニアの中心街にある公園。・・・武が押さえてるから早く迎えに来て」
ヴァリアー本部からならばカッ飛ばせばすぐに着くだろ?
そう問われれば、XANXUSは頷かないわけにはいかなかった。
『・・・ちょっと待ってろ』
ゴソゴソと準備をする音がして、XANXUSは通信機を付けるようにツナに告げて電話を切った。
最新のイヤフォン型通信機を耳に装着したツナは、本体をタップして電源をオンにする。
「XANXUS、聞こえる?」
『・・・ああ、聞こえるぜ』
ドルン!
XANXUSの声に被ってエンジンをふかす音がする。
「ん?・・・車?」
『抱えてたんじゃ、飛べねェ』
「あ、だよねぇ?・・・っていうか、事故起こすなよ?」
『フン、避けねェ連中がどうなろうと知ったことか』
避けないって・・・お前の出すスピードは尋常じゃないだろうが。
自分のコトは棚にあげてツッコミを入れるツナに、山本が生暖かい視線を向けた。
「・・・ツナもハンドル持ったら、人格変わるのなー」
「あー、いますよね、運転する時に人格変わる人って」
「・・・ツナさんもそうなんか・・・」
蘭が同意し、平次が口元を引き攣らせる。
「・・・人畜無害そうな顔しててもマフィアなんだもの、そういう一面があってもおかしくないんじゃない?」
志保が禁句スレスレの発言をし、山本は苦笑をうかべた。
「まぁ、そうなんだけどな。・・・嬢ちゃん、禁句スレスレの発言は避けてくれよな?」
八つ当たりされるのは、たぶん、守護者だ。
「あら、ごめんなさい・・・」
ぱた、と口に手を当てた志保に、新一が呆れたような視線を向けた。
「宮野・・・オメェ、たまに口が滑るよな」
「・・・悪かったわね」
ジロリ、と睨まれて新一は肩を竦める。
「・・・そうか、君達がツッ君が言っていた、ジャポネーゼの探偵か」
今まで様子を伺うようにしていた9代目がポン、と手を打つ。
「私も会いたいと思っていたんだよ」
ニコニコと笑みをうかべる9代目はまさに好々爺だ。
山本に後ろ手に捕まえられているので、一見すると山本が老人虐待をしているようにも見える。
「9代目・・・XANXUSが来るまで大人しくしててくださいよ・・・逃げようとしたら、氷漬けってことも有り得ますから」
「・・・それは、非常にマズイね」
自分がXANXUSを凍らせたこともあるだけに、その威力は充分に理解している。しかも初代の再来とまで言われているツナの炎だ。
こんな老体であんな攻撃を受けたら、うっかり心臓が止まってしまいそうだ。
「・・・氷漬けって、冷凍庫かどこかに監禁でもするんですか?」
園子が若干怯えながら問うてくる。
「あー、違う違う。言葉のアヤってやつで・・・ね?9代目」
「あ、あー、そうそう、そうだよね、山本君」
どうやら、2人して一般人が傍にいることを忘れていたようだった。
「武、XANXUSもうすぐ到着。俺がじい様押さえとくから、あの辺りの道にうろうろしてる人達どかしてきて」
「・・・りょーかい」
山本が走って行き、持ち前の人懐っこさで人々を避難誘導する。
おおかた避難が完了した丁度その時だった。
ギャギャギャギャギャ・・・
激しいドリフト音が遠くから聞こえてくる。
「うん、予想通りにかっとばして来たなぁ」
ツナが呟く。
車は公園のすぐ脇にアレだけのスピードを出していながらも真っ直ぐに停車した。
「・・・スゲェ・・・」
新一が思わず感嘆の声を漏らし。
「・・・アカン。マジでカッコエエで、アレは」
平次が呆然と呟いた。
ガルウィングドアらしき、垂直に開くドアの車から颯爽と姿を現した黒色の男。その髪の付け根からさがる羽飾り。
すわ黒の組織かと身構えるコトもなく、新一達はその姿に見入った。
「XANXUS~、お疲れ」
「・・・フン、テメェも行く先々で騒動起こして、よく飽きねェな」
「それは不可抗力!・・・それよりも、ハイ。お探しの9代目だよ」
XANXUSの嫌味をものともせず、ツナは9代目の身柄を引き渡す。
「・・・や、やぁ、XANXUS」
「・・・ジジィ、帰ったらまずは書類の山を片付けてもらうからな?引退したとはいえ、まだテメェのやることは残ってんだ。前みてェにサボれると思うなよ」
「う・・・引退したら、悠々自適に家庭菜園でもしようと思ってたのに!!」
「ヴァリアー本部の執務室にトマトの苗を植えてやっただろうが」
「トマトだけじゃダメなんだよ!ズッキーニとかポルチーニ茸とかオリーブとかを植えて、パスタ作るんだ!!」
「アホか、それじゃ家庭菜園じゃなくて、農業だ」
ズルズルと9代目を引き摺りながらXANXUSは溜息を漏らす。
「・・・親子関係は良好みたいだね」
「・・・だな」
殺すだの殺さないだのと物騒な関係だった2人も、様々なコトを乗り越えて親子という関係にすっぽり収まったらしい。そんなXANXUSと9代目を見送りながら、ツナと山本は頷きあった。