クロスオーバー! REBORN!×名探偵コナン   作:cibetkato

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旅は道連れ?世間は狭い! 10

 すっかりツナ達のペースに巻き込まれてしまった新一達だったが、お詫びと称してツナが奢ってくれたジェラートと昼食のパスタはとても美味しかった。

 

「19時の便に乗って帰るんだったよね?」

 

「あ、ハイ。そうです」

 

「フェニーチェ(9代目の所有する専用ジェット機)で送ってあげてもイイけど・・・パスポートに出国記録と入国記録残さないと、次に使えなくなっちゃうもんね~」

 

 いやいや、専用ジェット機でも空港使いましょうよ!とツッコミたかったがそれは意味が無いことだとわかっているだけに口を噤む。

 

 それからツナが手配した車で、預けてあった荷物と共にバーリ空港まで送ってもらった新一達は、空港で出国手続きをし終えてホッと一息をついた。

 

「なんか、あっと言う間やね」

 

 和葉がポツリと呟く。

 

 色々あったせいか、あっという間に滞在時間が過ぎてしまったことに残念な気持ちになる。

 

「今度はゆっくり遊びにおいで。・・・ちゃんとイタリアを見て回って、楽しんでほしいな」

 

 君達とはもう二度と会うことはないだろうけれど、イタリアを好きになって欲しい。

 

 そう言って、ツナは目を細めた。

 

「はい、また・・・遊びに来ます」

 

 イタリアは決して近い国ではないし、ツナはその言葉の通りもう二度と会ってはくれないだろう。

 

 それでも、新一はそう口にした。

 

「うん、約束・・・ね?」

 

 ニコリと笑ったツナは、少し淋しそうに見えたのは気のせいではないと思いたい。

 

<トーキョー○○○便・・・>

 

 搭乗開始のアナウンスが流れる。

 

「さて、久しぶりに会えて楽しかったよ・・・元気でね、名探偵さん達」

 

 外は既に日が暮れていて、窓に自分達の姿がくっきりと映っている。

 

 だからわかる。

 

 今にも泣きそうな顔をしているのだと。

 

「・・・忘れないよ」

 

 言われるだろうと思っていたものと真逆の言葉。

 

「こんな商売してるし、一期一会を大事にしなきゃ、ね?」

 

 柔らかい笑みとその言葉は、まるで全てを包み込むように暖かい。

 

「・・・今までありがとうございました。ずっと気にかけてくれてたこと、感謝してもしきれません」

 

 新一はそう言って頭を下げた。

 

 そもそも、“工藤新一の姿でお礼を言う”ことがイタリアまで来た目的だったのだから。

 

「手は出してない。ただ傍観を決め込んだだけだよ。・・・解決したのは君達の力だ」

 

「ツーナ、最後くらい素直に礼を受け入れてやれよ」

 

 隣に立っていた山本が苦笑する。

 

「ん、そっか・・・じゃあ、どういたしまして、だね」

 

 最初に感じたのは“これで心置きなく日本に戻れる”という安堵。

 

 いつ言おうかと身構えていただけに、受け入れてもらえてホッとした。

 

 そして、次に感じたのは“これで会う理由がなくなってしまった”という寂しさ。

 

「あのッ」

 

「工藤、やめときぃ。・・・お前が今言おうとしてんのはツナさんを困らせるだけやぞ」

 

 決定的な一言を言う前に、平次が止めに入った。

 

 平次の言うことは正論で、新一が今言おうとしていることは、ツナを困らせるだけだということは充分にわかっていた。

 

「・・・そう、だよな」

 

 平次が新一を止めたのは、おそらく平次も同じことを考えたということ。だが“伝手”にするにはあまりにもボンゴレは大きすぎる組織だった。

 

 ギュッっと手を握り締め、新一はその顔に笑みをうかべた。

 

「・・・さようなら、ツナさん」

 

「うん、さよなら」

 

(今度こそ本当に進む道が交わることはないだろうけれど。―――君達の無事を祈っている)

 

 

***

 

 

 飛び立つ飛行機を見送りながら、ツナはフッと笑みを漏らす。

 

「なぁ・・・アイツら、なんか言いたそうだったけど」

 

「無理な相談だったからね・・・連絡先を教え合う、なんてさ」

 

 もし、新一がそれを口にしていたら、ツナはそれを容赦なく一刀両断していただろう。

 

「そっか。言わなくて正解だな、そりゃ」

 

 ツナがどうしていたか、簡単に想像ができた山本は、新一をすんでのところで止めた平次を褒め称えたい気分だった。

 

 断られた新一も傷つくだろうが、断るツナも傷ついただろうから。

 

「ま、これで一件落着ってことだな!」

 

「そうだね。・・・じゃ、帰ろうか。処理すべきことは山のようにある」

 

「―――だな」

 

 先程までの優しげな表情をキリリと引き締め、ツナは懐に手をやる。ごつごつとした質感は一見すればただの石に見えるソレ。

 

 あの場での騒ぎだけで諦めるような相手なら、そもそもボンゴレにケンカを売るなんて真似はしないだろう。

 

 昼間は一般人や観光客の多い場所を選んで新一達を引き連れ回していたから襲撃は無かったが、夜はマフィアの活動時間である。

 

「まだ、諦めてないよなぁ」

 

「視線はビシビシ感じてたのな」

 

 未だにツナを“穏健派”と勘違いしている敵対マフィアは多い。

 

「ま、彼等もいなくなったことだし・・・そろそろ本気を出そうかな?」

 

 クツリ、と笑ったツナの眉間に、皺はない。

 

「・・・うへぇ、ご愁傷様ってヤツなのな」

 

 せっかくの楽しい観光を殺気交じりの視線で監視されていたのがよっぽど腹にすえかねたらしい。

 

 山本はまだ見ぬ敵に、深く深く同情したのだった。

 

 

おしまい☆




 最後までお付き合いくださいまして、ありがとうございました。

 これにて、番外編を含め、リボーンと名探偵コナンのクロスオーバーをお開きとさせていただきます!

 次の作品も以前HPで掲載していた完結作品を移植します。またクロスオーバー(リボーン×青エク)ものです。

 こちらの作品とはまったくリンクしていませんが、暇つぶしにでもお読みいただけると嬉しいです。
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