クロスオーバー! REBORN!×名探偵コナン 作:cibetkato
警察とマフィアが協力なんてありえませんが。フィクションであることをふまえてお読みください。
「ツナサン・・・」
そこに、イーピンが声をかける。
「ん?どうしたの?イーピン」
「山本サンから、お電話です・・・携帯、忘れたんですか?」
「あ・・・そうだ、日本支部の方に忘れてきちゃったんだった・・・ありがとう、イーピン」
イーピンの差し出す携帯を受け取り、耳に当てる
「あ、もしもし、武?」
『おー、ツナ?・・・あのさ、さっき獄寺から連絡あって、残りの連中、全員撤退終了したってよ』
「そう、それは良かった・・・これ以上の犠牲はいらないからね」
『で、そのうちの何人かが、リモンチェッロについての情報を持って来たんだよ』
「へぇ・・・どんな?」
『やっぱ、うちと敵対してるマフィアに入り込んで、ボンゴレについて、色々調べてたらしいぜ?』
「ふぅん・・・そりゃまた、ご丁寧なことだね・・・そこまで下調べしたんだ」
『ま、情報源が敵対マフィアだかんな、ツナの猫被りが効いてて、奴らん中じゃ、弱腰の穏健派って扱いみたいなのな』
山本の声に愉悦の色が混じる。
「武、楽しんでるでしょ?」
『不謹慎か?・・・でもなぁ・・・見事に騙されてくれるのって、なかなかに快感じゃね?』
「天空部隊の件がなければ、そう言えるんだけどね・・・まぁ、良いや・・・向こうも本気でこっちにケンカ売りたいみたいだし、こっちはこっちで、下調べは済ませておかないとね」
『りょーかい・・・じゃ、また、連絡するな?・・・こっちに戻って来るまで、イーピンと一緒にいろよ?』
「うん、わかった」
通話を終え、携帯をイーピンに返すと、ツナはニッコリと笑って佐藤と高木に告げた。
「・・・あの、というわけなんで、合同捜査、しません?」
「「え゛?」」
佐藤と高木が固まる。一瞬の後、
「「「「「えええぇ~~~っ!?」」」」」
毛利探偵事務所に、絶叫が響き渡った。
「あれ、そんなに驚くことですか?」
首を傾げたツナに、佐藤と高木が、困ったように顔を見合わせた。
「いや、だって・・・その・・・」
「あなたは、マフィアで・・・」
「あー、うちは確かにマフィアですけど、他とはちょーっと違うっていうか・・・えーと、どう説明しよう?」
ツナはどう説明しようかと悩む。
「あの~」
微妙な空気の中、蘭が恐る恐る手をあげる。
「ど、どうしたの?蘭ちゃん」
佐藤が訊ねれば、蘭は苦笑をうかべながら告げた。
「沢田さんの申し出って、警察にとってはイイコトだと思うんです・・・えぇと、沢田さん達は、まだ、日本で事件を起こしたわけじゃないんですし、言ってみれば、被害者じゃないですか」
「そう言われれば・・・まぁ、そう、ですよね」
高木が相槌を打てば、ホッとしたように蘭が微笑む。
「自分達で解決しないで、警察と力を合わせて捜査をしましょうって、仰っているんですし・・・協力した方が、良いんじゃないかと・・・」
「ああ、蘭さん、援護ありがとうございます。・・・うちの方で持っている情報もお渡ししますので、一旦、この事件を担当している本部に行きませんか?」
ツナが言えば、佐藤が首を傾げた。
「そちらがよろしければ、構いませんが・・・それにしても、良く、私達がその件で毛利さんに相談に来ていたって、わかりましたね」
「・・・毛利さんが、警察と協力して事件を解決しているのは、新聞等で見ていますから知っていましたし・・・それに、言ったでしょう?・・・僕の勘は、百発百中だって」
微笑むツナに、アッと小五郎が声をあげた。
「もしかして・・・依頼の内容は・・・」
「ええ、警察の捜査がどこまで進んでいるのかというのと、毛利さん達は捜査に加わっているのかどうか、それを調べるために、カマをかけさせてもらいました。・・・まぁ、思わぬところから情報も貰えそうですし、僕的には大成功ってところですかね」
ちらり、とコナンと哀を見て、ツナはニッコリと笑う。
サッと顔を青ざめさせた2人は、ツナの視線から逃れるように顔を背けた。
(――随分と怯えてるな・・・これは、完全に“当たり”か)
「・・・じゃあ、行きましょうか」
笑顔のまま告げるツナの袖をグイッと引く手があり、ツナはそちらに視線を向ける。
「・・・どうしたの?歩美ちゃん?」
真剣な表情をうかべた歩美に、ツナは首を傾げる。
「・・・あ、あのね・・・犯人の狙いは、ツナお兄さんかもしれないんだよ、だから・・・だからね・・・」
「うん、そうだね・・・日本で事件を起こしたのは・・・多分、俺を日本に呼び寄せるためだと思う。でも、大丈夫だよ、彼等もそれなりに力のある組織のようだけれど・・・うちも、負けないくらいの力は持っているから、ね?」
歩美が心の底からツナを心配しているのだと直感したツナは、ふんわりと柔らかく微笑んだ。
「・・・うん」
「でも、」
頷いた歩美に、ツナは続ける。
「皆の柔軟な発想も、必要かなって思うんだけどな?・・・少年探偵団、諸君?」
ツナが言った瞬間、歩美達はワッと盛り上がり、大人達も苦笑する。
「イイですよね?・・・この子達も捜査に加えてもらっても」
「・・・ええ、元々、この子達が、イタリアンマフィアのボスがターゲットだと突き止めたようなものですから」
佐藤が苦笑したまま頷く。
「へぇ・・・スゴイですね、少年探偵団の噂は伊達じゃないってことか・・・」
感心したように呟くツナは、どこまでもマフィアっぽくなくて、皆、思わず今までの会話は冗談だったのでは、と疑ってしまったのだった。