クロスオーバー! REBORN!×名探偵コナン 作:cibetkato
一方、草壁を伴い警視庁までやって来た雲雀は、受付の女性に声をかけた。
「ねぇ」
「はい・・・っ!?」
顔をあげた受付の女性は、雲雀の顔を見た瞬間、顔を強張らせた。
「ふぅん・・・僕のことは知ってるみたいだね?・・・じゃあ、わかるでしょ?」
「しょ、少々、お待ちください・・・」
受付の女性が慌てて連絡を取ると、それをつまらなそうに見やり、雲雀はくあ、とあくびをする。
「・・・お、お待たせいたしました、お会いになるそうですので・・・」
「そう・・・あぁ、場所はわかってるから、勝手に行っても良いよね?」
「は、はい!」
ガクンガクンと頷く女性から視線を外すと、雲雀は草壁を振り返った。
「行くよ、哲」
「へい・・・恭さん」
***
雲雀と草壁が向かったのは、とある一室。
「・・・久しぶりに、風紀財団の名を聞きましたよ」
「こっちにも事情ってものがあるんだよ、で、今、非公開で追ってる事件があるでしょ?」
「・・・何のことでしょうか?・・・というのは、通じないんでしょうねェ?」
「当然でしょ?・・・で、その事件の被害者の遺体を引き取りたい」
雲雀の言葉に、相手は眉を顰めた。
「・・・しかし、それは・・・公文書偽造の罪に・・・」
「知らないよ。僕は関与していない。・・・ただ、知り合いの遺体を引き取りに来ただけだ」
「・・・・・・そういうこと、ですか」
「本当のことだよ?・・・僕は“彼等と違い”ほぼ日本にいるからね」
関与していない人間を捕らえることはできないだろう?と珍しく笑みをうかべる雲雀に、相手はとうとう折れた。
「わかりました・・・私が、言い含めましょう・・・」
「フフ、助かるよ・・・ま、今回はそちらの貸しだから、次回、何かあったら、風紀財団の力を使ってもらってかまわないよ」
「・・・何を企んでいるんです?」
「失礼だね、こちらが貸しで良いって言ってるんだから、素直に受け取りなよ」
ムスッとする雲雀に、相手は慌てて頷いた。
「い、いや・・・はい、そうですね!」
「・・・じゃあ、一緒に捜査本部に行ってくれるんでしょ?早くしてくれると助かるんだけど」
「わかりました・・・では、案内します」
そう言って、先頭に立った相手の後に続き、雲雀と草壁はその部屋を出て、今回の事件を担当する捜査本部へと向かった。
***
そして、ツナ達はというと、あの後すぐに警視庁に向かい、とある人物達を待っていた。
「ん~、もう少しで来ると思うんですけど・・・すみませんね、待たせちゃって」
苦笑しながら謝るツナに、佐藤と高木は気にするなと首を振る。・・・どうにも腰の低いマフィアのボスだと思いながら。
「10代目!!」
「ツナ~!」
そこに、黒スーツをビシッと着こなした2人の青年が駆け寄って来る。
片方は、鋭い雰囲気を持ち、背中に黒い筒を背負った黒髪の美丈夫。もう片方は、儚げな印象を与えるものの、洗練された所作の銀鼠色の髪をした美青年。
「隼人、武」
「遅くなって申し訳ありません」
「いきなり警視庁に来いなんて言うから、びっくりしたぜ」
「ごめんごめん、なんと言うか・・・警視庁の人達と合同捜査することになったから」
「「は?」」
頭上に疑問符を飛ばしながら、2人が声を揃えて首を傾げた。
「だから、この事件を取り扱ってる刑事さん達と、一緒に捜査するんだよ」
ニコニコとのたまうボスに、獄寺はダラダラと汗をかき、山本は苦笑をうかべた。
「じゅ・・・10代目・・・マジですか?」
「ははっ、さすが、ツナ」
「マジマジ、大マジだよ、隼人。・・・武は、まぁ、うん、そう言ってくれると思った」
「あー、その、沢田さん?」
「あ、スミマセン・・・えーと、こっちが獄寺隼人、俺の右腕です。で、こっちが山本武・・・」
2人を紹介するツナに、高木がアッと声をあげた。
「僕、知ってます!・・・雰囲気は違いますけど・・・昔、甲子園を湧かせた・・・並盛高校の山本選手・・・」
「ははっ、日本じゃ結構メジャーなのな、俺」
「目立ってどうする・・・ったく」
二ッ、と笑った山本の脇で嘆息する獄寺。
「プロ野球全球団からドラフト1位指名を受けながら、スカウトの誘いを断って、行方をくらませたって聞いてましたけど・・・イタリアでマフィアになってたなんて・・・」
ショックを受けた様子の高木に、山本は苦笑した。
「まぁ、俺的には中坊の時から、就職先はツナんトコって決めてたしな・・・野球は高校までってのも俺なりのけじめだったし・・・」
「だから言ったじゃないか、了平さんみたいに、スポーツを続けながらでも良いんだよって」
ツナが言えば、山本は首を振った。
「いや・・・俺はツナの傍にいたくて、野球よりもツナを選んだ。・・・お前の守護者として、お前の理想を現実にするために戦う、それが今の俺の存在理由だ」
「存在理由って・・・もう、またそんなこと言って・・・」
守護者は揃って大袈裟な物言いをする。そう常々感じていたツナだったが、なにもここまで言わなくても、と肩を落とす。
「俺は本気だぜ?・・・ツナは、俺の命の恩人だからな」
そんなツナを見て、ニヤリと笑う山本。それに対して、獄寺も張りあうように言った。
「俺にとっても、10代目は命の恩人です!・・・何があっても、お傍にいて、共に戦い、共に生き抜いてみせます!!」
「ああ~!もうっ!!恥ずかしいセリフ禁止!!!なんなんだよっ2人して!!女の子を口説くイタリア男なみにキザなセリフばっかり言って!!」
そう言って顔を手で覆うツナの顔は真っ赤だ。免疫はあるが、よく知る相手の前ならばともかく、よく知りもしない相手の前で言われるのは、さすがに恥ずかしいのだ。
「・・・なんか、すっごい・・・マフィアっぽくないわねぇ・・・この人達」
「は、ははは・・・」
そんな様子に、佐藤がぼやき、高木が空笑いする。小五郎や蘭、園子、子ども達も、だんだんとコントを見ているような気分になってきていたのだった。