俺屍からネギま   作:ゴン

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初仕合!

青山鶴子との一戦から暫くして関西呪術協会の総本山近くの野山に彼らはいた。

 

 

バンっ!

 

かんっ!

 

 

「しゃーー!次はこれだぁ!」

 

「なんのっ!次はうちからやぁー!」

 

 

「「若!頑張れ!!」」

 

「「鶴子ちゃん頑張って!!」」

 

 

互いに木刀を持って撃ち合っているのは、陣と鶴子の二人…そしてそれを応援しているは孤児院にいる仲間達。

 

 

 

今日、彼等は親の用事のお供で本山まで来ていたが大人達の難しい話に付き合うつもりは全くと言っていい程無く、何故かついて来ていた孤児院の仲間達と共にコレまた何故かついて来た鶴子と共に近くの山で遊んでいたが……何故か二人は撃ち合っていた。

 

 

 

 

 

 

それは山に着いた頃…

 

 

 

「いやーー、この辺りもウチと変わらねーな。ホント、田舎だわ。ガハハハ!」

 

 

「「ガハハハ!」」

何が面白いか分からないが楽しそうな陣とコレまた何か何が面白いか分からないで笑っている子供達…

 

 

「で……陣はんはともかく…あんたら何でこんなトコに来てるん?」

そして気付いたらいた鶴子がタメ息をつきながら聞くと…

 

 

「若が着いて来ていいって言うから来たんだよ。」

 

 

「でも、本山はダメだって…お話しているから外で遊びなさいって……本山に行って見たかったなぁ〜。」

 

 

「「「行って見たかったなぁ〜〜!」」」

比較的シッカリしていそうな少年が何聞いてるの?と言った感じに言い、少女が残念がりながら言うと、他の子供達も声を揃えて残念そうな声を出す。

 

 

「あんたら、本山は遊び場やないねんで…」

 

 

「つーか鶴子は何で居るんだ?」

鶴子がヤレヤレと言った感じであったが、そんな鶴子に陣は今まであった疑問を吐き出した。

 

 

「…ウチもとうさまに連れられて来たんや。」

 

 

「じゃなくて…何で俺らに着いて来てるんだ?って事だよ。」

 

 

「…そ、それはあれや…ヒマやったからや//…」

鶴子は陣の方を見ずに顔を赤らめながら答えた。

 

 

「「「「ははーーン」」」」

周りで遊んでいた子供達はニヤッと笑って鶴子を見つめた。

 

 

「なっ何や……ホンマやで!」

 

 

 

「ハハハ、そうかヒマやったんか…まぁ、俺もお前とはまた会いたかった所だったよ。」

普段は勘が鋭い陣もまだ五歳になった位の為に女心など分かるハズも無く鶴子の言った事を間に受けた。

 

 

「そうなんか?…なっならちょうど良かったな。で、何か用事でも有るんか?」

鶴子はデートに誘われるのではと淡い期待を持ちながら恐る恐る聞く。

 

 

「おー実はまたお前と戦いたかったんだ。あん時…お前と戦った時、俺は〜楽しかったぜぇ〜。」

 

 

「「「「「あーーーあ」」」」」

 

陣のあっけらかんとした答えに周りにいた者達は、鶴子の陣への好意をある程度察していた為に‘若!空気読んであげて!!’と言った心の中で叫んでいた。

 

 

「チッ…(…だとわ、思っとったわ!)」

鶴子自体は予感があった為に、精神的にそれ程ダメージは無いが悔しそうな表情で舌打ちをした。

 

 

「それに……お前ともっと話しがしてみたいと思ってたんだ。」

 

 

「なっ!………油断させてからとは、流石御陵!」

陣の一言に、勝手に何か勘違いしてこれが御陵の兵法か!?っと驚いている。

 

 

「何言うてるんだ?…ともかく此れから先、お前とは一緒に関西呪術協会を背負っていくんだしな。それにウチの連中以外に同い年の友達が欲しかったから会えて嬉しいよ。」

 

「お、おぅ…ま、まぁ青山と御陵は長い付き合いやから、ウチもよろしくしてやるわ……。//」

おかしな鶴子はおいといて話しを進める陣の言葉に、鶴子はまた顔を赤らめてしまい陣の顔を見れないでいた。

 

 

「ところで詠春さんってどんな人なん?この間行った時は会えなかったし、親父や木乃実さんから話にしか聞いて無くてな…強いん?」

 

 

「詠春はん?…義兄さんの事か……この間は前々からの予定が有ってな、どうしても行かな仕方なかったんや。剣の腕前は、とうさまが才能が有るいってたから青山宗家に養子に成れるだけの才能はあるようやな。とうさま、そのへんは厳しいから婚約の後ろ盾の為だけに養子にはせぇへんからな。」

 

 

「そうか、一度手合わせしてみたいな。それに早く実戦がしてみたいな…おれがどんだけの強さなのかも知りたいし。」

 

 

ハッキリ言って二人とも本当に五歳か?と言う位の会話をしているが、本当に五歳であるので悪しからず。

二人とも天才と呼ばれるだけに、精神年齢はやや高い様である。

 

 

(何言うてんねん…コイツ、自分の強さも分からんのか?

 

とうにいっぱしの剣士じゃ、勝てへん位強いハズ何やが……

 

青山のレベルが低いのか…御陵が強いのか……どっちにしても実戦出れる力は有るんやから無理せんでええやろに……。)

 

 

鶴子がヤレヤレと言った風に思考の真っ只中にいる中で、陣はおもむろに立ち上がり子供達の一人に持たせていた木刀を手に取り鶴子を見やる。

 

 

「じゃぁそろそろ打ち合おうぜ……おまえも木刀持ってんのはそう言うつもりだったんだろ?」

 

「せやな…けど、今回はウチが勝たせて貰うでぇー。」

 

「ハッ…今回も俺が勝つ!しかし今回は止める人は居ないし、コイツらも居るからな…ほどほどでな。」

 

「あぁ〜、ホドホドでな〜。」

お互いに勝利宣言するが、陣は本気を出すなよと言って自制しようと持ちかけるが、鶴子はほどほどにする気が一切無い様に返しお互い殺気を出し合う。

 

 

 

 

「おい、みんな少し下がってようぜ。」

 

 

「「「う、うんー。」」」

子供達は一斉に下がり遠くから陣と鶴子の戦いを見守る。

 

 

 

二人は木刀を持って、一定の間合いのまま動き始め様子を伺っていた。

 

 

風の音しか聞こえない中……二人はお互いの目を離せずにいた。

 

以前戦った時よりも強くなったと……陣は鶴子との戦い終えてからと言うもの妖や鬼の討伐を訴えでる事が減り更に鍛錬を重ねていた。

 

鶴子もまた陣に負けて以来真剣に修行に取り組むなど父・冬凰の目論み通りと言った所である。

 

 

陣は自身の才能や実力について理解しておらず、勝ったにも関わらず鶴子の実力を知った事で鬼や妖を討伐する為にはもっと強くならなければと考えていた。

 

 

しかし、実際の実力は既に討伐に出陣出来るだけの充分なもの持っているのだが、周囲はそれを教えてはいなかった。

 

教えれば如何な幼少であるとは言え、陣の討伐への参加を拒否する事は困難であるのだ。

 

正確に言えば陣が時折り見せる他を圧倒する気迫とそのカリスマ性を魅せられて説得されれば、如何に鬼神と称される哲心と言えど否とは言いにくいのだ。

 

 

 

一族の者や孤児院の仲間達と同様に哲心もまた息子に魅了されていたのだった。

 

 

 

 

 

静寂の中…子供達が固唾を飲んで見守っていたその時、二人は剣を交えた。

 

 

 

以前戦った時は、お互い緊張していたが今回は余裕を持って臨んでいた。その事や鍛練の成果か、余分な力が抜けていて身体が軽く感じており、技の切れが増していた。

 

そして…その成長を二人が感じていた。

 

 

 

 

「やるやないか!なら…コッチからならどうや!」

鶴子はタッと飛び上がり陣の上空から攻撃をしようとしたその時……

 

 

「隙が出来た……ならば、飛天御剣流 龍昇閃!!」

陣は飛んでいる状態ならば動く範囲が制限されると考え、以前、哲心から教わった神速の剣術・飛天御剣流の中で上段攻撃に対する必殺の下段攻撃…龍昇閃を鶴子の真下から加えた。

 

 

「クッ、なんの!」

 

ガッンと鶴子は体制を崩しながらも陣の龍昇閃に合わせた。

 

 

「やるな……おわっと!」

 

「今なら!はぁーー斬空閃!!」

陣は着地の際に姿勢を崩してしまい、その隙を鶴子に突かれてしまった。

 

 

曲線状に気の刃が陣を襲う

 

「何のこれしき!!…スワッ! 」

それを何とか避ける陣する鶴子の放った気は…バーーンと陣がいた場所が弾けた

 

 

「おいおい……ホドホドだろ?」

陣はタラーンと冷や汗を掻きながら鶴子を見やるが鶴子は「あははは……。」と明後日の方角を見ていた。

 

 

(コイツ、力加減間違えやがったな!)

陣は鶴子を睨みつけると鶴子は「…すまん。」と謝った。

 

 

「まったく……なら次はこいつだ。御陵流剣術・真空源太斬!!」

陣は気を込めた一振りで真空の刃を作りだした。

 

この技も源太両断殺同様に一族の始祖たる源太が創作した剣の奥義で、真空の風の刃で敵を斬り払うと言う技だ。

 

 

鶴子の斬空閃は曲線状の軌道だが、真空源太斬は敵に対して一直線に向かって行く為に読まれ易いが斬空閃よりも速く鶴子も一瞬の隙を突かれた形であった。

 

 

「ハァーーー! 神鳴流奥義 斬岩剣!! …ウチを舐めんなや。」

しかし鶴子も負けていなかった。

 

鶴子は向かって来る真空の刃を斬岩剣の力と気迫で打ち消すと陣を睨む。

 

 

「やはりお前と戦うのは楽しいな……鶴子。」

 

 

「そやな……陣はん。」

 

 

陣も鶴子も…共に笑っていた。

 

 

それは年相応の子供の様に……

 

 

お気に入りのオモチャで遊ぶ子供の様に……

 

 

とても楽しそうに笑っていた………

 

 

 

 

 

 

 

「「「ウワァーー!スゲぇーーー!!」」」

そんな二人の戦いを離れた所で見ていた子供達は驚きの声を挙げていた。

それはそうだろう、テレビの中のヒーローの様な動きが目の前で繰り広げられているのだから当然であろう。

 

 

声を上げない者でも口を大きく開けたまま呆然としている。

 

 

 

「前から思ってたケド…若って人間かな?」

 

 

 

「「「「………どうなんだろ?」」」」

子供達が疑問に思う通り純粋な人間では無いのだが……子供達はまだ良く分かっていない様だ。

 

それでも自分たちが良く知っている陣が、ヒーローの様に動く様を見て陣が自分達のヒーローであると感じていた。

 

 

 

ザッ……

 

 

 

ザワザワ

 

 

雑木林の中から物音がしている。

 

 

「ん?…何だろ、後ろから物音が……野犬かな?」

 

 

「怖いこと言わないでよ…チョット見てきてよ。」

男の子の言葉に反応した一人の女の子が見に行く様に促す。

 

 

「えーーー何でだよ!自分でみろよ。」

 

 

「イイから早く見てきなさい!」

 

 

「ちぇっ分かったよ…若と会ってからイジメていた連中が強くなったよな……。」

嫌がった男の子も女の子の強気な態度に物怖じし、元・いじめっ子は不貞腐れながらも渋々と雑木林の中を見に行った。

 

 

 

 

 

男の子は雑木林を分け入って来たが何も発見出来なかった。

 

「何もいないじゃんか、誰だよ野犬とか言った奴…………おれか、ハァ…。」

 

 

 

 

ズン………

 

「なっなんだ!?」

 

 

 

ズンっ………

 

何か足音の様な物が近づいて来ている。

 

 

何か巨大な者が男の子の背後に近づいて来る。

 

 

ズン……

 

 

男の子は分かっていても後ろを振り向けなかった。

 

ズン…

 

 

男の子は分かっていても逃げれなかった。

 

 

ズン

 

 

泥臭く、汗臭く、血生臭い、それ等が合わさった匂いが近づいて来た。

 

 

ズン!

 

 

今男の子の背後に立った。

 

 

「おめー旨そうだなぁぁーーグェフェフェーーー!」

 

 

 

人間とは思えない気味の悪い声を聞いたかと思い、急いで振り向けばそこには五メートル近くの体躯の良い赤黒い肌をした鬼がヨダレを垂らしながら立っていた。

 

 

「ギャァァーーーー!!!」

 

 

 

 

 

 

陣と鶴子は未だに剣を交えていたが…

 

(ん?何だこの気配は?)

 

(…これは一体なんなんや!?)

 

 

二人は初めて感じる気配に疑問を感じていた。

 

 

 

その時……

 

 

「ギャァァーーーー!!!」

 

バサバサバサバサ!

近くにいた鳥たちが一斉に飛び出した。

 

 

((!?))

二人は声の聞こえた方向を見ると…

 

 

「うわぁぁーーー!!」

雑木林の中から男の子が泣きながら飛び出して来た。

 

 

陣の近くに男の子がやって来て座り込むと、下がって見てた子供達も前に出て来て男の子の周りに集まってきた。

 

 

どうしたかと聞くと男の子は雑木林の方を指差しながら言葉にならないような声で叫んだ。

「あっ、あっちかかかぁらぁー!おぉぉ、にぃ、おにっ鬼がぁ!!!」

 

 

 

鬼と言う言葉が出たと同時に雑木林から大きな鬼が三体も出てきていて鬼は大きな叫び声を上げた。

 

 

「「「がぁーーーーーーーー!!!」」」

 

 

 

 

 

鬼の咆吼と共に陣と鶴子は子供達を背に戦闘体制に入った。

 

 

 

 




飛天御剣流 龍昇閃
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