弱虫兄貴のリスタート   作:バタピー

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超弩級サイズの大乱闘! ---ベジータと地球の戦士達---

「…ん?」

 

 

身体中の痛みが和らぐ。

…ラディッツは目を開けた。

目の前には、気を注いでいる天津飯とヤムチャがいた。

 

 

「やっと起きたな。」

 

「よし、ならもうこれくらいでいいだろう。」

 

 

手をかざすのをやめ、気を送るのを止めた。

気…すなわち生命エネルギー…ラディッツの身体は先程より幾分か回復した。

 

 

「すまなかったな…

俺達、何も出来なかったよ。」

 

「それどころか、助けてもらってしまったな。」

 

「勝ったから別にいいよ。

むしろ、ここまで来てくれて感謝してるよ。

本当に!」

 

 

本来なら…死んでいるはずの二人が、自分を助けるためにここまで来ているのだ。

嬉しくないわけがない。

奇跡…なのか?

 

 

「さてと、ヤムチャと天津飯がいるってことはナッパもターレスも倒したってことか。

それじゃぁ…ベジータを倒しに行きますかね!」

 

「「おう!」」

 

 

---

 

 

「四倍ぇだぁーーっ!」

 

「な!?

ク…クソッタレェーーっ!!」

 

 

ベジータが空の彼方へ飛んでいく。

悟空も界王拳の反動で倒れ込んだ。

 

 

「悟空!?」

 

「お父さん!?」

 

 

二人が駆け寄る。

悟空に触れると、痛みが走るようで顔を歪ませていた。

 

 

「クリリン、悟飯…サンキュー…

けど多分あいつまだ生きてるぞ。」

 

「えぇ!?」

 

「ば 化物かよ…」

 

「確かに、まだベジータは生きている。」

 

「ラディッツ、ヤムチャさん、天津飯さん!」

 

 

意外と早めにこちらに間に合った三人。

だが談笑する前に小さい点、ベジータが降りてきた。

ベジータは上空で留まる。

 

 

「数が増えている…まさかナッパとターレスがやられたのか!?

…使えん奴らめ!」

 

 

 

ナッパは何人かは倒したようだ。

…それでも数では圧倒的にベジータは劣勢。

だが今からなら問題ない。

 

 

「カカロット、月を消してしてやったりとでも思ったか?

残念だったな!」

 

 

(大猿か…

ここまで、なんとか原作通りに繋げたんだ。

なんとかしてやる!)

 

 

ベジータがほとんどの体力を使い、光の玉を作り上げる。

本人とラディッツ以外はこれがどうなるか知らない。

 

 

「弾けて混ざれ!」

 

 

パワーボール…その光の玉は上空に打ち上げられ、炸裂し照明弾のように蒼白く…眩い輝きを放つ。

その光に応えるかのようにベジータの体が豹変していく…

体毛が濃くなり、体の線が太くなり、鼻と口がせり出していき、巨大化していく…

 

 

「な…なんだ!?

なんだってんだ!?」

 

「ば 化け物だ!」

 

「おい、アイツは何したんだ!?」

 

「悟飯、あの光を見るなよ!

あの光は、満月と同じ光を出してるんだ。

尻尾の生えたサイヤ人は、満月を見ると大猿化するんだ!

戦闘力は元の10倍。

あの体から攻撃を受けたら、ひとたまりもないぞ!」

 

「グハハハハ!

説明ご苦労だなラディッツ!

だがこれで、貴様もカカロットもおしまいだ!」

 

 

変身を終えたベジータ。

戦闘力は10倍…存在感は100倍はある!

 

 

「大猿…悟空の時と同じだ…尻尾さえ切ってしまえば…」

 

「そうだ、尻尾さえ切れば大猿化は解除されるんだ!

みんな、倒す事より尻尾を狙え!」

 

「!?」

 

 

ヤムチャの大きな独り言は、悟空の長年の疑問を解決させてしまった。

満月を見てはいけないこと…育ての親 孫悟飯 の謎の死…満月を見たあとの記憶喪失と周りの目…地球の神が尻尾を取り除いた理由…

 

 

(そうか…オラも月を見た時は、あんなんになってたのか。

…ごめんよじいちゃん、もし死んじゃったら謝りに行くからな!)

 

 

悟空も構える。

異変は既に起こっていた。

 

 

「ぐぬぬ…ぬぅぅううう…!」

 

「ラディッツ…?」

 

 

唯一味方で尻尾のあるサイヤ人。

彼の様子がおかしい…

 

 

「ラディッツ…まさか「大丈ブ…ベジータみたイニ理…セイヲハアル…!」

 

「お、おい!」

 

 

説明する時に見た光。

クリリンの呼びかけも虚しく、ラディッツは大猿化していく…

理性は…すっ飛んでいた…

 

 

「ガアアアアアアアアア!」

 

「フフフ、何が理性だ!

エリートだから出来るものを、貴様のような下級戦士が出来るわけなかろう!」

 

 

地鳴りを響かせ大猿ラディッツを殴り飛ばす。

倍の大きさもある岩石が降り注ぎ、悟空達はその場を離れざるを得ない。

 

 

「逃がさんぞ!」

 

 

逃げる先にエネルギー弾を放たれ、全員風圧で吹っ飛ばされる。

戦闘力10倍と言うことは、パワーもスピードも威力も、全てが10倍なのだ。

悟空が界王拳でも使わない限り手におえる奴ではない。

 

 

「くたば「ガアア!」グハッ!」

 

 

ラディッツからひと山分の大きさの岩石が、ベジータに直撃する。

 

 

「ラディッツさん、理性があるんだ!」

 

「そうか、やっぱり大丈夫なんだな!

勝てるぞラディッツ!」

 

 

そんな声に応えるようにドラミングするラディッツ。

そして…

 

 

「に 逃げろ!」

 

 

またしても投石するラディッツ。

それは味方である悟空達に向けて…

 

 

「うわっ!?

やはりあいつは正気ではない!」

 

「クソ!

厄介なのが二人もいるのか!」

 

「とにかく、隙を突いて尻尾を切っぞ!」

 

「させるか!」

 

 

ベジータの巨大な拳。

食らったのは、ヤムチャ…

 

 

「ヤムチばふぉ!」

 

 

地面にめり込む一発。

二発目にはクリリンが餌食になった。

地面を跳ねるようにすっ飛んでいき、岩山をカチ割り止まる

 

 

 

「次は貴様だ!」

 

 

殴りかかるラディッツに対して、口からエネルギー弾を放つ。

それを両手ではじき飛ばし、ラディッツからも口からエネルギー弾が放たれた。

 

 

「ウオーー!」

 

 

ベジータも負けじと両手で受け、弾く。

流れ弾が戦士達に向かう。

 

 

「避けろ!」

 

「!?」

 

 

悟飯が逃げ遅れる。

天津飯がギリギリのところで間に割り込み、直撃する。

ダメージをおった彼は力なく墜落していった。

 

 

 

「こしゃくな!」

 

 

巨体とは思えない速さで飛び込む。

両手で殴りつけ、地面に叩きつける。

起き上がる前に顔面を踏みにじり、何度も潰す…

 

 

(今だ!)

 

 

がら空きの背中から接近し、ベジータの尻尾を切り落とす悟空!

 

 

 

「かかったなカカロット!」

 

「何!?」

 

接近していた悟空は、その尻尾で叩き落とされる。

地面にめり込む。

 

 

踏み潰し殺そうとするが、悟空は体を拗らせギリギリで回避する

だが…

 

 

「うわぁぁああーーっ!」

 

「おっとすまんな、うっかり踏んじまったぜ」

 

 

悟空の左足が使い物にならなくなった。

骨が砕けたのだ…

 

 

「今度は…うっかり心臓を潰してやる!」

 

「やめろー!」

 

 

悟飯がベジータの背後から蹴り飛ばす。

大猿でなければ充分な攻撃…

 

 

「残念だったな!」

 

 

頭突きを受け吹っ飛ばされる悟飯。

ガードが間に合った。

酷いダメージは受けていない。

 

 

「!?」

 

 

ふと悟飯の動きが止まる。

悟飯とベジータの間にはパワーボールが…だが悟飯には尻尾は無かったはず…!

 

 

「悟飯に…尻尾が…」

 

 

この戦闘中に再生する尻尾。

見事に最悪なタイミングだ。

 

 

「うぅ…ゥゥウウ…!」

 

「なんだと!?

これ以上。邪魔者を増やしてたまるか!」

 

「ウガアァア!」

 

 

またしてもラディッツの攻撃に倒されるベジータ。

マウントポジションから執拗に殴られる。

 

 

「クッソがあ!」

 

 

口からエネルギー波を放ち引き剥がす。

次の瞬間には顔面に拳を食らっていた。

 

 

「ガルルルルル!」

 

「チクショウめ!!」

 

 

悟飯の大猿化が終わり、ベジータとラディッツを殴り飛ばす。

ラディッツが反撃に入り、悟飯とラディッツがとっ組み合う。

 

 

………

 

 

「……最悪だ…」

 

「あぁ…」

 

遠くの岩山から呆然と眺めるクリリン、ヤムチャ、天津飯。

自分達より強くて大きな猿の怪物が、大地を割りながら暴れ回っているのだ

頼りの悟空は足を潰されてほぼ戦闘不能。

未だに荒野に倒れている。

ヤムチャも天津飯も辛うじて動けるくらい。

味方であったラディッツと悟飯は理性が吹っ飛んだ状態で戦っている為、味方としてカウント出来ない。

クリリン自身も満身創痍だ。

 

 

「…恨むぞ神様…って神様に稽古つけてもらったんだよな…ははは…」

 

「そうだな…

……やるしかないか…」

 

「一人尻尾一本だ…死ぬ覚悟で行くぞ!」

 

 

………

 

 

「「ガアアアァァォォオオオ!!」」

 

 

とっ組み合いながら口からエネルギー弾を撃ち合い、煙が発生している。

少し離れたところで気を溜めるベジータ。

自身最強の技…

 

 

「食らいやがれ!!

スーパーギャリック砲!」

 

 

戦闘力10倍 威力も10倍だ!

直撃を受ける二頭の大猿に大ダメージを与える。

 

 

「手応えあった…ぜ!」

 

 

不意に尻尾を動かす。

迫り来る地球人の1人が叩き落とされた。

クリリンが…

 

 

「死ねぇ!」

 

「気功砲!」

 

 

振り下ろされる足裏に気功砲が放たれる。

ベジータは数歩下がる。

隙ができた!

 

 

「今だ!!」

 

「終わりだ!」

 

 

口から放たれる特大エネルギー弾。

尻尾を切ろうとしていた天津飯がエネルギー弾に消える。

 

 

「今度は貴様か!」

 

 

再び尻尾に近づく影。

振り抜く拳がヤムチャに当たる。

 

 

「ふははは!

残りは2匹だ!」

 

「なんだと…天津飯!?」

 

 

エネルギー弾を避けたかに見えた天津飯は、地面に横たわっていた。

ベジータ戦まで死力を尽くした男は、二度と動く事は無かった。

 

 

「……天津飯…クソッ!」

 

「ハァーッハッハ!

いよいよ貴様らも……!?」

 

 

その時、ベジータは異変を感じた。

尻尾が…

 

 

「へへ…もう…鼻をほじる力もねぇや…」

 

 

グチャグチャになった左足を引きずってきた孫悟空が倒れ込んだ。

彼の放った最後の気弾は、ベジータの尻尾を撃ち落とす。

 

 

「馬鹿な!?

くそ…カカロッ…ト…め!」

 

 

ベジータの身体が縮んでいく…

元の大きさに…

 

 

「ハァ…ハァ…クソッタレ!」

 

「今だ!」

 

 

クリリンが仕掛ける。

大猿化で体力を失った為に、遥かにパワーダウンしている。

それでもまだ戦える!

 

 

「貴様達を殺す力は、まだ残っているぞ!」

 

 

パンチをかわし、首元を締めあげる。

 

 

「俺も忘れるなよ!」

 

 

背後からヤムチャも加わる。

クリリンをヤムチャに投げ、何とかやり過ごす。

…が、忘れていたのは彼等だけでなかった

 

 

ガラガラ…

 

 

先程まで静かだったところから砂塵が舞う。

倒した大猿が残っていた。

まっすぐこちらにエネルギー弾が飛んでくる!

 

 

 

「クッ!」

 

 

エネルギー弾をいくつか避ける。

だがその後に大猿が突っ込んできた。

だが悟飯の動きが突如止まる…

ラディッツが尻尾を引きちぎっていた。

 

 

「グ…ガ…」

 

 

大猿悟飯はみるみる小さくなり、元の大きさに戻った。

気を失っているようだ。

 

 

「助かったのか…」

 

 

大猿ラディッツは、右手をこめかみに持っていき中腰になる。

もしや…

 

 

 

「クリリン!」

 

 

ヤムチャが悟空と悟飯を背負って叫ぶ!

その場に放たれた、10倍での主砲斉射。

地面をえぐりとりながら迫る。

横から来た衝撃に地面を転がる。

 

 

「痛っ………」

 

 

エネルギー波が通った後は、大きな溝が出来ていた。

中心には、山吹色の布切れと骨が露になった二の腕から指に掛けての肉片が一つ…

 

 

「ヤムチャ…」

 

「そんな…ヤムチャさん…」

 

 

ヤムチャしやがって…などと散々な言われようの男は、旧友2人とその息子を守るために肉片と化した。

醜い死に様を残すことなく蒸発した…

 

 

「俺が一度死んでるからって…ヤムチャさん…チクショウ!」

 

「安心しろ、貴様らもすぐに送ってやる。」

 

 

悟空の顔面を踏みつけてベジータが立つ…

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