弱虫兄貴のリスタート   作:バタピー

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---ドラゴンボール情報---

フリーザ軍 ... 2個
ナメック星人 ... 5個
地球人達 ... 0個
ベジータ ... 0個

誤字脱字修正済み R2 1/13




スカウター依存症から抜け出そう!

「出てこい!」

 

「死にたくねぇなら早くしろ!」

 

 

あっという間に包囲されてしまうナメック星人達。

フリーザ軍兵士は片っ端からナメック星人を家から出し、フリーザの前へと差し出す。

乱暴な輩とは対照に、ナメック星人...彼らは7人程しかいない。

ナメック星人は争いを好まない種族だが、自らの命や同胞達の命の危機とあって、あからさまに敵視している。

その軍勢の代表者と思わしい人物が口を開いた。

 

 

「こんにちは、ナメック星人さん。

私は、フリーザと申します。

実は私、ドラゴンボールを集めていましてねぇ...差し出していただければ命を取ることはいたしません。

早く出して頂けますか?」

 

(こいつらが...!?)

 

 

フリーザがポッドから降り立ち、深くお辞儀をする。

その両横には、蒼肌で緑髪の男と桃肌で角だらけの頭の男がそれぞれドラゴンボールを1つずつ携え立つ。

 

 

 

(先程の3人は仲間か...それともこいつらがその輩か...

フリーザ...彼らの言う通りなら...)

 

 

ムーリ長老は思考を張り巡らせるが、如何せん眼前の敵が多い。

フリーザ軍は、フリーザを筆頭に数十人はいる。

対するナメック星人は、子供老人合わせて7人あまり。

もし戦闘となれば、人数の不利は否めない。

そこら辺の下っ端なら何とかなりそうだが、目の前の者...それと両サイドの奴には敵いそうもない

 

 

「早く出さないと、こうなりますよ?」

 

 

ザーボンが1人のナメック星人に近づき、顔面にハイキックを決める。

例え普通のナメック星人であっても、そこら辺の奴らに負ける程、か弱くはない。

だがそんなナメック星人が1発で首の骨を折られた。

この悪人達...先程の3人と同じく、ドラゴンボールを欲しいと言う。

だがその彼らとは違う欲が顔を覗かせている。

しかもいとも容易く殺すなどと...実際に1人殺されている。

ムーリ長老はとにかく時間を稼ごうとする。

 

 

「...×××××...×××××××××...」

 

「残念ですが、あなた達が私達の言葉を話せるのは知っています。

そんなに死にたいのですか?」

 

 

あからさまに殺気を出して指を向ける。

ほのかに指は赤紫色の光を帯びる。

言葉の壁というもので時間を稼ぐのは無理なようだ。

それならもう、話すことしかない。

 

 

「...私はこの村のムーリという者だ。

渡す前に...聞きたいことが2つある。

そのドラゴンボールはどこで手に入れたのだ?

それと、ドラゴンボールを使って何をする気だ?」

 

「...そうですねぇ、それくらいは言わなくてはなりませんか。

ドラゴンボールは他の村の方から手に入れました。

どうやら、このボールはナメック星人にとっては勇気の証みたいなものなんですねぇ。

先程殺したナメック星人の村長さんに聞きました。

そしてその勇気の証は、ナメック星人の選ばれし者にしか授けられない事も...。」

 

「それと、2つ目の質問ですね?

願い事は私の不老不死ですよ。

この私が不老不死になれば、宇宙を征服するのに便利ですからね。

さぁ、これくらいでいいでしょう?」

 

「...わかった...そこの家の一番奥に。」

 

「ありがとうございます、あなたは話がわかる方じゃないですか。」

 

フリーザ兵が出向く。

苦虫を潰したかのような顔。

ムーリ長老は自分の不甲斐なさと、奴の強さに悔しがる。

対照的に、フリーザ達は満足気にニッコリとしていた。

順調に三つ目のドラゴンボールが手に入るのだ。

この調子ならそんなに遠くないうちに不老不死の願いが...その時だ。

緑髪のザーボンのスカウターが、いきなり爆散してしまった。

 

 

「どうしましたか?」

 

「馬鹿な...フリーザ様、ベジータにセットしていたスカウターが、20,000を超えたあたりで爆発しました。」

 

「へへ、お前のスカウターは旧式だからな。

ついに壊れたんだろ。

俺が測ってやる。」

 

 

桃肌のドドリアがスカウターで計測する。

確かに、ザーボンが付けていたのは旧式と言われるスカウターだ。

大抵の敵ならその古いスカウターでも計測可能なのだが、戦闘力が大体2万辺りで壊れてしまうようなのだ。

ドドリアの付けているスカウターは、次世代機である。

特徴や大きさはさほど変わってはいないが、より大きな戦闘力にも対応している。

...と言っても、携帯型なのでそれでも限界があるのだが。

更なる次世代機も開発中という事なのだが、今はこれが携帯型の中では最新なのである。

スカウターは順調に計測し、24,000あたりで落ち着いた。

 

 

「何...24,000だと?」

 

「馬鹿な!?

奴は最近までキュイと同等だったはず!」

 

「...恐らく地球で、何か戦闘力を上げるコツでも掴んだのでしょう。

ですが、慌てる必要無いではありませんか。

あなた達2人がまとめて相手すればすぐに終わりますよ。」

 

 

落ち着きのある口調で促すフリーザ。

確かに冷静に考えれば、1人なら苦戦はするが、2人掛りなら何ら問題ない数値だ。

だいぶ前に計測した数値なのだが、ザーボンの戦闘力は23,000。

ドドリアなら22,000なのだ。

戦闘力に1000程開きがあっても、そう慌てる数値ではない。

 

 

「ベジータはドラゴンボールを集めて、私と同じく永遠の命を手に入れる算段なのでしょう。

そうでなければ私に勝てるはずありませんからね。」

 

「フリーザ様、ありました!」

 

 

家宅捜索していたフリーザ兵が声を上げ、ドラゴンボールを見つけ出す。

フリーザにとっては良い報告だ。

 

 

「...」

 

 

その光景をただただ見守るナメック星人達。

皆敵意を剥き出しにして睨みつける中、ムーリ長老は静かに彼らを見抜いていた。

 

 

(このフリーザという者、先程の3人やナメック星人には持っていない底知れぬ悪を感じる。)

 

 

柔らかい口調からヒシヒシと滲み出る冷酷さ。

そして隠しきれぬ冷酷な瞳。

完全に見抜いている訳では無いにしろ、ここにいるナメック星人全てが感じていた事であった。

ナメック星人達は、知力や判断力が優れている。

地球人で言う五感と言うものが優れた種族だ。

そのナメック星人達全てが彼らを敵視していた。

だが、その邪悪さは身を隠すラディッツ達も感じていた。

 

 

 

「な...なんて凶悪な気だ...」

 

「いいか、絶対動くなよ!

わかったな!」

 

「は はい。

あ。」

 

 

......コト...

 

 

やはりラディッツの言う通り、目の前の強さはそう桁外れではないものの、潜在的な強さは半端なものではなかった。

そのひしひしと伝わるものが、彼ら地球人達に些細なミスを誘発させる

例えば、段差にある石を落とし音を出してしまうミスを起こすとか。

 

 

(...バカヤロー!)

 

 

よっぽど気づかれない小さな音。

それに気づいたのは、比較的近くにいたドドリアだ。

 

 

「?」

 

「どうしたドドリア。」

 

 

ドドリアが段差の方へ向き直し、ゆっくりと歩き出す。

...近づいてくる。

ラディッツ達は体を寄せ合うように小さくなる。

 

 

(クソ...多分ドドリアやザーボンなら何とかなるけど、今このままフリーザと戦うのはマズ過ぎる!

何とか...!)

 

「ゲコッ。」

 

 

ナメック星のカエルが、ドドリアの目の前を跳んでいく。

ドドリアはそれを摘むと、緑髪の男に放り投げる。

 

 

「悪い、カエルだった。

ほらよザーボン。」

 

「遊んでる場合か。」

 

 

ザーボンはサラッとかわす。

カエルは地面を転がると、大急ぎで逃げていった。

ドドリアはラディッツ達に背を向けて、元の位置に戻る。

ラディッツ達も、ヘロヘロと力が抜けた。

何とかバレずに済んだようだ。

 

 

 

---ナメック星 別地点---

 

 

「待ちくたびれたぜ、キュイさんよ?」

 

「悪いなベジータ、お祈りは済んだか?」

 

 

相見える2人のフリーザ軍兵士。

いや、正確に言えば1人は反乱兵だ。

 

 

「ようやく、このライバル関係に終止符が打てるってもんだ。

そこまで腕が落ちちゃぁ、てめぇもおしまいだ。」

 

反乱兵討伐の為にやって来たキュイと、その反乱兵であるベジータだ。

キュイの自信に満ち溢れた発言には、確かな裏づけがある。

現在キュイのスカウターに表示される、ベジータの戦闘力は14,000。

キュイの最大戦闘力は18,000。

元々ほぼ同じくらいの戦闘力を持っていたのに、地球に行って弱体化してしまっていたのだ。

奴の戦闘スタイルは大体把握している為、技の練度での戦闘力の差はそこまで考えなくてもいい。

ベジータに負けるはずが無いのだ。

 

 

「ライバル関係だと?

じゃあ良いものを見せてやろう。

俺は地球に行ってボロボロになった引換に、二つの力を手に入れた。」

 

「命乞いの仕方と逃げ足の速さか?」

 

 

見え透いた挑発を尻目に、ベジータが力を込める。

スカウターの数値が、やんわりと上がり始める。

キュイはまだピンと来ていない。

 

 

「戦闘力のコントロールだ!」

 

 

ベジータが気を更に込める。

キュイのスカウターの数値は、突如としてめまぐるしく動き、20,000を超えたあたりで爆散した。

キュイも旧式スカウターを支給されていたので、正確な数値を拝む前に故障したのだが、数値の上昇率から予想をすると、25,000辺りと予測を立てる。

 

「それと、このパワーだ。」

 

「ば、馬鹿な!」

 

 

キュイは一歩後ずさりする。

先程までチンケな猿野郎と侮っていた奴が、大きな脅威となり得てしまった。

戦闘力の上昇...即ち自分よりもパワーが勝るということ。、

 

 

「何故だ、元々貴様は俺と互角の戦闘力だったはずだ!」

 

「クックック...フリーザの元でぬくぬくとしてた貴様と違う。

俺は絶えず最前線で戦っていたからだ。」

 

 

それを聞いて全てを理解した。

このサイヤ人(種族)...猿野郎と罵っていたが、いよいよ殺されかねない。

キュイの作戦は、殺しにいく作戦から生き延びる作戦へとシフトしていく。

 

 

「ま、待てベジータ!

お 俺もフリーザ様...いや!

フ フリーザが嫌いだったんだよ。

俺も仲間にしてくれよ。」

 

「ふざけた事を抜かしやがって。

それでも命乞いのつもりか?」

 

「ほ 本気で言ってるに決まってるだろ...」

 

 

近づいてくるベジータ。

後ずさりしながら、左手に意識を集める。

生き延びる作戦...それは意表をついた攻撃で離脱する方法だ。

だが目の前のベジータは間違いなくこちらに意識を集中させている...

相手の予想外を引き出す...その為には...

 

 

「あっ!

フリーザ様!!」

 

 

相手が恐れている者の名前を叫び、背後を指差す。

これだけ...? と思っている人も多いだろう。

だがよく考えて欲しい。

自らが学生だった時、友達が「あっ、先生!」と言うだけでかなりの抑止力が働いたであろう。

更に相手が見えない背後を指差せば、振り向く人もいる。

それが悪い事をしている時は尚更だし、何もしていない時でも気を取られる事があっただろう。

まさにそれと同じことが起こった。

 

 

「な なんだと!?」

 

「掛かったな!」

 

 

背後を振り向いた瞬間に、連続フルパワーエネルギー弾を叩き込む。

初弾はベジータを巻き込んで炸裂し、二発目、三発目以降、煙で見えなくなる。

それでもキュイは手を緩めない。

 

 

「キェー!」

 

 

最後に特別大きなエネルギー弾を放ち、大爆発を起こす。

煙が晴れる。

地表の凹凸は消え去り、周りが更地になっていた。

 

 

「へ...へっへっへ。

例え戦闘力が上回ったとしても、不意にこれを食らっちゃぁおしまいだな。

肉片すら残っちゃいねぇぜ!」

 

 

ベジータの影すら見当たらない地表。

もしキュイにスカウターがあったら、どんな表情をしていただろうか...?

背後から声が掛かる。

 

 

「マヌケだな、まさか貴様がそんな情けない戦法を取るとは思わなかったぜ。」

 

「な!?

いつの間に!?」

 

「戦闘力が上がったということは、パワーやスピードも上がったという事だ!」

 

「...!!」

 

 

キュイの顔は蒼白になる。

打つ手なし...残る手段は本能によるものだ。

 

 

「う わああああ!」

 

 

そしてベジータに背を向け飛び出した。

敵前逃亡...フリーザが見れば殺されたであろうが、ベジータがそれを許すはずがない。

あっという間に、キュイの眼前に先回りしてしまう。

 

 

「はぁっ!」

 

「グボォ!!」

 

 

ベジータの右フックは、あっさりと戦闘ジャケットを貫く。

キュイの悲鳴が上がり、それと同時に腹に小さな気弾を送り込む。

吹っ飛ばしながら、腕を振り抜いて腹から引き抜く。

力無く宙を舞っていく体。、

 

 

「死ね!」

 

 

右手を操作すると、気弾は爆発。

内部からの攻撃を受けた身体はなす術なく爆散し、地上に肉片の雨を降らす。

 

 

「へっ、汚ぇ花火だ。」

 

 

彼を語る上で外せない名言を、さらりと吐き捨てる。

ベジータは戦闘力を即座に抑え、そのままスカウターを操作する。

表示されたのは、多くのエネルギー反応。

フリーザ達ではない。

 

 

(無線を聞いていたが、フリーザの野郎...ナメック星人からドラゴンボールを奪っていたのか。

フッフ...やってやるぜ!)

 

 

ベジータはニヤリとしながら、スカウターの示す位置へ飛び出していった。

 

 

---ナメック星 フリーザ軍---

 

 

「キュイのエネルギー反応が消えました。」

 

「ほぅ、少しは強くなったようですねぇ。

ま、私の足元にもお呼びませんが...」

 

 

ザーボンの報告にも涼しい顔だ。

まるで元々捨て駒のような扱いである。

中堅兵士の喪失の知らせにも全くの動揺も見せずに、ムーリ長老の方へ顔を向ける。

 

 

「さてと、ドラゴンボールを渡して頂き感謝します。

では次は、他の仲間の所を教えていただけますか?

そうすればあなた達は助けてあげますよ?」

 

 

至急、テレパシーで他の村にも知らせる。

ナメック星が蘇ったが、大きな驚異が現れたということを。

それと同時に、ムーリは話し始める。

 

 

「仲間の位置は...教えることは出来ん。

ドラゴンボールを手に入れたのだ、約束通りに帰っていただこう。」

 

 

フリーザ達はドラゴンボールを手に入れた。

目的を果たして、めでたしという訳だ。

約束を果たした引き換えは当然である。

それを守るのは至極当然...それが無ければ、ただの悪党だ。

 

 

「教えていただけませんか...ならば死んでいただきましょう。」

 

 

フリーザ軍兵士達が、こぞって前へ出る。

どうやら本当に悪そのものの様だ。

 

 

「くそ!

長老を守れ!」

 

 

少ないナメック星人が出る。

その時、スカウターが鳴り響く。

新たに敵が近づいてくる警告音だ。

少し遠くに出ていたこの村の若い衆が戻って来たのだ。

 

 

「長老、ご無事でしたか!?」

 

「私は大丈夫だ、だが犠牲者が...」

 

「クソ、奴らか!」

 

「ホッホッホ...楽しみが増えたようですね。」

 

 

フリーザ軍兵士達が一斉に襲いかかる。

たった3人程しか増えない敵に、数の力であっという間に制圧してしまう。

...はずだった。

 

 

「はぁっ!」

 

「チィッ!」

 

「でやぁ!」

 

 

初撃が簡単に挫かれる。

それどころか、反撃にあったフリーザ兵が逆に倒されてしまった。

若いナメック星人が強かった訳ではない。

他の老ナメック星人も、次々とフリーザ兵を薙ぎ倒していく。

数で勝ると思われたが、ここの力に圧倒されている。

ただここでフリーザ軍にとって不幸中の幸いだったのは、今ここにいるナメック星人全てが、龍族と呼ばれるナメック星人だという事だ。

同じナメック星人と言えど、大きく2つの種族に分かれる。

片方は、ナメック星の環境を整えたり、特殊な能力で物を作り出したりする龍族。

一般的なナメック星人はほとんどこちらに該当する。

もう一つは、龍族やナメック星を守るの為に戦闘に長けた種族、戦闘タイプの種族だ。

フリーザ達はまだ知らないが、ピッコロがこの種族に当てはまる。

...ま、この星にはまだ戦闘タイプは残っているがまた機会があったら紹介する事になるだろう。

 

 

(奴ら...見たところ相手の気配を感じられないようじゃな。

先の若い衆が来た時もそう、あの機械に頼っているように見える。

あれさえ壊せば...)

 

 

ムーリ長老は、瞬時にフリーザ軍を見回す。

ドラゴンボールを持つ片方の兵士、そこに倒れている兵士、後方にいて飛び出す機会を伺う兵士、そして白いあの男。

計4つ...

 

 

「はっ!」

 

 

まずは油断しているように見える、フリーザのスカウターを破壊する。

 

 

「ホホホ、こんな攻撃、痛くも痒くも「はっ!」

 

 

即座にドドリアのスカウターも破壊する。

そして、横たわる兵と戦闘中の兵のスカウターも破壊する。

 

 

「!?

スカウターが狙いか!」

 

「何!?

クソ、皆殺しだぁー!」

 

 

ここに来て、ようやく長老の意図が読めたザーボン。

ドドリアがドラゴンボールを放り出し、怒りに吠え突撃する。

その拳がムーリ長老に届く直前だ。

 

 

「お待ちなさい!!」

 

 

フリーザがドドリアを止める。

ギリギリの所で留まったドドリア。

この攻撃を避けられなかった長老は、1度救われた形になった。

 

 

「何故ですフリーザ様!?」

 

「ドラゴンボールの情報は手に入れなければなりません!

その長老さんは生かしておきなさい。

殺すなら他のナメック星人になさい!」

 

 

そう言われドドリアは地に降り立つ。

フリーザの言う通り、ここで殺してしまえばスカウター無しで他のナメック星人を探さなければならない。

ドラゴンボールを1つ、中に浮かせて指示を出すフリーザ。

その冷静な対応は、ドドリアの頭を冷やす。

 

 

「...良かったな、てめぇだけ命拾いしたな。」

 

 

長老を護るように、他のナメック星人が周りを固めている。

...フリーザ軍手下は残っておらず、後はドドリア、ザーボン、フリーザの3人しかいなかった。

6対3...それでも尚、3人の余裕の表情は変わらない。

 

 

「殺されたナメック星人の仇!」

 

「行くぞ!」

 

『うおおおお!』

 

6人は一斉にドドリアに襲い掛かる。

1人目の老ナメック星人の攻撃を避けながら首元へラリアット。

老ナメック星人は一撃で首が折れてしまった。

続いて殴りかかって来たナメック星人は攻撃を受け止め、3人目に思いっきり投げ込み、2人とも失神。

4人目は容赦なく拳で腹を貫き、5人目は手刀で首を跳ねた。

6人目は攻撃を受け止め、死なない程度に連打を浴びさせ、上空へと放り上げる。

のびている2人の頭を粉々に踏み潰した後に、落下してきたナメック星を岩に向けて蹴り飛ばす。

そして腹にヘッドバット。

全ての長老と子供以外の全てのナメック星人が死に絶え、ドドリアは満足そうに頭を撫でる。

 

 

「...村の者達が...こんなに簡単に...」

 

 

ムーリ長老の裏に隠れる子供達。

 

 

「デンデ、カルゴ!!

...2人だけでも逃げるのじゃ!

ナメック星人の誇り、見せてくれる!!」

 

 

2人が同時に駆け出す。

例え自分が死のうとも、未来ある子供達を守る為ならと自らを奮い立たせる。

 

 

「ホホホ...」

 

 

そんなムーリ長老を掠めるように、一筋の光が走る。

背後から悲鳴。

ムーリ長老は咄嗟に振り返ると、無残にも1人が凶弾に倒れていた。

 

 

「カルゴ!!」

 

「グッ...貴様らぁ!」

 

 

普段怒りを見せないムーリも、怒りに任せて突撃する。

怒りの一撃は、ドドリアの顔面を捉える。

だがそれと同時に、ドドリアはニヤリと笑う。

 

 

「!?」

 

 

離れようとするが、顔面を掴まれる。

そしてゆっくりと首を曲げていく。

圧倒的な力に耐えきれず、鈍い音とともにムーリの命は絶えた。

 

 

「あ...ぁ...」

 

 

目の前で繰り広げられた殺戮。

もうここら一帯で生き残っているナメック星人は、幼い子供のデンデだけだ。

ムーリ長老だった体を捨てると、デンデに向けて歩き始める。

 

 

「うわ...あぁ...!」

 

 

手足をばたつかせ、少しでも距離をとろうとする。

最早立ち上がって逃げるという動作も忘れていた。

2人の距離がどんどん近づく。

ここに来てやっと立ち上がる事を思い出したデンデは、背を向けて走り出す。

だが、目の前にはもうドドリアが仁王立ちしていた。

 

 

「へっへっへ、あばよ。」

 

 

------

 

 

「ラディッツさん!

このまま見てていいんですか!?」

 

「う...うーん...」

 

 

ナメック星人があっという間にドドリアに制圧された。

残りはムーリ長老と2人のナメック星人の子供だ。

そんな状況にもかかわらず、全く反抗する気をも起こさないラディッツに対して苛立つ悟飯。

 

 

「悟飯、悔しいのはわかる。

...だけど、俺達が出てったところで無駄死にするだけだ。」

 

 

そう言うクリリンも、怒れる気持ちを拳を握る事で紛らわしている。

このまま放っておくとナメック星人が全滅。

下手に出るとこちらがやられるリスクもある。

選択の場面は、刻刻と迫る。

 

 

「カルゴ!!」

 

 

ナメック星人の子供が1人殺された。

更にムーリ長老まで無残に殺されてしまう。

悟飯の怒りは限界だった。

 

「...ラディッツさんが行かないなら、僕が行きます!」

 

 

「(よし、原作通りデンデが生き残るな。)待て悟飯、1人じゃダメだ。

クリリン、あの子を助けるぞ!」

 

「だけど...フリーザはどうするんだ!?

あの2人ならともかく、フリーザに勝てるのか?」

 

「今は戦うんじゃない。

2人を助け出すだけだ。

運良くフリーザ以外が追ってきたら、返り討ちにするだけだ。

いいか、あの子を助けるだけだ。

界王拳も極力使わずに、離脱する事だけ考えるんだ!」

 

 

その説明の最中、デンデが再び立ち上がり逃げ始めた。

ドドリアが先回りし、拳を振り上げる。

 

 

「行くぞ悟「やめろー!!」

 

 

号令を掛ける前に、単騎で突撃していく悟飯。

その声に反応したドドリア。

振り向くが、まもなく殴り飛ばされる。

悟飯の攻撃の威力は凄まじく、吹っ飛ぶドドリアはナメック星人の家を5・6件ほどぶち壊してやっと止まった。

 

 

「お前なんか、僕がやっつけてやる!!」

 

「な、なんだと糞ガキ〜!」

 

 

ドドリアの赤い顔が更に赤くなる。

そこそこな痛手を被り、反射的に反撃に移るドドリア。

間髪を容れずにクリリンが蹴り飛ばす。

 

 

「何やってんだ悟飯!

さっさと逃げるぞ!」

 

「おや...ザーボンさん!」

 

言われなくてもと言わんばかりの速さで動き出していたザーボン。

フリーザの側近であるが故に、何をすべきか咄嗟に判断する。

この者達は生け捕りにして、フリーザの前に差し出す。

不言実行、ドラゴンボールを持ちながら、2人の襟首を掴んで取り押さえた。

 

 

「どけぇ!」

 

 

そのザーボンの背後に、瞬間的に回り込むラディッツ。

足首を掴み、フリーザの方向へぶん投げる。

運がいいことに、ザーボンは二つともドラゴンボールを手放してしまう。

 

 

「行くぞ!」

 

 

1つは素早くクリリンが強奪し、デンデを連れて飛び出した。

ラディッツも続いて、悟飯を抱えて続く。

残りの1つはフリーザが念力で回収し、手早く吠える。

 

 

「追うんですよ!!

ドドリアさん、捕まえなさい!!」

 

「ぬおぉ!!」

 

 

ザーボンを片手で受け止め、そのまま指示を下す。

瓦礫を吹き飛ばしながら、追いかけるドドリア。

デンデとドラゴンボールを抱えて逃げるラディッツ達。

戦闘力を抑えて飛行しているため、全力とは程遠い速度で飛行する。

 

 

「ラディッツ!

界王拳は!?」

 

「それは切り札だ、ここでは使わない!

それよりクリリン、太陽拳だ!

スカウターの無いドドリアなら確実に時間を稼げる。

もっと誘い込んでから返り討ちにするぞ!」

 

「待ちやがれー!」

 

 

ドドリアはエネルギー弾を撒き散らしながら後を追ってくる。

悟飯とラディッツは弾き飛ばしながら逃げる。

だが気を抑え、更にデンデを抱えて飛ぶクリリンに合わせるとどうしてもドドリアに追いつかれる。

 

 

「...そうか!

悟飯、これ持っててくれ!

みんな、目を瞑ってろよ!」

 

 

ラディッツにデンデを、悟飯にドラゴンボールを渡す。

くるりと裏を向き、額に両手を当てる。

クリリンが叫ぶ直前、一瞬で影が側面を横切った...

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