弱虫兄貴のリスタート   作:バタピー

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---ドラゴンボール情報---
フリーザ軍2個
クウラ軍1個
ベジータ1個 (湖)
最長老1個
ナメック星人2個
地球人0個

誤字脱字修正済み R2 1/13


敵を裏切るなら、まずは味方になってから?

「遅い...」

 

 

ザーボンはポツリとつぶやく。

いくら待っても、ドドリアが帰ってこない。

フリーザの側近であるが故に、そう易々とやられる彼ではない事はわかっている。

だから、あの3人を簡単に捕まえてくるだろうと思っていたが、予想が外れてフリーザの額には徐々に苛立ちが見え隠れし始めた。

ほんの少しだけいい話といえば、全滅したかに見えたフリーザ軍にアプールと言う兵士がまだ生きていたことか。

ただそれは、フリーザを満足させる程の知らせではない。

 

 

 

「仕方ありませんね。

ザーボンさん、アプールさん、残りのドラゴンボールを探してください。

えぇ、スカウターがない以上しらみつぶしに探す他ないでしょう?

私は艦に戻り、ギニュー特戦隊と予備のスカウターを持ってきてもらいます。」

 

「ギニュー特戦隊!?」

 

「そんな、ギニュー特戦隊がいなくとも「あなたはそのギニューさんたちが来る前までに、ドラゴンボールを集めれば問題ないでしょう?

それと、私なら何か言う前に行動を起こしますがねぇ...?」

 

 

アプールとザーボンは血相を変えて飛び立っていく。

残されたフリーザは、ドラゴンボールを浮かせて母艦へと戻っていく。

 

 

(妙ですね...ザーボンさんの言う通り、何故ギニュー特戦隊を呼ぼうと思ったのでしょう?

この私が、何かに怯えているのでしょうか?

ベジータ?

...いや違う、あの3人?

それも違う...胸騒ぎがしますね...やはり万全を期してギニュー特戦隊を呼ぶのが得策でしょう。

よくわかりませんが、フリーザ軍の総力を上げてドラゴンボールを集めなければいけない気がする...

...ふむ、実に不愉快ですね。)

 

 

滅多にこんな思いにふけることは無いフリーザにとって、それはストレス以外の何ものでもない。

不安要素は全て排除する。

だからこそ、フリーザ軍最高部隊のギニュー特戦隊の召喚なのだ。

だが、ヤードラット星に進撃予定の彼らを呼び出したところで到着までにいくらか日数が掛かる。

そうこうしているうちに、母艦へとたどり着くフリーザ。

 

 

「...私は待つのが嫌いなんですよね。」

 

 

ドラゴンボールを眺めながら、それでも待つことにする。

 

 

 

---ナメック星 洞窟内---

 

 

「ほんっとにあんた達は使えないわね!

こんなレディを放置してドラゴンボールを一つも手に入れてないってどうゆうことよ!!」

 

 

洞窟内の壁から、塵が舞い落ちる程の怒鳴り声を上げるブルマ。

あまりの迫力に、デンデを含めて男どもは耳を抑えて目を閉じる。

 

 

「そんな事言ったって、クウラ機甲戦「クーラだかコーラだか知らないけど、大の大人が二人もいて何してんのよ!」

 

「ブルマさん、ナメック星の子供を助けれただけでもいいじゃ「ドラゴンボールを集めるために来たんでしょ!?

子供は助けるのは当たり前だし考えが甘いのよ!」

 

 

言い訳するラディッツ、フォローに入ったクリリン。

どちらも言葉によりコテンパンにされる。

この会話に悟飯が口を挟まなかったのは正解だ。

デンデに至っては、部屋の隅まで避難している。

 

 

「デンデ、このお姉さんは怒ると怖いだけだから大丈夫だよ。」

 

「ちょっと!

怒っても怖くないわよ!」

 

「な...何故僕の名前を...?

どうしてドラゴンボールのことを知っているのですか?

あなた達が、このナメック星に来た理由は?」

 

 

子供...とは言え、彼は後に地球の神を務める逸材。

知性に優れたナメック星人でもあり、この星の生き残った被害者である。

彼には、全てを知る権利がある。

 

 

「...よし、一つずつ話そう。

まずは、君の名前からかな?

...」

 

 

ラディッツが話し始めた。

ただ、馬鹿正直に『元から知ってた』とは言えない。

ムーリ長老が、叫んでいたと言うことにした。

事実、デンデとカルゴを逃がす時に叫んでいたので辻褄は合った。

次にドラゴンボール。

昔の異常気象の時に生き残ったナメック星人が、漂流先の地球で同じものを作ったと告げると、理解したようだった。

それと、ナメック星へ来た理由。

先ほど姿を現したベジータにより、仲間が殺された。

その仲間を生き返らせる為に、説得しに来たところにちょうどフリーザ軍が...

最後に、そのフリーザ達の不老不死と言う野望を伝える。

 

 

「...だから俺達は、ドラゴンボールを奴らに渡さない為に集める。

その為に、力を貸してくれないか?

デンデも手伝ってくれれば、絶対に奴らにドラゴンボールを渡すのを阻止してみせる。」

 

「...そういうことでしたか。

でしたら、僕からもお願いします!

ナメック星を救ってください!

最長老様も、この事を話せば力になってくれるはずです!」

 

「「「最長老様?」」」

 

 

ラディッツ以外は首を傾げる。

最長老とは、その異常気象の時の最後の生き残ったナメック星人。

デンデを始め、このナメック星に存在するナメック星人の生みの親である。

ちなみに、デンデは最長老様の108番目の子である。

そして最長老の所には、ドラゴンボールが1つある。

 

 

「その最長老様の所は!?」

 

「ここからかなり遠いです。」

 

「よし、ならクリリン。

デンデを連れて最長老様のところへ行ってきてくれないか?

俺は他のナメック星人からドラゴンボールを預かってくる。」

 

「わかった、気をつけてな。」

 

「それと悟飯は、ここに残ってくれ。

ブルマを護らなきゃいけないしな。

その代わりに、トレーニングルームで修行しててくれ。

だがもし何かあれば考えて動いてもいいぞ?

機会があれば積極的に行動するのも充分ありだ、状況を見て動いてくれ。」

 

「はい!」

 

 

それぞれが自らの出来ることの為に動き出す。

クリリンと悟飯はほぼ原作通り。

ラディッツは広範囲に気を探り、その1箇所に動き出す。

 

 

---ナメック星 別地点---

 

 

 

「ツンナ長老!

チンナ長老!」

 

「うむ...」

 

「やはり来たか。」

 

 

別の集落でも、やはり悪党が出没していた。

比較的若い双子の長老、ツンナ長老とチンナ長老の目前には、2人の異星人が近づいていた。

この集落は元々一つではない。

二つの村が危機を感じて集まり、一つになっていた。

皆猛者ばかりであると信じている。

その上、数は30人近く。

ある程度の者なら跳ね返せると確信していた。

だからこそ、目の前に来るまであえて何もしなかった。

 

 

「...ヌシらは何者じゃ?」

 

「俺はドーレ!」

 

「俺はネイズ!」

 

「「クウラ機甲戦隊!」」

 

 

二人でのポージングだが、ナメック星人達は静まり返る。

彼らを見るに、悪意を秘めたとても個性的(・・・)な自己紹介をする者達にしか見えない。

 

 

「オレ達は、ドラゴンボールを取りに来た。」

 

「クウラ様の為だ、ありがたく渡せ。」

 

「...断る。

ワシらは、ヌシらのような悪に満ちた者達にドラゴンボールは渡さん!」

 

「皆掛かれ!」

 

ツンナ長老が言い放つと同時に、村の者達が一斉に飛び掛る。

ムーリ長老にツーノ長老もやられた。

戦闘は好まない彼らも、味方が次々と殺され、戦わざるを得なかった。

やられる前にナメック星人達は襲い掛かる。

 

 

「シャッ!

じゃぁやるしかねぇな!」

 

「全員あの世に送ってやる!」

 

 

ネイズは両腕を伸ばし、手当り次第にナメック星人を掴み投げる。

ドーレは1人ずつ、格闘技で命を刈り取っていった。

猛者たちがいた集落は、あっという間に全滅。

ツンナ長老やチンナ長老も必死に立ち向かったが、ネイズの電撃によって黒焦げとなり、ドーレのツームストンパイルドライバーにより、脳天をぶちまける最期となった。

 

 

「ナメック星人ってのは、こんなにも弱っちいのか?」

 

「ボヤくなドーレ、ドラゴンボールを探すぞ。」

 

 

ドーム状の家を一つずつ破壊していき、ドラゴンボールを探す二人。

そんな2人のスカウターが、戦闘力を察知して警告音を鳴らす。

ドラゴンボールを探すのを一度止め、その方向を注視する。

敵か? 味方か?

そんな彼らの前に降り立つ男。

 

 

「お二人は...クウラ機甲戦隊の方たちですか?」

 

 

ナメック星人ではない。

スカウターはつけているが、フリーザ軍やクウラ機甲戦隊のような戦闘ジャケットはつけていない。

 

 

「お前は誰だ?」

 

「フリーザ軍のサイヤ人で、ラディッツっていいます。

ちょっと色々ありまして...クウラ機甲戦隊の方達のドラゴンボール探しを手伝おうと思って来ました。」

 

 

 

クウラ機甲戦隊でも聞いたことがある。

フリーザ軍のサイヤ人部隊。

王子 ベジータを筆頭に3人で構成された隊であると。

恐らくその中の1人だろうと、ネイズは考えた。

 

 

「そうか、クウラ様も喜ばれるだろ!

手伝ってく「待てドーレ。

コイツはフリーザ様の所のサイヤ人だぞ?

お前、まさかドラゴンボールを奪うつもりじゃないだろうな?」

 

 

ネイズはラディッツに細い目をして疑う。

情報によれば、フリーザ軍から謀反を起こしたのはベジータと聞いている。

目の前の猿が、ベジータ側についている可能性は高い。

そうなれば、味方のふりをして強奪しようとして接触してきたとしか思えないからだ。

 

 

「ははは、強奪しようもんならもう少し上手くやりますよ。

しかも戦闘力ではあなた達には敵いませんし。

何ならスカウターで見てくださいよ。」

 

 

ラディッツが言うのも一理ある。

強奪するならもっと手段はあったはず。

先ほどのナメック星人と戦っている隙にとか、油断している時とかあったはずだ。

なのに彼は、普通に声を掛けてきた。

戦闘力が余程あるのかと思いきや、せいぜい10,000程度。

サイヤ人の中ならかなりの強さだが、この戦闘力ではクウラ機甲戦隊...それどころか、フリーザ軍所属のおちゃらけ軍団にも遠く及ばない。

 

 

「...なるほどな。

わかった、何故協力する気になったのかわからんが手伝え。」

 

「はい、喜んで!」

 

 

疑いは晴れ、ラディッツも民家を物色し始めた。

案外手こずるかと思ったが、三つ目の家を物色したところでドラゴンボール2つとも出てきた。

 

 

「ありました!」

 

「でかしたぞラディッツ!」

 

 

ラディッツはすんなり、ネイズとドーレにドラゴンボールを渡す。

やはりネイズの心配は、考えすぎによるものだったみたいだ。

ドラゴンボールが手に入り、ドーレとネイズは意気揚々だ。

そんな時に、ラディッツが声をかける。

 

 

「あ、あの、失礼かと思いますが...ドラゴンボール探しを手伝ったお礼が欲しいんです。」

 

「お礼?

...言うだけ言ってみな。

全て叶えれるわけじゃないがな。」

 

 

だがネイズはこの男を始末するつもりだった。

所詮はサイヤ人...下等生物にドラゴンボール探しを手伝ってもらった等とクウラに報告でもすればどうなることか...

この猿は使えた。

それだけだった。

そしてその猿が、一度ニカッと笑った。

 

 

「お願いが二つありまして...スカウターとドラゴンボールを下さい!」

 

 

同時に、2人の顔に風圧が走り、ネイズの手には浮遊感を感じた。

瞬間的にスカウターとドラゴンボールは、ラディッツの手中に収まる。

 

 

「な!

いつの間に!」

 

「おい、冗談はやめてさっさと返しな。」

 

「わかりましたよ。」

 

 

 

ラディッツは、スカウターを二人の足元へ思いきり投げつける。

当然スカウターは、火花を散らして壊れてしまう。

それと同時に、ラディッツはクウラ機甲戦隊を敵に回した。

 

 

「ほぅ?

猿野郎が俺達クウラ機甲戦隊に喧嘩を売るとはいい度胸だ。」

 

 

ラディッツは静かにドラゴンボールを足元に置く。

 

 

「喧嘩ですか?

いえいえ、戦闘力10,000程度じゃ勝ち目がないんで...太陽拳!!」

 

 

 

途端に辺りは閃光に包まれる。

光源をまともに直視してしまった2人は、まぶたを抑えてうずくまる。

失明こそしてはいないものの、目に刺さるような痛みが走り、視覚が麻痺してしまう。

スカウターを失った為に、2人は完全に目の前の敵を見失ってしまった。

 

 

「うわぁっ...クソ!」

 

「どこだ、どこ行った!?」

 

「喰らえぇ!」

 

 

ラディッツは、のたうち回る二人にめがけて気弾を浴びせる。

だが10,000程に抑えた状態での攻撃の為、地面の塵を巻き上げた程度しかなかった。

逆に、ラディッツに対しての怒りを助長する。

 

 

「そ...そこにいろよ?

目が見えるようになったらぶち殺してやる!」

 

「攻撃が効かない!?

クソ、フリーザ様!」

 

 

ラディッツはドラゴンボールを回収し、文字通り全力で逃げる。

ネイズとドーレの視力が回復した時には、ナメック星人の死体と瓦礫と、壊れたスカウターしか残っていなかった。

フラストレーションを発散するかのように、瓦礫を片っ端に破壊するドーレ。

 

 

「あの猿野郎っ!

一瞬でも油断した俺が馬鹿だったぜ!」

 

「ドラゴンボールを取られた上に、スカウターまで失った。

クウラ様になんて言ったら...そうか、フリーザ様の事を報告すれば...」

 

 

ラディッツが去り際に発した言葉。

あれは間違いなく、彼がまだフリーザ軍に所属していなければ漏らすことはないだろう。

ベジータは謀反を起こしたが、ラディッツはフリーザ軍へ残りドラゴンボール集めを行っている。

そして何よりも、戦闘服こそ違うもののフリーザ軍のスカウターを装着していた事が何よりの証拠だ。

 

 

「ドーレ、今すぐこの事をクウラ様に報告しよう!」

 

「おう!」

 

 

2人は、元来た方向へと飛び立つ。

だがこれは、ラディッツの計算通りだった。

 

 

(これであとはサウザーのスカウターさえ壊せばいいな。

それと、俺がまだ10,000程度の戦闘力だと思わせれるし、「フリーザ様!」とでも言っとけば兄弟で潰し合ってくれるかもしれん...

悟空の超サイヤ人化は今じゃなくていいし、地球に帰ってトレーニングさえすればいくらでも戦闘力は上げられるしな。

悟空が宇宙船で来た瞬間、それで帰ればいいんだから問題ない。)

 

 

しかし、ここで重要なことに気づく。

悟空が宇宙船で蜻蛉返りするなら、彼らの命は保証されるかもしれない。

だがピッコロを始め、ベジータに殺された者達は生き返らせることは出来ない。

最長老も殺されれば、もうこの世にドラゴンボールは無い。

 

 

(あ〜!!

どうもうまくいかねぇ!

...やっぱりフリーザとの直接対決に悟空をうまくセッティングするしかないのか?

今の俺ならフリーザはなんとかなりそうだけど、クウラはどうにもならん。

あぁ...兄弟喧嘩でも起きてくんないかなぁ。

そうか、フリーザとクウラを上手いことぶつけさせて、その間に願いを叶えてずらかるって作戦でいくか!)

 

 

そんなラディッツの前に、いくつかの気を確認する。

その複数の気は5つ。

2つはクリリンとブルマ、その近くに2つ。

ベジータとザーボン、どうやらこの2人は戦っているらしい。

ザーボンの気が減少していくのが感じられる。

最後の1つは急速に離れていく。

悟飯の気だ。

 

 

(...って事は、ベジータはここでザーボンを倒し、悟飯がその隙にドラゴンボールを湖から持ってくるってところだったな。)

 

 

---ナメック星 別地点---

 

 

 

「俺も...フリーザは...嫌いなんだ...

俺とおま...が組めば奴など「失せろ。」

 

 

ラディッツの言う通り、ベジータとザーボンは戦っていた。

だが、その戦いも原作通りにベジータの圧勝で幕を閉じる。

フラグである連続フルパワーエネルギー弾は、圧倒的な強さによりベジータの味方となったのだ。

 

 

「さてと、次は貴様か?」

 

 

今のベジータは誰にも止められない。

...と思っているのは本人のみで、クリリンはもはや原作以上の強さにより眼前のサイヤ人を蹴散らす戦闘力を秘めている。

自惚れとザーボンを倒した自信で、クリリンが気を抑えていることに気がつくはずもなかった。

 

 

「ククク...大人しくそいつを渡せ。

今すぐ死にたいのか?」

 

「こ、これは渡せるもんか!」

 

 

「そうか。」と言わんばかりにベジータは攻撃を仕掛ける。

身を低くして接近し、そのままアッパー気味に拳を振り上げる。

その強烈な一撃を、クリリンは顎を掠めるように避ける。

偶然などでは無い、見切って避けたのだ。

 

 

「ほぅ、地球の時より運が強くなったようだな?」

 

 

それもその通り。

原作では有り得なかった超重力修行と、最長老による潜在能力引き出しにより、今まさに地球人最強となったのだ。

 

 

「運だけじゃない、俺自身だって強くなったんだ。

悟空やラディッツだけに、これ以上負担をかけさせるもんか!」

 

 

クリリンが仕掛ける直前、彼の気を感じた。

ベジータも同様に、背後を振り向く。

 

 

「チッ、来やがったか。」

 

「酷ぇ言い方だな、もう少し優しい言い方あるでしょうよ。」

 

 

ラディッツが着地する。

ベジータにとってはまさに圧倒的不利。

しかも彼の手には...

 

 

「ドラゴンボールだと!?」

 

「やるじゃないかラディッツ!

どこにあったんだよ!?」

 

「クウラ機甲戦隊に襲われた村に2つあった。

ナメック星人は助けられなかったけどね...。

...というわけでベジータ、俺達と組まないか?」

 

 

突如として提案された共闘案。

クリリンとブルマは露骨に嫌な顔をする。

無論ベジータも似たような表情だ。

むしろ顔に絶対反対と書いてある。

 

 

「俺達の敵はフリーザとクウラ。

そしてこの星にいるみんなはドラゴンボールを集めるために動いている。

フリーザにはギニュー特戦隊、クウラにはクウラ機甲戦隊。

あいつらを敵にするのは難しいが、互いを戦わせて戦力を削ったところに殴り込めばいけるだろ?

しかもそこで騒ぎを大きくすれば、あいつらのドラゴンボールをかっさらうチャンスもある。

しかもこっちには、ドラゴンレーダーがある。

ドラゴンボールを探知する機械だ。

どうだ?

と言うか、むしろベジータの助けがないと難しいから組んでくれないか?

お願いします!」

 

 

利害の一致...今のベジータと地球人達には、フリーザとクウラは共通の敵。

いくらベジータが超サイヤ人に近づこうとも、敵が2人もいては敵わない。

残るドラゴンボールはあと一つ。

...それにドラゴンレーダーと呼ばれる機械まで持っている。

この話が本当ならば、なかなか好条件である。

 

 

(最後のドラゴンボールを集めるチャンスか...コイツらならフリーザやクウラより奪いやすい。

コイツを利用しない手はない!)

 

 

「そこまで言うなら協力してやろう。

ただし、妙な動きをした瞬間皆殺しにしてやるからな。」

 

「交渉成立。」

 

 

ラディッツが手を差し出す。

だがベジータは「馴れ合うつもりは無い。」と拒む。

肩を落とすラディッツに、クリリンとブルマが詰め寄った。

 

 

「正気かお前!?

ベジータと手を組んだらドラゴンボールを奪われるぞ!」

 

「あんた、まさかサイヤ人に寝返るつもりじゃないでしょうね!!」

 

「とんでもない!

ベジータは...あぁ見えて根はイイヤツなんだ。

ブルマ、お前ならそのうちわかるさ。

それとクリリン、お前本気出せばあいつ倒せるじゃないか。

いざとなったらボコボコにすればいいのさ。」

 

 

クリリンはすぐに納得したが、やはりブルマは納得しないようで吠えまくる。

そうこうしているうちに、姿が見えなかった悟飯が帰ってきた。

 

 

「この気はやっぱりベジータ!」

 

「悟飯、大丈夫だ。

カクカクシカジカで味方になった。」

 

「説明になってないじゃないか。

実はな...」

 

 

クリリンから説明を受けて、悟飯も少し納得したようだ。

だけどやはり地球での戦いもあって、すぐには関わろうともしないだろう。

 

 

「?

おいガキ、手に持っているそれはなんだ?」

 

「!?

こ これは時計だ。」

 

「ククク、俺に嘘は通じん。

それがドラゴンレーダーというものだろう?」

 

 

悟飯は「どうしてそれを!?」という顔をするが、ラディッツがレーダーの件も話すと疑問は解決した。

...だが少しベジータが拗ねたように舌打ちをしてそっぽを向く。

だが、例の湖から持ってきた事を話すと猛烈な勢いで詰め寄った。

 

 

「貴様、謀ったな!!」

 

「て 手間が省けたからいいだろ?

お前だってずぶ濡れになりたくないだろうし...

は...ははは!」

 

 

小一時間ベジータをなだめ、彼らはフリーザから奪ったドラゴンボールも1箇所に集める。

ここに集まるドラゴンボールは、遂に6つ。

残るはクウラの元にあるドラゴンボールだけとなった。

地球人達の願い、ベジータの野望が叶うまであと少しとなったのだ。

 

 

「さてと、ブルマ。

悟空はこっちに向かってるのか?」

 

「よくわかったわね...あと5日もすれば着くそうよ?

しかも、あんた達みたいに物凄い修行をしながらですって!」

 

 

この話に、クリリンも悟飯も一瞬で明るくなった。

ラディッツだけでもかなり心強い上に、悟空が来るのだ。

対するベジータは、あの忌々しいカカロットが来るということで少しイラついているようだ。

 

 

「まぁそんなイラつくなよ。

ベジータ、超サイヤ人に近づくために最長老様のところへ行こう。」

 

「超サイヤ人!?

貴様、何か知っているのか!?」

 

 

超サイヤ人という単語に、これでもかと言うほど食いついてきた。

そんな彼に色々と教えてあげることにした。

超サイヤ人は1000年に1度現れるという伝説のサイヤ人。

逆立つ髪は金色に輝き、瞳は緑色に変わり、好戦的な性格になる。

そんな超サイヤ人になる条件は、ある程度の強さと強い怒りだと言う事も。

 

 

「なるほど、この俺様も怒りさえすれば超サイヤ人になれるのか。」

 

「残念だが、お前はまだある程度の強さすらないぞ?」

 

 

 

間違いなく、ベジータが超サイヤ人となるには強さが足りない。

そんな事実を、ベジータは鼻であしらう。

 

 

「下級戦士如きが何を言っている。

なれるとすれば俺様しかいない!」

 

「じゃぁベジータ、俺の潜在能力を読み取ってみな?」

 

 

スカウターでは1万程の戦闘力...だが内なる力はベジータをも震撼させる程のものだった。

あまりにかけ離れた力に、ベジータは2.3歩下がる。

 

 

「き...貴様...超サイヤ人なのか!?」

 

「とんでもない。

力は充分なんだけど怒りがね…。

だから超サイヤ人になれてないんだよ。」

 

「そうか...そうか、フハハハ!

やはり貴様ではなれんのだ、超サイヤ人に!」

 

 

超サイヤ人になれさえすればベジータにも充分な勝機を得られる。

それを確かめ少し安心したようだ。

だが今のままではラディッツにも勝てない事を悟る。

 

 

(クソッタレ...必ずなってやるぞ...超サイヤ人に!!)

 

「なぁラディッツ、お前と悟飯も最長老様に潜在能力を開放してもらったらどうだ?

悟空が来るまでに少しでも強くなっていたほうがいいだろ?」

 

 

悟空が来るまで少なくとも5日...その間に何か来てもある程度戦えるようにしなければならない。

身を守るための精進なら惜しまない。

 

 

「確かに...んじゃみんなで行くか?

ブルマさん、留守番よろしく。」

 

「ふざけないでよ!

なんで私1人だ「ベジータ、お前も来いよ?

さらに強くなれるぜ?」

 

「...貴様らと行動は共にしたくないが、強くなるなら仕方なく行ってやる。」

 

 

相変わらずのツンデレっぷりを早速披露する王子。

わめくブルマを放置し、一同は最長老様の元へ向かい始めた。

 

 

「ラディッツ、ブルマさんに後で殺されても知らねぇぞ?」

 

「...なんとかなるでしょ?

最悪、土下座でも...ってそれでも許してくれなさそうだな...」

 

 

不安要素は増えるばかりである...

 

 

---ナメック星 上空---

 

 

「ほぅ、下等な猿が?」

 

「...はっ、申し訳ございません。」

 

 

クウラ機甲戦隊一同は膝をついていた。

最早死ねと言われてもおかしくない。

だが、手元にはドラゴンボールが一つ。

 

 

「...頭を上げろ。

ドラゴンボールがここにある以上、おびき寄せるいい機会だろう。

来るものはドラゴンボールを持つ者。

気長に待てばいいのだ。

それと、ある無線を傍受した。」

 

 

クウラはおもむろに機械を操作する。

そして部屋の中に馴染みの声の音声が再生された。

 

 

『お呼びでしょうか、フリーザ様?』

 

『えぇギニューさん、ヤードラット星に行く準備中のところですがすぐにナメック星へと来ていただきたいのです。

それと、私のスカウターが壊されてしまいましてね、予備のスカウターも持ってきてください。』

 

『はっ、少々お待ちください!

...おいみんな、ナメック星に予定変更だ!

すぐに用...バータ、俺の分のケーキも残しておけよ!

...わかりました、すぐに向かいます!!』

 

『......頼みますよ?』

 

 

フリーザの困惑気味な声色を最後に途絶える。

どうやら、フリーザ軍の一番部隊であるギニュー特戦隊がこの星に来るということである。

特戦隊が来るということは、フリーザ自身が隠していた戦力をも使わなければならないほど追い詰められている事態なのだ。

 

 

「フリーザの奴は本気でドラゴンボールを集めようとしている。

お前達は奴らを蹴散らしてドラゴンボールの情報を手に入れろ。

そして必ず全てを揃えるのだ。

...ならば今度の事、帳消しにする。」

 

「「「ありがとうございます!」」」

 

 

(フリーザの尻拭いは心底面倒だが、あの猿が発端なら始末せねばならない。

奴らは根絶やしだ。)

 

 

こうしてナメック星に、少しばかり平穏な日々が訪れる。

いや、嵐の前の静けさと言うのが適切だろう。

その嘘のような静けさの中で5日が経った...

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