ここからは自分自身でまた考えながらやって行きますので、これからもよろしくお願いします。
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荒野に響く肉と肉がぶつかり合う鈍い音。
遮蔽物の無いこの地にはよく通る。
今の時点では、彼らは手の内を探り合うような戦い方をしている。
(すぐに変身するかと思ったら、第四形態のままだな。
ここからさらにもう一つ変身があるのか。)
(この猿...俺を牽制でもするかのような動き。
まさか、まだ強さを隠しているのか。
...だが、超サイヤ人ほどではないようだ。)
いつも容赦の無いクウラも、万が一を恐れていた。
仮に超サイヤ人であったならば、すぐさま変身せざるを得ないからだ。
だがそこまでの相手でなければ、この第四形態での力で潰すだけのこと。
クウラにとって、近年稀に見る慎重さであった。
互いに距離を置いて着地する。
「やはり所詮超サイヤ人など有り得ないか...。
しばし警戒していたが、杞憂だったようだ。」
(もう少し手加減してくれりゃいいのに...。
いや、下手に変身される前に潰すしかないな。
あの調子なら変身する気なんて無いだろう。)
ふと、クウラが消える。
次の瞬間には、頬に膝蹴りが入り、体が吹き飛んでいた。
跳ねるように転がる体に、真上から半ば踏み付けるように
押さえ込む。
人間とは違い、指先が大きく広がる3本の指圧と、片足のみの力だけでラディッツは大きく行動を制限される。
「ほんの僅かでも勝てるとでも思ったか?
生憎俺は弟とは違って、相手をなぶり殺すような甘さは持ち合わせていない。
貴様が超サイヤ人でないことがわかった以上、もう余命は無い。」
(クソ...あからさまな手加減してくれれば作戦とか、何か手段があったかも知んないけど...。
こんなん洒落にならんわ。)
見下すクウラの表情が一瞬曇る。
視線はラディッツを見据えたまま、右腕を背後に差し出し気弾を連射する。
そのうちの1発がヒットしたのか、空中で爆発が起こりボロボロに千切れたマントが舞い落ちる。
その爆発と同時に、真左から攻撃を受けてクウラの体が吹き飛ぶ。
「全く、なんてザマだ!」
「ピッコロ!
サン、キュッと!」
背を向けたまま無表情のピッコロに、非常に軽い礼を言うラディッツ。
対する吹き飛ばされたクウラだが、彼にダメージは全く無かった。
マントに当たる気弾から逃れた姿から、左胴に迫る蹴り技まで見切り、右手のみでガードしていた。
「貴様、ナメック星人か。
まだ生き残りがいたとはな。」
「コイツは何者だ?
ナメック星人を殺めたのはもっと小さい方だっただろう?」
「ネイルと同化したんだな。
それはあいつの弟のフリーザってやつの仕業だ。
んで、あいつはクウラ。
今のフリーザよりも1万倍くらい強いヤツ。」
この時点で、ピッコロがクウラに対しての勝機はまるで無かった。
仲間を救う気持ちと、仲間の仇討ちだけが今の彼を動かしている。
フリーザならば勝ち目はあったのだが、運が悪い方に救いに来てしまった。
「...悪いな。
どう考えても勝てる見込みはない。
貴様は?」
「あの形態なら界王拳でなんとかなる。
第五形態になられたらどうにもならん。」
「何を話し合っている。」
クウラの膝蹴りがラディッツに。
それを辛うじて両腕をクロスさせて防ぎきる。
少しでも遅かったら、今頃鼻が砕けていただろう。
(速すぎて...何も見えなかった!)
「ほぅ、運が良かったな。」
「ピッコロ、悟空んとこへ!
次死んだらドラゴンボールどうすんだ!」
ピッコロの生還は、地球の神の生還である。
そして、地球のドラゴンボールの復活を意味する。
再び死ぬようなことがあれば、ヤムチャや天津飯が生き返る事が出来なくなる。
ラディッツの顔色からして、本当にヤバイ敵なのだろう。
ピッコロは背を向けた。
「(...チッ、俺では足手まといか!)
ふん、借りは必ず返す。」
ピッコロが飛び立つ。
界王の元で修行をし、ネイルと同化し、最強の力を得たと思っていた。
だがそれでも上がいた、ラディッツ、クウラ...。
(......俺様もまだまだか。)
------
「ありがとう、ピッコロを逃がしてくれて。」
「逃した?
何を言っている、貴様を殺した後に奴も消す。
ほんの僅か生きながらえるだけだ。
油断ではない、強者たる故の余裕だ。」
両手を広げ、脚をややクロスさせるクウラ。
それはまさに、宇宙の帝王を彷彿させる。
悪のカリスマの血は、彼にも流れているのは間違いないようだ。
「その余裕を俺にも見せてくださいよ!」
己の筋力だけで腹に蹴りを入れる。
意表を突かれる蹴りであったが、ギリギリ反応するクウラ。
ラディッツの攻撃はこれまでで一番速い一撃であり、同時にクウラ自身受けた攻撃の中で最速・最強であった。
...無論、ダメージとは言うほどではない。
だが少なからず衝撃を受けた。
「(コイツ...やはり戦闘力を隠していたか。
ここまでとは思いもしなかったが、慌てるほどではないな。)
...遊びは終わりだ。」
クウラが戦闘力を引き上げる。
第四形態での最大限の力...しかしフリーザのように外見が変わり、筋骨隆々とした肉体ではなく、あくまでも戦闘力の開放と言えよう。
「フルパワークウラって所か...
(ま、まだ変身残してるけど。
...にしても、尻尾生えた途端体のバランスが良くなったな。
サイヤ人ってのはやっぱり尻尾があると調子がいいのか?
それとも、最長老様の気の開放のおかげか?)」
大猿の状態こそがサイヤ人の本領を発揮する時である...本人ではない本人が言った事であるが、その大猿になる為の条件として[満月]と[尻尾]が必要不可欠である。
その尻尾が戻ったならば、本来の肉体の動きが出来るのは当然だった。
(ここからは...冗談抜きで真剣にやらにゃ。
相手は相当な格上、どんな手を使っても倒さにゃならん!)
ラディッツも気を高める。
どんなに尻尾が生えてコンディションが良くなったとはいえ、まだまだクウラの最大戦闘力にはほど遠い。
それでも、ラディッツは仕掛ける。
自身の力で最速の足払い...それを難なく尻尾の先で受け止めるクウラ。
(コイツ...やはり戦闘力を操る事が出来るのか。
それでも俺には到底及ばないがな。)
言葉に出さずとも、蹴りで表すかのように吹き飛ばす。
蹴られたラディッツは二転三転し、四足全てを使って留まった。
少しの猶予を与えずに、クウラが襲いかかる。
「ぬらぁ!」
即座に地面を蹴りあげる。
大量の砂がクウラに被さるが、顔面を保護しながら難なく突破。
一瞬視野を奪うつもりだったが、それはまるで効果が無かった。
そしてそのまま右脚蹴りがラディッツの顔面を捉えるが、突如として足が顔面を通り抜ける。
「ぬわっ!」
至近距離から砂を嫌と言うほど浴びるクウラ。
彼の目は開くことが出来なくなり、激痛を伴って目元を抑える。
視界を土で遮った直後に残像拳を使った彼は運に恵まれていた。
クウラはこれまで、戦闘力を感じて戦わずとも星はいくらでも制圧できた。
故に今回の対サイヤ人戦でも、目視による戦闘をしていた。
「っ!」
「ぐっ!」
その為、戦闘力を感じて戦えば対応できたものの、全て後手に回る事となった。
鋭い蹴りを横っ腹にくらい、激痛は腹だけでなく全身へと行き渡る。
「ウオオアアアーッッ!!」
界王拳を15倍程度に引き上げ、ところ構わず殴り続ける。
命中精度はどこかに吹き飛んでいるが、その代わりに連射速度と威力は申し分無かった。
「図に乗るなぁ!」
エネルギーを爆発させ、ラディッツを弾き飛ばして間合いをとる。
今度は視覚ではなく、戦闘力を捉えて拳を打つ。
しかしそれは虚しくも、掠りもしない。
視覚が奪われるという事は、物の距離感や立体感を正確に認知できないということ。
いくらクウラが戦闘力を感じることが出来たとしても、よほどの鍛錬を積まない限り自在に感じることは出来ないのである。
それを証明するかの如く、クウラの連撃は精度を欠いた。
(目潰しって卑怯かもしれないけど、こんなに有効なら助かるな!)
迫る右腕を掴み、一本背負いの要領でクウラを地へ叩きつける。
地面が多少えぐれるが、更に踵落としで完全にクレーターが形成されてしまった。
更に追撃しようと拳を振り下ろすが、ダークネスアイビームにより防がれる。
「サルめ...この俺にここまで抗った事を褒めてやろう。
...だがここまでだ。」
大粒の涙と、ダークネスアイビームで視野が戻った。
最早クウラは、これ以上の手加減をするつもりは無いようだ。
「光栄に思うがいい。
下等生物はおろか、弟のフリーザにも見せていない最終形態を見せてやる。」
(クソ...大したダメージを与える間もなく変身かよ。)
「待ってくれ、最終形態ってあれか?
あのマスクつけるやつか?」
「マスク?
何故それを貴様が知っているのか?
だが、もうそんな事はどうでもいい。」
クウラは身体中に力を入れる。
全身至るところが、ボコボコと音を立てて躍動する。
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「ちっ...クウラめ...この俺を上回る戦闘力を隠していたとは。」
変身が終わり、肩膝を着いた姿勢から出た最初の一言だった。
フリーザ 第二形態...ザーボンの事前情報からの見立ては、音を立てて崩れ去った。
巨大化したフリーザは、戦闘力も跳ね上がり100万近くまで上昇した。
もちろん、久方ぶりの変身の為戦闘力はまだまだセーブしている。
「この体なら戦闘力100万は確実か。
ドラゴンボールが無くなった以上、クウラと争う必要も無くなった。
後は貴様ら雑魚どもをじっくりなぶり殺してやる。」
「チクショウめ...」
しかし、ベジータは最悪の事態とは思わなかった。
ここにはサイヤ人の血を引く者が、自分を含めて3人。
カカロットは界王拳と言う不思議な技がある。
その息子の悟飯は、この星に来てみるみるうちに地力を上げている。
そしてベジータ自身はエリートサイヤ人、最長老の力を借りる点では納得いかなかったが、これまで以上の力を手に入れたので文句は無かった。
更にはラディッツからは、どこから手に入れたかわからないが、超サイヤ人の情報を手に入れた。
後は己さえ超サイヤ人になれば、カカロットやラディッツ、フリーザを蹂躙できる。
「気をつけろよ...こうなってしまっては前ほど優しくないぞ!?」
その身体の大きさからは想像出来ない素早さで詰め寄る。
矛先はベジータ...その攻撃は目にはなんとか追えたが、体が追いつかない。
「!?」
フリーザの拳はベジータを捉えられずに、逆に握られて防がれてしまう。
第二形態で攻撃を防がれたのは初めて...いや、一族以外では初めてだった。
そもそも、第二形態に変身するのはクウラとの兄弟喧嘩以来であった為に、少し驚いた面もあった。
「カカロット!?」
「お前ぇ...悪いけどこの星から出てってくんねぇか?」
「下等な猿が。
1度俺の攻撃を防いだだけで図に乗るな!」
首を締めに手を伸ばすも、それも手首を掴まれて防がれてしまう。
二度目の攻撃失敗...それもあの下等なサイヤ人に防がれてしまう異常事態である。
「これでわかっただろう?
みんなを連れて帰ってくれ。」
「くっくっく...お楽しみはこれからだ!
ばっ!!」
尻尾で攻撃をし、その隙に両手が自由になる。
体勢を整えながら、手を鋭く突き上げる。
悟空を中心に地面が炸裂し、全員の視界が奪われたところを狙い、頭から突進する。
自身の持つ鋭利な角を用いての殺傷攻撃...それは確実に誰かを串刺しにするかに思えた。
「ごふぁ!?」
腹部に受ける衝撃に耐えられず、空中へ飛ばされるフリーザ。
またしても...またしても悟空に防がれる攻撃。
「...クッ...またしても...!
...いいだろう、見せてやる!
この変身まで見せるのは、貴様らが初めてだ!」
第二形態のフリーザが力を入れ始める。
事の終始を全て悟空が片付けてしまっている為、クリリンや悟飯は明るい顔をしているが...。
ベジータとしては、予想以上に応戦出来るカカロットがいてしてやったりという反面、それがエリート戦士としてのプライドに障り苛立ち反面であった。
いや...苛立ちが徐々に押し返し、自分に対しての憤りをいよいよ隠しきれずにいた。
(この調子なら、フリーザの野郎を倒せるかもしれん。
だが俺様がカカロット以下なのは...下級戦士以下なのはあってはならんのだ!
どうやったらこれ以上強くなれる...どうすれば超サイヤ人になれるんだ!!)
ここに来て、ベジータは更なるステージへの道を画策し始める。
サイヤ人の特性を最大限生かしたやり方だ。
そうでなければ、この戦闘中に超サイヤ人はおろか、命を落とすことになる。
(頭を動かしやがれ!
サイヤ人は戦えば戦うほど強くなる...だがもう今更遅い。
今フリーザに立ち向かったとしても、あっさり返り討ちに合うだけだ。
もうひとつは、瀕死を乗り越えての超回復。
あの妙な豆...カカロットが食い尽くしたみたいだからな...
あの野郎の艦にあったメディカルマシンも時間が...待てよ!?
カカロットはあのナメック星人のガキに怪我を治してもらっていたな!?)
チラッと背後に目をやる。
遠くの岩陰からひっそりと顔を覗かせるデンデ。
そしてその事は、フリーザにはまだ勘づかれていない。
(ククク...これなら、俺様が超サイヤ人になれないはずがない。
そしてコイツらは反吐が出るほど甘いからな...まだ利用価値はある。)
ほくそ笑むベジータの目の前で、フリーザは更なる変身がまもなく終わる。
変身時間の全てを考察に費やした...
あとは、これ以上強くなるフリーザに命懸けで立ち向かっていくだけ。
「ごあぁぁあ!」
そのフリーザ...大きな背中の肩甲骨辺りから角が飛び出す。
次に肩は、頭部を延長した鎧のように変形しする。
その頭部も、後頭部も大きく変形し、後ろへと迫り出すように伸び始めた。
顔面も変わる…鼻は消えて、その代わりに口元が大きく前へ飛び出る。
第二形態でも巨体と思っていたが、次の変身では更に巨大に重厚化する。
もはやその形は、これまでの変身からは想像出来ない異様な体格をしていた。
簡略的に言えば、異形なモンスターである。
「な な…なんてパワーだ...」
またしてもフリーザとの差が開いてしまうが、ベジータに諦めるという考えは毛頭ない。
「お待たせしましたね。
さて、第二ラウンドと行きましょうか?」
「カカロット!
俺にやらせろ!」
「お おい待て、ベジータ!」
悟空が静止する前にフリーザの目の前に立つ。
フリーザは気を感じる事が出来ないが、戦闘力の差から常識的に考えてベジータが勝てる見込みはまるで無い。
「随分と自信がおありなんですねぇ。
ベジータさん...勇気と無謀は違うんですよ?」
「黙れ。
俺様がてめえを殺してやる!」
ベジータは連続エネルギー弾で攻撃を仕掛ける。
それを囮にしてフリーザの右後ろから猛スピードで蹴り。
だが残念な事に、鋭い蹴りは虚しく空を切る。
「なっ!?」
直感して反撃を警戒し、直ちに上空へ逃れ気を探る。
以前の自分ではフリーザのように、目で相手を追っていた為に索敵が遅れていた。
だが今は戦闘力感知して戦うことが出来る。
戦闘力の差はとても離れてはいるが、その点ではフリーザよりも早く反応して次の
「お久しぶりですね。」
反射的に振り向きながら距離を置く。
戦闘力を感知する事が出来ないほど、フリーザの動きが速すぎる。
唯一のアドバンテージをも、太刀打ちできない。
「先程は攻撃だったのでしょうか?
攻撃とはこうやるんですよ!」
衝撃を受ける右脛。
一瞬風を感じたと思ったら、遅れて来る激痛。
脚を見ると、風穴が空いている。
「ぐおぉ!?」
「おやおや、このくらいの攻撃で穴が開いてしまうとは。
ひゃ! ひゃひゃひゃひゃひゃ!!」
クレイジーフィンガービーム...本来ピッコロに向けて放たれた技であるが、未だ間に合わない為に使いどころが異なってしまった。
ベジータも、その時のピッコロ程の強さではない為に技に耐えきれなかった。
故に、ダメージを受けきれずに貫通してしまっていた。
右脛から開いた穴は、あっという間に左肩、右腕、腹、頬、耳をえぐりとっていった。
そして最後には...
「おっとすみませんね、誤って胸に当ててしまいました。」
「こ...ほ...ぉ...」
左胸を突き抜け、倒れ込むベジータ。
心臓を撃ち抜いた訳でないため即死は免れたが、肺をやられた為、呼吸をする度に血の泡が風穴から垂れ落ちる。
ベジータが考えていた瀕死からの超回復だったが、よもやここまでダメージを負うとは思ってもみなかった事態だ。
「逆わらなければ死なずにすんだのに、おバカさんですね...。」
右足で胴を踏み付ける。
だがその足は、ただ地面を叩くだけに終わった。
踏み付けられるはずのベジータは、悟空に抱えられて悟飯の隣まで移動していた。
「やめろフリーザ!
もうベジータは戦えねぇ!
もう充分だろ?」
すかさずクリリンがベジータを受け取る。
こんな時に、仙豆を全て食べるんじゃなかったと悟空は後悔していた。
かつて敵ではあったが、ベジータは死なせたくなかった。
「ベジータ、しっかりしろ!」
悟空は気をベジータへ分け与え、虫の息からほんの少しだけ回復する。
間一髪、危うく死んでしまう所だったベジータ。
嬉しい誤算だった。
「おい...あのナメック星人のガキを...」
「どこまで甘い連中何でしょう。
見ていて反吐が出ますね!」
「ゴハッ!」
フリーザは更に指を差し向け、デスビームを放つ。
攻撃を受けて倒れ込むのはベジータではなく...クリリンだった。
幸い胸でなく、腹の真ん中だった為即死には至らなかった。
心臓だったら終わっていたが...残虐な性格が九死に一生に繋がる。
「クリリン!
...フリーザ!」
薄ら笑いを浮かべていたフリーザの顔面に、悟空の拳が炸裂する。
無論、未だ界王拳を使ってはいないが、第三形態のフリーザを相手するには充分な戦闘力だ。
悟空とフリーザが戦っている最中、悟飯はベジータとクリリンを抱えて岩陰に飛び込む。
「デンデ、二人を治して!」
返事をする間も無く、クリリンの治癒に取り掛かる。
自分の能力を...治癒能力を最長老に解放してもらった。
その力が悟空、クリリンを瞬く間に発揮されている。
「...あぁ...ありがとう、デンデ。」
「良かった、クリリンさん!」
クリリンを治癒し、次はベジータの番だった。
今はフリーザと戦う戦士だが、仲間のナメック星人を大勢殺した虐殺人でもある。
デンデはだいぶ渋ったが、クリリンや悟飯の説得もあって治癒する。
「...ちっ、ふざけやがって!
...だが、これで俺様も超サイヤ人になったに違いない!
先程とは桁外れなパワーアップをしているぞ!!」
せっかく治癒してくれたデンデを足蹴りし、クリリンや悟飯を置いて飛び出す。
もちろん、行く先はフリーザの元だ。
そのフリーザは悟空と戦っていたが、些か不快な思いをしていた。
孫悟空から滲み出る余裕...本人は相手の実力を探る様な戦いなのだが、その戦い方が気に入らなかった。
攻撃を止め、その場に立ちすくむ...フリーザはもう躊躇わなかった。
念には念を...いや、純粋に痛ぶるのを楽しむ為か...
「...?
どうした?
もう辞めるんか?」
「いえ、あなた達を殺す前に、死よりもおそろしい究極のパワーというものをごらんにいれましょう。
正直ここまでの変身をするとは思っていませんでしたよ?」
再びフリーザは変身のために力を集中し始める。
その力に釣られるように、周りの砂塵や石が舞い上がる。
第三形態...異様な頭部からエクレアフリーザとも揶揄されていたが、次のステージはとても馬鹿にならない強さである。
その体にヒビが入り始め、割れ目からは紫の光が溢れ、直視するのが難しくなっていく。
「孫!
なんだあれは!」
「おっ?
ピッコロか!」
ドラゴンボールで生き返ったピッコロが、ようやくこの場にやって来る。
待ちわびた...と言いたいところだったが、フリーザはこの時既にピッコロを上回る力になっていた。
「くそったれ、どいつもこいつもデタラメなパワーになってやがって!
ラディッツ、孫、そして次はあのフリーザか!」
「チッ、少しはマシなパワーかと思ったらとんだ足でまといを生き返らせやがって!」
ここでベジータも復活して合流、続けてクリリン、悟飯、デンデも近くへやって来た。
これで、ラディッツを除く対フリーザの面々が揃った。
「そう言えばラディッツは?」
「アイツはあのフリーザよりもヤバイ奴を相手にしている。
奴の兄貴...クウラとかいう奴だ。」
「ふっ、それでおめおめとここまで逃げてきた訳か。」
「悪いなベジータ、今のあいつはお前を指一本で倒せるレベルだ。
それでも勝てる気がしないと奴は言っていた。」
死にかける思いをして強くなったベジータを、指一本でぶちのめす事が出来るラディッツ。
それでも勝てる気がしないと言わしめたフリーザの兄 クウラ。
もうここまで来ると、悪夢としか思えない。
「...俺達、生きて帰れるかな?」
「もちろん帰れる。
奇跡でも起こればな。」
冷静なピッコロの言葉に露骨に顔を青くするクリリン。
そして大きな爆発が起こる。
それは、フリーザが力を集中させていた方から。
...変身が完了したのだ。
晴れる煙、露になるボディ。
その最後の変身は、第三形態からしてみればとてもシンプルな身体になっていた。
身体中に存在していた無数の角は、全て無くなった。
エクレアのような頭部も収まり、人型に大きく近づいた。
体は少しばかり小さくなり、まるで第三形態の時より迫力は消えた。
「...なんでしょう、とてもスッキリしましたね。」
「良かった、もっと恐ろしい変身をするかと思ったよ。」
「馬鹿か貴様らは、外見で判断するなと言ういい見本だ!
今までの方がずっと可愛かったぜ...」
ベジータは力なく言葉を吐き捨てた
フリーザの外見はスッキリとした形。
無数の角や殻は防御面からすれば頑丈な装甲となっていが、機動面では要らぬものである。
無駄な器官は全て捨て去り、極限にまで戦闘に特化した体とも言えよう。
フリーザはゆっくりと歩み寄ってくる。
それに応えるかのように、悟空が前へ出る。
両者の距離は、1mを切るか切らないかくらいで止まった。
「おめぇ、ずいぶんと小さくなったな?」
「まだそんな事が言える余裕があるみたいだね。
これから君達は、この僕に殺されるのがわかっていないのかな?」
ゆっくりと掌を悟空に向ける。
「さぁ、恐怖のショーを始めようか。」
太陽の月光蝶さん、誤字脱字報告ありがとうございますorz