「界王拳!」
超サイヤ人の金色のオーラに界王拳の赤いオーラが交わる。
朱色がかったオーラが激しく吹き出す。
それはただ一度使われた技...しかも体に負担が掛かっている超サイヤ人状態での、体に負担をかける技。
体と命を代償に力を得る禁じ手...遂にそれに手を出した。
界王拳を10倍程なら出せたが、やはり5分もたせるならこれが限界である。
それでも...
「テメェを殺すには充分だ。」
「サイヤ人離れした戦闘力だが...この俺には敵うまい!」
次はクウラから仕掛けてくる。
とても速く間合いに入り込まれるが、不思議と対応出来ない速さと思わなかった。
超サイヤ人+界王拳で強化された体が、やっとクウラの力に追いついたのだ。
片手で受け止められた右の拳...クウラの想定を少し超える。
(何!?
ならば...。)
足払いからバランスを崩し、尻尾で地面へ叩きつける。
だがその反動を利用して逆にラディッツがクウラを叩きつける。
そして腹部への一撃。
偶然ではない...狙って放った攻撃だ。
思わず唾を吐き出してしまう。
「ぐはっ!
チッ...猿が!」
(躍起になった所をねじ伏せてやる。
ここからは界王拳と超サイヤ人...本物の力が必要なんだ!)
まさしく真正面から攻撃を仕掛けてくる。
同じくラディッツも真正面から仕掛ける。
両者の拳同士がぶつかり合い、大きな破裂音のような音が響く。
続けてラディッツが殴って顔をヒットするも、すぐさま反撃を受けダメージを負う。
それを幾度となく繰り返す。
(こんなクズ相手になんで苦戦してんだ!)
(いくら超サイヤ人とはいえ、所詮下等な猿だ!)
両者のフラストレーションは募り、互いの攻撃は冷静さを欠いた大振りの重い攻撃ばかりになる。
それにより全く攻撃が当たらなくなった。
それが更なるフラストレーションを生む。
「く...っそ!!」
ラディッツの大振りな攻撃の隙に、クウラの左フックがモロに入る。
ヘビーな攻撃で数十m転がる。
「立て猿...まだ俺の傷の代償程ではないからな。」
「こ...こんのぉ〜!
クソ野郎が!」
腕や額に血管が浮き出る。
1発でも多くぶん殴りたいと思っていた彼がふと閃く。
「(.....そうか、チマチマ攻撃を当てれば隙が出てダメージを。
なぶり殺すのは...その後だ!)
...その程度か。
はっ!
大したことねぇな、テメェこそ掛かってこいよクズ野郎!」
1発食らって、攻撃の方向性を変えた。
趣旨は違えど、冷静になったラディッツ。
「そうか、ならばお望み通り...殺してやるぞ!!」
再び真正面からの攻撃に対し、拳や蹴りの応酬が始まる。
一つ変わった事は、大振りの重い攻撃のクウラに対してラディッツの攻撃が勝り始めた。
正確に言えば、嫌味のようなジャブが狙ったように顔面にヒットし始めたのだ。
「どうしたクズ野郎、殺すなんて口先だけか?」
「その減らず口、今すぐ叩けなくしてやる!」
それでも攻撃はなかなか当たらなくなった。
それどころか、ラディッツの攻撃がクウラに蓄積してきたのだ。
フルパワー第五形態...この力を持ってしてでも大苦戦している。
こんな事はあってはならない...そう思ってはいるがなに分ラディッツが、超サイヤ人にまで変身する凄まじい成長力を見せているのが想定外なのだ。
(何故だ!
この猿を撃ち落とせないのは!?)
焦り...怒り...プライド...全てを持ってして真正面から叩きのめそうと言うのに、どんなにダメージを与えても潰れない。
それどころか徐々に手強くなっていく...これまで感じなかった感覚を認めざるを得なくなってきた。
自らが殺されるかもしれないという恐怖だ。
「あってたまるかぁー!!」
「死ねぇー!!」
再三にわたる肉弾戦。
クウラがやや押し返す形となる。
それは死の恐怖や恐れからくる必死の抵抗で更なる力を引き出していた。
それでもなお応戦するラディッツ。
彼もまた、恨みや憎しみや怒りからくるパワーアップ。
この殺し合いは互角の戦いとなっているように見えるが、やはりラディッツが押し返しつつあった。
「でやぁ!」
チマチマと打ち続けていた攻撃に、ふと重い攻撃を盛り込む。
対応出来ずに顔面に受けたクウラは仰け反りながら数十mずり下がる。
追撃される前にデスネスアイビームで牽制を入れる。
それを軽く跳ね返し、連続で気弾を放つ。
今度は連続でデスビームを撃ち、気弾を次々迎撃する。
「斉射ぁ!」
主砲斉射が黒煙の中から飛び出してくる。
咄嗟に手をクロスさせて防御したが、あまりにも手応えがないので囮だと気づくのに時間はそう掛からなかった。
それでも気づいた時には、ど出っ腹にめり込むように拳を受けていた。
「...っはぁ!」
その腕を掴んで引き寄せど出っ腹に拳を突き返すと同時に、衝撃と視界のブレに襲われた。
顔面を殴られたのは即座にわかった...それともう一つ。
「...き...さまぁ!!」
口元のプロテクターの様な殻が破壊されてボロボロになっていた。
辛うじて残った欠片を引き剥がし、ラディッツに向けてぶん投げる。
それを薙ぎ払うとクウラが消えている。
瞬時に気を探ると上空におり、その気が急速に膨れ上がっていくのを感じ取った。
「フリーザの奴は星の爆発に巻き込まれるのを躊躇ったようだが...俺はそこまで甘くないぞ?
貴様のコケ脅しのようなエネルギー波では、このスーパーノヴァを止められるはずがない!」
フリーザのデスボールに酷似している
掌にエネルギーボールが浮かび上がる。
その小さなエネルギーの球体は急速に膨れ上がり、あっという間に数十mの巨大なものとなる。
あれが今の滅亡しかけている星の地表に降り注ぐとすれば...数分後の終末が即座にやって来るだろう。
「...カスが。」
「このパワーの前に悪態をつく事しか出来ないようだな猿め!
星と共に消え失せろっ!!」
さながら真っ赤な元気玉...放たれたスーパーノヴァに何かするわけでもなく、ただただ眺めるラディッツ。
いよいよ地表まで20mと言った所でようやく受け止めに入る。
そのエネルギーの前に顔がゆがむ。
「こ...こんなものぉー!」
両足を支える地面がぐしゃりと凹む。
あまりにも強大なエネルギーに星が耐えきれない。
徐々に地面へ落ち行く光景に、自らの勝利を確信仕掛けていたクウラ。
「こんな...こんなものぉ!!」
「更なる絶望を与えてやろう。」
左手でもう一つスーパーノヴァを作り出す。
タダでさえ一つでも星を消せるエネルギーがあると言うのに、もう一つ作り出される危機的状況。
これまでやや優勢であったが、ここに来て界王拳の反動でも来たのか?
と、ここでエネルギーの球体の落下速度が突如として緩やかに...いや、完全に止まった。
「こんなもの!
余裕だよなぁ?」
「何ぃ!?
チッ!!」
すかさずもう1発放つ。
大きな衝撃音と共にラディッツの足元が深く埋まったが、またしても留まる。
ラディッツが狂喜に満ち足りた笑みを浮かべる。
「へっへっへ、ひっひっひ!
お前こんなもんで勝ったとでも思ったか?」
深く突き刺さった片足を地表まで引きずり出す。
1歩、そしてまた1歩、クウラの元へ押し返していく。
慌てて全力で押し潰そうと集中させるが全く動じない。
完全に力負けしている。
「終わりだクウラ...消えろ!」
掌から主砲斉射をもって急速に離れていく球体。
凄まじい速さでクウラに迫る。
無理に押し返そうと試みれば、自らの技で自滅しかねない。
咄嗟に回避行動を取る。
「死ねぃ!」
瞬間的に現れたラディッツにかかと落としをもろに受ける。
地面へ蹴り落とされた体はクレーターを作る程の威力で叩きつけられる。
あまりの衝撃に、大の字のまましばらく動かないでいた。
バキィッ!
右肘に落ちてくる膝。
関節が粉々になったのは、痛みと音と感覚でわかってしまった。
あまりの痛みに叫び声をあげるが、間髪入れずに左肘を無理やり折られる。
左目、両腕をやられた上に、マウントポジション。
誤算だ...大誤算だ。
「クソ...ザルめぇぇえ!!」
「がっ!」
なんとか状況を打開せねば。
そう思い膝蹴りを何発も食らわす。
しかし同じ攻撃は何度も通じず、5.6発目当たりで大腿部を捕まれ逆関節に折られる。
胴体を片足で抑えられ、尻尾は根元から千切られる。
残る左脚も、太股の肉を抉るように千切られて動けなくなった。
「クソぉおおおぉぉおおお!!」
「お前が悟飯にした事とほとんど同じだ。
テメェにその痛みがわかんのかぁ!!」
腹部を全力でぶん殴る。
血反吐が飛び散るが、もうラディッツにはどうでもよかった。
とにかくこいつは痛めつけて殺さなければ気が済まなかった。
「猿が...貴様らが...悪の根源なのだ!」
「悟飯は死にたくないと言ってた。
生きたい奴の命を奪った奴が言えた事かぁ!?」
逆に折れ曲がった右膝を踏みつける。
痛みに叫ぶクウラ。
その状況が怖いと思っていたが、今はその悲鳴を少しでも引き出してやりたかった。
少しでも痛ぶって、痛ぶって痛ぶって痛ぶって。
「テメェみたいなカスにはその姿がお似合いだ!」
「ほざけぇー!!」
ダークネスアイビーム、最後の抵抗と言わんばかりの攻撃も、バチンと音が響くだけでラディッツにはダメージを与えられなかった。
「ほー、まだそんな力があったようだな!!」
右目を思い切り踏みつける。
失明程では無かったが、もうビーム1発すら撃てそうにない。
もう勝敗は着いた、残る事は。
「ク...ソザルめ...ぇ」
「黙れゴミクズが!」
再びマウントポジションになってクウラを殴り続ける。
右手、左手、顔面に血反吐を浴びようと殴り続ける。
「汚ねぇんだよ!!」
「そんなもんか!?」
「さっきまでの威勢はどこに行った!?」
「何がフリーザ一族だ!?」
「さっさとくたばれ!」
「悟飯の痛みがわかったか!?」
「糞野郎が!」
「まだ息があるようだな?」
「いい加減死にやがれぇ!」
「死にやがれ!」
「死ねぇ!」
「死ねぇ!」
「死ねぇ!」
「死ねぇ!」
「死ねぇ!」
.......
.....
...
もう1人の金色の戦士は、終焉を迎えようとする星を懸命に飛び回っていた。
あれだけ憎かったフリーザに対し、自らのエネルギーを分け与え、裏切られた。
故に殺さずを得なかった。
虚しさ、哀れみすらも感じたが、今は別の事で頭がいっぱいだ。
この星を脱出する為の船...先程フリーザの艦を見つけ脱出を試みたが、飛び立つ前に地割れに喰われた。
最後の希望は自ら地球から乗ってきたあの船。
地形が変わって明確な位置こそわからないが、方向は間違いないはずだ。
(間に合え...!
間に合ってくれ!
あっ!)
全神経を注いで宇宙船を探す。
見つけた...だが船ではない、人だ。
大急ぎで彼の元に降り立ったのだが...そこで見たのは信じられない光景を目にする。
「死ね! 死ね! 死ね! 死ね!」
マウントポジションのままひたすらに殴り続けるラディッツだった。
憎悪に満ちた表情のまま機械的に殴り続ける彼は...狂気の沙汰ではない。
何より、完全に気が消えたクウラの顔面は判別出来ないほどグチャグチャになっていたからだ。
「ラディッツ...もういいだろ。」
「死ね! 死ね! 死ね!」
「ラディッツ。」
悟空が肩を持った瞬間に向けられる憎悪。
コイツだけは敵に回したらヤバイと背筋に冷たいものが走る。
身を守ろうとした時には、彼の目は元に戻った。
「う!?
あぁ悟空か...超サイヤ人って事は、フリーザを倒したんだな。」
「あ あぁ。」
まるで超サイヤ人を元から知っていて、それが至極当然のような口調だったがそんなことに気を回してる猶予はない。
それをラディッツに伝える。
「そうだな。
あばよゴミクズ野郎!!」
スコードロン界王拳。
下半身に集中させてクウラの身体を蹴り飛ばす。
なんの抵抗も無く吹き飛んでいくクウラの身体は、空の彼方へと消えていった。
余韻に浸る間もなく、2人は飛び立つ。
(この後悟空は...瞬間移動の星へ行くんだよな。
どこにあるその船は!!)
「あった!」
悟空が指差す方に転がる球。
ベジータやクウラ機甲戦隊達が乗っていたのと同じ型の宇宙ポッドだ。
船体に描かれていたのは、ギニュー特戦隊のマークである。
しかしそんな事に気がつくほどの余裕は無いし、そのマークを知っている程のオタクでは無いラディッツ。
「ど どれに「どれでもいい!
クソっ開け!...開け!」
一番近いところにあるポッドに近づき叩きまくる。
何発か叩いているとガコッと音を出しながら扉が開く。
ボタンを適当に押しまくっていると、スイッチが入ったようで計器に光が灯る。
そして自動でハッチが閉まり始めた。
「お おい!
どうすりゃいいんだ!?」
「わからん!
悟空、後はなんとかし!」
ハッチが閉まりきる。
機械類はまるでダメな悟空は必死で色んなボタンを押す。
腹の底まで響くような音と共に、数倍の重力が体に掛かる。
なんとか飛び立てたようだ。
残るはラディッツ自身...残りの4つの宇宙ポッドだが、同じように叩いてもうんともすんとも言わない。
「クッソ!
どうなってんだ!」
その時見つけた、外部にある開閉スイッチの様なもの。
躊躇わず押すとハッチが開く。
なんとか適当にボタンを押すと、パネルや計器が起動してハッチが閉まる。
そして急速に飛び上がっていく機体。
遂に...遂にあのナメック星から脱出出来たのだ!
「...やった...なんとかなったぞ!!」
狭いポッド内でガッツポーズをし、両手を船内にぶつける。
多少痛かったが、生き長らえた嬉しさに比べれば屁でもない。
屁でもないと言えば...
(なんだこの船...凄い臭い...。)
冷静さを取り戻すと、まるで肉や魚の腐敗臭...その他諸々が入り混じった様な臭いがしている事がわかってきた。
これは由々しき事態である。
臭いの出どころはわからず、いくら探してもタブレットやガムしか見当たらない。
(なんだこれ...得体の知れない食いもんはちょっとなぁ...。
とにかく操作方法調べるか。)
どこに行くかわからないポッドの行先、言葉、ポッドのことを調べ始める。
まもなくナメック星は大爆発を起こし、彼の超サイヤ人化が既に解けているのに気づくのはその後すぐだった。
大変お待たせしました、これでフリーザ編完遂!
次は人造人間編で瞬間移動が出てきてセルで...アニメじゃ時飛ばしとか出てきて...この先が思いやられる...笑
一層の事河野さん、悟空やブウやヒットみたいに何かしらの能力者に魔改造してやろうかな笑