弱虫兄貴のリスタート   作:バタピー

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使えるのか使えないのか? 真打登場!

アカの戦闘スタイルは、体格に見合わない素早さと、一撃一撃の破壊力である。

元の小さいサイズのスカウターが使えない分、気を探る事は出来なくはなるが、その素早さで敵の攻撃を躱すなり、巨体でガードなりも可能。

そして破壊力抜群のワハハの波で玉砕。

この姿でスカウターが必要な状況に陥った事がない為に、元よりスカウターに頼らなくてもだいたい楽勝だった。

…最も、あの覚醒したブロリーに殺されかけた時は全く歯が立たなかったのだが。

彼らも本気の殺し合いなんて求めてはいない。

精々相手を痛ぶって、支配下に置いてふんぞり返って良い顔をしたいだけ。

いつかはフリーザをも上回って手下にして…とさえ考えている。

 

 

「ワーッハッハッハ!

逃げ回るだけでは俺様に勝てる訳が無いぞ!」

 

 

全く持ってその通り。

素早い上に凄まじい破壊力のある攻撃に、なかなか手を焼いているベジータとトランクス。

だが実際にはトランクスしかろくに戦えない。

ベジータは人造人間に殺されてから、ろくすっぽ戦闘力を上げる時間が残っていなかったからである。

対するトランクスは精神と時の部屋に入り、文字通り血反吐を吐きながら修行をし、未来に帰ってからも鍛錬を怠ってはいない。

トランクスにも敵わぬベジータが、アカやブロリーに太刀打ちなど出来るわけが無いのだ。

だがその戦力差を埋めるのが、スカウターの有無。

タイマンならどうという敵でもない者でも、それが複数いるだけで大きく変わる事もある。

トランクスの狙うのは、その迷った時や躊躇する隙。

 

 

(流石父さんだ。

途方も無い戦力差を、これまでの経験で攻撃を読んで避けている。

俺には出来ない事を難なくやってのける…。)

 

(ちぃっ!

ラディッツもトランクスも俺のいない間に馬鹿げた強さになりやがって!

これではまるで俺様が足でまとい…そんなもの死んでも認めてたまるか!

この戦いで俺は強くなってみせるぞ!)

 

 

回避に徹するベジータが動く。

二手三手先の攻撃を読み、アカの横っ面を蹴り飛ばす。

 

 

「ククク、その程度かベジータ王子?」

 

「クソ!」

 

 

咄嗟にアカから離れた為カウンターは貰わずに済んだものの、アカはベジータの戦闘力が自分に全く及ばないレベルなのを確信する。

要するに、警戒すべきはトランクスのみでいいということだ。

 

 

「安心しろベジータ王子。

後でな、後でたっぷり相手してやるよ。

あまり時間はねぇけどな。

まずはそっちの気色悪い髪のやつからだ!」

 

(クソッタレ!

俺は…気も読めん雑魚にも歯がたたんのか!)

 

 

トランクスに向けエネルギーボールが放たれる。

巨大なので避けるだろうと予測し、全神経を視線に注ぐが全く違った。

エネルギーボールは2つに割れ、そのど真ん中を突っ切って突っ込んでくる。

意表を突かれ反応が遅れたアカの身体は、トランクスの剣技により左肩から右腰に向けて鮮血を吹き出す事となった。

 

 

「ちっ、剣か!」

 

「そうだ、俺を侮ると次は首が無くなるぞ!」

 

 

虚勢。

万が一の為にと剣を持ってきていたのがここに活きた。

超サイヤ人の完全版…悟空や御飯の行っていた修行を一年掛けて完熟させた修行もようやく日の目を浴びる事になった。

剣と瞬発力に全て気を集中させた為にエネルギーボールは一刀両断、アカの反応を上回る速度でダメージを与える事に成功した。

しかしその分パワーは全く無い分、アカの分厚い皮膚に阻まれ僅か1cmいくかいかないか位の切り傷しか与えられなかった。

それでも、戦闘力を探る能力の無いアカの牽制には成りうる。

 

 

「久しぶりだな、合体した俺様が傷を負うのは。

決めたぜぇ、もう出し惜しみはしねぇ…。」

 

 

 

アカがニヤリと笑って掌を合わせる。

掌の間に緑色のエネルギーボールが生成、徐々に膨らみ、直径30cm…いやそれよりも一回り程のエネルギーボールが作られる。

そこまで大きくはないが、アカのパワーにより凝縮されて無理矢理そのサイズにされてるような凝縮の仕方だ。

 

 

「スーパーワハハの波!」

 

「…!?

魔閃光!」

 

小さなエネルギー弾がショットガンのように、散らばりながらもトランクスに放たれる。

1発は小さい見た目ながら、凝縮されたエネルギーにより威力は半端なものでは無い。

咄嗟にトランクスは魔閃光を用いて眼前に迫るエネルギー弾の迎撃。

それでも撃ち漏らしたエネルギー弾が腰、脚を掠めていく。

 

 

「トランクス、避けろ!」

 

「貰ったぁ!!」

 

「なっ!?」

 

 

自ら放ったスーパーワハハの波を巨体に被弾しながら、全身全霊のパワーを込めた右ストレートが、トランクスの身体と意識を根こそぎ吹き飛ばす。

そのまま受身を取ることもなく、転がるようにして地に突っ伏した。

 

 

「呆気ねぇな、久しぶりに手応えあるかと思ったのによ。

さーて、ベジータ王子、次はてめぇだ。」

 

「き 貴様は絶対に許さん…許さんぞぉ!!」

 

 

王子たるプライドか、はたまた息子を傷つけた為か。

ベジータは今一度気を高めてアカ目掛けて突撃を強行する。

しかしその速さはまるで比べ物にはならない。

逆にアカが向かってきたベジータの頭部を掴み、先程の岩盤に叩きつける。

 

 

「おっと悪いな、つい俺もこうしなければならない気がしてなぁ。

もう少し手加減するつもりだったんだがなあ。」

 

 

頭蓋骨が軋むほど何度も岩盤に押し付ける。

ある程度経ったところで力を抜くと、頭部から激突した事もあってかフラフラと地上へ墜落していく。

 

 

「生かしたままパラガスの元へ届ける…こりゃノルマ達成だな。

合体しちまえば俺様に出来ねぇ事はねぇぜ。」

 

「チク…ショウ…。」

 

 

自らの強さに酔うように、腕を組み大笑いまでする。

その声は意識が朦朧としていたベジータの脳内に響く。

圧倒的な強さを前に、心が折れそうになるが、未だベジータの闘志は消えてはいない。

何か策はないのか?

ありったけの気を消費して気弾連射。

一撃に賭けるファイナルフラッシュ。

捨て身…玉砕を覚悟しての近接戦闘。

どれもこれもアカを倒す手段には到底思えなかった。

そんな時だ、身体を金色のオーラが包み込む。

それは暖かく。

そして自らの力が蘇る…いや、自身の力を大きく超える程の気が高まっていくではないか。

 

 

(な…なんだ?)

 

「父…さん。

これで…アカを…ブロリーを…父さんの…手で…。」

 

 

声がか細く、そして消えていく。

その方を見やれば、力無く倒れ込む息子がいた。

自らが決めに行くのではなく、残っている気のほとんどをベジータに託したのだ。

それはサイヤ人の誇りという点からすれば、絶対に認められないものだ。

 

 

(…トランクス。)

 

 

自らが勝てないと思ったから、他人に任せて倒してもらう。

対フリーザの時は例外として、ベジータなら絶対にそんな事はしない。

そしてそんな奴の気も分かりたくも知りたくもない。

だが、唯一の息子が全てを自分に託した。

トランクス自身よりも強さが劣る、自分に託したのだ。

 

 

「お前は…サイヤ人の誇りをまだ理解していないようだな。

地球に帰ったら、未来に帰るまでに嫌という程叩き込んでやる。」

 

 

ベジータ 立つ。

トランクス(未来の息子)のエネルギーを得て、それを自らの力に変えて。

それに気づいたアカは、再びベジータの前に立ち塞がる。

 

 

「ベジータ王子、あんな戦力差を見せつけられてまだ抵抗するのか?

これ以上やると、ウッカリ殺しちまうぜ?」

 

「…俺は今心底貴様にイラついてる。

よくも俺達サイヤ人をここまでコケにしやがって。

その腐れきった体に、サイヤ人の誇りを…俺様が身体に叩き込んでやる!

はぁあああああ!!」

 

 

いつものように気を高めるが、身体中からオーラが吹き出ては消えていってしまう。

凄まじい量の気を全く持て余している。

このまま高め続ければ、あっという間に譲り受けた気を無駄に消費してしまう。

 

 

(クッ…落ち着け!

全ての毛穴という毛穴を閉じろ、気を身体に封じ込めろ!

こんなに繊細な気のコントロールは初めてだ!)

 

 

完全に封じ込める事は出来ないにしろ、気のコントロールにより先程とは比べ物にならないほどエネルギーの漏出を抑え込む。

膨大な気が出口を探してのたうち回るような感覚を、全身全霊を込めて抑え込む。

 

 

「どうした?

来ないのか?

なら遊ばせてもらうぜ!」

 

 

アカが堪えきれずに突進してくる。

即座に横へ避けるが、自らの想像以上の動きに体勢を大きく崩してしまう。

さらに今の動きでまた少し気が漏出してしまう。

 

 

「俺はサイヤ人の王子ベジータだ!

こんなところで躓いて…たまるかぁ!!」

 

 

気と身体のバランス。

この二つが成立していなければ気は漏れ出す。

それは鍛錬を積んでこそ得る代物であり、普通の人間ならどちらかが疎かになり破綻するだろう。

しかし彼は、戦闘民族サイヤ人の超エリート戦士。

孫悟空に隠れがちではあるものの、彼は天才戦士なのである。

並の人間が時間を掛けて取得するこの気のコントロールを、既に彼は感覚的に察知し身につけ始めていた。

それは何度も言うが、天性の感覚があればこそである。

 

 

「はあああああ!」

 

「ほほう?

さっきよりも随分とマシな動きをするようになったじゃねぇか!」

 

 

エネルギーを放出する戦闘を避けて、相手の懐に飛び込んでいき肉弾戦を仕掛けていく。

体を動かせば動かす程、膨大なエネルギーは身体に馴染んでいく。

荒れ狂っていた気の流れを、徐々に自分のものにしていく。

 

 

「ガーッハッハッハ!

いいぞ、戦いはこうでなくっちゃなぁ!」

 

「余裕ヅラしてられるのも今のうちだバカめ!!」

 

 

身体に馴染んできた事で、自分の戦いに余裕が生まれ始める。

気を身体に抑え込むようにしていたが、腕、腿、手先、足先…少しずつ気を込めて攻撃を行っていく。

身体から溢れないように、トランクスのエネルギーを無駄遣いしないように。

 

 

(馴染んでいく。

これ程高いレベルの気の質を扱うなんて初めてだが、身体が上手く適応していくぜ。)

 

 

トランクスの送り込んだ気の質は、超サイヤ人の完成系のものである。

「俺は超ベジータだ。」と調子に乗っていた第二段階。

ムキンクスとネット上ではネタのひとつにもされる第三段階。

そして超サイヤ化を日常化することで、興奮状態と肉体への負担を抑えた第四段階。

トランクスがベジータの身体に送り込んだエネルギーは、まさに第四段階での高レベルの質の気。

忠実では順を追って身につけていく気のコントロールも、今回はいくつものステップを省略せざるを得なかった。

 

 

(この高い質の気のコントロールを身につけた時、この俺様がカカロットを超える時!

絶対に使いこなしてやる!)

 

 

ベジータの両手に更に気が込められる。

何度も言うが、経験のない高い質の気のコントロールするのはそう容易くは無い。

死線をくぐる最中にも関わらず、戦闘民族サイヤ人の王子は更に強くなっていく。

 

 

「グフフ、楽しい…楽しいぜベジータ王子!

久しぶりに楽しませてくれる戦いが出来て嬉しいぜ!

…だが、時間が無ぇ。

ここまでだ。」

 

 

突如としてアカの巨体が、砂塵を巻き上げて消えてしまう。

先程までのスピードとは比べ物にならない速さで移動され、すぐさま気を読んで次の行動を決めようとした時だ。

 

 

「だぁ!…にぃ…?」

 

 

 

巨大な両手でがっしりと身体が拘束される。

あまりの握力に、腕が…身体が全く自由が効かない。

そしてゆっくり浮上するアカ。

 

 

「さっきまでは本気の本気じゃ無かったって事だ。

だが万が一って事もある。

ここまでは本気を見せずに、決める時に使うだけだ。」

 

「クッ!

ふざけやがって!!」

 

 

アカの口の前にエネルギーが溜まる。

この後何が起こるか察したベジータは、貰い受けた全てのエネルギーを消費して脱出を試みる。

 

 

「遅いぜ王子様よ。

せいぜいパラガスの機嫌でも取って命乞いでもするんだな!

ワハハの波!」

 

「クソッタレがぁぁぁぁぁぁぁああ!!」

 

地へと投げ落とされたベジータと、ほぼ同タイミング放たれたワハハの波。

身体が地面に叩きつけられたと同時に、ワハハの波はベジータに炸裂して大爆発を起こす。

クレーターの中心に黒煙が立ち上っていたが、煙が晴れるとそこには戦闘不能に陥った死にかけのサイヤ人の王子が倒れていた。

 

 

「ふん、もう少し強かったら俺も油断は出来なかったぜ。

そらよっと!」

 

 

ベジータを摘み、適当に放り飛ばす。

力なくボトっと落ちた先は、パラガスの元だった。

 

 

---

 

--

 

-

 

 

時間は10分程戻り、こちらはブロリーとラディッツ。

辺りは肉と肉のぶつかり合い。

鈍い音が響く中でたまに骨同士がカチ合う音までする。

 

 

「がぁぁぁぁ!!」

 

 

超大振りのかかと落としで、地表が重力に反発するように弾け飛ぶ。

直撃を数センチ避け、ラディッツは顔面を狙って拳を突くも左腕1本で払い除けそれをブロック。

そこから先は拳の殴打殴打の嵐。

ラディッツは界王拳を使わずに、なんとか互角レベルまでの善戦に引き上げている。

何故そんな芸当が出来るか?

単にそれはブロリーの戦闘経験不足。

彼は圧倒的な強さ故に、実力の拮抗した相手をした経験は無かった。

殴り合い小競り合いも無く、圧倒的なパワーに任せて星を破壊してきた事で、戦闘経験を積むことなくここまで来たが故だ。

対するラディッツも、悟空やベジータや地球の戦士達と比べれば、さほど戦闘経験が豊富とは言えない。

だがこれまでのサイヤ人、フリーザ一味、セル一党の戦いを着実に乗り越えた経験が活きている。

フリーザ編では限界ギリギリの戦いを強いられ、セル編では心身共に限界を超えた状態でさえ拳を振るってきた。

更に最近の武天老師との修行での、戦闘力を抑えた肉体トレーニング・気のコントロールが劇的に体の内側と外側から鍛えている。

自らは実力不足と言い捨てて来た過去の戦いと、武天老師直伝による精神と身体の修行が、伝説の超サイヤ人と言われるブロリーとの…格上との戦いでいよいよ実を結びつつある。

 

以上の大きな2つのポイントが、この戦いの本筋である。

 

 

 

(これだけ凄まじい攻撃なのに、落ち着いて対処出来る気がする。

さっきの時もそうだが…この攻防の最中でも次の攻撃をどうするか、これをやってみようかって余裕を持つことが出来る。

まるで自分の動きを、ちょっと離れた所から見る事が出来るような…すげぇや!)

 

 

嵐のような拳の応酬が終わり、飛び回りながら一撃一撃の戦闘にいつの間にか変わっていた。

 

 

(…段々こっちのペースが読まれ始めてきた。

戦闘中に進化する、順応するってのか?

つっても、まだ始まってまだ時間なんてほとんど経ってないぞ!?)

 

 

ブロリーの力はまさに無尽蔵。

それは大袈裟だという人間がいるのならば、それはブロリーと言う存在を軽視している。

「気が高まる…溢れる!」と言った名言をまさに体現させた人物は、彼以外には存在しない。

身体が温まってきたと言わんばかりに、ブロリーの動きは時間を追うごとに鋭く、パワーが増していく。

そしてラディッツに順応、そして追い越さんとしていた。

 

 

「流石伝説の超サイヤ人って所か。

ブロリー、お前はつくづく敵に回したくねぇ!」

 

「俺はそんな伝説と言われる程大層な存在じゃない!」

 

 

黙らせる代わりに強力な左ストレートが飛び込んでくる。

咄嗟にブロリーを跳躍して背後に回り込み、振り向きざまにガラ空きの背中に拳を叩き込む。

そのはずだったのだが、既にブロリーは攻撃を軽く去なしカウンターを狙ってきた。

辛うじて気弾で弾く。

宙返りして距離を稼ぎ、着地ざまに突進。

同じくしてラディッツも、気弾の爆発を利用して大きく距離を取り、着地ざまに突進。

 

 

「「ぐふぉお!」」

 

 

二人とも見事にクロスカウンターが決まる。

その衝撃で二人とも地面を削るように大きく後退。

だがブロリーの瞬発力は増している。

即座に再度突進し、回し蹴りが見事にラディッツの顔面に叩き込まれる。

すんでのところで膝を掴んで昏倒は免れたが、鼻血がボタボタと地面に紅い花を2つ咲かせる。

そのまま掴んだ膝にゼロ距離で全力の主砲斉射。

きりもみ回転しながら、遠くの岩場に吹っ飛んでいく。

 

 

「い…てぇ。

あぁ痛ぇ!」

 

 

涙を吹き、鼻血を擦る。

口腔内にも血の味がする為唾も吐く。

やはり口の中も切っているようで、赤い液体混じりの唾液が地面に吸われていく。

 

 

「このままじゃぁいかん、界王拳!」

 

 

超界王拳。

ラディッツの大一番の引き出しをひとつ開ける。

時間が無い、なりふりなんて言ってられない。

吹き出す金色のオーラに、紅いオーラが相まってオレンジ色にさえ見える。

そしてここからは、リヒートの併用で一気に終わらす。

 

 

「いやああああああ!!」

 

 

地を這うように突撃してくるブロリーに応戦。

先程までの力はどこへ行った?

界王拳を併用して迎え撃ったのにも関わらず、ガードが弾かれる程のパワー。

 

 

「俺は負けない!

親父の為に!」

 

「るせぇ!

俺だって帰るんだよ!

リヒート!」

 

 

背後に瞬間的に回り込み、かかと落としでブロリーを突っ伏させる。

ブロリーも口からエネルギー波を放って瞬間的に体勢をなんとか立て直し、追撃のダブルスレッジハンマーを後頭部で迎え撃った形になる。

よもやそこから、そのように立て直すとは思わなかったラディッツ。

両手の小指を痛い程打ち付けられ、ブロリーの後頭部が再び鼻へ直撃する。

鮮血が目に入り、視界が奪われる。

 

 

「でやあっ!」

 

 

渾身のアッパーで空中に放り出され、強力なラリアットで地面へ叩きつけられた。

痛む背中にむせながらも、目をこすってなんとか視力を回復させる。

界王拳でもまだ足りない。

ならばやる事は。

 

 

1.5倍(てんご)!」

 

「うらあぁぁぁあ!!」

 

 

オレンジ色のオーラは、ことさら赤く。

そしてオーラは炎のように吹き上がる。

ブロリーも呼応するかのようにパワーを引き上げる。

これまで見えなかった青みがかった黄緑色のオーラが吹き上がる。

 

 

「俺は帰らなきゃならんのだ。

ポンコツ親父から親離れできないような奴に負けてたまるかァ!」

 

「親父を侮辱する気なら…俺だって許さんぞ!」

 

「リヒート!」

 

 

大きく跳躍するブロリーを、瞬間的に真横に張り付いて殴り飛ばす。

未だカラクリが分からないブロリーは為す術なく吹き飛ぶ。

この技は多用しては破滅する。

だからこそダメージを与えられる要所でしか使えない。

ダメージが蓄積されてるのか不安になる程、全くブロリーの動きは鈍くならないが。

 

 

「だァァァ!」

 

 

砂塵が吹き上がる前にラディッツに突き刺さる蹴り。

勢いに任せてそのままいくつもの岩を破壊しながら、未だに勢いは衰えない。

力ずくで脚を掴んで投げ飛ばさんとするラディッツの意を感じ取り、左足でへばりつく背中を蹴り飛ばす。

 

 

「イレイザーキャノン!」

 

 

一瞬の溜めを作って、強大なエネルギーボールがラディッツに迫る。

そのイレイザーキャノンを感知した時、リヒートすらもう間に合わない距離。

辛うじて両手で受け止めたものの、パワーに押されてかなりの速度で後方に押されていく。

なんとか体勢を立て直したかったが、巨大な岩山に挟まれそれも叶わず。

巨大な岩山にぶつかった膨大なエネルギーは、行き場をなくしてその場で大爆発を起こす。

 

 

「…カハッ…ァ。」

 

 

全身が黒焦げとなり、膝から落ちるラディッツ。

山吹色の道着もいくらか焼け落ち、至る所からボロボロの肌が露出している。

未だ超サイヤ人化は解けてはいないが、これ以上の善戦は難しいのは明白。

対するブロリーは、いくらか服装に破損は見られるようだが未だ健在。

 

 

(くそ、何が落ち着いて対処出来る気がするだ!

もうついて行くことすら辛いぞコレ。

何か戦況を打開する…一発逆転出来る何かしらのもんは無いか!?

こう…「なんだこれは!」そう、なんだこれはって言うすげぇ技…ん?)

 

 

どこかで聞いた事のある声がした。

いや、これは聞き覚えどころか嫌という程毎日聞く声だ。

俺自身の声が聞こえたのだ。

 

 

「何故…貴様がここにいやがる!?」

 

「……ラディッツ!?」




誠に勝手ではございますが、新型コロナウイルスの影響により継続的な投稿が出来なくなりました。
自分は詳しくは言えませんが、俗に言う医療従事者です。

自分の地域にも1ヶ月前程から陽性反応が出ている方が別の病院へ搬送され、自分の病院にも受け入れ始めております。

事態が収まりましたら戻るつもりですが、医師・看護師の数は限られているため、見通しが立たない状況です。
それどころか、自分にも症状が出て二度と戻れない状態になる可能性もあります。
放置するのも皆様に失礼かと思うので、一度正式にお知らせします。

外に出られない辛さは察し致しますが…発症しても無自覚の方もいればそう出ない方もいます。
どうか不要不急なら家族を大切にしてください。
当たり前の存在が消えてしまう前に。
この世に願い玉が無い以上、亡くなった方を蘇生させる事は不可能です。

どうか皆様の未来がより良い未来になるよう祈ってます。
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