ここはフロニャルドと言う私たちの住む世界とは全く違う世界の一つである。
そんなフロニャルドにあるガレット獅子団領ヴァンネット城のある一室でガレット獅子団領国が国王である、レオンミシェリ・ガレット・デ・ロワが一人、目の前の現実を受け入れることが出来ず・・・・、いや、受け入れるわけにはいかなく苦悩していた。
「何故だっ!・・・・、何故変わらない!?」
最近レオンミシェリは星詠みを毎晩のように行っており今日もまたそれを行っていた。星詠みとはフロニャルドにある紋章術の一種で占いのようなものであり、映像板と言う物を使い遠く離れた世界のことや未来のことを見ることができるのである。元々レオンミシェリは星詠みなどに踊らされるようなことは愚かしいことだと考えていたが、ここ最近続く結果のために愚かしくも焦りや不安を感じていた。
「何故ミルヒが・・・・・・、ミルヒが死なねばならんのだ!?」
その結果とはビスコッティ共和国フィリアノン領の領主であり、幼いころから姉妹同然に育ってきた幼馴染、ミルフィオーレ・フィリアノン・ビスコッティの死と言う結果であった。正確には「聖剣エクセリード」の持ち主が死ぬと星詠みには書いているが、エクセリードの持ち主は現段階をもってこの世界に一人、ビスコッティの領主であるミルヒオーレ一人しかいない。
最近レオンミシェリはこの結果を変えるためにビスコッティに軍備強化を提案した。そうやって軍を強くすれば未来が変わるのではないかと考えたからだ。しかしそれも変わらなかった。ならば自らの手でビスコッティを強くしようと考えガレットはビスコッティに何度も戦をしかけた。そのためビスコッティは負け続けてはいるものの少しは強くなった。だがしかし、それでも結果が変わることは無かった。
フロニャルドの戦はいくらスポーツの様なものとはいえ、何度も行っていてはさすがに国同士の関係がギクシャクしてくる。当然両国の領主であるレオンミシェリとミルヒオーレの関係も疎遠になっていった。レオンミシェリはこのことに一番心を痛めていた。結果を変えるためとはいえミルヒオーレに酷いことをしてうるのは自分でもわかっている、しかしこの結果を、未来を受け入れるわけにはいかず、レオンミシェリは苦悩する日々が続いた。
そんなある晩のこと、いつものように星詠みを行うといつもと違うものが見えた。
そこに映ったのはあたり一面に続く荒野だった。自分が住むフロニャルドではあり得ない風景。草や木、花などと言った自然はなく動物もいない、国や街と言った建物もなくただあたり一面の荒野。ただそこに一人、荒野を歩き続ける少年の姿があった。少年の顔は笑顔であった。ただレオンミシェリにはそれが本当の笑顔には見えなかった。たった一人で荒野を歩き続ける自分を勇気づけるための笑顔、ただがむしゃらに歩き続けるために作っている笑顔、そんな風に見え、とても不憫に見えた。
何故この少年は荒野を一人で歩き続け、また何故いつもと違う星詠みが見えたのかとレオンミシェリが考えていると映像板に文章が浮かび上がった。
【この者、フロニャルドに降り注ぐ災いを取り除きし者、フロニャルドに光をもたらす者】
「!?」
その文章を読み終えると映像が変わり、そこには先ほどの少年に似た人物と、先ほどの少年より幾つか歳が下であろう人物が、今まで星詠みでミルフィオーレに災いをもたらしていた魔物と相対している映像が映った。やがて映像は消え部屋に静寂がこだまする。
その日の夜、レオンミシェリは勇者召喚の儀を行うことを決意したのであった。
この作品はシンクが初めてフロニャルドに行くときにもう一人ガレットにも勇者が召喚されていたら~、的なものです。後この作品はわたくしの処女作ですので生暖かい目で見ていただけたらなと思っています。