遊理「うわあぁぁぁあぁあぁ、ああぁあああぁあ――ッッ!!!!!(今にも絶命しそうな表情で)」
ちょ、発狂してどうした。
美花『いや、新規の禁止カードに【
……あぁ、そういえばダメージ・ジャグラーとヒグルミが禁止になるんだっけ。あとショック・ルーラー。この作品は禁止制限が更新されれば最新話の時点でできるだけ反映するからヒグルミを潤滑油としていた遊理のデッキ構築はもちろんのこと、作っておいた今後のデュエルに大きな影響が出たよ。《ドゥーブルパッセ》で相手にダメージを与えつつこっちはダメージ・ジャグラーを使って戦闘ダメージを回避とか。
……ヒグルミとジャグラーは一気に禁止じゃなくてまだ制限で良かったのに。それならまだこっちも対策が出来てたから……まだ予備策があるとはいえ、愚痴言っても仕方がないか。
遊理「僕は……許さない、ショック・ルーラーを、ペンマジを……こんな決断を下したコンマイを……!!」
闇落ちしてるバカは放っておいて、長らく待たせてすいません。何度も一から書き直したり、設定の組み直しを繰り返していたら大幅に遅れてしまいました。
今回、デュエルはなしです。その分、ちょっと短めですが……
誤字・脱字も見つかったら教えてください。では本編をどうぞ!!
「此処、か……」
入学式が終わり、ブルーに絡まれていた遊理だったが撃退した末、無事にオシリスレッドの前に到着する。遊理は森から出てきたときに体に着いた汚れを軽く払うと改めて三階建ての大きな館のような寮を見上げていた。
一応、昔の寮は施設の老朽化を懸念して開校された際に施設そのものを立て替えたから全寮の施設差は成績以外は存在しないとパンフレットに記述されていたのを思い出す。
『遊理、まだ頭に葉っぱついてるよ?』
「すまない、ありがとう」
パンフレット内容を改めてを思い出していると美花に頭にまだ葉っぱが残っていることを指摘され、頭に着いた葉っぱも払う。
そしてこれからに向けて気を引き締めて受付へと向かう。。
寮の受け付けは無人になっており、ホログラムの受付嬢が音声認識で対応する仕組みとなっていた。
やたらハイテクな受付に驚きながらも学生証でゲートを潜って寮内へと足を踏み入れるとたどり着いたのは輝くシャンデリアが眩しい一対一のデュエルくらいならできそうなほど広いホール。
遊理はホールに入って目の前にある中央階段から上ってまずは寮室へと向かうことにした。
「(さっきのデュエルから考えたらやっぱり《封魔の矢》は抜いたほうがいいか? しかしさっきのように装備カードや
『やっぱりあのカードを使った方がいいんじゃない?』
「(確かにあのカードのパワーを使えばもっと手軽にワンショットキルが狙うことが出来るけど……)」
『(……でも使わないと勝てないよ?)』
「分かってるさ。(……でもまだ僕にあのカードは似合わない)」
これからの学園内でのデッキ内容に感じて美花と小声で相談していればいつの間にか自身の部屋の前まで来ていた。
寮は二人一部屋の構成となっており、一応はノックをしても返ってこなかったのでダウンロードした学生証の電子キーで部屋の電子ロックを解除する。
ガチャンと音を立てて鍵が外れ、遊理はドアを開けて部屋の中に入りながら中心で室内を見渡した。
「豪華だなぁ……」
『うわぁ……ホテルのお部屋みたい……』
室内には調度品と呼べる物はなく、代わりに一目見るだけで飛びつきたくなる高級感に満ちた二つの大きめなベッドに仕切りのような物を挟んで置かれ、天井には洒落たシャンデリアが明かりを灯している。
その向かいには備え付けの勉強用机二つに個人用PCが二人分。他には30インチはある埋め込み式のTVに通路脇のドアには備え付けのバスルームまで……どれもこれもが安物ではないと庶民的な感覚でなくとも断言できる一品。知らない人が見れば高級のホテルの一室と勘違いしてもおかしくはない。
この学園は不動 遊星自らが支援を公言していることもあって経営系列には多くの企業が出資しており、何代かの社長交代をしながらもその信頼を揺るがせないKC社。名高いペガサス・J・クロフォード記念財団など多くの企業から出資を受けており、特に大きく運営には世界有数の大財団である鳳凰院財閥が関わっていると聞いている。
──コン、コン
しばし部屋の豪華さに呆然としていると、背後のドアからノックの音が聞こえた。
「……はい」
「――あれっ? 遊理君?」
まぁ、豪華すぎて違和感はあるが無理やりにでも納得して玄関へと向かい、ドアを開けるとそこには――まごうことなき美少女がいた。
うん、言い直そう。命がいた。その背後には可愛い弟を見守るような生暖かい青狸の目をした真理也がちらちらと覗いている。
「命? どうしたんだ?」
「いや、荷物整理が終わったから隣の部屋の人に挨拶を……ルームメイトさんは?」
「まだ来ていないみたい。 僕も誰かは知らないけど……」
『ほんと誰なんだろうね?』
どうやら命は隣人への挨拶回りに来ていたようだ。
そんな姿を生暖かい青狸のような目で見守る
遊理も誰かを大切に思う気持ちはよく分かるので真理也の存在は指摘はしてやらない。そんなことを考えていると少し悩んだのちに命がこんなことを言い出した。
「――よかったら一緒に寮内でも見て回らない? ほら、ここ広いし」
「……そうだな。荷物整理を終わらせたら僕も一緒に行くよ」
「あら? 寮内探検ならアタシも忘れないでよね♡」
命からの寮内見学の誘いに遊理も少し悩んだんのちに参加することを決めた。
このオシリスレッド寮は結構大きいし、自分がこれから世話になる寮を調べておくのは今後何かあった時、慌てず動けるように避難路の確認もできる。
そう考えると遊理は手早く荷解きを済ませてスタンティング用のデッキを腰のデッキケースに仕舞い、部屋に鍵をかけると命と真理也と共に寮内探検に向かうのだった。
*
「――大体見終わったかしら?」
「後、最新鋭のリアルソリッドヴィジョンを使うデュエルリングだね」
まずは二階、三階の個人部屋に始まり、一階へと降りると大食堂を昼食ついでに見て回り、再び一対一のデュエルなら出来そうなくらいに広いホールへ来ていた。ホール内には上級生だけでなく下級生の人影もそれなりに存在している。
美花と《
《
そんな何処かやるせなさを感じながらホールをふと見渡しているとこちらに気づいて歩み寄ってきた一人の青年がいた。
「――やぁ、受験番号3番君」
「……いきなりの番号呼ばわりか? 不快だな」
いきなり有利目がけて声を掛けてきた見知らぬ青年にジト目を向けながら反論する。
すると大げさに肩をすくめ、エセ外国人のようなオーバーなリアクションを見せた。
「これは失敬、お初にお目にかかります。私、受験番号一番の
「……光道 遊理」
「さ、鮫島 命です」
「刀堂 真理也よ。よろしくね」
どことなく紳士ぶった胡散臭い雰囲気の青年――
なんとなくだが彼からは警戒しなければいけないような何かを感じる。なんていえばいいのか、こう……自身を全力で振り回す生身だった頃の美花を思い出す感じで。
「それで、その都影とやらが僕に何の用だ?」
「いやはや、実技最高責任者を倒してあれだけ注目されてた君がどうしてオシリス・レッドなのか、気にならないのかね?」
「えっ? そうなの!?」
「ミコっちゃん……知らないで接してたの?」
にやりと笑って都影が遊理にそう言うとそれを知らなかった命が驚き、真理也は苦笑い。
確かに遅刻したとはいえそれはネオドミノシティでは日常茶飯事な上、学校側もそれによる遅刻は問題視しない方針である。ならば筆記成績一ケタで実技最高責任者を倒した実力者となるとオベリスクブルーに入ってもおかしくない。
だが遊理は現にオシリスレッドという末席の寮。都影が出した釣り針に遊理は――
「――そんなの学園が決めることだろ? じゃあ逆に聞くけど受験番号一番のお前が何でオシリスレッドなんだよ?」
「……フハハ、中々に強かだな。君は」
釣り針に引っかかるどころか飛び跳ねてカウンターパンチをかましてくるではないか。
彼は特に配属先を気にせず、冷静に現状を受け入れている。温和な遊理が向けた以外にも強かな態度に都影は微笑を浮かべる。
「何はともあれ、これから同じ寮で寝食を共に過ごす仲間なのだ。よろしく頼むぞ、同志光道にその仲間たちよ」
「誰が同志か。……まぁ、よろしく頼むよ」
「その他扱い!?」
「あらひどい」
手を出しだしてくる都影にツッコミを入れながらも遊理は握手を交わす。
なんだか取り返しのつかない契約を結んでしまったような悪寒が走るが遊理は気のせいだと思い込んで何にも感じなかったことにする。
「では俺はこの辺で。これでもオカルト研究会の業務で忙しい身でね、アデュー♪」
都影がそう言うと物陰へと姿を消していった。
……あそこって行き止まりだったような……そんな疑念を抱きかけ、面倒になって思考放棄する。
そして遊理たちは最新鋭のデュエルリングへと向かった。
*
寮内を歩いてたどり着いたデュエルリング。
最新鋭の設備で作り上げられた其処ではちょうどデュエルの真っ最中であった。
最新鋭のデュエルリングのデュエルとなると一風雰囲気が変わり、デュエル中の雰囲気をより一層高めるために最新鋭のソリッドビジョンを生かして周囲から切り離されたような全くの別空間に一時的に書き換えることが可能になるのだ。
互いだけを意識しやすい状況を意図的に作り出し、よりデュエルに対する戦意を高める効果があるらしいとかどうとか。
それによって投影された巨大な石器のコロシアムの幻想の中心で激戦が繰り広げられていた。
一人は美しいプラチナブロンドがよく似合いながらも高等部――このアイランド・デュエル・アカデミアには不釣り合いな年齢にしか見えない童女。しかしオベリスクブルーの女子制服を身に纏い、中等部でも見た腕章をしていることからどういう存在か理解する。
童女の腕には「生徒会長」と「書記」に「庶務」と書かれた腕章があることから中等部にもあった生徒会の組織の一員であることが把握できた。
もう一人――相対するのはさっき教室で皆の視線を釘付けにした見目麗しい絶世の美少女――「
彼女は麗しい美貌を険しい表情に歪め、戦況を睨み付けていた。
そんな二人のデュエルの戦況だが。
童女の場にはレイピアを持って悪魔の翼を広げる堕ちた聖女のような王と青い怒涛のオーラを纏い玉座に座する独裁王に錐体の体躯の艶やかかつ澄んだ紫色の王が二体、手札は3枚。場には二枚の永続魔法と一枚の永続罠、一枚の伏せカードに場に輝く二本の青い光の柱には天体を模した錐体の体躯の悪魔が存在しており、その上部には「6」の数字が光り輝いていた。LPは10000オーバー。
対する花恋の場には蝶のような翅に青い光を放つ女性戦士と赤の装飾と星空を切り取った様な黒い体に瞳に銀河が宿る美しい竜、手札は2枚、伏せカードは破壊されたのか存在していない。LPは1000を切っている。
――俗にいう詰みの場面という奴だ。
「――カエサル・ラグナロクの効果発動!! 1ターンに1度、このカードが戦闘を行う攻撃宣言時に、このカード以外の自分フィールドの【DD】カードまたは【契約書】カード1枚を手札に戻し、このカードと戦闘を行うモンスター以外の相手フィールドの表側表示モンスター1体を選んで装備カード扱いとしてこのカードに装備する。
私は
青い怒涛のオーラを纏い玉座に座する独裁王――カエサル・ラグナロクがコードのような触手を伸ばし、天体を模した錐体の体躯の悪魔――ケプラーを吸収するとそのままを絡めとり、その身に銀河の光を宿す竜のその力もろとも取り込んだ。
攻3200→攻6200
「カエサル・ラグナロクで《フォトン・バタフライ・アサシン》を攻撃! ジ・エンド・オブ・ジャッジメント!!!」
「――っっ!!!!」
無数の怒涛の力で生み出した青白い光球からカエサル・ラグナロクがレーザーを放つ。
その一撃を蝶のような翅と青い光を放つ女性戦士が勇敢にその両手に握るクワガタの鋏の様な武器で受け止めようとするもそのまま打ち抜かれ、爆散。その爆発が花恋を襲い、そのLPを削り取る。
そしてデュエルディスクから花恋の敗北を告げるブザーが鳴り響き、フィールドを形成していたソリッドビジョンが光の粒子となって消えた。
「――約束通り、こいつを受け取ってもらう。例の事に関しても口止めしておく。これからよろしく頼むぞ」
「っ……」
どことなく黒い笑みを浮かべ、童女が近づいてそう言うとその腕に付けた「書記」の腕章を膝をついた花恋目がけて投げ渡す。
すると花恋は目の前に落ちたそれを拾い上げ、その腕に巻き付ける。
どうやらこれは多少強引な勧誘という奴なのだろう。
状況から察するにデュエルに勝利した方の意見を通すというもので童女に花恋が敗北したことで生徒会への所属を決めた。双方合意ならば僕らが関わる余地はない。
花恋がデュエルリングの入り口から出て行ったのを通路から見ていた遊理たちは腕時計で時間を確認すると歓迎会の時間が迫っている。
そして遊理たちは歓迎会の行われる食堂へと向かうことにするのだった。
*
遊理たちが移動したオシリスレッド共同食堂は大きなレストランのような作りをしていた。
意外と大きな窓や植え込みの緑が学園らしい雰囲気を演出している。そんな食堂へ移動した遊理を出迎えたのはテーブルに並ぶ豪勢な料理の数々。
伊勢海老を一匹丸々ゆでたものやハンバーグ、ステーキなど無数の豪華な料理の山に思わずぽかんとした表情を浮かべていた。
そしてそれぞれ席に座ると時間となり――
「――もっすもっすひねもっす~♪ あ~んど♡ 何人かの人は教室ぶり~! 瑞葉はこのオシリスレッド寮の寮長の防人 瑞葉だよ~♪ 気軽によっろしっくね~!!」
「(またこの色物か!?)」
遊理は何割かの人と思考が合致したのをなんとなく感じた。
立ち上がって寮長として自己紹介したのはZ組の担任でもあるうさ耳を付けた同年代か同じくらいの少女――防人 瑞葉だった。
その色物ぶりは知られているのか2年生や3年生らしき生徒たちが頭を抱えたり、ため息をついている姿がちらつく。
「んじゃ! 堅苦しい挨拶はなしにして♪ か~んげ~いか~い♪を開始しま~す♡ ほら~かんぱ~い!!」
その音頭で全員が自分の手に持ったグラスを天に掲げ、近くのものとグラスをぶつけ合う。
キ~ン、と響いた甲高い音はすぐさま生徒たちの歓声にかき消された。この騒がしい歓迎会ムードは心を豊かにしてくれる。
「ふむ、楽しんでいるかね? 同志遊理よ?」
「うぉっ!? ……灯衣か。驚かすなよ」
そんな風に雰囲気に浸っていると背後から掛けられた声に一瞬、驚いてしまう。
声の主は寮内探索の時に出会った胡散臭い男 灯衣だ。
「ハッハッハ、すまんすまん。お詫びに各学年の実力者について教えてやろうか?」
「……んじゃ一応頼む」
にこやかに言った灯衣の言葉に少し悩んだのち、聞くことにする。
来たばかりで情報も少ないので実力者の情報があるならば少しでも聞いておきたい。
そんな理由を見透かしてなのかにやりと笑うと灯衣は数枚の写真を取り出して語りだした。
「まずは3年からだ。3年にはすでにプロに匹敵するほどの実力者が二人ほどいる。一人はアカデミア生徒会に所属する『会計』こと「
少なくともこの両者にはまだ関わり合いを持たない方がいいだろう」
「っ? どうしてだ」
「両者ともに調査不足だが黒い噂があるのでな。特に後者はかなり強引且過激な行動を取ることが多いとの情報だ。おまけに複数の女子生徒と関係があるとか……」
「うわぁ……」
渡された二枚の写真。
一枚には緑の髪がよく似合うフード付きのオシリスレッドの制服に身を包んだ特徴的なパーマが掛かった若草色の髪を持つ幼い少女でパッと見は高校生に見えない。もう一人は大柄で白い制服をマントの様に肩に掛けた強面の青年。灯衣は3年生の実力者二人について語る姿は何処か冷や汗を掻いていた。
複数の女子生徒と関係を持つ風紀委員長がいるってこの学園、大丈夫なのか? 中に誰もいませんよって展開になったらなりふり構わず逃げるよ? ぼく、さすがにこわいもん。
「次に2年だが……こちらは豊作だな。飛び級で入学していながら現アイランド・デュエルアカデミア最強と名高い「次元王」こと学園長の孫娘
「あれっ? この娘って……?」
「ふむ、面識があったようだな」
「いや面識ってほどじゃないんだけどさ。さっき――」
次に渡されたのは先ほど強引な勧誘で天草 花恋を生徒会に引き入れた「会長」の腕章が右腕に存在感を放つ煌めくプラチナブロンドと闇夜で輝く紅色の瞳を持つオベリスクブルーの制服を身にまとう童女と左腕に「副会長」の腕章を付けた逆立てた白髪にバンダナを巻いた人相の悪いオシリスレッドの青年。
どうやら後者の青年は業務で歓迎会にはいないようだが前者の童女――鳳凰院 ミレアが歓迎会に来る前に天草 花恋を強引に勧誘していたことを灯衣に教えると顎に当てて考え込む。
「――なるほど、すでに一年の実力者にも手を出しているのか? ならばこちらも……」
「……天草さんって強いのか?」
「ん? あぁ。試験番号10番と中々の好成績だ。「
実技に関しても試験管相手に逆転勝利を決めていることから実力に関しても折り紙付きだろう」
何やら怪しげに何かを考え始めようとした灯衣と遊理が遮ってそう尋ねると灯衣が花恋の実力を肯定した。
アイドルとして有名なだけでなくデュエルの腕も折り紙付きの美少女。そんな少女がなぜ入学してきたのか色々と気になる。
だが今は灯衣の話を聞くことに専念した。
「次に同志遊理と行動していた二人――受験番号38番の鮫島 命と受験番号9番の刀堂 真理也だな」
「えっ!? あの二人も強かったのか!?」
続いて出てきた名前。それは隣人となった二人だ。
予想外な名前に驚きながらも半分、人格面で侮っていたことを恥じておく。
「あぁ、まず鮫島 命はこのアイランド・デュエル・アカデミアがデュエル・アカデミア本校と呼ばれていた時代に校長を務めていた男性。古き良き『サイバー流』の師範こと元プロデュエリスト マスター鮫島の子孫だからな。
もっとも今は……いや、これは言うまい……」
「へぇ……」
サイバー流。
かつて存在していたデュエル流派の一つだ。そのデュエルは《パワーボンド》を使い、超攻撃力を持った破壊力抜群のモンスターで相手をワンショットキルするという豪快なデュエルから人気を博したデュエル流派。
豪快な1killを推奨しながらも相手に敬意を払って全力をぶつけ合うことを謳うリスペクトデュエルを学ぶべく多くのデュエリストが集い、その人望からデュエル・アカデミアの校長としてスカウトされたほどだ。
ということはその子孫である継承者の命はそのサイバー流免許皆伝の証として知られる《サイバー・エンド・ドラゴン》を有する程の実力者になるだろう。意外な実力者である。
「刀堂の方は試験管のデッキとの相性が最悪で一方的に敗北する結果だっただけであって、その基本ポテンシャルは相当なものだ。実績こそないがあの距離感だと鮫島とは切磋琢磨しあうくらいはしていた仲だろうな」
「つまり真理也も命と同等クラスってことか」
「今言ったのは今日だけで集められた身近な情報だけだからまだ見ぬ実力者は大勢いるだろう。と、まぁこんなところだ。今日はこれからの学園生活へ向けて楽しもうではないか……ククク」
そして怪しげな笑みを浮かべて灯衣は話を締め括った。
しばらくして歓迎会は新入生たちと在校生とのデュエル大会となったが参加するのはやめておいた。
今回の話を聞いて不十分だったデッキの調整をするために部屋でルームメイトを待ちながらデッキ調整をしよう。そう思って遊理は歓迎会で騒がしい食堂を後にした。
*
「(……疲れた)」
オシリスレッド寮の廊下。
歓迎会が終わり、自身のファン出会った生徒たちの相手をしてきたばかりの花恋は疲れ切った表情でふらふらと歩いている。
それにしても入学初日から災難な目にあった。
「(……初日から負けるなんて)」
あそこまで強引な勧誘、一体何が目的なのだろうか。
まさか、エデンの情報? いくら自分が表向きの広告塔のような存在であるとはいえ実態はただの玩具。
アイツの気まぐれ一つでこの身を弄ばれるおもちゃでしかないというのに……
「(……戻ったらシャワーでも浴びて寝よう……)
そのことを思い出すだけで気が滅入ってしまう。
仕事とはいえせっかく、普通とはいいがたいものの学業ができるのだ。今日くらいは仕事を忘れてゆっくり休もう……
ふるふると頭を振って思考を切り替えると寮の自室の前まで到着した。学生証の電子キーで部屋の電子ロックを解除する。
ガチャンと音を立てて鍵が外れ、ドアを開けて部屋の中に入ると花恋は部屋の中心で室内を見渡す。
「っ? ルームメイトがいるって聞いてたけど……」
室内には人影がない。
自分は仕事で島内での授業を受けられる時間を多く取れないので学園側から成績優秀者をルームメイトにするって聞いていたのだが……
――ガチャン
「……えっ」
背後から扉が開く音がした。
玄関の扉ではなく通路脇のドアからだ。振り返るとそこには一人の少年がいた。
濡れた鮮やか黒髪と艶やかな白い髪のツートンの卵の殻を被った様な髪に中性的な顔立ち。
風呂上りで濡れた白い肌の上半身は多くの傷跡を残しながらも細くしなやかな
下には白と黄色の明るい基調のパジャマのズボンを穿いている。
「――っ!!? っ!!!? ……きゅぅ」
「えっ……!? ちょ、ええっ!?」
半裸で現れた見知らぬ異性の出現に混乱と動揺のあまり、花恋の意識は一気に遠のいていった――
*
「「……」」
オシリスレッドの寮室。遊理はパジャマを着てベッドの前で正座をして花恋は制服のままベッドに腰かけている。
しかし今現在進行形で遊理と花恋、彼女には見えていないだろうが慌てた遊理に気が付いて現れた美花との間で気まずい雰囲気が漂っていた。それも当然だろう。
『――とりあえず、謝っておきなよ』
「えっと、なんか、ごめん……」
「……」
異性のルームメイトのシャワー上りをばったり遭遇、こういうのは女性のシャワー中に男が遭遇するのであって立場が逆ではないのか?
思わず、そんなことが過ったが遊理は美花の言葉に従って謝っておいた。少なくとも遊理はそこまで神経が図太くない。
「……その、貴方が同室の?」
「……受験番号3番の光道 遊理です……」
「……私はあんまり学校に来れないから。そのサポートに成績優秀者を同室にするって先生から聞いてたけど……」
『学園側からサポート? ほえ~……現役アイドルは凄いんだね』
その呟きと共に花恋が顔を真っ赤に染める。
まぁ、ルームメイトで学園側から自身をサポートしてくれるというくらいだから同性だと思っていたのだろう。
しかし彼女は何者なのだろうか? 現役アイドルで学園側から支援を受けている上に……
「その、あんまり学校に来れないって……」
「……」
「……ごめん、踏み込みすぎた」
そんな花恋につい訪ねてしまうと返ってきたのは絶対零度の視線。
先ほどまでの羞恥と怒りが混じった視線とは違う、踏み込まれたくないという強い拒絶の視線で遊理は引き下がることにした。
さすがに馴れ馴れしすぎたよな。不慮の事故もあったし……
「……さすがに異性がルームメイトなんて嫌でしょ? ちょっと寮長に……」
「……たぶん、あの寮長のう詐欺は分かっててやってる。だから、気にしない……」
「あ、そう……」
『そういえば、ここの寮長って……』
ここの寮長はあの色物だ。このルーム配置に関しても気づいててやってそうだ。
というか、あの寮長の兎扱いは言いえて妙だな。なぜかコスプレしてるし、うさ耳付けてるし。
「だから、気にしない。代わりに勉強とか困ったら、教えてもらう……」
この負い目もあり、僕らはシャワーの時間の取り決めをするだけで会話が終わってしまい、二人とも明日の授業に向けて早めに眠りにつくことにした。
入学初日から前途多難だなぁ……そう思いながらベッドで天井を見つめ、今日のことを改めて思い返す。
入学式の言葉。
教室で出会った新たな友人たち。
オベリスクブルーの実力。
未開の地での寮生活。
異性のルームメイト。
「(これからが楽しみだな。……ところで)」
間に仕切りこそ存在しているが並んだ二つのベッド。彼女が荷解きをしたのは窓側で、遊理は空いていた廊下側のベッドで横になっている。
……答えを言うならば仕切りの向こうから眠りについた天草 花恋の可愛らしくも色っぽい寝息が聞こえてきてなかなか寝付けなかったのは仕方がないと思うんだ僕は……
リメイク前との相違点です。
①:巨乳ロリじゃなくなった森谷 朱音(外見モデルはワンパンマンの戦慄のタツマキ)
②:1年から2年になった才牙。
③:風紀委員の存在。
④:遊理の髪色(リメイク前は純黒髪だったけど今は卵の殻を被っているような白と黒のツートーン)
⑤:学園のすべて
とまぁ、これくらいにして……デュエルもないので今回は遊理と美花のプロフィールを公開できる限りで公開しておきますね。
人物紹介
・主要人物
名前:
性別:男
所属:オシリスレッド
デッキ:【
エース:《
・概要
遊戯王AZGの主人公。
幼少期から幼馴染である天音 美花と共に育った幼馴染で殆ど兄妹に近い関係である。
5年前の客船事故がきっかけとなり、同じ客船に同乗していた美花に守護霊、カードの精霊と自称して憑りつかれている。
その一件からカードの精霊が見える能力があり、何かしらの縁か《
家族構成は父親のみの父子家庭で海外出張での仕事をしている父親に代わって普段は美花の両親に預かってもらっている。
プロデュエリストの父からD-ホイールに関するメカニック技術の手ほどきを受けたため、機械いじりも得意。
家事全般が得意であるがこれは父親がインスタントでしか料理を作れない為、自力で覚えた。
・外見・性格
髪は鮮やかな黒髪にそれを覆い隠すフードのように流す艶やかな白の前髪、瞳は薄い金色で男性にしては小柄であり、160cm前後と身長は低く、顔立ちは女性寄りに中性的だが女装でもしなければ女に間違えられたりはしない。
普段着は白のシャツの上に白のラインが入った暗い赤と黒のジャケットに赤のジーンズと暗い配色の服装を着ているがそれに反するようにライダースーツは白と黄色の二色をベースとした自身のエースたる希望皇ホープを意識した明るい色合いとなっている。
基本的には平和主義者で面倒と思ったことにはなるべく関わりたがらないが人並みの良心は持っており、後味の悪い事を嫌って人助けをしてしまうなど心根は優しく、過去の境遇から友人思いの優しい性格。
また当人曰く「諦めが悪い」らしく、美花を生き返らせるためならば多少の危険は顧みないなど危うい一面も持ち合わせている
・デッキ
【
また、アクションカードをコストとして使う戦術の他、エクシーズ召喚だけでなくシンクロ、融合、ペンデュラム召喚も使いこなしている。
名前:
性別:女
デッキ:【??】
・概要
遊戯王AZGのヒロインの一人。遊理の幼馴染で行方不明になっているはずなのだが何故か幽霊に近い精霊?のような存在となって遊理に憑りついている。
主人公・光道 遊理とはひとつ屋根の下で暮らす幼馴染の間柄である。
・外見・性格
緩いウェーブの掛かったセミロングの銀灰色の髪と吸い込まれそうな琥珀色の目が特徴的な整った顔立ちを持つ美少女。
しかし喜怒哀楽がはっきりした明るい性格で良くも悪くも自分のペースを崩さない性格で人に強く拒絶されることを怯えているナイーブな一面を持つ。
しかし遊理の良き理解者であり、時に彼を否定しながらも彼と共に歩んできた関係。
その関係性は恋人ですら浅いと言い切れる深い関係である。
・能力
幼少期から精霊の声が聞こえ、精霊が見える、触れられるという超ハイスペック精霊使い体質。
そのため、幼少期は他人から距離を置かれることが多かったが理解されなくてもいいという一種の開き直りから憎まれる悪人であろうと許し、その罪を償わせる強さというものを持っている。
また、遊理とはその気になればニュアンスだけで会話が可能なほど遊理を理解し、また理解されている。
とまぁ、こんな感じかな?
リメイク前と大差変わってないけど。また矛盾点や誤字がガンガン指摘してください。お願いします。
ではこの辺で、ノシ