フンババ「お前と俺、友達だろ」
エンキドゥ「知らねぇな、フンババは消毒だー!」
我様「お、おう・・・・・・」
「『
その日、彼は王となる。
いいや、彼は真に王となったのだ。
何一つ報われることなく、誰一人見向きもされない孤独な王が、初めて誰かの為に戦おうとした瞬間であった。
爛々と輝く眼、堂々たる覇気。まさしく王と呼ぶにふさわしい威風と備えていた。
だがそれは相手として同じ! 動じることなく彼もまた笑みを浮かべる。
「邪魔立てするならば容赦はせん、『
それはまさしく弾丸、それも十や二十ではない数百にも及ぶ雷霆の射出。
「往くぞ極刑王、なに死ねば死んだらですぐに会えよう。さらばだ」
振り上げた手を今まさに下げようとしたとき、一陣の風は吹く。敵は眉を顰め、こちらは何事かと混乱の渦にある。
それは鳥だった、いいや、ただの鳥じゃない。巨大な怪鳥であった。
されど禍々しさはなくどちらかと言えば神聖な雰囲気を持つ大鳥。そして、その背中にはうごめく影があった。
「・・・・・・あれ?」
「知っているのか!? ギル電!」
その怪鳥を見て首をかしげる我らがソフトバンク王。心なしか額には汗が滲んでいた。
「いや、まさかそんな・・・・・・」
いまいち要領を得ないソフトバンク王、しきりに首を横に傾げながら、怪鳥の様子を注視すると、うごめく影は雷槍の主との口論になっていた。
「―――邪魔立てするか? ライダー」
「ぬかせランサー、先に手を出したのは貴君であろう。如何な理由があろうと、感情に任せて手をあげるとは裁判官として失格では?」
「あれは余の恥部だ、余の罪だ。ならば責任を以て余が消さねばならん」
「ここで殺したとしても結局は座に帰るのみだ、それは貴君の本意か?」
「―――」
「頭を冷やせ、貴君らしくもない・・・・・・」
「ふん、興が覚めたわ・・・・・・」
鳥に乗ったライダーはランサーにそう告げると、ランサーは己が背後に装填した雷槍を下げ、背を向けて帰ってしまった。
「やれやれ、すまない。あれは真面目な男でね、厳格で頑固なのが傷だが、決して悪い男じゃない。君らに迷惑をかけたことを謝罪しよう」
怪鳥の主はゆっくりとこちらへ近寄り、そして会長から一人の偉丈夫が舞い降りる。
黒の頭髪に、鍛え上げ、隆々とした筋肉。整った顔立ちに加え、どことなく品のある雰囲気と物腰。おそらくはどこかの貴族や王侯ではないかとぐだ子は想像した。
「・・・・・・! ―――!?」
そしてそんな彼に対し、普段では想像もできないほどに目を見開き、真っ青な顔色を浮かべる男がいた。
「いえいえ、困ったことはお互いさまですよ、貴方は・・・・・・」
「そうですね、名乗らせていただきましょう。私の名前はルガルバンダ。これでも故国では英雄王と呼ばれていた身、以後お見知りおきを」
「・・・・・・ゴフゥ」(白目)
助けて、ギルが息してないの。今までの余裕と慢心はどこに行ったのか、この金髪にチャン兄、泡吹いてるよ。
「久しぶりだね、ギルガメッシュ」
笑顔を浮かべるパパガメッシュ。なんだろうとても優しそうな笑顔なのに、とてつもなく恐ろしく感じてしまうのは。
「・・・・・・」
「その頭髪はどういうことかな? ちょっと説明してもらってもよろしいだろうか」
「・・・・・・」
「どうして、目を逸らすのかな?」
「ぼ、僕の名前は関智一です。ギルガメッシュってなんだろー、ドルアーガかなー(棒)」
「・・・・・・あれは確か十一歳の夏の暮だったかな。当時君は、侍従の制止を振り切って山に―――」
「やあお父上! お久しぶりですね、いやはや壮健で何より。僕もお父上のような偉大な方を得て大変うれしゅう―――」
「山に―――」
「ごめんなさい、すいません、誠に申し訳ございませんでした。お父様、お父様本当に申し訳ありませんでした。何卒、何卒その話は平にご容赦ください・・・・・・!! 謝ります、謝ります故、僕が悪かったから! ね、頼むよ! ね! お願い!」
「よろしい」
片腹大激痛。なんだこの英雄王面白れぇ、流石にかの尊大な英雄王ですら実の父には敵わないか。
「おっと、これは申し訳ない。貴女がギルガメッシュのマスターだろうか、いやはやどうもうちの倅が迷惑をかけているようで済まない。父として深く謝罪しよう」
「おい、なんだこいつ。すごいまともっぽいぞ。ソフトバンク王、本当にお前こいつの子供?」
「ははは、ギルガメッシュは母親似だからね、私とはてんで違う。出来た息子だよ、本当に」
「父上ェ・・・・・・」
ギルガメッシュは一人、苦笑を浮かべる。神嫌いな彼のことだ、そう言われてうれしいことではないのだろう。
「なにをしているライダー・・・・・・」
そんな彼らの様子を見て近寄ってくる影、顔には一閃の大きな古傷、白髪の髪に髭を生やしているが、老人という訳ではなく、年頃で言うと三十半ばか、隆々とした筋骨はバランスがとれ、鞣した革の鎧に背中には大剣を背負っていた。
そんな男に対して、身体を震えさせながら出てきた一人の姿、我らがすまないさんだった。
「ジークムンド王! なぜジークムンド王がここに・・・・・・逃げたのか? 自力で脱出を? ジークムンド王!」
まさか、という問い。彼はあのすまないさんの父親であるジークムンド王なのか?
「誰だ貴様は・・・・・・?」
非常に不愉快そうに眉を顰める白髪の男。そんな彼の下へ向かおうと、歩みを進めるすまないさんは控えめに言って不気味だった。
「ジークムンド王ォォォォオオオオ!! ウッ!?」
「彼はジークムンドではない」(無言の腹パン)
無言の腹パンを決めた英雄王ルガルバンダ、ヒュウ、さえてるぜ。
「一体全体何なのだ彼奴等は・・・・・・?」
困惑するジークムンド(仮)、そりゃそうだろう、いきなりこんな状況になったらそうなる、私もそうなる。
「ああ、セイバー。なに倅とたまたま会ってね。昔話に花を咲かせていたところだよ」
ようやく得心が言った白髪のセイバーは無理やりにでもとりあえず納得した。
「息子か、そうか。ならばそれ以上話すのはやめておけ、ただでさえ情があるのにそれ以上剣を鈍らすことは無かろう」
「忠告、痛み入る。だが安心してくれ、私の息子は強いぞ、こっちが手加減する暇もない。昔は可愛かったんだけどなぁ・・・・・・今じゃこんな風に非行に走ってしまったようだ。改心したと聞いたんだがね」
「教え方が悪かった、貴様の不備だ。その点俺は間違えなかったがな」
「ははは、痛いところをついてくる」
鼻息を荒くし、腕を組む白髪のセイバーはジロリとこちらに視線を向け、品定めするかのように目を向ける。
かなりの手合いだろう。先ほどのランサーといい、どいつもこいつも覇気というものを持っている。おそらく彼らは王なのだろう。
普通に考えれば、王同士で協力するなど本来はあり得ない、王と言えばどいつもこいつも我が強いのが普通だ。家でいえばギルガメッシュがその最たる例だ。
自分こそが世界の中心、同格などあり得ない。
「忠告はした、精々足を引っ張るなよ・・・・・・」
「貴様、誰に向かって口を聞いている」
高圧的な言葉に対し、真っ先に反応したのはルガルバンダではなく、ギルガメッシュだった。
あれが貴様の倅か? セイバーはルガルバンダに視線を送ると、ルガルバンダは頷く。成る程、とんだ問題児のようだとセイバーは深く息を吐き出した。
「ルガルバンダだ、そもそも、俺と彼奴の問題だ坊主。指図される謂れはない。これは俺とライダー、ランサーとの三人で交わされた約定だ。上もなければ下もない、常に同格だ」
悠然とギルガメッシュに目を向けるセイバー、カリスマも、能力も、全てギルガメッシュに劣ってなお、折れること無き気高い精神性、誇り高き英雄は、この程度で言葉を撤回するつもりはないのだろう。
「口を挟むな、小僧。奴の苦悩を知らずに、奴を弁護とは片腹痛い。
―――無論、俺が言うことでも無いだろうがな・・・・・・」
自嘲するような、皮肉めいた笑みを浮かべてセイバーはセイバーは背を向ける。そして、ルガルバンダの苦悩とは一体。疑問の残る答えに何も言えないぐだ子たち、ただ、後ろのアステリオスがうるさかった。
「どうしても気に入らんならば、俺を打倒してみろ、幸いこの場はそういうところだろう。己が力を以て、己の正しさを証明せよ」
力が無ければ何も出来ないのだから、振り返ったセイバーの瞳にはひどく哀しそうな色があった。
その瞳の前だからこそ、彼らは何も言えなかった。
「ギルガメッシュ」
穏やかな声調で、ルガルバンダは息子に語り掛ける。
「聖杯コロッセオに出る以上、ギルガメッシュ。君とは敵同士だ、手心は加えるつもりはない。たとえそれが親子であろうともだ。それが英雄王と呼ばれた私と、君の矜持だ」
柔らかな笑みを浮かべるルガルバンダ王。彼のギルガメッシュの父親だとしても、英霊の格としては息子であるギルガメッシュと比べ数段格は劣る。
それでもなお彼の瞳に恐れや焦りはない。たとえどれだけの困難であろうと超えてきた誇りを胸に、彼は息子の前に立ちはだかる。
「全力で来るといい、息子の全力を受け止めずにして王以前に父と名乗れようか。胸を貸してやろう、どんと来い!」
「・・・・・・父上、わかりました。ですが、我は強いぞ―――」
それはあのギルガメッシュが慢心を捨てた瞬間でもあった。いつもそうだった、思い浮かべば、王として、英雄として父の背中を追ってきた生涯だった。誇り高く、神々に寵愛され、世界を統べるバビロンの英雄王。ギルガメッシュが憧れ、焦がれた人物だ。
「口調が悪い、そんな風に育てた覚えはないぞ」
「あっ、すいません」
「まぁいいさ。勝ってこい、お前の父は、強いということを証明して見せよう」
怪鳥を引き連れ、悠々と過ぎ去る偉大なる父の背中は、昔よりも大きかった。少なくともギルガメッシュはそう思ったのだった。
ギャグやって無くね? 割かしシリアスメインな回だったよ。
すまないさんは犠牲になったのだ、他ならぬ白髪セイバーの、その犠牲にな・・・・・・。
聖杯コロッセオの話はしないのかって、これ以上はシリアスになるのでNG、僕はギャグを書きにきたんだ。