このジャパニーズたちもTS化してしまったら立ち直れないかもしれない。
TS化しないよね、流石に
カルデア総会議。それはカルデアにおける問題の撤廃の為に議長であるぐだ子が設立した会議である。
今回、栄えある第一回会議がこの場で執り行われようとしていた。
「よく来たな有象無象ども! お前らの上司であるこの私に従えッ!!」
「先輩先輩、せっかく得た絆ポイントを溝に捨てる行為はやめましょう」
始まるや同時に暴言を吐くぐだ子に対し諌言するマシュ。しかし、なぜか知らないが鬱憤の溜まったぐだ子の怒りはその程度では収まらない。
「うるせー! お前は何時になったら絆ポイントがたまるんだよ! いつになったら最終再臨するの!? お前の胸のマシュマロ揉んでやろうかあ゛あ゛ん゛!!」
「や、やめてくださ―――あぁ、痛いッ!! すごく痛い、やめっ、ちぎらないで・・・・・・!!」
そのマシュマロは豊満で柔らかかった。ぐだ子は哀しくなった。
「浜風ェ―――!!」
「あの、ぐだ子ちゃん。浜風はF/GOじゃなくて艦これだから、マシュと似てるけど違うから」
Dr.浪漫による微妙なフォローも意に返さず、ぐだ子はマシュのマシュマロを掴んだまま、会議に移った。
「くそッ、こんなにイライラしたのは久しぶりだ。レフの首についているもじゃもじゃを引きちぎりたい気分だよ」
「懐かしいなオイ」
今は亡きレフ教授。カルデアが分裂する前は考古学における権威であり、ヨーロッパにおけるフン族の研究を主としていた紳士であり、口癖は「アッティラ王は最強なんだ」と言い続け、最期に救世主に塵となって殺された。
時々「中村ァー」とうるさかったし、携帯ゲームとソシャゲーを愛し、Dr.浪漫にはいろいろなゲームの攻略法を隣にいたヤクザっぽい人と共に教えてくれた優しい人だった。
「レフのことはどうでもいい、重要なことは別にある! お前ら、協調性を持てよ!!」
「きょ、協調性ですか・・・・・・」
協調性という言葉に真っ先に反応したのは騎士王と名高いアルトリアであった。彼女の生きていたブリテンは協調性皆無の騎士たちによってボロボロになって最後には自滅したという悲しい過去があった。
「そうだ、協調性だ。お前ら纏まりがないんだよ。ちゃんと協力し合ってる? この中にいるサーヴァントの半分以上と私戦ってきたんだよ。特にエリちゃんとカーミラとか、邪ンヌとジャンヌとか、ジルドレとジルドレとかお前ら同一人物だろ!!」
同一人物だから気に入らないんじゃないだろうか。マシュと浪漫は訝しんだ。
「だから私は思った。お前らに足りないものを見つけ出したよ」
「「「「「「足りないもの?」」」」」」
数々の業績を上げた英雄に対し足りないものとは一体何か。数々の部門において負けることはないと言われる彼らに対して、足りないと言わしめているもの。そう、それはまさしく。
「政治的機関だ」
「「「「「「政治的機関?」」」」」」
「そうだ、お前らに足りないもの、それはひとえに政治力だ」
「まて、まさかこの私に政治力が無いとでも言うのか?」
そう反論したのは、我らがデブであるカエサルである。
確かにカエサルの能力は非常に高い、軍事的、そして政治的にも傑出しているといっていいだろう。だが、足りない、それでは無理なのだ。
「確かにお前は優秀だ。だが駄目だ、元老院に嫌われて最終的に暗殺されている。オクタウィアヌスを呼んできて、どうぞ」
「余は! 余はどうじゃ!!」
「元老院を完全にコントロールしてオクタウィアヌス呼んできて、どうぞ」
バッサリとローマにおける施政者を切り捨てるぐだ子。そもそも、やり方が古いのだ、もっと時代にあったセンセーショナルでアタッチメントな政治をクリエイトしてほしいものである。
「先輩意識高いですね」
「黙れもぐぞ」
ねじる、そのマシュマロを。これでもかと言うほど揉み込みながらぐだ子は会議を進める。
「そもそも君主は私だ。そうでなければブレーンが動かない」
「ブレーン?」
ブレーン? そんな人物がいるのだろうか。浪漫は眉を顰めて考えた。
「そもそも、ローマではいささか古い。きちんとした制度を整え、卓越した官僚制度と軍制を進めないと世界なんて救えないんだ。要は物量だよ、人だよ。人材が居なければ話にならない。高々英霊召喚してそれをすり潰すという体制で何もかもが上手くいくと思ったら大間違いだ。傑出した個が死んだらそのまま何もかもが失敗するなんて危うすぎるよ」
「えぇ・・・・・・」
「きちんとした大本営を施設、行政機関の設置、交通網・経済・技術の発展、現地住民との会話と融和を進めつつ最善最短で事態の根源を潰す。これがよっぽどスマートな方法じゃないか」
「ぐうの音も出ない正論だけどF/GOのシステム全否定じゃないか・・・・・・」
少数精鋭? 何それ美味しいの。世の中数と技術の充実だよ。
「という訳で、先生をお呼びしました。入って来てください」
ぐだ子がそう呼びかけると、扉が開き、人影が見える。
ぐだ子が用意した人物。それは一体誰なのか、最悪はぐだ子に悪いことを吹き込んだとして排除せねばならないだろうか。
会議の空気が重くなる中、入って来たのは二人の人間。
一人は軍服姿の男であり、もう一人は背広を着た男。どちらも年頃は壮年であり、そしてどこか見たような人間だった。
「えー自己紹介をどうぞ」
ぐだ子がそういうと、彼らはぐだ子に一礼をして自由に自己紹介をした。
「大日本帝国陸軍元帥大将。ランサー、山縣有朋である。見ての通りただの武弁であり、殿下から拝命されカルデアにおける行政府の長官となった。軍人たるものが政権を握ることに対して拘泥たる思いがあることは承知だろうが、職務を拝命した以上妥協することなく日本、ひいては世界を救うことに全力を尽くす所存だ」
「私は田中角栄、キャスターだ。ご存知の方も、そうでない方もおられるだろうが、小学校高等科卒業である。各人英雄とされ、数々の部門において優れた業績を上げた立派な方であると思われる。私は主に経済と交通、財政を握る立場である。昔大蔵大臣としての職務に就いた焼きまわしになるが、いささか若輩たる身であるがトゲの多い門松をたくさんくぐってきて、いささか仕事のコツを知っている。・・・・・・一緒に仕事をするには互いによく知り合うことが大切だ。われと思わん者は誰でも遠慮なく私の下に来てほしい。何でも言ってくれ。上司の許可を得る必要はない。・・・・・・できることはやる。できないことはやらない。しかし、すべての責任はこの田中角栄が背負う。以上」
「という訳で新しくカルデア行政府長官になる山縣元帥とカルデア開発局局長である田中角栄氏である」
「その二人、毀誉褒貶激しくないか!!?」
紛糾する会議。ややついていけない様相を見せる人物もいる中で、茫然とするものや反対するものも出てきた。
「不敬ですな、処断いたしましょうか殿下」
「こいつのマシュマロだけ処断して」
「やめてくださいしんでしまいます」
山縣がぐだ子の耳にそっと囁くと、ぐだ子はそう返した。
「ああ、あと顧問官としてもう一人いるんだけど、もう大層な歳で動けそうにないからここで言っておくね中〇根〇弘元首相っていうんだ」
「まだ生きてるのあの爺さん!?」
「うん、まだ生きていたみたいでカルデアのすぐ外で保護したんだ」
「外から!? 異能生命体か何かかよ!!?」
凄いぞ中〇根、海軍主計少佐は伊達じゃない。
「やはり中〇根は凄いな」
「ふむ、まさに国士と言えよう」
角栄と山縣はうんうんと頷きながら二人して中〇根元首相を讃えていた。
「ていうか、殿下って何ですか? 先輩ってもしかして高貴な生まれとか?」
「うーんそうなのかナ? 生まれは別に庶民なんだよね、ただ苗字が東久邇ってだけで」
「まさかの宮様!?」
東久邇で殿下。まって、このSS消されたりしないよね!?
浪漫はやや焦りながらも、辺りを見渡していた。
「うちの初代の名前がね、稔彦って言うんだ。総理大臣してたっていう。それで世界滅びたから、今存命している日本国の皇族の血を引いているのって私だけみたいなの。だからかナ、有朋凄い優しいんだよ」
「まさかの名前呼び!?」
ジャンジャジャーン、今明かされる衝撃の真実!
ぐだ子、内親王で現在天皇の位に一番近い人物だった。
「「「「あばばばばばばばばば」」」」
「先輩大変です! 日本英霊の皆さんが息してません!」
「別に隠していたつもりはなかったんだけどね。普通に知ってる人だっていたでしょう」
「東久邇で天皇家に縁有るかどうかわかるなんて普通外国の人は知りませんよ!」
現在進行形で右翼団体に喧嘩売ってる件について。あーもうめちゃくちゃだよ。
「ん? と言うことは皇族で現在残っている最も古い王朝の血筋がぐだ子になるのう。プレミア感マシマシじゃの、是非もないネ!」
「ノッブ、なんでお前こんな時でも平常運転なの!?」
ただ一つ変わらない第六天魔王。それがノッブ。このカルデアで唯一キャラがぶれないという稀有な存在であった。
「そもそも、政権が気に入らないなら倒せばいいじゃろう。武力討伐でも政治的な失脚を狙ってもいい。そういうふうに戦いを選んだなら、そういうふうに立ち向かってもいい。そういうことじゃろ」
「おっしゃる通り! こちらの政策よりもそちらが優れているというなら喜んで採用しましょう、こちらの政権が嫌ならカルデアが壊れない程度での政権の奪取すら認めましょう。それが政治なのだから」
「嘘だろ、ノッブがまともそうに見えるなんて・・・・・・」
ノッブの問いに答えたのは角栄であった。終始にこやかな笑みを崩さずに、英霊に立ち向かっている。
誰よりも劣っている代わりに、その結集した政治力だけはここにいる人員の中でも有数と言えよう。
「まぁそのー、いろいろと言いたいこともあるだろう。特に私は新潟の田舎出身の農民だ。ここには生まれた人種も、国も、そして掲げる方針も違うと思う。だが、ここにこうして集まっている以上、自分の生まれた国、或いは世界を救いたいとそう決めているのだろう。ならば、私たちは同じだ。全員が同じ目標に向かって戦っている。
時には喧嘩もするだろう。或いは同じことを思っているのに主張が食い違うこともある。私は党人政治家だ。しかし、山縣長官は藩閥だ。彼は清廉で、私は俗物だ。それでも国を、国益を想う気持ちには変わりない。正直言って世界の命運などどうでもいい、日本がちゃんとそこに有ればそれでいいとでも思っている。
だが、物事はそうはいかない。今、世界は未曽有の危機に瀕しているんだ。立ち向かうことが出来るのは私たちしかいない。だったらやるしかないだろう。それしか出来ないんだから、それをやるんだ、誰よりも何よりも真剣に取り組もうじゃないか。なあなあはやめよう、適当にしちゃだめだ。諦めずに立ち向かって、精一杯に頑張って、それで最後に皆で上手い飯を食える世の中を作ろうじゃないか」
「田中の言う通りだ。正直言ってわしは貴様らが嫌いだ。英雄なんぞ、居なくてもいい。わしは常々そう思っているよ。わしは何よりも国家を尊ぶ、日本と言う国を何より尊ぶ。日本人が日本人として生きれる国は日本しかない。だからこそ戦う、だからこそ学び、慎重に歩みを進め、そしてほかの欧州列強に対等でありたいと願った。幾分か古い頭であろうし、批判されてしかるべきかもしれない。事実間違いも多く行ってしまった。それでも人は失敗から学べると思う。
戦後日本は偉大であった。わしの愛した国は、敗戦からもう一度立つことが出来た。失敗から学べた。それは純粋に嬉しいと思うと同じに、とても悲しいことである。多くの犠牲を払わなければ、成し遂げ得なかったことであるからだ。
英雄の最期は大なり小なり悲劇に彩られているものである。諸君らの最期はどうであっただろう。そのミスを、間違いを、そのままにしておいていいのだろうか。人間は学ぶ生き物だ。人間は立ち上がることのできる生き物だ。
わしは諸君らが嫌いだ、だが、諸君らの能力は否定しない。その能力を見せてくれ、その能力を以って、世界を救ってみてくれ。嫌っても構わない、憎んでも構わない。ただ、世界の為奉仕してくれるのであれば、私は諸君らを十二分に使って見せよう。誠意努力し続けよう。この山縣有朋の身命に賭して誓おうではないか」
それは彼らの覚悟、彼らの偽らざる気持ちであった。
国家の為ならば他国の不利益などどうでもいいと言えるそんな彼らを紛いなりにも協力させ、一致させているのは他ならぬぐだ子の存在故だろう。それ程に、彼らの生きた時代にとって天皇とは、皇族とは重い物だった。
こうして、田中角栄と山縣有朋の両名は新たにカルデアにおける行政の担い手として認知されることになった。
終始にこやかになると思ったのもつかの間、山縣は懐から書類を取り出すと、次々に英霊たちの人事を告げた。
「さて、まずは人事異動を命ず。新しく造兵廠へヘンリー・ジキル氏と二コラ・テスラ氏を・・・・・・」
「私の方ではまずレイシフト装置の見直しからカルデア内の区画整備を行いつつ、レイシフト後におけるインフラ整備に関するマニュアルの作成、後は来年における予算案の作成等に移りたいと」
ついに始まるカルデアの大改革、またの名を酷使無双。英霊たちは近代国家のやり方についてこられるのか、それとも時代に取り残されたしまうのか。
強い軍団は強い組織と優れた兵装があってこそ果たされる。そこに英霊ぶち込んだら本当に最強になれるのか。
ぐだ子の貞操を守り、日本再興は叶うのか。
頑張れカルデア、頑張れサーヴァント! 技術の発展が世界を救うと信じて!
次回、核兵器開発!
ソロモン王死す
カルデア大勝利
の、三本立てでお送りいたします。
希望の未来にレディー、ゴーッ!
今回はいろんな人に怒られそうで怖い。
だが私は謝らない。