二日目の文化祭
二日目の文化祭で真の葵の最後の文化祭になる。今日で真と葵の高校生活の文化祭は終わり、最後の文化祭くらい、しっかりと思い出に残るような楽しいことをして欲しいと、弟妹も、両親も思うだろう
午前に関しては普通に、クラスでの出し物で盛り上げるのだが
二日目からはイベントが変わる
それは
ステージ公開と夜のダンスパーティー
午後からはもちろん出し物もあるのだが、夕方18からは各三年生のクラスからステージでやる出し物を全校生徒の前で披露宴する
例えば、お芝居、合唱、コンクール、ミスコン、など
ステージでやる催しを三年生だけで披露宴する。これは三年生最後の文化祭でもあるため、三年生が思い出に残ることを意味として。ステージの出し物は三年生だけでやることを、この高校では決めている
となると
当然、真と葵も三年生で、ステージで出し物を披露する
もちろんステージイベントを見るのは決して、二年と一年だけでなく、学校の生徒ではない外部のお客も見ている。そんな中で、真と葵はステージのイベントをみんなの前で披露する
そして、最後の文化祭のイベントである『ステージイベント』が開始される
「それでは皆さん!二日目の文化祭の最後の出し物を開始したいと思います!題して『三年生のステージイベント』!!今から始めたいと思います!!!」
「「「「「うおおおおお!!!」」」」」」
体育館で全校生徒と教職員とお客が多数居る。体育館に空き場所が無いほど、ステージを見たくて集まって居る人がいる。もちろん体育館でしか見られないだけではなく、グランドや中庭で大きな大画面テレビが置かれている為。別に体育館で行って見に行く必要はないように、全員見られるようにはされている
でも体育館のステージ前では、真と葵の家族である国王や王妃やその弟妹達の机が用意されている。今回が王家である真と葵の最後の文化祭であるため、王族特権で、学校側から王族の方だけの椅子が用意されていた。総一郎たちはその生徒達よりも前に来てまで、真と葵のステージイベントを見る
最後の真と葵の最後の文化祭である為、国王も王妃や弟妹達も期待している
ステージイベントで、まず初めにやるのは
第一イベント・ミスコンと美女コン
文化祭のステージなら、定番のイベント。ミスコンは三年生の男子の中で一番誰がイケメンか、美女コンは三年生の女子の中で誰が美女かを、三年生のクラスの中で一人は選出しないとならない。ちなみに学生服ではなくても良く。できるならいろんなコスプレをして、魅力を上げればこのイベントも盛り上がる。ちなみにそのコンテストを評価するのは教職員と校長と生徒会長(卯月)と副会長(奏)である
まずは、美女コンテストから
「さあ!まずは美女コンテスト!みんないろんな衣装を着た女子がたくさん出てきたぞ!真様のクラスは誰が選出されたんだ!?」
「いや・・・普通に・・・」
「葵姉さんだよね・・・・」
「でも・・・どんな衣装を着るんだよね?」
「葵姉さんに限って・・・・派手なのを着るとか?」
「まさか・・・・・」
「葵姉上。どんな服を着ているのでしょうね?」
「うん、気になる」
各クラスから、ドレスを着た女子が出てきた。その中で真のクラスで選出する女子は
もちろん葵である
まあ、弟妹達は当然葵が出てくることは予想を着いている。それで衣装の方なのだが、いくら葵でも派手なのは着ないだろう。
そんな葵の衣装は
「三年一組の女子は・・・・・もちろん我らが姫!葵さま!」
「おかえりなさいませ!ご主人様!」
「「「「うおおおおおおおお!!!」」」」
「「「「「「まさかのメイド服!?」」」」」」
「しかも、あれ私のクラスのメイド服!?」
真のクラスは当然、彼の妹である葵なのだが
まさかのメイド服を着て、出てきた
それも今回茜のクラスで出し物となった、メイド喫茶の制服で、どうやって手にしたのかは知らないが。少なくとも男子には人気のようで、みんな葵に注目している
王族である葵が、まさかメイド服でみんなの前に出てくるなど、例え学園祭であろうと、葵がメイド服を着るなんて滅多なことはないため、みんな。葵に注目している
弟妹達は、あまり葵がそんな派手な格好もしてないため、一番年齢が低い輝や栞でも、そんな大胆なことをするとは思えないため、今反応に困っている
「葵姉さん。大胆に来たな・・・・」
「葵姉さんもああいうの着るんだ。もしかして・・・真兄さんに見せるつもりで・・・」
「葵お姉ちゃん!?どうやって私たちのメイド服を盗んだの!?」
「意外だな・・・あの葵姉さんが・・・・」
「滅多にコスプレとかもしないしね・・・・」
「でも可愛いい!」
「はい!とても素敵です葵姉上!」
「お姉ちゃん・・美人だもんね・・・」
「ああ・・・・・五月さん・・葵はまさか・・・」
「そうかもね。昨日の茜がメイド服を着ているのを真が見て
『可愛らしい』って言ったせいで、嫉妬してあの子もメイド服を着て、真に見せたいんだろうね」
経緯はともかく、葵が真に見せて少しでも自分の好感度を上げたいのが目的でもあると、両親である総一郎と五月には葵の考えていたことはお見通しだった
彼女がこんな格好はおそらく今回で最後でもあるため、皆。自分の眼で刻んでおく
そして次は
「さあ!次はミスコン!一番のイケメンは誰だ!!」
「「「「「「キャアアアアアアアア!!!」」」」」」
「うお!?黄色い声援すご!?」
「そりゃあ兄さんが出てくるからね」
「兄さんがどんな衣装を着るのか、みんな楽しみにしているんでしょ?」
「兄さん。イケメンだしね」
次はいよいよ。ミスコン
言うまでもなく、三年一組の方は、真が出場するであろう。それは言うまでもない。その証拠に女子生徒の黄色い声援が物凄く出ている
もはやこのイベントはこれがメインである。と言うより、それが目的でもあるのだろう
なぜなら彼がコスプレなど、したことはない。況してや王族の子がコスプレして人前に出るなど、それ自体絶対に無いことだ
それに彼の性格上、絶対にそんなことはしないタイプである
現に
「これでいいのか?菜々緒?静流?卯月?」
「うんうん!これだよね!」
「ああ、大胆になったぞ。真」
「ちょっとやりすぎな感じもしますが・・・」
「コスプレなんてしたことがないから、わからないんだ。まあ、これでいいならいいのだが、左腕がない俺が出て、気分を害しないといいのだが」
「大丈夫!『不満』だけど、みんな、お前に期待しているから!」
「不満と言うのはどう言う意味なのか知りたいが、もう俺待ちみたいだしな」
『それでは最後に!三年一組!!』
「すぐに出る」
ステージ裏で、真は菜々緒達に相談して、コスプレに関して知識のない彼に、お勧めなどを聞いて、彼女達が彼にふさわしいと思うコスプレを着させた
もちろん彼女達が彼に是非とも着させたいコスプレだろうなと、真は思うのが普通なのだが、今はやはりミスコンと言えど自分は障害者。左腕のない男が出ても、見に来る生徒や客がドン引きしないか。相手の気分を下げないかと心配する
だがもう、出ることは決まっている為、引き下がることはできない
とにかく、彼は裏から、表へと皆の前へ出た
そして、彼が着たコスプレは・・・
「お帰りなさいませ!お嬢様!!!」
「「「「「「「きゃああああああああああああああああああ♡♡♡」」」」」」
「「「「「「「「執事服!?」」」」」」」」」
「あらあら、葵はメイド服で・・・」
「真は執事服か・・・・なんとなく流れでわかっていたが・・イケメンだからやっぱり似合うな・・」
真は執事服で登場した
葵はメイド服を着て出場し、真は執事服で出場した。王族はいろんな人に奉仕される立場の高い者だが、その王族が奉仕する側になってその制服を着て、皆の前に出るなど、絶対にないことだろう
だからこそ、みんなは新鮮な眼で真と葵を見る。まさかあの真面目な二人が、こんな姿をされるとは思いもしなかった。
しかも、真に執事になって奉仕されたいファンも多く居る。左腕が無いにしても、彼がイケメンでもある為、彼に奉仕をされたい女子はこの学校でも多い
「お嬢様、一生俺のお姫様で居てくださいね?」
「「「「「「「きゃああああ♡」」」」」」」
「うわ!?兄貴のフェロモンボイス!?」
「今のは卑怯でしょ・・・」
「でも・・・・私も心に来たかも・・・」
「兄さんの笑顔・・・久しぶりに見た」
「うん・・・兄さんのあの笑顔は反則だもん!」
「私も・・・・アイドルなのにドキッとした」
「やっぱり兄上はかっこいいです!」
「真兄様はやっぱりかっこいい・・王子様」
ちゃんと客にアピールもするために、甘い声で女子生徒に魅力を上げる。
少しでも人気を上げるために、左腕がないだけでも、見た目は酷い者でもある。だから出場したからには少しを魅了を上げて、このミスコンの上位を勝ち取る
「これで三年生男子の出場も全員集まりました!これより投票を開始します!全校生徒や客の皆さんはステージ前にある箱に投票紙を入れてください!」
三年生全員の出場が決まり、あとはそれぞれ二つの箱に投票を入れるのみ
結果は見えていると思うが、それでも全力は二人も出した。二人にとっては最後の文化祭だ。これくらい派手にやらないとと、真と葵もしっかりやった結果だ。楽しくなっているなら、
そして
「それでは時間になったため、投票結果を発表をしたいと思います!」
数十分にて、投票時間は早くも終わり、箱に入りきれない程に、投票箱の入り口から紙がはみ出ていた
それを教師達が確認する。国王の前でもある。不正なんてことはないように、当然ながら結果はわかっていると思うが、それでも皆、誰が男女で一位となったか、ワクワクする
そして
「ミスコン&美女コンの一位は!!!」
いきなりの一位発表を宣言する
普通は三位から発表するものだが、この後の予定もあるため、時間を早めるためにいきなり一位の発表となる。
そして一位は
「ミスコン一位は櫻田・真様!!美女コンは櫻田・葵様です!!」
「「「「「「うおおおおおおおお!!!」」」」」
「「「「「きゃああああああああ!!!」」」」」」
「だよな・・・」
「姉さんは美人だし、兄さんはイケメンだもね」
「やっぱりね・・・・」
「兄さんと姉さんがコスプレもしているしね」
「王族がコスプレなんて、滅多なことはしないしね」
「真兄さんはカッコいいし、葵お姉ちゃんもメイド服なんて、アイドルの私でも二人が輝いているってわかるもん!」
「やっぱり兄上と姉上が一番です!」
「うん、二人が一番」
「やっぱりこうなりましたね、五月さん」
「ええ、多分国民の人に贔屓されていると思いますけどね」
やっぱり王族である、葵と真が一位となった
王族の最後の文化祭にて、ミスコンと美女コンの上位を勝ち取る。国民の人に気を使われたのは、国王と王妃である総一郎と五月には気付いている。
本当にどうかはわからないが、少なくとも二人が人気だったのは嘘ではないだろう。それだけこの二人は容姿も綺麗だったからだ
そして上位を取った真と葵は
「やったね!兄さん!」
「・・・・・・・・・」
「兄さん?」
「すまない。司会の方。マイクを借りても?」
「は、はい!」
真は何か言いたいことでもあるのか、視界からマイクを取って何か発言しようとする
大体言いたいことは葵はわかるのだが、まさか本気でこんなことを兄である真が言うとは思えないだろう。
なぜなら
「皆様、まずは私も含め、妹の葵を一位にして頂きありがとうございます。ですが、これについて聞きたいのですが、もしかして『王族だから』私に投票してくれたのでしょうか?」
「に、兄さん?」
「私は見ての通り、皆さんに好かれるような姿をしていません。ですから葵はともかく、私のような左腕のない男はミスコンには相応しくないと思ってました。皆さんの目撃して良いものではありませんし、王族だから投票してくれたのか、本音を聞いてみたいんです。誰か答えては頂けないだろうか・・・・」
「「「「「「「・・・・・・・・」」」」」」」
「兄貴・・・・」
「そんなつもりは・・・・」
「私だって・・・兄さんは本当にかっこいいから・・・」
「左腕が無いからなんて・・・・」
「ああ・・・・関係ないよ」
「やっぱり気にしてたんだ・・・・」
「兄上・・・・」
「兄さん・・・・・」
「真・・・・」
「『覚悟の上』でも・・・・左腕がないことは・・・彼の痛みになってしまったか」
真は、左腕は過去によって無くなっている。
本人は別に無くしたことに罪悪感も無ければ後悔もないが、お世辞で一位を勝ち取ったのならやめて頂きたいと、言葉では言わないが、彼を国民や全校生徒にそれらしいことを発言する
選挙も立たないで、本当は王族でもない自分が、ミスコンを上位を勝ち取るのは似合わないと思っているのだろう。自分を否定する形になってしまうが、彼はお世辞でそんなものにされるのだけは、優しさであっても嬉しくない
本音でなければ
しかし
国民や全校生徒もそんなことを言えるはずがない
真は今でも王族として世間に知られている。王族に無礼な言葉をするなど、この国の国民においては許されないことだ。そんなことを本音で言ってくれなんて、今回の真は無茶にも程があると、弟妹達も思う
それでも言えないならと
真は理由を言う
「なぜ私がこんなことを言うのか、理由を言うなら、私と張り合った他の出場者に申し訳ないからです」
「「「「「「「「っ!?」」」」」」」
「他の出場者は私よりも、魅力を上げようとたくさんの努力をしていたはず、それが王族だからと勝ちを私に譲られるのは私でも納得ができません。国民の方たちを疑うようなセリフではありますが、本当に言葉を聞かせて貰いたいのです。私の投票は、偽りなのか、本当なのか、お世辞無しで言って頂きたいのです」
せっかくここまで努力をした他の出場者の気持ちを無駄にしたくない真
王と言うのは、民の信頼があってこその長である
それを理解する真は、国民の気持ちを知り、そして他の出場者が自分よりも一位を取るために努力をしていることを知り、その他の出場者たちの気持ちを考えて上で、この言葉を皆に伝える
他の出場者だって一位になりたいはず、それもこの国の王族の前であるなら、気に入られたい他の出場者の男子は居たはず、決して左腕のない男を選んだりはしないだろう
障害者を名乗って、自ら否定するのではなく、それを名乗って認めているからこそ、真は皆の言葉を聞きたい
それが本当なら、感謝を
それが嘘なら、謝罪を
彼は国民の信頼と気持ちを踏まえて、この質問をこの体育館やこの中継を見ているテレビの前で皆に聞く
その答えは
否、
答えは予想外のところから
「真!やっぱりお前はかっこいいわ!」
「ん?」
「ああ、やっぱり俺ら三年生のミスコンの一位は、お前で間違いないと俺らも納得だ」
「ここまで俺らの気持ちをわかってくれるなんてな。流石は俺達の『王子様』だぜ!」
「もう国民や全校生徒に聞かなくていいよ。俺ら三年生は、間違いなく一位はお前だってもう出場者である俺らも納得しているんだから」
「本当にかっこいいよな。俺らのためにそこまで張れるなんて、やっぱりお前が一番だぜ」
「お前達・・・・・」
「真!私ら三年の女子も、ミスコンはあんたが一番だって、みんな決めているよ」
「菜々緒!」
「お世辞じゃあないですよ。国民の気持ちを理解してくれる王族なんて、私たち国民や友人からすれば、誇らしいくらいですから・・・・」
「卯月・・・」
「心配すんな真。国民や全校生徒はともかく、私たち三年生は・・・・ミスコンの一位は、みんな『あんた』だって・・・・もう決めているよ。左腕がなかろうと」
「静流・・・・・」
真は国民の信頼を裏切るわけにはいかなかった
親の七光だとか、王族だからとか、そんな理由で信頼されても嬉しくない。自分の積み重ねてきたものだけで、信頼を得て生きていたい。それがこの先に告げなければならない日が来るとしても
でも、国民と全校生徒の声は要らない
だってもう彼と同じ三年生達が彼を認めているから
ここまで人のために、王族でありながら尽くす彼を、彼を裏切る自分が恥ずかしい程、三年生は彼を信用している。だがら、この投票は三年生たちから嘘偽りではない、他の出場者でさえ、彼を認めているくらいだ。左腕がないからと障害者として扱った覚えは絶対にない
「兄さん。みんなを信じて」
「ふう・・・・どうやら俺は、少し勘違いをしていたようだ」
真は先ほどの皆に伝えた発言を今になって撤回したい程だった
王族だからと特別扱いしていない。三年生達からはもう信頼を得ていた。もうそれだけあれば、もう皆のために張らなくていいだろう
もう彼には同じクラスの生徒から得るものを得ているのだから
「皆さん、先ほどの言葉は無かったことにさせてください。とにかく皆さんに伝えたいことは一つ」
もう必要ない。左腕がない代わりに得たものがあるから、これ以上はもう欲しいものは要らない。でも伝えたいことは一つ
「私を選んでくれて、ありがとうございました」
その偽りではない言葉を、彼は皆に伝えた
もう皆からの信頼は得た。国民の声は聞かなくていい、ただもう自分は一人ではない。ここに左腕のない男が認めてくれる仲間がいるからと
真は国民の皆に、その感謝の一言だけ発言した
その発言の後に
パチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチ
と、国民の皆が拍手を、真に送った
国民は何も言わないが、それでもやっぱり真を選んだのは、国民の本当の意志で、本当に嘘ではない。
でも、信じてくれる仲間が居て、他の出場者の信頼も得て、もう彼は王族としても尊敬のある人になっていると、皆が涙を貰うように喜ぶ
他の弟妹達は
「兄貴・・・やったな・・・」
「ええ・・・本当に良かった」
「うん!うん!」
「茜姉さん。泣きすぎ」
「でも・・・良い話だよ・・・」
「これ・・・映画にしたくなる程、感想だよ」
「兄上!・・・・良かったです」
「真兄様。良かった」
「五月さん。どうやら真にはたくさんの仲間が居たようだ」
「そうね。もうあの子は一人じゃない。そうよねアイギス?」
「ああ、あの子はもう、信頼できる仲間があんなに居る。母親としては嬉しい限りだ」
弟妹達も大喜びと言うなの感動
総一郎も五月も今までの心配が一気に消えた。その隣で透明の魔法で見ていたアイギスも、息子には父同様に多くの仲間が居たようで、母としては喜んでいる
左腕がないことが汚点だったと思ったが、その分の代償が多くの仲間だったなんて、やっと彼が
報われた瞬間だった
そして、次の三年生のイベント
それは
学園祭合唱ライブ
これも各三年のクラスがそれぞれライブミュージックを披露する。これは競うものではないため、ランキング無しで、自慢の曲を披露する
それで真と葵のA組のクラスでは
「いいか?葵?俺たちを信じて行くぞ」
「葵!ビビってないで行くぞ!」
「葵さんの声は、支配の声じゃあありません!」
「みんな。居るから大丈夫だ。ほら?行くぞ!」
「う、うん!わかった!行こう!!」
「さあ、歌うぞ!!」
「「「「はい!!!!」」」」
真と葵のクラスは、菜々緒達と組んだバンドで、デュエット曲を披露する
真と葵がボーカルとギター。菜々緒はドラム。卯月はキーボード。静流がベース
この五人体制で、真と葵のクラスは合唱ライブに出す。前々からこの日のために、アイギスの家でバンドの練習をしていた。歌詞と衣装は他のクラスメイトが作ってくれた。菜々緒は『ウエポン魔法』で、二本の刀を両手で扱うことがあるため、ドラムスティックも剣を扱うかのように披露できため、菜々緒はドラム。卯月は物覚えがいいため、キーボードの配列を完璧に覚えることができたため、卯月はキーボード。静流はバンド曲が趣味でもあるため、ベースは中学の頃から練習していたため、もうマスターしているからと、静流は自分の持っているベースを使って披露すると、役割はなんとか決まって練習した。菜々緒と卯月は楽器を持ってないため、クラスから借りている、もちろん弾き方も他のクラスの教えて貰う形で
真と葵はボーカルをしながら、ギターもしなくてはならない。だから真と葵は一日練習すればギターの弾き方も完璧に覚えるのだが、それを歌いながらと言う、二つの事を集中しないとならない。しかも真は左腕がないから、『ギターのネック部分は『念力魔法』で演奏する。残った右手でボディ部分を演奏する。難しいことを二人はしなくてはならない。幸い歌詞や音程に関しては他のクラスメイトが考えてくれてあるため、あとはそれをしっかり覚えなくてはならない。この文化祭のために一ヶ月は練習してきた。
あとは皆の前で、披露するだけ
なのだが
葵が歌うのは怖い
それはもちろん
自分の能力である『アブソリュート・オーダー』が発動する恐れがあるかもしれないから
そんな歌うだけでは皆に反映しないはず。だが、それでも変な命令があって、みんなをおかしくさせてしまうのではないのかと、恐れている。彼女は人と喋る分には能力は発動しないが、頼み事をすると発動してしまう。そんな危険な能力を、こんな楽しい時間を壊したくないと、今も恐れていた
だけど
一人で歌うんじゃない
これは兄と一緒に歌い。
クラスのみんなで作った歌だ
だから、変に能力は発動しない。みんなを信じて葵はステージの表へと、兄と親友達と出た
そして
「「さあ!!フィナーレを飾ろうか!!」」
「「「Are You Ready!!!」」」
「「「「「「イエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエイ!!!」」」」」」
兄と一緒に歌を響かせる
親友達の音楽に連れて、彼女は兄と共に声を上げた
その声に、全校生徒も声を上げる。楽しみにしていた長男と長女のデュエット曲。みんなに文化祭の最後のフィナーレを送る
「最後に踊ろう♫」
「最後に歌おう♫」
「「「この楽しさは誰にも止められない♪」」」
「「「「「イエエエエエエイ!!」」」」
上手くみんなを操ることなく、みんな真と葵の歌を楽しんでいる。どうやら流石に歌うまでは能力は発動されないようで、安心して彼は続けて演奏を続ける
そして、それを聞く真と葵の家族は
「兄貴も、葵姉さんも歌上手!?」
「やばい!物凄くCDにしたい!」
「うん!それだけ良い声出して、歌っている!」
「本当・・・下手すると・・・光より上手いと思う!」
「本当だよ!今度お兄ちゃんとお姉ちゃんにも、私と同じアイドルになって貰おうかな!」
「いや、それは流石にダメだよ。光。兄さん達だって忙しいから」
「でも!本当に良い曲です!」
「うん、いつまでも聞いていたい」
「二人とも凄く楽しんでいるわ。ねえ、アイギス?」
「そうだな五月。燈もあんな楽しそうな顔をするのを、久しく見たな」
「真も、葵も、最後の文化祭を楽しめたようだね」
弟妹達も大絶賛している
真と葵が歌うこの曲は、誰もが笑顔となった。最後の文化祭に大きな喜びや楽しみを飾れた。もしかしたらこの二人の魔法なのかもしれない。誰もが楽しめる最高の歌の魔法。
永遠ではないけど
思い出に残る。最後のフィナーレ
「これをどうか♬」
「永遠であれ♫」
「「「いつまでも、みんなの心に残るように♬」」」
「「「「「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」」」
そしれ真と葵たちの演奏は終わった
文化祭はこれで三年生の部は終わった。もう思い残す事がないほどに歌い尽くした
葵も、兄や親友達となんの躊躇いもなく、しっかり歌えたことに喜んだ。最後の文化祭を真と葵は上手く終わらせる事ができた。もう悔いはない。楽しむだけ楽しんだ。この思い出がいつまでも心に残ると信じて
これで真と葵の文化祭は終わった
でも、まだ打ち上げがある。
お客が全員帰ったあとは、学生と教師だけで打ち上げとなる
全員グランドに集まってキャンプファイヤーをし、その周りを回るように、みんなで二人一組になってフォークダンスをする。
それで
真の取り合いをしている
「おい葵!さっさと代われよ!」
「ちょ、菜々ちゃん。まだ私!」
「できればもう代わって欲しいです!」
「あと一分したら私な!」
「みんな!まだ私と兄さんの時間!」
「時間はまだあるから、騒がないでくれるか?」
「つ、次は私だからね!」
「わ、私も!」
「ん?奏も茜も俺と踊りたいのか?」
真とフォークダンスは菜々緒達だけでなく、姉妹達である奏と茜にも踊りたいと言い、彼とフォークダンスをしたい女子は多いようだ。
修の方は、彼女である花と、周りが騒いでいる中で、修と花だけはゆっくりと静かに踊っていた。
最後の最後まで楽しい時間を堪能できた
真と葵の文化祭はこれに終わり
楽しい時間って、どうしてこんなにも短いものだろうかと思うだろう。でも思い出に残るならいいやと、真と葵はこの時間の一瞬一瞬を大事にした
でもだ
「葵」
「ん?なに?」
「これで文化祭は終わりだが、まだ『楽しいこと』は残っている。そうだろう?」
「来月の『修学旅行』だね!」
「ああ、楽しい時間は短いが、これも思い出にして行こう」
「うん!」
そう、真と葵の文化祭はこれで最後だが、まだ残っているものがある
それは学校の最大のイベント
修学旅行である
楽しい時間は短いがまだ続く。これが最後の高校最後の修学旅行。悔いのない真と葵の旅行が始まろうとしていた