「ああ〜、酷い目にあった〜」
俺はあの後、なぜか?茜や奏も参加し、家では絶対にやらない、というか生まれてから一回も怒られた事が無い説教を食らう事になった。
俺が一体何をしたのだろうか、まったく持って自覚が無い。というか怒られる理由が理不尽すぎる。たかだか他の女子と会話だけで、説教とか理不尽すぎるだろ
葵はともかく、なんで茜や奏や菜々緒達まで
「くっそ〜、あいつら」
ま、授業もあるから、説教は短く終わったけどな
で、今は昼休みだ。飯を済ませて、校内を散歩している
そこで
「ん?あれは?」
そう、2年の校舎にある見覚えの子がいた
あれは
「やっぱり佐藤かい?」
「あ!真先輩!」
彼女は佐藤花、言うなれば修の昔小学生の同級生、俺はその時に修の小学生のメンバーと遊んだことがあるから面責がある
「なんで君が高校に?引越して来たのか?」
「はい、急な話ですけど」
「そうか、まあ、いいじゃないか、それにこれでいつでも修に会えるんだからさ?」
「っ!!!知っていることを言わないで下さい!」
「ああ、悪かった」
実は彼女は修の事が好きでいつかプロポーズをしようとしているが、うまくいっているのか
「それで?今のところはどうなんだ?せっかく久しぶりに会ったんだ。毎日会話しているだろ?」
「それが・・・・・・全然なんです」
「そうか・・・佐藤ならうまくいくと思ったんだけどな〜」
「でも、どうしても言葉にできなくて」
「そうか」
「それに櫻田君、最近何かと忙しくて」
「え?」
「最近、何かと義肢の勉強してて」
「なに!?」
初耳だぞ、修がそんな専門知識の勉強していたのは、あいつまさか
「そうか、わかったよ。ありがとう佐藤。俺行くな」
「あ、はい」
俺は佐藤と分かれ、修を探す
そして
あいつの教室に行っても見つからず、その時にはチャイムが鳴り、帰りに聞くしかなかった
そして帰りの時刻
「兄さん、そろそろ帰ろ?」
「ああ、その前に修は知らないか?」
「修ちゃんなら、茜と一緒に買い物へ行ったけど?」
「追いかけるぞ、葵」
「へ?どうして?」
「いいから」
俺は葵を連れて、修を追いかけようと、玄関へ移動した
「どうしたの兄さん!そんなに急いで!」
「あいつに今、聞きたいことがある!」
「家で聞けばいいじゃない!」
「今日バイトがあるんだ!修には今聞きたいんだ!」
バイトで遅くなるし、聞くなら今しかなかった
そこで
「真先輩!」
「佐藤!」
ここで佐藤とばったり会う
「修を知らないか?」
「私も探しているんです!」
「仕方ない!」
俺は携帯を出し、修に連絡する
『はい?兄貴どうした?』
「今どこだ!」
『今は学校出て左の道路だが』
「今そこに行くから待ってろ!」
『え?ああ、わかった』
俺は電話を切り
「佐藤?修の居場所がわかった。お前も来るか?」
「はい、行きます!」
「葵行くぞ!」
「何を話すの兄さん!!」
「あっち行ったら説明する」
俺はともかく走って、修の場所まで走り
****************
少し時間が経ったが、修のところまで着いた
「兄貴?一体呼び出してどうした?」
「兄さんも買い物行くの?」
「お前に聞きたい事がある」
「なんだ?」
「これはなんだ?」
「!」
俺がバックを置き、その中から、義肢の教科書を出した
「義肢装具士の教科書?兄さんそれ?どうしたの?」
「ああ、修の机の中に入っていた。悪いが中を調べた。これはどういうことだ修?」
「それは・・・・」
「お前?俺の義手を作ろうと、義肢装具士の大学に行くつもりか?」
「「「え!?」」」
「ああ、そうだ」
「佐藤から聞いたぞ、最近熱心に何か教科書みたいな本で勉強しているって、本当なのか?」
「ああ、そうだ。俺は・・・・・・兄貴に借りを返したいんだ」
「借り?俺の左腕は借りとして消えたと思っているのか?」
「ああ」
「そうか、ならお前に言う・・・・・・・もう俺の義手を作ろうとするな」
「な!」
「俺は借りだと思ってもいない、俺が好きでやったことだ。ただ結果が酷かっただけだ。余計な事するな」
「余計な・・・・事だと」
「ああ、そうだ。お前は・・・」
修は大きな声で
「兄貴の為にやる事が余計なのかよ!!!」
「!」
「「「!」」」
修が初めて怒鳴った。生まれてからあいつは怒ったことは一回もない。いつもヘラヘラして、つまらない顔している。だがこれが初めてだった。初めて修の怒った顔を見る。それだけ必死なのか
「俺が生きているのは!!兄貴のおかげなんだよ!!!そんな兄貴に礼はするだろ!!なんでそんな当たり前な事をしちゃいけないんだよ!!!」
「・・・・・」
「兄貴だって!!もし仮に誰かに救って貰ったら礼はするだろ?」
「ああ、そうだな、俺もする」
「だったら!!」
「だけど!!自分の人生を犠牲にしてまでするな!!」
「!」
事故や病気などで、体の一部を失ったり、障害を負ったりしてしまった人は身体だけではなく、精神的にも大きなダメージを受けている
中にはショックから義肢や装具を使うことを拒み、義肢装具士につらく当たる人もいる
日常生活に復帰する自信をなくし、コミュニケーションを拒む人も少なくない
義肢装具士はそういった決して前向きとはいえない精神状態にある人たちに対して粘り強く思いやりの気持ちを持って接しなければならない、
とはいえ、義肢装具士も人間です。使用者とのコミュニケーションが上手くいかず傷ついてしまうこともある、そんな職業を
「義肢装具士は辛い職業なんだぞ?それにそんな足を怪我しているお前にそんな仕事は無理だ!!」
「だとしても!!」
「義肢装具士は何年か掛けて、やる仕事、お前がやる必要は無い!!!」
「兄貴の為にしている事が必要じゃないって事かよ!!」
「そうだ!!俺の為になんかするな!!そんなの余計なお世話なんだよ!!」
「く!兄貴だって!」
「!」
「兄貴だって!!自分の人生を犠牲にしたんだろうが!!!」
「・・・・」
「兄貴だって!いつも料理がしたいのに!なのに左腕が無いせいで!火を使う料理ができないじゃないか!!そんな不便な生活しているのに!一人暮らしなんてするのかよ!!」
「・・・・・」
「俺はどうしても・・・・兄貴にこんな不便な生活見て、心が辛いんだよ!!!・・・・なんで・・・なんで・・・」
そして泣くはずの無い。修が泣いた
「なんで・・・・兄貴の為にする事がいけないんだよ!!」
「・・・・・」
そうか、それがお前がしたかった事か、まあ、確かに左腕が無いだけで確かに不便だった。朝起きる時に右手が使えないことや、日常生活においても、不便はあった
だが
「そうか、ならそれ以外で、俺の礼をしてもらおう」
「え?」
そして俺は、修の側を離れ、俺は佐藤の方へ行く
そしてそう小さい声で言う
「佐藤?お前が修の苦しみを断ち切ってくれないか?」
「わ、私がですか!?」
「ああ、お前ならできる。それに今の修は泣いている。その悲しみを癒すことができるのはお前だけなんだ」
「私だけ?」
「頼んだぞ。ついでに告白もしてしまえ、というかしてほしい」
「ふえ!!」
「修にはお前が必要だ。お前がいなきゃ、ダメだ。だから今はお前の言葉で言ってくれ。『もういいんだよ』って」
「わ、わかりました」
「ああ」
俺は後は全部、佐藤に任せた。なぜ佐藤に任せたか。それは愛を理解為に、佐藤の告白でもして、理解するためだ
そもそも、なんで俺が義手をいらないかと言うと
それは
「櫻田君」
「佐藤、ごめんなみっともないところ見せて?」
「そんなことないよ。それに真先輩の為にしている。ことがみっともない訳が無いから」
「・・・・・なあ?佐藤?」
「はい?」
「俺間違いなのか?兄貴の為にやっていることがそんなに間違いなのか?」
「間違いではありませんよ」
「なら」
「でも」
「ん!」
「そのやり方が間違いだと思います」
「!」
「確かに真先輩の為に義肢装具士を目指すのはいいことですよ。ただ、真先輩に心配かけてまで、することですか?」
「!」
「櫻田くんも以前同じ立場にいるんですよ。真先輩が左腕が無い生活を皆さんが心配される真先輩と一緒です」
「俺は・・・」
「真先輩が自分に礼をしてもらいたくないのは、櫻田くんの事を愛していて心配していたからじゃないですか?」
「!」
「私だって、心配します。最近いつも学校に残って、勉強していますし、しかも最近毎日、こんなことをしていたら、真先輩と同じ苦しみを味わうことになるから、真先輩は怒鳴っています。私にもわかります」
「なんで、わかるんだ?」
「だって、私も・・・・・・
櫻田くんの事が好きだから!!」
「!!??」
「真先輩が怒鳴るのもわかります。真先輩、今日それを知って、急いで事情を聞きたくて、心配していたんですよ」
「兄貴が・・・」
「ああ」
「だから、もし真先輩の為ならもっと違うことをしよう?これじゃあ、真先輩を為にはならないよ」
「けど」
「だって真先輩、今日最近生活大丈夫ですかって私が言ったら、『俺の左腕はご自慢の家族だから』って言っていたんですよ」
「!!」
「家族がいるから、不便は無いって言ってました。それに大切な弟にそんなことは普通させませんよ」
「・・・・・」
「だから、もういいんです。真先輩の変わりに言います。『もういいんだよ櫻田くん、慎先輩は家族が居るだけで幸せ』だって」
「・・・・・・ああ、ああ!」
佐藤は泣いていた修を抱く、
やはりわかっている。佐藤は
やっぱり俺は佐藤を修のお嫁さんにしたいと思っている
あれだけの俺の気持ちを理解し、それを全面に修に言うのは完璧だった
佐藤はきっと誰よりも愛に強い女になるな
そんないい女の子はぜひ修のお嫁さんになってもらいたいよ
修の気持ちを癒すことができるのは、やはり彼女だ
修はまだわかってない、愛してもらえる喜びを、それ佐藤と一緒にそれを理解してほしい
「修?」
「!」
「もし、お前が俺の為にまだ礼をしたいなら、お前が佐藤と協力し王様になれ」
「俺が・・・」
「ああ、お前ならふさわしいと思っている。俺は辞退したが、他になってもらいたいなら、修が適任だと、思っている。お前は人を思う気持ちが強い、そんなお前だからこそ、王様になってもらいたい。お前なら国民を思うことができるからな」
「俺が王様に」
「まあ、そこはお前が考えろ、佐藤しっかり家まで送れ。わかったな?行くぞ茜、葵、俺たちは買い物だ」
「ま、待ってよ!兄さん!」
「い、今行く!」
俺たちは去り、後は二人だけになった
*************
「いいの?ああしといて」
俺達は買い物を済ませ、家に帰ろうとして、俺はバイトに行く
「ああ、修はああしたほうが、自分のためになる」
「そうなの、兄さんは本当に義手はいらないの?」
「ああ、いらん」
「どうして?」
「義手よりもいいものを持っているからだ」
「それはなに?」
「
「「!!」」
「お前らが居てくれれば、不便は無い。ただ、大学は違うがな、俺は家族にそのまま甘ったれるわけにはいかないし、俺にもやりたいことがあるからだ」
「兄さん」
「そろそろ行く。後は頼む葵?」
「うん、任せて」
俺はバイトに向かい。そこで葵と別れる
「ねえ、お姉ちゃん?兄さんいつの間にか変わってない?」
「うん、兄さんなんだか、前より生き生きしている」
「うん、でもさ、本当なの?大学じゃあ一人暮らしするって?」
「うん、兄さんが決めたことだから」
「そうなんだ」
「・・・・・・」
そうだよね、茜?私もあんまり納得してない
だって
寂しいよね?兄さんがいなくなると
おまけ
マジックブックスでは
「このお札みたいのがそうですか?」
「ああ、それに監視カメラに付けてもらいたい」
「わかりました。ところで水晶で俺の学校生活見てますよね?」
「ああ、もしかして嫌だったか?」
「いや、そういうわけじゃないですけど、菜々緒達もリリスの魔法の呪い・・・受けてます?」
「残念ながら、あれはあの子達の性格だよ」
「・・・・・・・・・・・」
それを聞いた瞬間、これから毎日、あんな怖い顔で見られるのかと
俺は頭を抑え、ショックを受ける
「どうやら、がっかりだね?」
わかっているなら言わないで下さい