東方空闘犬 〜 元エースパイロット、幻想郷の旅   作:メビウスノカケラ

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東方二次創作の特異点「紅魔館」にいよいよ入ります。
そこでドーラが待ち受けるものとは・・・?
それでは、第9話始まります~


第9話「分離」

魔理沙「ほら、ついたぜ」

ドーラ「・・・ねぇ、あの人は大丈夫なの?」

 私とマリサは香霖堂を離れ、コウマカンに着いた。マリサは本探し、私は料理修行を頼むためにである。

美鈴「あ、あんまりだよ・・・ガクッ」

(プスプス・・・)

 マリサはコウマカンの門番らしき人を問答無用で黒焦げにしてしまった。

魔理沙「大丈夫だぜ。あいつは妖怪だし丈夫だから。いつも寝てるのに今日は起きてるもんだから仕方ないんだぜ」

 妖怪とはいえ、ひどいな。

ドーラ「・・・それはそうとして、あそこにサクヤってすごいメイドがいるのね」

魔理沙「ああ、そうだぜ」

 イザヨイ・サクヤ。それがあの館のメイド長の名。館の管理はほとんどがそのメイド長が担っているという。

魔理沙「ちょっと性格がよくわからんやつだが、とにかく家事ならなんでも来いッてやつだぜ」

 なるほど。小間使いのプロフェッショナルということか。

ドーラ「よ、よし。何としても料理を教えてもらうぞ。・・・ところで、何で私たちは扉ではなく壁の側に立っているの?」

(ゴソゴソ)

 私の言葉に耳をかさずに、マリサはスカートの中を漁る。

ドーラ「というか、何して・・・」

魔理沙「よっと、あったあった」

 マリサは何かが詰まったフラスコを取り出す。

ドーラ「ま、まさか・・・」

(ススス・・・)

 身の危険を感じた私はその場から離れる。

魔理沙「とりゃ!」

 マリサが壁にフラスコを放り投げ、

(ドッグォーン)

 私の予想通り、フラスコは爆発した。そして、壁には大穴が開いていた。他人の家に爆弾を・・・

ドーラ「あ、あなたねぇ・・・」

魔理沙「大丈夫だぜ。ここはいっつも穴をあけている場所だからな」

ドーラ「いつもって・・・」

 コウマカンの人は気の毒だな。

魔理沙「しかし、いつもならここで咲夜が出てくるはずなんだが・・・今日は来ないな。人里に買い出しかな?」

ドーラ「いつもって、そんなにすぐ来るものなの?」

魔理沙「ああ、あいつはかなり人間のくせに反則級の能力を持っていてな。時間を操れるんだ」

ドーラ「時間・・・時間!?」

 時間を操るだって!?それって、自分だけが相手と違う速さで行動することもできるってことよね!?

ドーラ「なにそれ!?そんな危険な能力持ってるのって大丈夫なの!?幻想郷を支配されたりとか・・・」

魔理沙「ははは、大丈夫だぜ~。言ったろ?あいつはわけのわからん性格をしているんだ。能力は自分の仕事か有事の際にしか使わない。もっと自分のために使えばいいのになぁ」

 マリサはヘラヘラしながら話す。サクヤってメイドはかなり変わった人らしい・・・

ドーラ「そ、そういうものなの・・・?」

魔理沙「そういうもんだ。だが、うーん・・・いないならいないで仕方ないし、私についてくるか?」

 マリサは私に聞いてくる。肝心の料理がデキる人がいないんじゃあなぁ・・・

ドーラ「私は料理する人がいないんじゃ・・・」

魔理沙「そうそう、図書館の持ち主は魔法使いだ。悔しいが、私やアリスよりも魔力に詳しいやつだから、ひょっとしたらお前の魔法適性も図ってくれるかもしれないぜ」

ドーラ「ほんとに?なら行きましょう!」

 それは知らなかった。早く言ってくれりゃいいのに!

魔理沙「・・・単純というかなんというか。ほんとに私より歳上なのか?ま、とにかくついてきな!案内するぜ」

 手を招く魔理沙の後につき、私はコウマカンの中へと入っていった。

 

第9話「分離」

 

ドーラ「おおお・・・」

 コウマカン地下の大図書館。そこにあったのは膨大な量の本と、そびえ立つ本棚の列。そして、薄暗いがかなり広い。

魔理沙「スゴイだろ?」

ドーラ「圧倒されるわね・・・地震が起きたら大変そうだ」

魔理沙「・・・もっと別の感想があるだろう」

ドーラ「? しかし、あの館の大きさに比べて、かなり広くない?」

 外から見た感じではもっと狭いように見えたし、ここに来るまでの館の内部も、見た目よりかなり広く感じた。どういうことなんだ?

???「それは、メイドが空間をいじっているからよ」

 前の方から声が聞こえる。全体的に紫色で、背の小さい少女が宙に浮いて滑るように近づいてくる。

魔理沙「よう、パチュリー!」

 その少女は魔理沙からパチュリーと呼ばれた。

パチェ「やかましい。また壁壊して入ってきたくせに馴れ馴れしいわね。まあ、図書館に穴あけ無かっただけマシだけど」

 パチュリーは不機嫌そうに言う。

ドーラ「あ、あなたがこの図書館の持ち主?」

パチェ「・・・ん?そうだけど、あんたは何なの?」

 何って・・・人間よ。見たらわかるじゃない。と言いたかったが、ちょっと不機嫌そうなので言うのはやめた。

ドーラ「私はドーラ。マリサの友人よ」

魔理沙「こいつは咲夜に用事があって来たんだが、あいにく留守みたいでな。一緒に連れてきたぜ」

 マリサは私の肩に手を回しながら言う。

パチェ「残念。咲夜は今、私のお願いで探しものをしてもらってるわ。今この館にはいないし、しばらくは戻ってこないわ」

ドーラ「そ、そうなのね・・・」

 まいったな、それじゃあ料理の稽古をつけてもらえないじゃない。

魔理沙「何を探してるんだ?」

パチェ「あんたには関係ない」

 マリサの質問にパチュリーは簡潔な答えで返す。魔理沙に少しうんざりしているようにも見て取れる。

魔理沙「まあいいや。あ、そうそう。実はだな・・・」

パチェ「本は貸さないわよ」

 パチュリーはマリサが言い切る前にほんの貸出を拒否する。マリサの日頃の行いが窺い知れる。

魔理沙「まだ何も言ってないぜ。それに、借りるならもうとっくに持っていってるぜ」

パチェ「・・・それもそうか。じゃあ、何が目的?まあ、ろくでもないことでしょうけど」

 パチュリーはどーでもいいという感じにマリサの目的を聞く。というか、マリサは本を借りるんじゃなかったのか?

魔理沙「いや何、そこにいるドーラが魔法を使って空を飛びたいらしくてな」

パチェ「あんたが?」

ドーラ「ええ、そうだけど・・・」

 パチュリーはくまの出来た目で私を見つめる。ちょっと不気味だ。マリサやアリスよりもかなり魔女っぽい。

パチェ「・・・・・・」

 なんだかちょっと怖い。

魔理沙「それで、お前にこいつがどれだけ魔法適性があるか見て欲しくてさ」

パチェ「・・・あなた、人間よね?」

ドーラ「え?そ、そうだけど」

 パチュリーは怪訝そうに私に聞いてくる。なんだいったい?

パチェ「・・・ふむ。いいわ。適正検査、してあげる」

ドーラ「ほ、ほんとに!?」

 パチュリーの鋭い視線のせいで肯定の言葉が返って来るとは思わなかったため、少し驚いた。どうやら、考えていることがわかりにくい人物のようだ。

魔理沙「やったな!」

ドーラ「ええ!」

パチェ「浮かれてるんじゃないわよ。適性検査。魔法が使えるようになるわけじゃ無い」

 パチュリーが喜ぶ私たちに抑揚の少ない声で注意する。

ドーラ「そ、そうだったわね。私が魔法を使えるかなんてわからないものね」

パチェ「その通り。さ、付いてらっしゃい。それと、魔理沙は外であなたがのばしてきたであろう門番を連れて来なさい」

魔理沙「え、あいつがいるのか?」

 マリサは外で黒焦げにした門番の人が必要かどうかを聞く。

パチェ「良いから連れて来なさい」

魔理沙「仕方ないなぁ~」

 しぶしぶマリサは表に戻っていく。

パチェ「・・・さて、これで邪魔者はいなくなったわ」

ドーラ「・・・?」

 邪魔者・・・ってマリサのことよね?多分。

パチェ「ブツブツ・・・ブツブツ・・・」

 小声で何かをつぶやいているパチュリー。

パチェ「・・・∇∋∬Å∠∂」

 ・・・聞き取れても何を言っているのかわからない、と、思っていたその時だった。

(カッ)

ドーラ「うわっ!?」

 図書館全体がフラッシュを焚かれたかのように一瞬輝いた。

パチェ「・・・よし」

ドーラ「よし、って・・・な、何したの?」

 パチュリーは私の質問を聞いてこちらを向く。

(ニヤリ)

ドーラ「ううっ・・・!」

 パチュリーの口元がにやりと緩んでいる。

パチェ「・・・フフフ、こんなに興味深いことは初めてだわ」

ドーラ「な、なんなの?一体何をしようと・・・」

パチェ「こうするのよ」

 パチュリーが手を挙げる。すると、

(フォンフォンフォンフォン)

ドーラ「!!!」

 カラフルな石が4つ私の周りを正四面体の形になるように取り囲む。

パチェ「¶∂∝」

(ビリビリビリビリ)

ドーラ「うあああああああっ!?!?!?」

 で、電撃・・・!!パチュリーは私を攻撃してきている・・・!?

パチェ「∠§∀」

ドーラ「あっ、くはっ、はぁっはあ・・・何をする・・・くっ、はぁっ」

 電撃がやみ、私はパチュリーに問う。強烈な電撃で、死ぬんじゃあないかと思った。なぜパチュリーは私を攻撃する・・・?

パチェ「大丈夫よ。あなたを死ぬほどの刺激は与えていない。だけど、気絶させるつもりだったのに意識を保っているのね。フフフ、更に興味深い」

 パチュリーは何事もなかったかのように淡々と話す。

ドーラ「この・・・!!」

 私は電撃を受けて動かしづらい体を踏ん張り、パチュリーに一歩踏み込もうとする。だが、

(ゴツンッ)

ドーラ「おぐっ!?」

 頭部に強烈な痛みが走る。何かにぶつかった!?

パチェ「無駄よ。魔法であなたを『檻』に閉じ込めたわ。何があっても大丈夫なように、とても強力な『檻』にね・・・フフフ」

 どうやら、見えない壁のようなものがこのカラフルな石を頂点にして張られているようだ。

ドーラ「・・・くっ」

(ドスン)

 さっきの電気のダメージと頭を打った痛みで膝をつき、へたりこんでしまう。

ドーラ「わ・・・私をどうするつもり!?」

 音もなく宙に浮く正四面体の『檻』の中で私はせめてもの抵抗とばかりにありったけの声でパチュリーに怒鳴る。

パチェ「実験、とだけ言っておきましょう。詳しくはまだ言えないわ。仮説は実証されなければ真実にならない。ああ、楽しみだわ・・・フフフ!」

 パチュリーが笑う声に私は恐怖を感じた。

パチェ「さ、今度こそこっちに行きましょうか。安心なさい、魔法適性もちゃんとやってあげるから」

ドーラ「く・・・」

 私はパチュリーを睨みつけるように見る。

パチェ「そうそう、うるさくしたら今度は今のよりも強い刺激を与えるからね。本当は気絶させて静かに実験しようと思ったのだけど、思ったよりも丈夫みたいだしね、あなた」

ドーラ「・・・・・・」

 パチュリーの目はよどみがない。ハッタリじゃない。

パチェ「あなたの秘密、暴かせてもらうわ・・・フフ、フフフフフ・・・!」

 

 パチュリーは私に服を脱ぐように命じ、私はそれにおとなしく従う。

パチェ「次はこれを手、足、そして頭につけなさい」

 と、パチュリーが指を動かすとフヨフヨと小さな宝石がついたアクセサリのようなものが見えない壁を通り抜けて『檻』に入ってくる。

ドーラ「・・・・・・」

 私は黙ってそれを手足と頭に装着していく。パチュリーは床に何かの模様を描いていく。一体何をする気だ、パチュリーは?

パチェ「・・・さて、準備は整ったわ。魔法陣があなたが取り付けたアクセサリの位置に来るように、仰向けになって寝なさい」

 パチュリーがそう言うと、『檻』がまた宙に動いて動く。パチュリーは五芒星形の先に、丸く複雑な形の模様を描いて、そこでアクセサリが模様に重なるように大の字になってな転べと指示する。

ドーラ「・・・ねぇ、何をするつもりなの?」

 私は大の字に寝転がってパチュリーに聞く。

パチェ「実験が終わってから結論と合わせて話してあげるわ」

ドーラ「・・・・・・」

 これである。何も話してくれない上に、先ほどの電撃、この『檻』、この格好・・・不信感ばかりが積もる。ちょっとぐらい話してくれたって良いじゃないか。

パチェ「ダメよ」

 ・・・また顔から気持ちを読み取られたのか。

パチェ「・・・フフフ。じゃあ、始めるわ。気分が悪くなるでしょうが、我慢なさいね」

 パチュリーは不敵な笑みを浮かべる。・・・気分が悪くなる?

ドーラ「ねぇ、ちょっと・・・!」

 体を揺らすが、動かない。まるで磁石のように体が床に張り付いている。

ドーラ「う、動かない・・・!?」

パチェ「フフフフフ!さあ!実験開始よ!!」

 パチュリーは私に向けて手をかざす。その時であった。

ドーラ「!!!!!!」

 全身が膨らむような感覚。く、苦しい・・・!!

ドーラ「くうううっ・・・・!!!!」

 私は体中に力を入れて必死に堪える。

パチェ「私の仮説によると・・・さあ、どうなるかしら?フフフフフフ!」

 どんどんと体が膨張するような感覚が強くなっていく。

ドーラ「ううううううううううううううううっっ!!!!!!!」

 こ、壊れる!破裂してしまう!!全身が張り裂けそうだ!!

パチェ「フフフフ!あなたスゴイわ!普通の人間ならもう死んでしまってるほどの魔力を注ぎ込んでいるのよ!なのに、未だ意識を保っているなんて!」

ドーラ「うううううあああああああああああっ!!!!!!」

 パチュリーがなにか言っている。だが、それに気を回す余裕が無い。

パチェ「聞こえてないか。そりゃそうよね。さて、もうそろそろかしら・・・」

(キィィィィィィィッ)

パチェ「来たわね・・・!」

ドーラ「ああああああああああああああああ!!!!!!!」

 視界が真っ白になる。目から閃光が走っているようだ。目だけじゃない。体中が発光しているような感覚がある。

??《・・・す・・・ろす・・・殺す!!!》

ドーラ「!?!?」

 頭のなかに無線で話しかけられているようなノイズの混じった声が聞こえる。そして、その瞬間、

(カッ)

 図書館は光りに包まれた。 

 

 何もない。ここはどこだ?グレー色をした空が広がっている。太陽もない、風もない、グレー色の空間。

《・・・ョット!ウェッ・・・ット!ウェッジショット!ウェッジショット!》

 ノイズ混じりに声が聞こえる。沢山の人が私の名前を叫んでいる・・・?

《・・・で・・・のせいで・・・お前のせいで・・・!!!》

 その声に混じって何かの怨念が聞こえる。私に向かっていっているのか・・・?

《ウェッジショット!ウェッジショット!!ウェッジショット!!!》

《お前のせいで、せいで、せいで!!!》

 2つの声が左右に分かれていく。それと同時に、私の名を呼ぶ声の方が白く、怨念の方が黒くなっていく。グレーの空は白と黒にゆっくりと分離していく。

ドーラ「あ・・・」

 私は白くなっていく方向に身体が吸い込まれていくのを感じた。ゆっくりゆっくりと白い空に吸い込まれていく。

《ウェッジショット!ウェッジショット!ウェッジショット!・・・》

《せいで、お前の、お前のせいで、せいで、せいで!せいで!!・・・》

 この声は一体何なのだ?誰の声?そもそもここはどこなんだ?パチュリーは?そんなことを思っているうちに空がほとんど黒と白にわけられる。そして私は気づいた。

ドーラ「あれは・・・?」

 黒い空の方向に青い光が見える。光は徐々に形が変わり、段々と人の形になっていく。

ドーラ「・・・え?」

 そして、完全に人の形となったそれに目を疑った。

ドーラ「わ、私・・・?」

ドーラ?「・・・・・・」

 私だったのだ。姿形が全く一緒。遠目だから絶対とはいえないが、違うところが全く見当たらない。

ドーラ?「・・・・・・」

(ニヤリ)

ドーラ「・・・?」

 黒い方に居るもう一人の私は不気味に笑みを浮かべる。わけがわからない。ここはどこなの?私の心のなか?もしかして、死んじゃったの、私?

ドーラ?「ククククク・・・ハハハハハ!アーッハッハッハッハッハッハ!!!」

 もう一人の私が突然大声で笑い出す。

ドーラ「あ、あなたは一体・・・?」

ドーラ?「ククク・・・ククククク・・・!」

 返って来るのは笑いのみ。空の色はくっきりと白と黒のモノクロトーンに変わりきり、聞こえていた声はなくなっていた。

(・・・・・・ォォォォ)

 白黒の境界の両側から聞き覚えのある音が聞こえる。

(ゴォォォォォオオオオオオ)

 ジェットエンジン音だ。徐々に近づいてくる。

ドーラ?「アハハハハハハ・・・ククククク・・・!」

 ジェットエンジンの音ともう一人の私の笑い声が入り混じって聞こえる。わからない。全くわからない。私の頭はものすごく混乱していた。状況が全くわからなかったのだ。

(ゴオオオオオオオオオオオ、バリィッ)

 モノクロの境界が破れて、2機の戦闘機が両側から横切る。その衝撃で白と黒は完全に分離して急激に離れる。

ドーラ「きゃぁっ!!!!」

ドーラ?「アーッハッハッハッハッハ・・・・・・」

 戦闘機が横切った風圧で私は白の空間が吹き飛んだ方向に飛ばされた。もう一人の私は黒の方に。

ドーラ「くぅっ・・・」

 吹き飛ばされ、意識が薄れる中、私が見たのは私の戦闘機、空色迷彩でツバメのマークが入った『F-16』であった。

《クク・・・ククク・・・》

 もう一人の私が笑う声が頭のなかに響く。そして、私は気を失った。

 

魔理沙「・・・そ、どっ・・・だ?・・・ーラ!ドーラ!」

 ・・・誰かが呼ぶ声が聞こえる。背中に地面の感触も感じる。どうやら、私は生きているようだ。

ドーラ「く・・・誰?」

 残光ではっきり見えない。目を開けるも何が何やら。

魔理沙「ドーラ!お前がドーラか!?」

 この声はマリサか。図書館に戻ってきたのか。

ドーラ「え・・・ええ。私はドーラよ、魔理沙」

 残光が目をつむっていて音でしか状況が分からないが、マリサは私の側によってきたようだ。

魔理沙「パチュリーは私がのしてやったぜ。全く、初対面の相手にひどいことをするんだぜ」

パチェ「ムキュー・・・」

美鈴「パ、パチュリー様・・・」

 パチュリーの唸り声と知らない声も聞こえる。無休?

魔理沙「遅れてしまって悪かったぜ。パチュリーのやつは私を騙して外にやって、その隙に図書館に入れないようにと結界を貼りやがったんだ。まあ、ぶっ壊したが」

 ・・・そうだったのか。だがなぜそこまでしてパチュリーは私を?

魔理沙「とりあえず、私が館の外にもわかるほどに派手な方法(マスタースパーク)で図書館をぶっ壊したから、咲夜やここの主がすぐにこの図書館に来るだろう。そしたらお前をちゃんと休める部屋に連れて行ってやるぜ」

ドーラ「あ・・・ありがとう・・・クッ」

 体中が軋む。少し体を動かそうとしただけなのに痛みが走る。

魔理沙「無理するな。少しの間裸のままで悪いが、そこでおとなしくしてな。人手が増えてからお前を運ぶぜ。なんせ、『二人』いるからな」

 そう言うと、マリサの足音がして離れていく。どこかに行ってしまうようだ。

ドーラ「うう・・・」

 やっと目の残光が晴れてきた。私はあたりを見回そうと、顔を横に向けて目を開ける。

ドーラ「・・・!!!」

 視界に入ってきた物に私は驚愕した。

ドーラ?「・・・・・・」

【DORA SLEEP】

 視界に映されていたのはもう一人の私。そして、緑色の枠と数字とメモリ・・・『HUD(ヘッドアップディスプレイ)』の表示がもう一人の私を捉え、その状態を示していたのだ。

ドーラ「な、なんなの、これ、は・・・?」

 もう一人の私も、『HUD』の表示も、何度目をつむっても消えなかった。体が限界に来ていることも有り、考える余裕もなく、私の頭のなかには理解できない、分からないなどの単語でうめつくされていった。

ドーラ「なん・・・な・・・の・・・これ・・・?」

 そして、私は再び眠りに落ちていった・・・

 

第9話・完




超展開です。
パッチェさんは私の中では知識欲の塊のようなイメージで、ドーラの中の今までに見たことのない現象を見て衝動的に実験がしたくなった、と言った感じです。
某ドラマの准教授とは少しだけ性格が似ているやもしれません。(ていうか、いくらか影響を受けています。)
はてさて、ドーラはなぜ二人に分離したのか?パッチェさんはなぜドーラを実験にかけたのか。
それはまた次回~ここまで読んでくださりありがとうございました!
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