東方空闘犬 〜 元エースパイロット、幻想郷の旅   作:メビウスノカケラ

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第7.5話です。
ストーリーは進まないキャラ紹介回みたいなものなので、重要性は低いです。


第7.5話「知る・その2」

※少しの間、普通の地の文です。

 里に住む仲の良い二人が、そこそこ人気の妖精喫茶店「ふぇありぃ珈琲」でお茶をすする。

村男A「あーーっ、たくよぉ!!折角の休みなのに女もいねーなんてよぉ!!前にいるのはいつもこの女っけのない野郎だしよぉ・・・」

 椅子にもたれかかり、のけぞりながら話す村男A。

村男B「そりゃおめえもだろ。まあ、休みの日に男二人でだべってるだけってのもなぁ」

 その対面で座ってキョロキョロしながら話をするのが村男B。

村男A「今日も俺らは女の子観察・・・はぁ、成長しねぇなぁ、俺ら」

 彼らの日課は幻想郷の女の子を観察し、感想を言い合うというもの。女の子好きな彼らだが、みだりに話しかけない、触れない、襲わない、というポリシーの上でそれを行っている紳士である。

村男B「いやいや、そうでもないぞ?最近は場所を変えてやるようにもなってきたじゃあないか」

村男A「一昨日は妖怪寺のそば・・・住職さんはボリュームがあったなぁ、胸が。で、昨日は里の出入り口の近く。そして、今日は喫茶店・・・確かに妖精は可愛いが、女としては見れねぇよ」

村男B「そうか?背がちっちゃくて可愛らしい妖精ウェイトレスさんが家に帰ってみたら出迎えてくれる・・・いいじゃあないか!」

 二人はウェイトレスをしている妖精を見ながら話す。

村男A「・・・おれぁ、昨日も見かけたあのパツキンカチューシャのネーチャンのがいいなぁ。あそこ、寺子屋の先生と座ってるな。しかし、お前はホント雑食だよなぁ。なんで女が出来ねぇのか不思議だ」

 村男は奥に位置する6人席に座っている上白沢慧音とアリス・マーガトロイドを見ながら言う。

村男B「それとこれとじゃ別・・・」

(カランカラン)

 扉が開くと同時に鈴がなる。誰かが入って来たのを村男Bは顔を向けて確認する。

村男B「・・・ん?いま入ってきたのは昨日の娘と・・・」

村男A「・・・んあ?なんだ?可愛い子入ってきたのか?」

 可愛い子が入ってきたのだろうか?と、二人は扉の方向に振り向いた。

 

第7.5話「知る・その2」

 

※ここから地の文はドーラの一人称視点。

ウェイトレス妖精(以下『W妖精』)「いらっしゃいませ~be!」

 普通の人間の子供よりも一回り小さい、羽の生えたショートカットの少女が宙に浮きながら出迎える。

ドーラ「わ!本当に妖精だ!」

 羽がふわふわと動いていて可愛い。服装は上は和風、下はヒザ下くらいの丈のスカートで、その上にエプロンをかけている。とはいえ、羽が生えている当たり、想像していた妖精と同じような出で立ちだ。

魔理沙「妖精なんてそこら辺にいるぜ。まあ、働いている妖精ってのは紅魔館かここぐらいにしかいないがな」

ドーラ「へぇ、そうなのね~」

魔理沙「だけど、ここのが珍しいかな?紅魔館の妖精メイドと違ってまじめに働いてるし。妖精は基本的に自分勝手な生き物だ」

 その辺も、妖精は気まぐれだっていうのは想像していたから当たっているようだ。

W妖精A「・・・って、うわっ!巫女じゃない!」

 ウェイトレスの妖精はレイムを見て驚く。

霊夢「うわっ、って、それが客に取る態度?」

W妖精A「あわわ!す、すみません~!まじめに働くから退治しないで~!」

霊夢「別に何も言ってないんだけど・・・」

魔理沙「態度は普通の妖精とそんなに変わらないがな」

 レイムは妖精から恐れられているのか?妖怪退治が仕事だと言っていたから、そのあたりが理由なのかな?

魔理沙「お、アリスがいたぞ。奥だぜ」

 そう言うと、マリサは奥のアリスと先生がいる席に向かう。私とレイムもそれについていく。

 

村男B(ヒソヒソ・・・おいおい、今日は大量だな!)

村男A(ヒソヒソ・・・ああ!スゴイぜ・・・あんなに美人やかわいこちゃんが集まるなんて、喫茶店に来てよかった!)

 私、レイム、マリサ、アリス、ケーネ先生の五人が揃った。

慧音「さてさて、皆揃ったな」

アリス「ドーラ、大丈夫だった?私は魔理沙の箒の後ろに乗ったことがあるけど、激しくて振り落とされそうだったでしょ?」

 アリスは私に聞いてくる。

ドーラ「心配してくれてありがとう。ええ、すごかったわ!すごく良かった!」

魔理沙「この通り、すごく気に入ってくれてるぜ!」

アリス「・・・まあ、思いの外幻想郷に馴染めそうで何よりだわ」

 アリスは少し、意外というか呆れたというか、そんな顔をする。なんでだ。

霊夢「それよりも、早速話してもらおうかしらね。ドーラ、あんたの素性を私達に話しなさい」

慧音「まあまあ、そう急かすもんじゃない、時間は有るんだ。まずは何か頼もう。それが店に来る者の最低限の礼儀だ。おーい!」

 ケーネ先生はウェイトレスを呼ぶ。

W妖精B「は~いなんでしょ・・・み、巫女!?」

霊夢「もう一人とおんなじ反応しなくてもいいのよ」

W妖精B「あ、はーい!」

 元気よく返事をするウェイトレスの妖精。さっきの子とは違って、頭の両側で髪をくくったロングヘアーの妖精だ。

霊夢「・・・なーんか不安なのよね~、このお店。唐辛子が出てくるものに混ざってたりしそう」

W妖精B「ギクリ」

霊夢「ギクリ?」

W妖精B「い、イヤダナー、ソンナコトナイヨー」

 ・・・明らかにうろたえているな。

魔理沙「ククク、大丈夫だぜ。霊夢はなんでも食べるから。あ、私は『ミルクティー』と『ふぇありぃすたぁ(金平糖)』ってやつで」

 と、マリサは笑いながら注文する。

W統制B「あ、はい!メモメモ・・・すぐ忘れちゃうから・・・」

 一生懸命に注文のメモを書く妖精。

霊夢「あんたねぇ・・・」

アリス「私は『カフェオレ』で」

慧音「私はこの『ふぇありぃ紅茶』にしようかな?あと、『バターロール』をくれ」

 レイムを他所に皆が注文していく。皆マイペースだ。幻想郷に人たちって、マイペースなのが多いのか?

霊夢「・・・はぁ。私は濃いお茶と羊羹でいいわ」

W妖精B「ええっと、お茶お茶・・・あれ?ようかんはあるけどメニューにないよ?」

霊夢「関係ないわよ、持って来なさい!あと、なんか余計なもん入れてたら退治するからね!」

W妖精B「ひ、ひぃ~!」

 レイムはウェイトレスに怒鳴りつける。なんと理不尽な。

霊夢「で、あんたはどうするのよ?」

 ウェイトレスを脅しつけた後にレイムは私に聞いてくる。

ドーラ「そうね・・・じゃあ『ふぇありぃ珈琲』にしようかな?あと『ハニートースト』も」

W妖精B「か、かしこまり~!」

 注文を聴き終えたウェイトレスはレイムが怖いのか、一目散に厨房へと向かった。可哀想に。

霊夢「それじゃあ注文も済んだし、とっとと話してちょうだい、ドーラ」

 ウェイトレスを見送った後、霊夢は話を始める。

ドーラ「ええ、わかったわ。ええっとどこから話そうか・・・」

 私は自分の素性を話す。自分が何者なのか、幻想郷に来る前はどうしていたのか、などなど。(詳しくは第2.5話やキャラ設定を参照。ネタバレも含まれてる可能性があるので、第2話か話を読み進めることを推奨。)

霊夢「ふ~ん、戦争屋だったわけね、あんた」

ドーラ「まあ、そういうことになるわね。人にほめられる仕事じゃあないけど、私には他に道はなかった」

 モーリス中佐に拾われて、行く宛もなかった私には軍にしか居場所がなかった。幸い、孤児暮らしでケンカは強かったし、体力的には問題なかったが。

慧音「昨日、簡単に話は聞いていたが、歴史に携わる者としてなかなかに興味深いものはあるがな。戦争と人間の歴史は深い。現代と昔とではまた事情が違うようだな」

ドーラ「・・・ここは平和そうでいいわね。まだ3日しか経ってないし、本当は私は戻らなきゃいけない立場なんだろうけど、戻りたくないって気持ちまでできてしまうくらい」

 この新たに得た生命と体を無駄にしたくない。そういう気持ちも相まって、私はこの幻想郷に居座りたい気持ちを強くしているのだ。まだ幻想入り3日目だが。

W妖精A「おまたせ~!持ってきたよ~!」

 ショートカット妖精のウェイトレスが注文していた物を持ってくる。

アリス「あら、ありがとう。さ、上海に蓬莱、運んであげて」

上海「シャンハーイ」蓬莱「ホラーイ」

 アリスが指を動かし、ウェイトレスのお盆の上から人形が私達が頼んだものを配っていく。

W妖精A「おおお!すごーい!!」

アリス「あら、ありがとう。それじゃあ、こんなのはどう?」

(ヒョイヒョイッ)

 アリスは二人の人形を操り、即興で演技をさせる。

W妖精A「おおおお!!ねえねえ!こっち来なよ!すごいよ!!」

W妖精B「え!なになに!」

 ショートカットの妖精はツインの妖精を呼ぶ。仕事は良いのか。

アリス「ふふふ、じゃあ、こんなのは?それっ!」

(ヒョイヒョイヒョイ)

W妖精ズ「おお~!!」

 アリスは調子に乗って人形に踊りを躍らせる。隣の開いているテーブルの上で。

魔理沙「ほんと、扱いやすい性格だぜ。おだてるとこれだ」

ドーラ「へ~、そんなところもあるのね、アリスって」

霊夢「ズズズ、あむっ・・・むぐむぐ、あーおいしい!アリスはほっといて、あんたら早く飲んじゃいなさいよ、ズズズ」

 レイムはアリスを気にする様子もなくヨーカンとお茶を頬張る。

魔理沙「お前はほんと何時も通りだよな~。じゃあ、私も飲もう。ズ・・・うん、普通だな。あむ、ポリポリ、甘い」

 マリサもコンペートーとミルクティーを飲む。

ドーラ「それじゃあ、私も。ズズ・・・!!」

 頼んだ『ふぇありぃ珈琲』を口に含む。見た目はカフェオレだったが・・・なんだこれは。

ドーラ「う・・・あ、あま」

 ものすごく甘い。これ、どれだけ砂糖と牛乳が入ってるんだ?珈琲は臭いが微妙にするだけだぞ?珈琲って言って良いのか?

慧音「う、うぐ・・・」

 ケーネ先生が頼んだ『ふぇありぃ紅茶』も同じような味だったようだ。すごい顔してるな、先生。

慧音「こ、これを客に出すというのか・・・食べ物を粗末にして!店長に話をしてくる!!」

(スタスタスタ・・・)

 ケーネ先生は厨房の方に早足で向かう。

慧音「・・・ちょう!!・・・は・・・どうな・・・んだ!!」

 遠くから怒鳴り声が聞こえる。

魔理沙「そんななのか、それ?ズ・・・」

 マリサは私の『ふぇありぃ珈琲』を一口飲む。

魔理沙「う・・・確かに、これはダメだな。もしかして、そこではしゃいでいる妖精共が作ったんじゃないか?」

霊夢「どうだって良いのよ飲めりゃあね。ズズ・・・う、甘い」

 レイムもケーネ先生の『ふぇありぃ紅茶』を飲み、手が止まる。

魔理沙「おい、飲めりゃ良いんじゃないのかよ」

霊夢「む・・・」

魔理沙「ククク」

 レイムとマリサの掛け合い。とても仲がいいことが伺える。

ドーラ「ふたりとも仲がいいわね」

魔理沙「ん?そうか?普通だぜ」

霊夢「そりゃまあ、昔っから絡んでくるしねぇ」

ドーラ「ねぇ、私のは自分のこと話したから、あなた達の事も教えてくれないかしら?あなた達のことが気になるわ」

 これからお世話になるんだから、少しでも彼女たちの事を聞いておかないと。と思っていたが、

霊夢「えーめんどくさい」

ドーラ「え」

 断られてしまった。ど、どうしよう。

魔理沙「いいじゃないかよ、霊夢。ん?ははは、何だその顔。顔に出やすいな、ドーラは。意外だぜ」

 マリサは私の顔を見て笑う。

ドーラ「そ、そんなに出てるかしら・・・皆いろんな人から言われるんだけど・・・」

魔理沙「出てるな」

霊夢「出てるわね。茨華仙みたい。そんなに聞きたいなら話してあげるわ」

 そう言うと、レイムは自分のお茶を一口飲んで話しだす。

※●は霊夢の、☆は魔理沙の、■は慧音先生についてです。

霊夢「えーっと、そうね。

●私の名前は博麗霊夢、っていうのはもう知ってるわね。

●巫女・・・のことはアリスとかから聞かされてるのよね?」

ドーラ「ええ。幻想郷の管理を担っているってね。まだ子供なのにスゴイわね」

霊夢「あら、たしかにあんたよりも年下だけれども、ちゃんと仕事はしてるわよ?」

魔理沙「そんなこと言って、

●よくお茶を飲んでサボってるじゃ・・・あだっ!」

 レイムはマリサの頭を小突く。

霊夢「ちゃんと仕事はしてるわ。いいわね?」

ドーラ「え、ええ」

 レイムは引きつった笑顔で私に諭す。

霊夢「・・・まあ、そんなもんかしらね。私のことは」

魔理沙「おいおい、まだ他にあるだろ。それじゃつまらないぜ。ドーラ、こいつはな、

●金とお茶と食べ物が好きで、面倒事が嫌いだ、あいてぇっ!!」

 レイムはマリサの頭をまた小突く。

霊夢「余計なこと言うな!あ、ドーラは気にしないでいいからね~」

 引きつった笑顔で私に気にするなというレイム。多分ホントの事なんだろう。

●意外とわかりやすい性格なのか?

魔理沙「ったいなぁ。・・・すぐ手が出るなんて、

●やっぱり不良巫女かぁ?プクク」

霊夢「・・・はぁ。いつものことだけど、あんたも懲りないわねぇ」

 レイムは呆れた様子。

魔理沙「まあな!

☆めげないのが私だからな!」

霊夢「む・・・はいはい」

 マリサの笑顔を見たレイムは一瞬よくわからない表情をしたが、そっぽを向いた。

魔理沙「それじゃあ、私の番だな!

☆名前は霧雨魔理沙!

☆普通の魔法使いやってるぜ!」

ドーラ「普通の?」

魔理沙「普通は普通だぜ」

 一体何が普通だというのだ。

魔理沙「それから、

☆魔法の森に住んでいて、そこで魔法の研究をしているな!」

霊夢「・・・

☆まあ、生まれは人里だけどね」

ドーラ「そうなの?」

魔理沙「あ、霊夢お前!それは言うなって!」

 マリサは少し怒る。

霊夢「さっきの仕返しよ~因果応報~」

魔理沙「・・・ちぇっ、意地が悪いぜ霊夢。別に気にしなくていいからな、ドーラ」

ドーラ「わ、わかったわ」

 ちょっと気になるけどね。

魔理沙「っと、気を取り直そう。

☆好きなものは星だ!あと魔法にとにかく派手なことに・・・とにかくいっぱいだ!

☆あと、嫌いなものは・・・自由に動けないことだな。うん。まあ、そんな感じだ!」

霊夢「改めてだけど、これからあんたのお守をするからよろしく」

ドーラ「わかったわ。こちらこそよろしく」

魔理沙「よろしくな!」

 私たちは改めて、挨拶をかわす。

アリス「・・・っと、お粗末さまでした」

W妖精A「すごかった!すごかったよお姉さん!」

W妖精B「ねーねー、また来てよ!サービスするよ!」

アリス「ふふ、そうね。また来ようかしら?」

 アリスもやっと人形劇が終わったようだ。

(スタスタ)

慧音「・・・・・・」

アリス「あら、慧音先生。どこ行ってたの?」

 ケーネ先生も帰ってくる。というか、アリスは慧音先生がどこかに行ったのを気づいてなかったのか?

慧音「う、うむ。ちょっとな」

 少し気まずそうに先生は席に座る。

ドーラ「どうだったの、ケーネ先生?」

慧音「この商品は妖精が味付けしたことが売りだ・・・だと」

ドーラ「ああ・・・なるほど」

慧音「この店は妖精喫茶だったな。趣旨を理解出来てなかった自分が恥ずかしい・・・あとで詫びを持ってくるとしよう」

 ケーネ先生は少し顔を赤くして言う。

霊夢「ちょっと、あんた達!もっとマシなのを作れるようになりなさいよ!」

W妖精B「きゃあ~!巫女が怒った~!」

W妖精A「逃げろ~!」

 ウェイトレスの妖精たちははしゃぎながら逃げていく。

霊夢「ったく、こんなのを飲む物好きがいるのかしら?」

 霊夢は呆れたように言う。

慧音「・・・ん?なぜ霊夢が味を知っているのだ?」

霊夢「少しだけもらったわ」

慧音「・・・他人の物を勝手にもらうのはいただけないな」

魔理沙「そうだぜ。他人の物盗ったら泥棒だぜ。ズズ・・・」

 マリサは飲みながら言う。

霊夢「あんたが言うか」

アリス「・・・勝手に私のカフェオレを飲まないでくれるかしら?」

霊夢「気をつけなさい、ドーラ。

☆魔理沙は手癖が悪いからね。目をつけられたら身の回りのものに注意することよ」

ドーラ「マリサ・・・あなた・・・」

魔理沙「人聞きが悪いぜ!私だって相手は選んでるよ!」

アリス「結局盗んでることには変わりないじゃない。そういや、この前の地底の異変の時に貸した人形一人を返しなさいよね」

魔理沙「返すぜ。死んだら」

 マリサは胸を張って言う。胸を張って言うことか?

霊夢「こんなやつだから、余計に注意よ」

 レイムは私に念を押すように言う。

ドーラ「わかったわ」

 私は頷く。

魔理沙「ていうか、いつも言ってるけど、お前ら妖怪の寿命に比べれば私の寿命なんてちっぽけなものなんだぜ?そのちっぽけな期間くらい貸してくれたって良いじゃないか!」

アリス「関係ないわよ!だいたい、あなたはいつもいつもあつかまし・・・うだうだ」

魔理沙「それを言うならお前だって・・・グダグダ」

 マリサとアリスは口論を始める。

ドーラ「ちょっと、ふたりとも落ち着いて・・・」

マリアリ「「ドーラは黙ってて!」」

ドーラ「う・・・は、はい」

 止めに入るも気圧されてしまった。

霊夢「あーまたいつものが始まったわね」

ドーラ「止めなくてもいいの?」

慧音「大丈夫だ。あの二人はだいたいいつもああだ。私も最初は止めようとしたものだが、特にトラブルになる様子も無いようだ」

霊夢「そうそう。ほっときゃそのうち収まるわ」

 先生とレイムは特に焦る様子もない。なら大丈夫なのか・・・?

慧音「そういえば、私が抗議をしに行っている間、何を話していたんだ?」

 先生は私に聞く。

ドーラ「魔理沙と霊夢に自己紹介してもらってたわ」

慧音「おお、そうなのか」

ドーラ「そういえば、先生の事もちゃんと話を聞いていなかったわね。聞かせてくれるかしら?」

 昨日は忙しくて詳しく聞けなかったからな。ケーネ先生にも世話になるんだ。聞いておかねば。

慧音「そういやそうだったな。昨日はいろいろ忙しくて話す間もなかったしな。

■私は上白沢慧音。

■お前も知っての通り、ワーハクタクだ。

■普段は寺子屋の教師をやり、満月の時には歴史の整理をしている。あと、人里の治安維持もだな」

ドーラ「好きなものとか嫌いなものとかは?」

慧音「ん?そこまで言わねばならぬか?」

霊夢「私達も言ったのよ。先生だけが言わないなんてずるいわよ。教え子にはできるだけ詳しく話せっていうんじゃないの~?」

慧音「む・・・それもそうだな。

■好きなものはそうだな・・・教え子たちに教えることかな?

■嫌いなものはもちろん、教育に悪いものだな」

ドーラ「ふむふむ」

霊夢「・・・なーんか普通ね。もっと無いの?」

慧音「い、いや。なにもないぞ」

 ・・・ん?今ちょっと言葉が詰まった?

霊夢「なーんか思い当たる感じがある見たいね。隠したいことといえば・・・想い人とか?」

慧音「!!」

霊夢「あれ?なんだ、図星だったの先生?」

 レイムはニヤニヤしながらケーネ先生に聞く。

魔理沙「ん?なんだ?先生の好きな人?」

アリス「私も気になるわね。誰かしら?」

慧音「お、お前たちは口論してればいいんだ!」

 マリサとアリスも口論をやめて先生に聞く。

ドーラ「その、そんなに重要な事じゃないし、無理して聞かなくても・・・」

慧音「そ、そうだ!ドーラが良いって言ってる・・・」

霊夢「関係ないわ~私が聞きたいのよ~」

魔理沙「あ、私も聞きたいぜ!」

アリス「私も聞きたいわね。慧音先生の想い人・・・気になるわ」

 止めようとするも、皆が聞きたがる。まあ、私も少し聞きたいのではあるが。

霊夢「さあ!観念するが良いわ!先生!」

慧音「い、いないって」

魔理沙「顔がひきつってるぜ~!」

慧音「ほんとにいないからな。こ、この話は終わりに・・・」

アリス「ふふふ、いつもなら見ない表情よ。諦めて話してしまえば~?」

慧音「う、うう~・・・!」

(ブワッ)

一同『!?』

 ケーネ先生の目から涙があふれる。

慧音「じ、じがだ・・・無いじゃないかっ・・・!私だって・・・私だってあいつには幸せになってほじいよ・・・!」

 先生が泣きながら話し始める。

ドーラ「せ、先生・・・」

慧音「だって!あいづは・・・あんだに・・・あんだに楽しそうにしで!いっづもたいくづそうだっだあいづが・・・ひぐっ」

アリス「ご、ごめんなさいもう喋らなくても・・・」

慧音「うるざいっ!!お前らが話ぜって言っだんだろう・・・!!ぐずっ・・・ああ、そうさ!好きな人はいるよ!!

■もごうだよ!!わたっ・・・わだじは妹紅のことが・・・う、うう~・・・」

 泣きながら先生は自供した。モコー・・・っていうと、覚え間違いでなければ、昨日のあの白髪の長髪の子だよね?女同士・・・そういや、軍にいた時に、女性に告白された時もあったな、おかしいことではないのか。恋愛はよくわからないと断ったら泣いて走り去っていったが。

慧音「くぞう・・・!最近やっど・・・うぐっ、意識しないでいれるようになって・・・ぎだのに・・・えぐっ、うざみすみれござん、とすごく・・・たのじそう・・・で・・・うっ」

 先生はまだしゃべる。我慢していたものが決壊してしまったようだ。

慧音「じゃばしちゃ・・・ううっ、駄目だし・・・はじめでもごう、にどもだちが・・・できだっで、でぎだっていうどに・・・ううぅ、うぅうう・・・!!」

 机に突っ伏して先生は涙をながす。

ドーラ「せ、先生、もう良いから・・・」

霊夢「ふーん、つまり、友人ができてすごく嬉しいけど、菫子に妹紅を取られた気がしてフクザツな気分、ってかんじね~」

 レイムは特に態度を変えず。どういう神経をしているのだ。

魔理沙「せ、センセがそんなこと思ってたなんてな・・・」

 マリサは少し申し訳無さそうにする。

アリス「せ、先生・・・」

 アリスは心配している。

慧音「うううぅぅぅ・・・もごう・・・どうぜ、わたしのこどなんか・・・いいひどと、とじか、みで・・・ううぅうぅうぅぅ・・・!」

 ケーネ先生はこの後しばらくこの状態であった。

 

 昼が過ぎた頃。先生がなんとか立ち直って、残っていたものを皆で食べ終えた。私とレイムは魔理沙にお金を支払ってもらい、今は喫茶店の外にいる。

慧音「す、済まなかった。あのような醜態を見せてしまって・・・」

 先生は深々と頭を下げる。

アリス「ああ、先生!そんなに頭を下げないで!」

ドーラ「謝るのは私の方よ、先生・・・ほんとにごめんなさい!」

 私は頭を下げる。

慧音「いや、これは感謝の気持ちも含まれているんだ!おかげですっきりしたしな!もう一度頭を下げさせてもらう、ありがとう!」

 先生はもう一度頭を下げる。

霊夢「そうよ~先生。妹紅はきっと菫子のことを友人としか思ってないわよ。元気出しなさい」

魔理沙「そうだぜ、センセ。チャンスなんていくらでもあるんだ。あいつの場合特にな」

慧音「うぅ、その言葉だけでもありがたい・・・少しだけ元気が出るよ」

 滲んでいた涙を拭きながら先生は礼を言う。

慧音「・・・さて、気を取り直すとしよう!これからどうするかだ!」

 先生は顔を上げて声を張る。

ドーラ「これから?」

慧音「そうだ!ドーラ、お前は外来人とはいえ、事情があって幻想郷から今すぐ外にだすのは難しい。だから、この里でしばらく生活することになるのだが、いつまでも寺子屋にいさせるわけにもいかぬのでな」

ドーラ「そうね。ずっと世話になるつもりはないし、できれば自分の部屋がほしい」

慧音「それと、最低限の生活費は自分で稼がねばならない。食事や風呂くらいは私が面倒を見てやれるが、それ意外は仕事をして稼いでおいたほうが良いだろう」

ドーラ「働かざるもの食うべからず。確かにそうだわ。じゃあ、今から?」

慧音「いいや、今日から数日は寺子屋で過ごせ。幻想郷について私がしっかりと教えよう。その間に仕事も探すと良い」

ドーラ「助かるわ。ありがとう、ケーネ先生」

アリス「何かあったら私にも言ってね。いつでもは無理だけど、私も少しサポートするわ」

ドーラ「何から何までごめんなさい、アリス。よろしくね」

霊夢「それと、里の外に用事があるなら私か魔理沙、もしくはアリスとか先生見たいに信頼できる人に事前に付き添いを頼んどきなさいよ。あなたは無力な人間。一人で里の外に出たら、即『エサ』よ」

魔理沙「見かけたらでも良いぜ。暇ならどこにでもひとっ飛びで連れて行ってやる!」

ドーラ「わ、わかった。肝に銘じておく」

 皆が私に良くしてくれる。本当にありがたいことだ。

慧音「それじゃあ、長くなってしまって申し訳なかった!今日はここで解散としよう。ドーラは私についてこい、里を案内しよう」

 先生の言葉で皆は喫茶店を離れて各々の生活に戻っていった。私はそのまま先生について行き、里の施設を見て回った。

慧音「ここはこうで、あそこはあれがある。あと・・・」

 その後、テラコヤに帰り食事と風呂を済ませた私は、先生から幻想郷についてを教えてもらった。

慧音「今日の授業はこれで終わりだ。うちの生徒もこれくらい熱心に聞いてくれればな・・・」

 まだまだ知るべきことは多そうだが、とりあえず、基本的な事は大分わかった・・・はず。これからは幻想郷でいろんな事ができる!

 そんなことを思いながら私は今日を終えるのであった。

 

第7.5話・完




拙い文でしたが、いかがでしたでしょうか?読む人がいなかったとしても、いかがでしたでしょうか?
私がこの小説を書いている目的の大きなものは、
「自分の中の幻想郷を表現する」
なので、こういう回もちょびちょび入れていきたいと思っています。
それではまた次回~
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