影のサーヴァントがハルケギニアを行く(凍結)   作:鹿島鹿

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始まりはいつだって能力選びから:特異点A

 うん。

 一面真っ白な空間が視界を埋め尽くした時、自分の死を確信した。

 何が、というわけではないがそう感じたのだ。

 思えば生まれてきて25年。それなりに仲の良い友達はいたし、趣味であるゲーム、アニメ、漫画を毎回出る新作を追っかけるように楽しむ人生だった。

 生きがいといえるものを持たなかったのは少し寂しいかもしれないが。

 

 「ああ…、悪くない人生だった」

 

 ブフー!呟いた後に謎の擬音。色々雰囲気ぶち壊しである。

 

 「アンタすごい浸ってるけど死因バナナの皮だから!何満足しちゃってんの!?いまどき漫画でも見ねーよバナナの皮でころんだ上死ぬ奴!オマエのさっき呟いて許されるセリフは、『そんなバナナ!?』だけですからー!」

 

 「うわああああすげえムカつくが今思い出したあああ。俺はなんてマヌケな死に方をぉぉぉぉ!」

 

 目の前に唐突に現れたのはガラの悪そうな少女だった。銀髪に褐色肌で眼鏡とか際どい服とか、リアルであったらちょっとチラチラ見ちゃうレヴェルのカワイコちゃん(死語)である。

 

 「実はさ、アンタが死んだ原因ってあたしが食べてたバナナの皮なんだよね」

 

 「(無言の悲鳴)」

 

 あんまりである。まだ見たいアニメや漫画、そしてこれから出るであろう未知の作品を思うと涙が出た。

 

 「あー、泣かないの。私ってば一応神だしお詫びに転生させてあげるからさ」

 

 もしや、それは俗にいう神様転生なのでは!?

 

 「そーそー。それ。あ、特典もあるよー」

 

 「好きに選んでいいの!?どこの世界行けるの!?能力の制限は!?原作キャラに介入し

たら世界崩壊しない!?」

 

 「うわ…一気に勢いづいたわね。行く世界はランダム。原作への介入でいきなり空間歪むとかはないから安心なさい。能力は好きなのイイよー」

 

 「俺の時代キタ――――!!やっぱ型月の能力だよな!王の財宝か、いや直死の魔眼か、悩む。悩むぞぉ!」

 

 そして妄想力を爆発させて小一時間。

 なんとかサーヴァントの能力か宝具かに絞り結論は出なかった。

 横でイライラし始めるカワイコチャン(神)

 

 「ちょっとまってくれ!どのサーヴァントの能力やら宝具にするやら全然決まってないんだ!」

 

 「じゃあ全部でいいでしょもう」

 

 「…ひょ?」

 

 全部?コレだからニワカは。スキルとかで矛盾が生じちゃったりロマンがなくなるでしょ。

 

 「シャドウサーヴァント。これがアンタの能力ね。」

 

 む?なんか勝手に決まっていく雰囲気。しかしそそられる響きでもある。

 

 「この能力はアンタが知ってるサーヴァントと同じ能力、宝具を発動中得られる。ただし、一体のサーヴァントからだけね。次切り替わるには5分のクールタイムがいるわ」

 

 どう?玄人っぽいでしょう?とドヤ顔で笑う少女。悔しいが中々好みな能力だ。

 

 「能力も決まったしさっさといってらっしゃい。あ、年齢はは5年ほど若返らせてあげるわ。おっさん入った主人公って私好きじゃないし。」

 

 至れり尽くせりな気がしてきた。色々サンキュー。神様。ていうか主人公なのか俺?

 感謝の気持ちで頭を下げると足元に丸い穴。

 重力を感じると意識と体はどこまでも奈落へと落ちていった。

 

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