【完結】ヤンデレの女の子に死ぬほど愛されて眠れない兄になって死にたくなってきた 作:食卓塩准将
本編は全話書き終わり次第、週1で投稿予定です。
2月後半から更新の予定ですが、進捗はTwitterまたは活動報告に書いていきます。
それでは、いつか本編でお会いしましょう。
プロローグ。あるいは、凄惨なる蛇足
ヤンデレの女の子に死ぬほど愛されて眠れないお兄ちゃんの物語は、ここまでもの凄く頑張ってきたと思う。
周りにいるのは、面白くないとすぐキレて暴力に走ったり、心を病んじゃう頭のおかしい女の子ばーっかりって環境で、誰も死なせないまま12月を迎えるだなんて、普通はできない。
さすがに途中、何回か渚ちゃんや綾瀬ちゃんと危なくなったときもあったみたいだけど、それでも頑張って逃げないで、最後はみーんな納得した状態で、綾瀬ちゃんとは恋人にまでなっちゃった。
だれが見たってHAPPYEND。
ヤンデレの女の子にビクビクする物語は気が付いたら終わって、あとは幼なじみカップルが結婚するまでのラブコメが続くだけ。
もう、この先、2人の未来を脅かすものなんて何もない、そんな終わり方だったでしょ?
──だから、もうこれで良いんじゃないかな?
“この先”なんて求める必要、あると思う?
幼なじみの2人は『みんな』に祝福されて、それからも幸せに過ごしました。
そんな、昔話でもよくある幸せな終わり方のまま、終わらせた方がいいじゃない。
──だから、これは提案。
ここでもう、さよならにしちゃお?
読みかけの本を棚に戻すように、『この物語は終わったんだ』と思う事にしよう?
そうすれば、もう何も見なくて済むから。
この先、何があったとしても、アナタには何の関係もない事だから。
何も無かったようにページを閉じて、また新しい物語を見に行こう。
もし名残惜しいと思ったら、はじめから見直すのも良いと思うけど……それでも、やっぱり最後はここでお別れ。
大丈夫、ここまでの物語が無くなる事なんてないから、アナタは安心して居なくなって良いの。
それが良いの。それが一番幸せなの。
ぜんぜん、難しい事なんて言ってないでしょ?
だから……じゃあね。
ほんのちょっとだけの時間だったけど、さようなら。
あーあ。
ここまで来ちゃったんだ。
せっかく忠告したのに。
せっかく、見ないで済むようにしてあげたのに。
分かった。
それじゃあ、言う通りにしてあげる。望み通りにしてあげる。
もう戻ろうと思っても、今更遅いから。
この先、どんな事が起きても、それは全部“続き”を求めたアナタのせい。
だから、きっとあたしを恨まないでね?
それは全部、アナタが悪いんだから。
──ふふ、ふふふ。あはは!
なーんてごめんね、本当は感謝してるの!
ありがとう、ここまで来てくれて!
アナタが求めてくれたから、あたしはあたしが思うように……好きなようにできるんだもん!
もう本当に……感謝感激、感動です。
アナタが見たいと思ってくれるんだもん、あたし頑張っちゃいます!
だから、ちゃんと見ていてね? どんなに大変な事があっても、目を逸らさずにあたしを応援してね?
アナタが望むままに、あたし、自分の恋を叶えるための障害は、何だろうと誰だろうと、ぜーんぶ、排除しちゃうから!
妹も、親友も、幼なじみも同級生も、何もかも関係ない!
正ヒロインがいつだって最後に勝つなんてルールが存在するのは、フィクションだけのお話だもん!
それじゃあ、そこで見ていてね?
これから始まるのは、ヤンデレの女の子に死ぬほど愛されて眠れないお兄ちゃんの物語じゃなくて──
──そんなお兄ちゃんの心を射止めちゃう、可愛い女の子の恋物語なんだから!
ふふ、ふふふ!
あははは!
あははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははは!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
やっと会えたね、お兄ちゃん