神父と聖杯戦争   作:サイトー

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―――注意・ネタばれ要素満載設定紹介―――
 人物設定はこの作品のネタばれです。ゲームなら攻略本を先に読んでしまう位のネタばれ要素が存在します。この人物設定は読まない方が良いかもしれません。
 そして厨二病の権化な設定紹介です。作者の妄想の塊です。厨二に吐き気を感じる人は気を付けてください。
 そして、第二部・第六次聖杯戦争の登場人物の設定もありますので、第一部だけのネタばれではありません。もしネタバレなく読む場合は、最新話まで読んだ後にして頂けると助かります。


設定資料集
人物設定


――登場人物の紹介――

 

◆第一部◆

 

名前:言峰士人(コトミネジンド)

身長:179cm

体重:67kg

血液型:AB型

誕生日:不明 

イメージカラー:灰色

特技:鍛錬、策略、モノ造り全般(料理から武装の開発と創作の幅は広い)

好きな物:業

苦手な物:手加減

天敵:正義の味方

魔術属性:物

魔術特性:物

 

―――解説―――

 

 魔術師兼代行者の神父。

 第四次聖杯戦争により孤児となったところを言峰綺礼とギルガメッシュに拾われる。その後、冬木教会で育てられた。魔術師・遠坂凛の弟子となり魔術を学び、代行者・言峰綺礼に秘蹟を教えられ修練を重ねた言峰士人は第四次聖杯戦争から十年後の第五次聖杯戦争の監督役となる。何か物事を極める事が得意で、極めることに極まった才能を持つ。その為か重度の鍛錬狂であり、何事も自然と限界の境界を超えて究極地点を目指してしまう趣味がある。

 悪性衝動となった呪詛を宿した生き残り。元は一般人だが聖杯の泥によって神秘に覚醒し、極大の呪いによって悪魔的に強靭な魔術回路を具現させた。衛宮士郎と同じく固有結界を持つのは、素質が生まれながらにあったのと、悪魔の呪詛を完全に自分の概念に取り込んでしまったため。その固有結界が投影による物体創造なのも、聖杯の願望器の破片を取り込んだ影響であり、所有者が望んだ存在(モノ)を与える願望器としての側面が心象風景に刻まれたから。

 後天的異常者で“業”を娯楽とする精神破綻者。ヒトの業を愉しむ悪性衝動を持ち、人そのものを愉悦とする存在。生き方や在り方、ヒトの生き様と言った業を悦楽とする人格障害を持つ。この衝動は言峰綺礼のような破綻した価値観ではなく、七夜の殺人衝動に近いモノである。ヒトの死に様より生き様の方が見ていて飽きないが死に様も嫌いではない。人を娯楽用品扱いする士人の衝動の正体は言峰士人そのものになったアンリ・マユの呪いであり、士人の中にある呪いは聖杯の中にいるアンリ・マユとは別モノとなっている。また、人を殺しているヒトに憎悪(それらしき衝動、本来なら人が抱くべきモノでは無い)するのも黒泥による衝動であり、発生した憎悪を晴らすのもまた一興。自分以外のニンゲンが殺人行為を行っているのを見ていると、ソレを殺すことに愉悦を感じるほど憎悪を抱く。殺さない人物もいるが、それは抱いた憎悪以上にその人が娯楽となる場合のみ。ギルガメッシュの正義に近い、自分以外の人間が殺人を犯すことを良しとしないモノだが、彼にとっては憎悪も悦楽も等価。結局どちらも娯楽として愉悦の衝動に浸り楽しめるのが言峰士人。

 士人自体は空っぽで心の中には何もなく、既に感情が死んでしまい何かに価値を感じる事はない。全てが等価に無価値な士人は何かを幸福や不幸に感じることもなく、精神的な喜びや苦しみも存在しない。原因は聖杯の泥であり、人類史上最悪の恐怖、罪悪、絶望、等々の“負”そのもので精神が崩壊して心が砕けた為。よって殻の精神がそもそも外から影響を受けることがなく、空の心は外側からの干渉で変質しない。表情は全て作為的なモノ、無表情が本性。感情は今までの人生経験で計算し、表情を偽装する。

 士人は“言峰士人”になる前に持っていた価値観は全て失くしおり、火事の災害で完全に生まれ変わっている。火事の時に襲われた聖杯の黒泥により記憶を失い自分の名前も消失。「士人」と言う名も綺礼が被害者名簿を見て、直感で思いついた名前。彼は火事以前の自分についての記憶を完全に失くしてしまった。実は士郎の双子の兄。衛宮士郎と言峰士人は贋作者兄弟、つまりはフェイカーブラザーズだったり。しかし、士郎と士人の二人はその事実を綺麗さっぱり忘れている。衛宮士郎を精密機械と例えるなら、言峰士人は泥人形。感情がないのに絶対的と言える程、己の意志で生きている人間もどき。

 一人称は「俺」、素だと「私」。良くも悪くも表情が良く映える男であり、物凄く綺麗な笑顔を浮かべるが怖い顔をした時は壮絶と呼べる程まで異様に怖い。肌の色が白く(簡単に言うと、士人の肌の色はセイバーオルタな感じになります)、眼の色は奈落の様な闇染みた黒眼。髪色は灰色が混じったような黒色。髪型はヤング綺礼と殆ど同じで、さらにそれを天パっぽくボサボサにした感じ。双子のため顔は衛宮士郎に似ているが、どちらかというとアーチャー(エミヤシロウ)に似ている。士人は小学生まで士郎そっくりだったが、中学生になると段々顔立ちが違っていった。

 第六次における身長体重はアヴェンジャーを参照に。また、第一部と第二部でキャラ設定に余り差異は出ていない。

 

◆◆◆

 

名前:遠坂凛(トオサカリン)

身長:161cm

体重:49kg

スリーサイズ:79/57/81

血液型:O型

誕生日:2月4日 

イメージカラー:赤色

特技:あらゆることをそつなくこなしながら、ここ一番では必ず失敗する

好きな物:宝石磨き

苦手な物:電子機器全般、突発的なアクシデント

天敵:言峰一族

 

――解説――

 

 言峰士人の師匠。

 原作と少々乖離している人物で天敵が言峰一族。後、原作の遠坂凛に比べると「あかいあくま」の脅威度が桁外れに高い。魔術師としての腕前は原作を上回っており、戦闘能力は格段に上がっている。理由は簡単で、隣に同年代の完璧な弟子がいたため。横を向けばリアルで修羅な鍛錬をしている士人おり、弟子に負けるのが師匠として癪だったので勢いの余り、まったく加減無く鍛えてしまった。

 色々あってツッコミで言峰士人にガンドをぶっ放すが、士人は蝿が止まった程度にしか感じないので遠慮をしないで殺す勢いで呪っている。そのせいかガンドの腕前も上がっているが、本人はなんかそんな上達の仕方が嫌だと思っている。鍛えている為か、視た目の女性らしさが上がっている。拳法家としては言峰士人の格上だが、殺人技術と言う観点から見ると遠坂凛は言峰士人より遥かに劣っている。弟子と二人で戦闘魔術や魔術戦術も構築していたので、格闘戦もそうだが魔術戦闘も原作より凶悪になってきている。士人の影響で魔術師らしさが高くなっているが、お姉さんもやっていたのでお人好し度も上がっている。

 等々、変わっている箇所有り。悪魔みたいなのが弟子になっている為か、原作よりも精神的に成長しているけど少し荒んだ人間になった感じです。

 言峰士人のことは、生意気な弟分で完璧な弟子、と思っている。綺礼に似てしまった事が残念でならない。言峰士人のことは、士人、バカ弟子、似非神父二世、と呼んでいます。言峰士人が尊敬する人と問われたとしたら遠坂凛の名を上げるくらいには慕われている。彼からは、尊敬できるがからかい甲斐もある師匠、といった感じに思われている。言ってしまえば、衛宮士郎と藤村大河の関係に近い雰囲気があります。もっともその場合、藤村役が主人公で士郎役が凛になりますけど。

 第二部と第一部では差は余りありませんが、うっかりを結構克服しています。また、少しだけスタイルが良くなり、身長と体重に変化が出ています。

 

◆◆◆

 

名前:アヴェンジャー

身長:186cm

体重:76kg

属性:混沌・中庸

イメージカラー:灰色

特技:モノ作り全般、策略

好きな物:業

苦手な物:手加減

天敵:エミヤ

 

―――解説―――

 

 死灰の英霊。言峰士人の“究極”。

 言峰士人が至る存在であり、第五次聖杯戦争の過去においては可能性の一つ。英霊としては守護者に分類される。彼の座はエミヤシロウの座と同じで人の世を守る為、永遠に人類または霊長に仇成すモノを殺し続ける因果を持つことになる。英霊コトミネは、言峰士人が守護者になる世界のコトミネの集合体であり、その魂は『コトミネジンド』として完成されている。

 守護者化した原因は不特定多数存在する。その一つが霊媒体質に苦しむ言峰綺礼の実の娘であるカレン・オルテンシアの命を救う力を得るためであり、彼の死因も世界の数だけ様々。言峰士人は生前では無く、死後に永遠の時と無限に存在する平行世界を実感して彼は人格の形成を完了させてしまった。救われることも苦しむことも、そもそも自分には心に中身が必要無いのだと理解し、感情が無いことを無心で実感する。彼は実感が抱けない事を実感する事で、己の“生と死”を実感した。守護者と化し自分を悟ることで漸く答えを手に入れることが出来たのである。

 後天的ではあるが、生まれながらにして仙人のようなカタチを持つ神父。明鏡止水を能力としてでは無く、人が呼吸して生きるのと同じ様に生態として持っている魔人。生きた末に己を極め切り魔境に至った魔道。無欲で在る故に欠片も満たされる事が無く、彼は飢えさえも心から失ってなっている。身の内に有るモノは魂に焼き付いた呪いのみ。身の内に葛藤が無く、生前の様に葛藤が無いことに葛藤する事も無くなった。本物の無感情であり、呪いに植え付けられた衝動によって精密機械とも言えない泥人形。そしてなによりも、英雄でも怪物でも人間でも倒せない、この世の全てを敵にして勝利する空っぽの人型。例外として泥人形の神父を倒せる存在は全世界に二人、全てを背負う最古の英雄王か、守護者と成り果てた本物の正義の味方のみ。

 アヴェンジャーが聖杯戦争に参加したのは、純粋に世界を愉しむため。人々が様々なモノを賭けて命を奪い合う戦場では、業の元となる苛烈な生き様や歪んだ在り方を堪能出来る。人のカタチを見て楽しみ、自分の娯楽に浸る。戦いもその一つで、本気の殺し合いもまた良しとしているし、殺したり殺されたり、世界が滅ぼされたり救われたりするのもまた、それはそれで良い事。故に、自分が生きていた時代に召喚された事自体が彼にとっての幸運である。

 宝具は“空白の創造(エンプティクリエイション)”。概念武装化した呪いの投影である“悪罪(ツイン)”が一番の得物。持つ技術は全てが自己の究極に至っている。そして長い長い、それこそ永遠の殺戮で元々持っていた心眼のスキルはその経験を生かし完成されている。言峰士人の心眼ランクの限界がAなのは変わらないが、これも言峰士人では守護者化したコトミネジンドには勝てない理由の一つ。幸運に恵まれた神父で非常に運気が高く、戦場で生きてきた英雄として悪運が高い。適性のあるクラスはセイバー、アーチャー、キャスター、アサシンの四つ。しかし、個人的な生前の因縁からアヴェンジャーのクラスにも適性があり、こと冬木の聖杯戦争においてはアヴェンジャーのクラスで現界する確立がかなり高くなる。万能と言える程オールマイティだが特出した戦闘技能を持たず、エミヤの様に超長遠距離攻撃の才能に特化している訳ではない。

 『死灰(シカイ)』と呼ばれる由縁は、死者を灰にするエクスキューターに因んでいる。また敵がどんな存在でどれ程の規模を持っていようとも、あらゆる戦場で生き残り、そして殺し合いに勝ち続けてきた為。灰の魂を持ち、そして見た目も灰色の髪と白い肌と黒装束から『灰被りの悪夢』と呼ばれる事も。天パが酷くなり、第五次聖杯戦争当時よりボサボサ感が増えている。

 召喚の触媒になったのは、綺礼の葬式の時にバゼットから貰ったルーンのお守り。このルーンはバゼットが直接魔術刻印を刻んだ物。綺礼が死んでしまった心理的要因も有って、クー・フーリンの触媒が有りながらもアヴェンジャーがサーヴァントとして優先的に召喚された。

 

◆◆◆

 

―――第二部―――

 

◆◆◆

 

名前:アルトリア・ペンドラゴン(アーサー王)

身長:154cm

体重:42kg

属性:秩序・善

スリーサイズ:73/53/76

イメージカラー:青色

特技:器械運動、勝負事・密かに賭け事全般に強い

好きな物:きめ細かい作戦、正当な行為、きめ細かい食事、ぬいぐるみ

苦手な物:大雑把な作戦、卑怯な行為、大雑把な食事、装飾過多、蛸

天敵:ギルガメッシュ、いたずら好きの老人

 

―――解説―――

 

 騎士王。最優のクラスであるセイバーのサーヴァント。

 第六次聖杯戦争において衛宮士郎に召喚され、主従の契約を結ぶ。彼女は英霊の座に招かれた後のアルトリアである為、生前に参戦した聖杯戦争の仲間であった衛宮士郎と遠坂凛の事を覚えている。また、英霊の座に招かれる前に衛宮士郎から聖剣の鞘を返還された過去があるので、英霊化した今では宝具・アヴァロンを召喚された当初から所持。死後の彼女は英霊化しているので霊体化が可能となった。

 本編のセイバーと違うところは、英霊の座に自分の本体が存在しているので死後の記録を所持している点。死後の記録では無く生前の記憶として、衛宮切嗣とアイリスフィール、そして衛宮士郎と遠坂凛の事を覚えている。守護者の契約では無く偉業により座へ昇った正英霊のため、エミヤシロウの様に記憶が摩耗している訳でもない。しかし、本来の自分が生きていた世界から見て未来世界であった聖杯戦争の時間軸は歴史が分岐しており、自分が体験した出来事が平行世界の記録として複数所持している事となる。よって、聖杯戦争のことを細部まで詳しく覚えている訳では無い。座に召された事で人生を完結させ、その死後に王としてのカタチを完成させている。完璧な騎士王となり、最優のサーヴァントとして衛宮士郎に召喚された。

 未来世界における過去の記憶は錯綜しており、色々と所有している模様。伝承として持つ生前の記憶に変化はないが、世界との契約によって参加した聖杯戦争での記録はかなり大量に所持しているとか。中には、第五次聖杯戦争の後も現世に残り、遠坂凛と衛宮士郎と共に生活を送った記録もあるらしい。

 ……だが、第一部の第五次聖杯戦争を召喚された世界軸におけるアルトリア・ペンドラゴンはその後、どうやらこの平行世界とは違う第六次聖杯戦争で優勝した事が原因で英霊化してしまったらしい。

 

◆◆◆

 

名前:衛宮 士郎

身長:187cm 

体重:78kg

イメージカラー:赤色

特技:ガラクタいじり、家事全般

好きな物:家庭料理、武器改造

苦手な物:神父の説教、昆布茶

天敵:言峰一族

 

――解説――

 

 正義の味方を志す錬鉄の魔術使い。

 遠坂凛の弟子として倫敦にある魔術協会最高学府の時計塔に入学。そこで魔術師としての腕を約二年間磨き続ける。遠坂凛と言峰士人によって不遇な環境で生活を続け、性格が色々と凄まじく悪い方へ捻くれて巻くってしまった。彼の人格は守護者化した時の自分に段々と近付いてる。また、姿は第五次聖杯戦争におけるアーチャーに近く、白髪に褐色肌。髪型は第五次聖杯戦争の時と余り変化は無く、基本的にアーチャーのように逆立っていないが、最近は髪質が変わってアーチャーのような髪型にし易いらしい。戦闘時は赤い外套の魔術礼装を纏い、専用の皮鎧を着込んでいる。この皮鎧は普段着のように使えなくも無いので、外套だけ折り畳んで持ち歩いている。

 理想の為だけに強くなる。その為に一年間、言峰士人から戦闘、戦術、戦法を習っていた。遠坂凛からも魔術戦闘における心得や、戦闘における魔術師として技能を教わっている。士人からは時計塔に入学するまでの間で、これは聖杯戦争監督役放棄に対する代償して、士人は士郎を鍛え上げた。二人からの教育はスパルタなんて領域では無く、心身魔改造作業とも言うべき拷問地獄であった。毎日発狂するまで続けられ、彼がそれでも正常稼働して生きていられるのは、アンリ・マユの黒い呪泥を真っ向から撥ね返せる精神力を持っていたから。と、言うか、アンリ・マユの呪いに討ち勝てるレベルの魂の強さを持たないと耐えられない修練など、半人前魔術師にして良い事ではない。しかし残念かな、衛宮士郎はそんな事は知らないので、正義の味方になる為に耐えるしかなかった。

 時計塔を突然飛び出た理由は、エミヤシロウにしか助けられない人間が存在するため。正確にいえば、衛宮士郎が活動しなくては、アーチャーたるエミヤが生前に救った命が消えてしまう事に気が付いた。つまり、自分の手であれば確実に救える命が存在している事に他ならない。これは神父にも諭されていた事柄でもあり、凛も理解していたので彼に着いて行った。また、理想を実戦するための力がそれなりに備えられたと、自分で自分を判断したのも理由である。

 アラヤとの契約は、どうやっても契約しなければ救えない状況に追い込まれた為。救える命を見捨てる判断を出来ず、衛宮士郎が衛宮士郎故に契約せざる負えなくなった。遠坂凛の協力があろうとも、あれは英霊エミヤでなければ救えない事態であったらしい。ある程度の人数は見殺しにして救える数だけ救っておけば契約する必要は皆無であったが、全員を救うには契約が必須であった。

 

◆◆◆

 

名前:アヴェンジャー(第六次)

身長:169cm

体重:57kg

属性:混沌・中庸

イメージカラー:青色

特技:人殺し、暗殺

好きな物:刃物、殺し合い

苦手な物:梅サンド、投影魔術

天敵:正義の味方、外道神父

 

――解説――

 

 殺人貴。本名を遠野志貴、旧名を七夜志貴。

 朱い包帯を両目に巻く黒装束の暗殺者。生前は真祖の姫君、アルクェイド・ブリュンスタッドを千年城で守護をしていた。姫君の騎士になる前、二十七祖であるネロ・カオス、ロア、タタリを消滅させた実績を持つ正真正銘の死神。エミヤシロウやコトミネジンドと同じで霊長の守護者と化した殺人貴の集合体。聖杯への望みは受肉で、現世に戻り家族や友人に会ってみたいと思ったから。と言うのは偽りでもあるが嘘ではない。より正確に言えば、生前の不始末をしっかりと片付けようとしている。

 この作品である「神父と聖杯戦争」の殺人貴の月姫本編は、漫画版の月姫の様に進行していくがアルクェイドは三咲町に残る。その後のタタリでシオンと共闘しゼェピアを完全に殺害する。そのタタリでは自分の分身である七夜志貴とも戦っていたりもするが、この作品では弓塚さつきは生きたまま死徒として町を脱出しているのでタタリ化はしていない。で、タタリの後の数ヶ月後にアルクェイドは限界を感じ千年城に戻って行き、志貴もそれに同行していった。この時、限界間際の直死の魔眼で苦しんでいた志貴だったが、シエルからの選別として特性の魔眼殺しを貰う。真祖の守り手となったその後、彼が訪れた腑海林にて言峰士人と初めて会う事となった。

 「神父と聖杯戦争」の殺人貴は士郎、士人、凛のFate組より二、三歳年上。この世界の彼は第六次聖杯戦争の時点で死亡しており、月姫2の予定である“アルズベリの戦い”も終わりを迎えている。アラヤと契約した理由は、とある策謀により覚醒し、本物の魔王と化したアルクェイドを救うため。霊長に仇成す朱い月ですらなくなった怪物を殺す事を条件に、霊長の守り手としての能力を得て“月殺し”を行った。元の人格に戻ったアルクェイドと共に没し(正確に言えば、アルクェイドは死んではいないとか)、死後は守護者として多くの人間を殺し続けることになる。よって、基本的にアヴェンジャーとして召喚された殺人貴を見た第六次聖杯戦争のマスターたちは、有り得ない筈の幽霊を見た様な表情を浮かべる事となる。

 殺人貴の宝具は、宝具化した彼の淨眼である『直死の魔眼』。彼は人間ではなく昇華され英霊と化している為、直死の眼の力を持つ淨眼の超能力も、その性能が生前より遥かに高くなっている。宝具では無いが七つ夜は英霊の武器と化し、概念武装の特性を得ている。

 

◆◆◆

 

名前:美綴 綾子(第六次)

身長:165cm

体重:53kg

スリーサイズ:87/58/83

イメージカラー:オレンジ色

特技:武芸全般、精神修行

好きなもの:テレビゲーム全般、面白味の有る出来事

苦手なもの:碁、将棋

天敵:藤村大河

魔術属性:門

魔術特性:干渉

 

―――解説―――

 

 超能力者兼魔術師。異能者。巻き込まれ体質。

 魔術師となり裏側に転職。お宝や武器の収集強奪を良くしているので『盗賊』と呼ばれることも。または『死の行商人』など。神秘を身に修め魑魅魍魎溢れる世界を独りで旅をする力を得たので、魔術や人間社会の裏表関係なく旅をする事に決めた。かなり無軌道な旅路で、紛争や魔術師や死徒などの争いがあると気侭に戦いへと赴く。左顔に戦場で刻まれた刀傷が有り、左目を通る様に真っ直ぐな縦線で傷が刻まれている。この傷は殺人貴に付けられた刀傷で“死の線”で傷つけられてたモノ。失くした片眼の代わりに不思議なオレンジ色の光彩を放つ義眼を入れており、今はまだ扱い切れない“偽りの左眼”を隠す為、彼女は非戦闘時には眼帯を付けている。髪型は第五次の時よりも少し長いセミロングで、色合いに変化は無い。また、戦闘服として、赤焦げたオレンジ色に見える黒っぽい赤茶色のオーバーコートと、鎧代わりの黒い皮服と、頑丈な黒いズボンの上から橙色のチャップスを着ている。

 良識は有るが善悪に拘りが無く、周りがどんな環境だろうと精神が揺れる事が無くなってしまっている。目の前の現実を“有りの儘”に受け入れられ、要は常に己にとって“普通”で在り続けられる合理主義者。魔術を学び戦場で戦いを続けている内に命懸けの戦いが好きになってしまい、基本自分の心を満たす為に戦場へ足を運ぶようになった。放っておくのが勿体無いので戦利品として敵の得物を収集している内に武器集めが趣味となり、魔術協会の執行者や聖堂教会の代行者から『盗賊』と呼ばれるようになる。物欲や金欲が強いと言うよりも、新しい武器で暴れるのが好きなタイプで新しい得物の実験を良くしている。そして、ザ・主人公と言えるまで巻き込まれ体質となっている。士人の手で聖杯戦争に巻き込まれてからは厄介事の嵐で、何処に行こうが一筋縄では解決不可能な事件や難行に挑んでいく羽目になってしまった。

 武器は何でも使いこなす女傑。一番の上手く闘える得物は薙刀だが、一番好きな武器は刀。日本刀を良く好んで使用しているのは、人を斬る感触が一番スッパリしている為。彼女の剣術は何でも有りの殺人剣術。刀剣類に目が無い刃物オタクでもあり、火器好きな重度の兵器マニア。銃火器に火力を求める浪漫主義。

 如何して唯の人間である彼女が異能を持っているかと言うと、その理由はとある神父にある。超能力とはヒトという種がヒトの普遍的無意識(阿頼耶識)から生み出した抑止力、偶発的に発現する一代限りの変異遺伝であり、その抑止の対象は霊長類として頂点に立つヒトに仇すモノたち。彼女の異能は世界を滅ぼしかねないとある英霊候補の抑止力となる為、阿頼耶識より因果律が結ばれた異能である。魔術回路も偶発的に生まれ育った冬木の霊地が、阿頼耶識により異能を携えた魂と頑強な霊体と才能豊かな肉体と言う素材に効果が出た為に発現した。つまるところ、世界安定のため霊長に捧げられた生贄である。

 人格、性格、趣味嗜好が超能力者としての特徴か、結構な社会不適合者であり、常識的な部分な思考回路を持つ厄介な存在不適合者になっている。自己進化をする事が一番好きな生き方であり、戦闘による鍛錬を好み、過度の鍛錬による行き過ぎた修練で日々を過ごすのが日常。精神が一般から逸脱してしまったのは、超能力者としての自分自身を、言峰士人にその事実を自分で認識したからであり、それから動いてはならない歯車が回り出した。

 

◆◆◆

 

名前:アーチャー(第六次)

身長:166cm

体重:54kg

属性:中立・善

スリーサイズ:88/57/83

イメージカラー:橙色

特技:武芸全般、遊戯全般

好きなもの:武器全般、馬鹿騒ぎの出来る厄介事

苦手なもの:遠回り、細かい作業

天敵:理屈が通じない天然

 

―――解説―――

 

 斬撃の魔女。抑止の化身。

 生前の行いから「盗賊」や「死の行商人」などの異名を持ち、歴史に伝承が無い唯の守護者。英雄ではない。とある神父との関わりを契機に、冥府魔導の道を歩むことに決めた一人の少女の成れの果て。何処かにある平行世界の一つ、その世界でミツヅリと言う人物がアラヤとの契約で守護者化した存在。英霊となった理由は簡単で、如何しようも無い底抜けの莫迦をぶっ飛ばす為に力が必要となったから。聖杯への望みは特に無く、好き勝手生きた前世には何の未練も無く、聖杯が取れたら受肉でもしてみようかな、と単純な欲望がある程度。だが、実際のところだと、生前では戦いを最後の最後まで生き残ってしまって人生に心残りがあり、死に場所を求めている。死んだ時に自分が死に場所を欲していた事に気が付いてしまった。その為に士人の命を狙っている。

 彼女は老年まで戦いの中で生き抜き、人生の果てに己の“武”を完成させた。魔術や薬物の副作用で長生きは出来なかったらしいが、それでも十分に満ち足りた人生であった。魔術師としては二流以下の三流。もっとも彼女は研究者タイプと言うより技術屋タイプであり実践派。魔術の研究と言う観点ではなく、魔術と言う技術を武芸の一つを鍛えるように徹底して極め尽くしている。つまり、自身の魔術自体は極限まで完成させており、戦闘に特化した魔術使いとしては一流を超えた超一流。使用する武装は選ばず、どの様な道具も器用に扱える。一番の得物は薙刀だが、一番好きな武器は日本刀で二刀流や抜刀術も鍛えられている。遠距離では主に改造した銃火器で敵を仕留めに掛るが、中距離ならば魔術行使が基本となってくる。

 精神年齢はかなり高く、魂が悟れる領域まで悟り切った年寄り臭い英霊。カラカラとした印象を与える女傑であるのだが色々と枯れており、少々胡散臭い部分も有る様に見えて根っこの部分は凄まじい正直者。縦に真っ直ぐな左目部分を通る刀傷が顔に有り、左眼には橙色の瞳をした義眼を付けている。見た目はオッドアイになっているが、本人は「これ、イタい子じゃね?」と結構気にしている。髪型は短めのポニーテールにしており、髪の毛も病的なまで白色に脱色し、肌も結構蒼白くなっている。また、赤黒い色合いをした黒外套と黒帽子を、武装化した時に着込んでいる。彼女は着てる戦闘服は自作の礼装で、昔から愛用していたオーバーコートの成れの果て。コートの下はタイトに張り付く薄い灰色の皮鎧と、濃い灰色の頑丈なズボンの上に特殊な加工をした黒いチャップスを装備。帽子には気配を抑え、印象を薄める効果もあるが、基本的には防具として機能している。

 英霊の一人であり、正確な種別は守護者であるが、本人に英雄の素質は皆無。英雄に退治される怪物たる反英霊の特性も無く、その属性はただの人間に近い。言ってしまえば英霊クラスまで強くなってしまった唯の一般人。座の立場的に言えば伝承を持たない生粋の守護者であり、別に守護者家業も慣れてしまえば人殺しにうんざりする事にさえ飽きてくるらしい。その魂も生まれは人間一つ分しかない普通の重さしかなかったが、壮絶な人生の末に英雄の素質を持たない人間の限界地点に到達している。今では普通に世界とか救えるほど色々な面で強い。衛宮士郎のように持って生まれた英雄固有の異常性や精神面の強さでは無く、常識的な感性を壊す事無く普通に自身の究極へ至っている守護者である。痛みが無いのではなく、痛みを我慢出来るだけで消す事も出来ない。罪を受け止めて前に進むのではなく、前へ進む時は罪を見ないで歩み終わった後に孤独の中で苦しむ。

 

◆◆◆

 

名前:アサシン

身長:169cm

体重:47kg

属性:秩序・悪

スリーサイズ:83/55/80(お気に入りの姿の状態)

イメージカラー:灰色(死灰)

特技:変装、話術、鍛錬

好きな物:呪術開発、星空と満月

苦手な物:異教徒、略奪者

天敵:言峰士人

 

――解説――

 

 四代目山の翁。葬主のハサン・サッバーハ。

 名も無き者。暗殺者と言うよりは呪術師の方に傾向しているが、彼女の暗殺術は教団内でも最高峰に位置していた。アサシンに選ばれるハサンの中だと呪術特化だが、暗殺術も最上位クラス。女性の呪術師で在りながらハサンの一人に選ばれた理由、それは暗殺術と呪術のの二つに才能を持ち、そのどちらも他の教団員よりも優れていたから。歴代ハサン・サッバーハの中でも残虐な殺しをする暗殺者で、特に呪術による殺害を非常に良く行った。変装や話術もかなりの使い手であり、直接的な暗殺術以外も様々な殺し方を習得している。教団の呪術発展に貢献した呪術師。次世代のハサン・サッバーハに後継者を譲った後は呪術師の一人として教団に所属し、後輩のアサシン達に暗殺術や呪術の指導を行い続けた。多芸であるが百の貌のハサンには遠く及ばない。

 彼女の生まれは他の暗殺者とは違い、暗殺者の宿命を生まれながらに受けていた。そもそも母親は子宮を悪性の精霊と同化させられた生贄で彼女の誕生により死亡。加えて、その母親の人生を記録として吸収しており、生まれた時から呪術と暗殺の知識を持ち、胎児の時から自意識があった。はっきり言えば、記憶と魂の点で見れば、母と混ざっているので半ば生まれ変わり。そして、その呪術実験を行った張本人であり、父親でもある呪術師の弟子として教団内で成長していった経緯がある。それ故、呪術師としては天性の才能があり、暗殺教団以外の生活をそもそも知りはしなかった。父親は教団の壊滅時に殺している。父親を殺害した後は延命処置を辞め、不死を取り除き寿命で死亡。

 なので、そもそも初代の時代から呪術師として教団に所属。ハサンに選ばれる程の才能を持つ暗殺者でもあったが、本質は呪術研究者。不死の化け物であり、ハサンとして初代から断罪される時に人間としての命を斬り殺され、蘇生の為に完全な人外の不死者に成り果てた。首を斬られた理由は単純で呪術に傾倒し過ぎ、その呪術で人間を殺すのが愉しくて仕方なかったから。殺す為に殺し、愉しむ為に殺し、首を斬られた後は、自省も兼ねてもう必要がない武芸方面の暗殺術も更に鍛え続けたとか。

 アサシンが言峰士人に召喚されたのは、お互いにカタチが似ていた為であるのと、呪われた心臓を身の内に持っていたから。生まれた時の名を悪魔に奪われ、感情も消えてしまっている。二人とも殺人を“良し”と神に祈る事が出来る神罰の代行者。そして重度の鍛錬狂いで何処までも生真面目。何だかんだで二人とも気が合ってる。

 聖杯への望みは自分の顔と名前を得る為。自我が芽生えた幼少の頃から呪術で他人の顔を奪い、一つ一つのパーツで顔を細かく変化させられる彼女は自分の貌を失っている。本来の自分の顔を子供時代で失っている為、自分の顔を全く覚えていない。自分の精神さえ他人に偽装出来るので、外部から取り入れた情報を使って構築した人格に変貌する事も出来る。そもそも他人から名前を与えられていないので記憶にある名前は全て偽名であり、ハサン・バッハーサの名も唯の役職でしかない。余りにも多くの貌を持つが故に無貌の暗殺者なのだ。故に、髑髏の面を付けているが意味は無く、それを外す事に全く抵抗はない。基本的に顔立ちは好きに変えられるが、普段は水死体の様に肌が蒼白い不健康そうな美貌の女で、まるで人では無い悪霊に見える。ぶっちゃけ悪女的な美人さんで、唇の色とかも紫色だったり、瞳の色も紫色な上、髪の色も紫色風味だったりする。現代ではレバニラに嵌まっており、辛口にして良く食べているとか。

 宝具の『妄想血痕(ザバーニーヤ)』は呪術スキルを組み合うことで応用性が高まる。この宝具は単純な毒による呪殺だけでなく、感染者の生命力を反転させたり、血液を爆発性の毒素に変えたり、神経毒に変え感覚機能を狂わせたり、痛覚を刺激して激痛を与えたりと用途は多種多様。心臓が宝具の核であるが、武器として機能するのは全身の血である。

 

◆◆◆

 

名前;キャスター

身長:171cm

体重:60kg

属性:混沌・善

イメージカラー:白色

特技:学問、妖怪退治

好きな物:他人を占うこと、魑魅魍魎

苦手な物:自分を占うこと、暴走車両

天敵:泰山府君

 

――解説――

 

 鬼殺し。最強の陰陽師にて、式神遣い。

 真名は安倍清明。天文博士であり、占いに優れている学者さん。日本に住まう魔獣や呪い系統の怨霊に関する専門家でもある。無名だった陰陽師時代は一人で妖怪退治を何度も繰り返し、単身で英霊級の幻想種と殺し合いを行っていた。イメージとしては軋間クラスの悪鬼羅刹の巣に飛び込み、退魔活動に励んでいた陰陽師。しかし、老年となり弟子を何人も育てるようになってからは、本格的に都の朝廷へと入り陰陽師として働くようになる。日本の歴史に名を刻み始めたのはこの頃から。長い年月を掛け陰陽道を完成させた。

 聖杯への望みは聖杯本体を手に入れ、受肉して現世に転生した後、その聖杯を研究して自分の手で自分の聖杯を創り上げること。英霊召喚システム、令呪の隷属、根源の孔、天の杯、その他諸々が彼の研究心に火を付けた。

 一人称は“私”。基本的にエルナの事は“エルナ殿”と呼んでいる。鬼や天狗などの数多の妖怪退治の伝説を持ち、怪物に対して強力な力と知識を持つ。キャスターらしく計略を巡らす策士としての一面を持つが、国に仕えた陰陽師であるからか“外道な行い”を『良し』とはしない。しかし、目的達成の為の“非道な行い”は『良し』と出来る一面もある。戦いの相手や自分の邪魔者に対して容赦をすることを相手と自分への侮辱と考え、力と策略の限りを持って思うが儘粉砕する。若い頃は権力にまるで興味なく、他人にも心を余り開かず、実に反社会的な世捨て人だった。陰陽師として仕事をする為に都に居たに過ぎず、自己の修練に熱を入れていた。しかし、老年になると世間に関わる様になり、自分の学問を後世に残すため弟子を育て始めた。そして、朝廷や帝からも信頼されるようになる。昔の偏屈な天才学者とは違って、身内や気に入った者には人の良い爺さんになっていった。狐狩りが地味に得意で、某キャスターの天敵の中の天敵。

 おそらくは日本の伝承の中で最高の陰陽師。退魔師としてもかなりの達人で、愛用の直刀を持ち剣術もそこそこ使える。陰陽師の一環として弓術にも微妙に優れている。特に戦闘面では眼力が優れており、人外の速度で動く怪物達の攻撃を全て見切って死線を通り抜けて来た。若い時は鬼種と言った様々な幻想種を相手に単身戦闘に臨み、色々な魔物相手に妖怪退治をしていた。長年に渡る退魔の経験によって、常識から外れた生き物と戦う事に慣れている。魔術戦も負け知らず。型月世界の平安時代の鬼種は、紅赤朱の様な戦闘民族がうじゃうじゃ徒党を組んで悪さをしまくっており、人外の異能も溢れまくっていた時代でもあり、そんな鬼を複数相手に勝てる超人と言う設定なキャスターなので強い。音速戦闘が常識な世界だった日本の平安時代はマジ地獄。

 キャスターである安倍晴明は術符中毒で、暇な時間が出来れば陰陽道の魔術礼装となる呪符を作成している。また、陰陽術の基本でもある呪符を好んで戦闘に使用している。呪符には様々な効果と能力が有り、無詠唱で能力解放出来るのが利点。何千何万と符を仕込んでおり、大規模な結界を瞬間的に作れるので陣地作成にも役立つ。また、陰陽師として純粋に対亡霊魔術に優れているので、霊体に対して攻性な能力を持つサーヴァントキラーと呼べる。クラススキルの対魔力対策も生前の経験から完璧なので、キャスターの中では間違いなく最強の一角であり、日本が舞台なので地域補正が掛っている。後、車酔いが酷いので、騎乗スキルがE-。

 

◆◆◆

 

名前:エルナスフィール・フォン・アインツベルン

身長:178cm

体重:69kg(義手無し)

スリーサイズ:85/56/84

イメージカラー:銀色

特技:斬り壊すこと、戦闘魔術の研究

好きな物:人間観察、当ての無い旅路

苦手な物:面白味の無いモノ、興味の湧かない人との会話

天敵:衛宮士郎

 

―――解説―――

 

 Ernasviel von Einzbern。アインツベルン最強の絡繰兵器(ホムンクルス)

 完全なる不完全。イリヤスフィールと衛宮切嗣の遺伝子で設計されている人造人間もどき。第六次聖杯戦争においてキャスターと契約した。彼女は聖杯ではなく、第六次は予備に造っておいた無機物の聖杯が用いられている。生命として製造された時、左腕と右眼が欠損していたが素体としては最高のスペックを誇った。エルナスフィールを開発したホムンクルスの魔術師もそうであったが、その能力はアインツベルン当主のユーブスタクハイトにとって想像以上のモノ。同じコンセプトで彼女以外にもホムンクルスは造られたが、カタチを成すことが出来たのは彼女だけであり、他の素体を崩れてしまっている。雛型も一体を残して全滅、そして生き残った雛型が彼女唯一の従者でもある。彼女は誕生した後も肉体と回路に改造を施され、人外の怪物として完成されられてゆく。

 正確には人造“人間”ではない。アインツベルンが鍛えた錬金術と聖杯製造の応用品。人として能力と技術を成長させ、最強のサーヴァントと共に聖杯をアインツベルンに取り戻す為に誕生した。ユーブスタクハイトは聖杯戦争の敗因をマスターであるホムンクルスの惰弱さに有ると考えた。その為に外部の魔術師(衛宮切嗣のこと。能力だけは第四次以降も認めている)の血をさらに混ぜ、ホムンクルスとして不完全とする事で生命体としての完成度を高め、一個体として完璧にすることにした。そして産まれたのが自然と霊長の混血児。生まれ持った能力を鍛え、生まれた末の技術を極めるため、ホムンクルスとしては異端中の異端であるが毎日を鍛錬尽くしで生活している。製造されたのは第五次聖杯戦争終了の半年後。衛宮士郎にとっては妹でありながら姪。彼女から見れば兄であると同時に叔父でもある。母はイリヤでもあるが、母としてのイリヤの事は遺伝子提供者くらいにしか思えず、どちらかと言えばお姉さんだと感じている。 

 見た目は黒髪ショートになった二十歳くらいのイリヤスフィール。眼は爛々とした赤褐色。アインツベルン製のホムンクルスなのに髪が黒いのは、衛宮切嗣の血が濃く影響している為。外出時の服装は紫色のコートで、武器諸々を隠し持っている。右目は義眼の魔眼であり、左腕は杭打ち機が仕込まれたカラクリ魔腕。また高位の魔術師であり、イリヤスフィールと同じで理論に関係なく魔力により神秘を引き起こす魔術を使う。しかしエルナはイリヤと違い、鍛錬し成長しているので明らかにイリヤの魔術より格上で概念の高さや魔力の燃費が違う。戦いのスタイルは衛宮切嗣に似ており、勝てばそれで良いと考えているので手段も得物も選ばない。良くアインツベルン領を愛剣を携えて飛び出ては親友兼従者のツェツィーリアと世界中を旅をし、見聞を広めると共に武者修行も兼ねており、脱走したアインツベルン製の狂った人造人間や堕ちた魔術師、そして死徒等を相棒と共に狩って自身の戦闘能力を強めている。そんな生活を送っているためか、アインツベルンの放蕩騎士姫と言われるコトも。言峰士人や衛宮士郎とは討伐に外出した時に面識がある。

 実に単純な性格をしており、“楽しければ全て良し”と考えている快楽主義者。人並みの感情は存在するが、罪悪感が完全に欠如している精神を持つ。罪を理解出来るが実感出来ないので、知識としてのみ罪悪を認識。故に自らの所業に苦しみを持たず、自らの行いに後悔は無い。自分の事は如何でも良いが、自分の血肉とも言える身内の者が傷付く事を苦痛に感じる類の人間。理不尽に襲われ絶望に落とされる罪無き人間を見かけたら取り敢えず助けておくが、面白くも無ければ如何でも良い悪人悪党の類の死に様は面白可笑しく感じて笑顔を浮かべながら笑い声を上げる。人助けで悪を倒すと言う点では正義の味方に近く、遺伝的に父である衛宮切嗣に似てもいるのだが、正義を快楽として愉しみ、殺人を娯楽として遊べ、さらに自分が異常者と自覚もしながらも在りの儘に生きられる時点で正義の味方には程遠い。要は目の前の現実に納得出来なければ、力尽くでも如何にかしようと楽しみ遊びながら行動するのだ。赤の他人が如何なろうが知った事ではないが、自分が面白い人間だと感じた者にはお節介や無邪気にちょっかいを出してしまう。自分にとって面白味のある人が死んだしまったら色々と勿体無いので助けてしまう気質。彼女にとって人か人外か、そう言った区別は無く、自分にとって面白いか面白くないかと言う観点で他人を常に見ている。

 

◆◆◆

 

名前:ホムンクルス・クノッヘン

身長:160cm

体重:58kg

イメージカラー:鉛色

特技:斬り壊すこと

好きな物:生肉

苦手な物:自分より固い物

天敵:ゲイ・ジャルグ

 

――解析――

 

 インテリジェント・ウェポン。人格ならぬ剣格を持つ魔剣。

 人工の守護霊が憑いており、それがこの剣の精神体と化している。男でも女でもないが、強いて性別を付けるなら男性。霊体の大元はアインツベルンで生み出されては殺されていった人造人間。破棄施設で弔われることなく朽ち果て、憎悪や悲哀に墜落して逝ったホムンクルスが成りの果て。幾百幾千の怨念が昇華され邪悪な意志を持った魔剣であり、人格のようなモノを一つ宿している。シエルの第七聖典に似た概念武装であるが、ななこみたいなマスコットキャラは出てこない。魔術で空気を振動させて言葉を話すことが可能。

 剣として人格が完成されている。例えるなら、我は剣、故に斬殺最高皆殺し、そんな感じな本物の魔剣。人を揶揄して楽しむのが好きな性格の悪い剣。人をぶった斬ってなんぼだと自分のことを考え、斬り甲斐のある悪党や強い化け物や人間を斬り殺したくなる。定期的に戦場へ連れて行けと駄々を捏ねるが、別に殺人中毒でも無く剣として使って貰えないのが寂しいだけ。また、元になった亡霊達の中には、エルナやツェリになる事が出来なかった数多の失敗作も含まれ、エルナの別人格でもある。

 

◆◆◆

 

名前:ツェツィーリエ

身長:168cm

体重:98kg(四肢の義手義腕を含む)

スリーサイズ:84/55/83

イメージカラー:白色(髑髏的な意味で)

特技:研究全般、戦闘全般

好きな物:開発、虐殺、奉仕

苦手な物:懐いてくる子供

天敵:自分の製作者

魔術属性:骨

魔術特定:構造

 

――解析――

 

 Zäzilie von Einzbern。死神型殺戮メイド。

 目がかなり荒んでいて、殺気立つと発狂した狼に似た眼をする。見た目は十代後半、銀髪赤眼で長い三つ編みなイリヤスフィール。あるいは、若干幼いアイリスフィール。エリナスフィールの雛型であり、生存する唯一のプロトタイプ。戦闘特化の魔術師型人造人間として製造された。アインツベルンにおいてエルナの次に強い人造人間。生まれながらにして完成された一個体。無機物に戻された聖杯の管理を第六次聖杯戦争では行っている。第五次聖杯戦争終了の二ヶ月後に製造される。戦闘タイプの人造人間として史上最高の性能を持ち弱点と言う弱点は無いが、技術と精神以外に成長する要素が存在しない。戦闘型の弊害で実は生まれた時は短命だった。

 高位の魔術師。魔術属性は“骨”。特性は“構造”で、強いて起源を言葉にするなら、“組み立てる”こと。聖杯としての属性もあるが弱まっている。自家製のメイド服式礼装と魔術師の杖でもある多格変形骨鎌が武器。そして、自らの骨を全て概念武装へと変貌させ、自分の全身を魔術礼装とする。自身の製作者に両手両足両目を奪われ凌辱の限りを実験と称して受けており、その時の魔術実験で短命だった命を概念武装への変質を完了させることで延命。そして、人造人間から外れた生命体となる。生物を辞め半ば不老となり、正真正銘エルナの武器と化す。脳髄も霊的に改造をしているが、まだ其処はちゃんとした生身。両手両足両目は義手義足義眼、五臓六腑も頑丈なモノへと改造されており、普通の人造人間と同じ様に生活できる性能を持っている。彼女の義手義足義眼の大元の材料は、ホムンクルスであった時の自分の肉体。

 愛称は“ツェリ”。主であるエルナスフィールとは精神がリンクしており経験を共有することが出来る。戦闘経験の共有は成長を早める為とコンビネーションの補助だとか。エルナの修行相手であり修羅場での相棒。主であるエルナスフィールの事を「エルナ様」と呼ぶ。彼女はエルナスフィールのことを心底敬愛しており本人曰く、一目でベタ惚れした、らしい。一人称は『ワタシ』、二人称は『アナタ』。エルナ以外は存在していようが消えようが如何でも良い。エルナが全て、奈落の狂気を自分の正気とするメイドさん。エルナスフィールへと一目惚れで魂に衝撃が走った彼女は、エルナの為に生きたい、エルナの為に死にたい、エルナの為に呼吸したい、エルナの為に苦しみたい、エルナの為に感じたい、と底無しの狂愛に走り続けるメイドへと自分でも気が付いたらなっていた。キャスターとは何だかんだで、気が会う友人兼同僚と言った雰囲気を少し超えている。

 本名はアルマスフィールと言うのだが、気に入らないので棄てたらしい。後、アインツベルンの人造人間とは思えない程、実は機械にかなり強い。実際、自分が組み立てた魔術理論には電子機器を使うものもある。

 

◆◆◆

 

名前:アデルバート・ダン

身長:177cm

体重:72kg

イメージカラー:闇色

特技:射撃、狙撃、テレビゲーム(特にFPS系のもの)

好きなもの:銃器、先の見通せない命懸けの死闘

苦手なもの:弾丸を無効化する達人、銃器が効かない怪物

天敵:衛宮士郎

魔術属性:弾

魔術特性:維持

 

――解説――

 

 処刑銃。“Adelbert Donne”。魔術協会に所属いていた元封印指定執行者の殺し屋。

 元々は暗黒街に住む唯の殺し屋だったが、紆余曲折の末に執行者になった後、またフリーの魔術師となり殺し屋家業を再開した。幼少の頃は人間離れした身体能力と独特な体術を持つ殺しの師がいたが、色々と面倒になって師匠を殺害。殺した主な理由は友人の少女が凌辱されたため。十代前半の時から年齢を偽り依頼を受けては人を殺して生きてきた。母親は娼婦であり、暴漢に襲われた時に出来た息子。その時の母親は金が無く彼を下すことが出来ずに仕方なく産み気紛れで育てたが、街を離れる時に彼を家に置いて去って行った。父と母には魔術師の血が偶然にも流れており、それが偶発的に上質な魔術回路を持つことが出来た理由。師を殺害後、とあるアメリカの街で殺し屋として生活していたが魔術師と死徒の抗争に巻き込まれる。しかし、若い身でありながら死徒と魔術師を無傷で殺害。その時に討伐へ来ていた協会の魔術師に殺し屋としての技量を見込まれ協会にスカウトされる。そして、自分を協会へと誘った魔術師の元へ弟子入り。そうしてアデル・ダンは独立し、魔術協会の封印指定執行者になり淡々と生きていく。しかし、自分を罠に嵌めた魔術協会の重役を報復として殺し尽くした事を契機に協会から脱会し、野に下った魔術師として聖堂教会からも因縁を付けられながらも殺し屋を再び営む。

 生身のままで脅威的な身体能力を持つ生粋のガンスリンガー。魔術師としては、家系の一代目に当たる突然変異の特化型魔術師。魔術属性は『弾』、魔術特性は『維持』、起源は“形を保つ”こと。魔術師も死徒も代行者も関係無く、眼前にある標的を淡々と殺す“冷酷無慈悲な殺し屋”。協会で一番有名なのが『処刑銃』と言う異名。彼は魔術師や封印指定執行者である前に他者からの依頼で殺人を行う労働者、要は人殺しを職とする生粋の殺し屋。魔術師だから神秘の為に殺すのではなく、単純に殺し屋だから生活の為に人を殺す。既に幼い頃から殺しが日常生活の一部に組み込まれている。故に殺し屋として生きていける執行者へと志願した。封印指定執行者と言う役職であるので、バゼットとフォルテとは同僚。任務を共に遂行したことが数度ある。フラガが最強ならばダンは最凶、と言った評価が魔術協会で一般的な執行者部門の印象。

 見た目は少々渋めクールな顔立ちで黒髪黒眼。服装はリーマンスーツ、リーマンネクタイ、そして茶色のトレンチコート。黒スーツが基本、シャツとネクタイは日で色が変わる。格好は着崩して前を開けたスーツで、ネクタイは緩々でシャツも首元がだらしない感じ。その上から茶色のトレンチコートを着込んでいる。見た目は若手エリートサラリーマンそのものなのだが、カリスマギャングなマフィアの若頭的威圧感を持っており、次の瞬間には殺されそうな圧迫感を与える人物。本人は常識も持っているが、知識としてのみ活用している。彼にとって自分を含めたヒトの命は全て平等で、どうせ死ぬんだから自分が殺しても結果は何も変わらないと殺人を肯定している。要は他人の命を自分の技量で、殺せるのか、殺せないのか、そう言った殺し屋的観点で見てしまう生粋の暴力主義者。もっとも、等価値に視ているのは命だけであり、人間性や精神を平べったく感じている訳では無い。それは必要なら誰だろうと殺せると言う事であり、故に不必要な殺しは一切ぜず、アデル・ダンは快楽殺人は行わないし、彼は殺人鬼でも殺戮者でも無く生粋の殺し屋なのだ。ついでだが美綴綾子のことが気になっており、彼女の前だとキャラブレイクを起こす事あり。

 そんな殺し屋として人を殺し生活を営んできた人間だからか、何時何処であろうと自分が死に襲われても対処出来るように心の底では常に心構えており、道路の向かいの人間が行き成り斬りつけて来るかもしれない、自動車が轢き殺しに突っ込んで来るかもしれない、遠くのビルから狙撃されるかもしれない、と究極的な“死の仮定”が内側では灼熱とした思考と共に渦巻いている。言ってしまえば、死に続けるコトで生き続ける殺し屋。常に外側へと不意打ちを続けながら生きることで不意を打たれる事も無く、あらゆる死線を当たり前の日常の一コマと変わらない姿で潜り抜けてきた。

 

◆◆◆

 

名前:バーサーカー

身長:190cm 

体重:82kg

属性:中立・狂

イメージカラー:闇色

特技:体力勝負、気合い

好きな物:家族、死闘

苦手な物:女神、我が侭な女

天敵:狡賢く物欲の強い女(主にとある女神のこと)

 

――解説――

 

 報復王。未来永劫、狂気と怨念と憎悪に苛まれ続ける魔剣の主。

 嘗ての神話の時代にデンマークを治めていた王族、真名はホグニ。かなりやさぐれており、神族の類を心の底から憎み切っている。座に召され英霊化したことにより自分が何故あのような理不尽な地獄に落ちたのか知ってるが、それは知識としてであり自分自身の記憶は全て摩耗し切っている。生前では最終的に戦いの理由を忘我しており、憎む為に憎み、戦う為に戦い、殺す為に殺す、そう言った殺戮装置と成っていた。故に正真正銘、滅びの魔剣であるダインスレフの完全な担い手となり、ホグニは宝具の能力を利用し尽くすことが出来る。魂が狂気に侵されており、精神が狂えば狂うほど頭が冴える特性を得ているため、彼にとって狂化は足枷にならない。

 バーサーカーとして召喚されたサーヴァントであるが、英霊化により魔剣の主として魂が完成されてしまっているので狂いたくとも狂えない。感情も完膚なきまでに消えてなくなり、心の中にはホグニと言う人間の理性しか残っておらず、その理性でさえ倫理観が崩壊し狂気と同化している。彼の理性は狂っている状態が普通であり、例え狂気に蝕まれようとも、狂気を飲み干す明鏡止水に戦い続けた無限地獄で至っているため理知的に行動する。ここまでくる明鏡止水だと修練で至れる無念無想ではなく、強制的に無心状態になる呪縛の類。余りにも長い時間を魔剣に呪われながら戦場で戦い続けた為か、バーサーカーは感情の大部分が停止しており、精神が狂おうとも理性を失うことが不可能となっている。魔剣の呪詛と共に永遠の時を戦い続けた呪縛からか、“憎悪する”と言う生態しか精神的な働きが残っていない。魂を完全にドス黒く染めた怨念と、誰でも良いから恨みを晴いたいと言う殺害衝動のまま戦闘を行う。ゆえに大した聖杯への望みはなく、強いて言うなら生前溜めに溜めこんだ怨念の解消、要は憂さ晴らしが良いところ。もっとも恨み半分憎しみ半分でラグナロクに参戦して神々を皆殺しにしてみたいとも考えているが、彼らは滅び逝く運命のため別に狂気はそこまで湧いてこないらしい。現世に召喚されたのも聖杯戦争と言う血塗れな戦場において、敵と戦い、敵を殺し、生き死に行き交う戦場での勝利と敗北を味わいたいが為。永遠に勝つ事も負ける事も出来なかった彼らしい願いとも言える。ホグニがバーサーカーとしてアデル・ダンに召喚されたのは、そんな死に囚われた精神構造が似ていた為だろう。

 

◆◆◆

 

名前:フレディ・ボーン

体高:27cm

体重:7kg

イメージカラー:茶色

特技:交渉、詐欺、ナンパ

好きなもの:お喋り、散歩、骨付き肉

苦手なもの:食品に含まれる添加物、シリアスな空気

天敵:蚤

 

――解析――

 

 アデルバート・ダンの使い魔もどき。

 犬種としてはバセットハウンドで、見た目はキモ可愛く、かなり愛らしい姿をしている。しかし、声は結構な渋味を有する。基本的な仕事としてアデルバート・ダンの工房の留守を預かっており、多種多様な人語も理解するマルチリンガル犬で、魔術も使用出来る魔導狗。念力っぽい神秘にも目覚めている。低級の自然霊と動物霊を素材に造られた使い魔っぽい生き物で、犬の肉体を媒体に契約している守護精霊が使い魔たるフレディの正体。と言うよりも、位の低い無色な自然霊を犬の魂が取り込んで超進化したワンちゃんが使い魔の真似事をしてる『何か』で、使い魔と言うより、なんかヘンテコま魔術生命体が使い魔の属性をおまけで持っている魔獣と言った方が正しい。フレディの人格(犬格?)は、元々この犬の肉体にあったもの。自然霊を取り込んで使い魔っぽい魔術生命体になった人工の幻想種で、今では魔獣と化している。素体はどっかの家の飼い犬。ぶっちゃけ使い魔しているのは、飼い犬根性が魂的に染み込んで持っているから。使い魔になる前の飼い犬時代にも結構なドラマがある。そして、時計塔の降霊科が実験を行って今の姿となり、そこから紆余曲折を経て彼の使い魔っぽい仕事をしている。つまるところ、実は使い魔でも何での無いが、使い魔の契約をしているので使い魔に分類されている魔獣と言うのが正解。

 補足として、降霊科が行った実験の内容は、まず犬を苦しまずに肉体が損傷しないように殺害し、犬の魂が消えて仕舞わぬ内に召喚して捕まえておいた自然霊を犬の死体に憑依させると言うもの。そして、儀式によって魔獣として世界に顕現させた。

 

◆◆◆

 

名前:デメトリオ・メランドリ

身長:189cm

体重:90kg

イメージカラー:緋色

特技:賭博、軟派、飲酒

好きなもの:信仰、正義、成敗

苦手なもの:子供、老人、美女(この三つは個人的に戦い難いモノの事)

天敵:間桐桜

 

―――解説―――

 

 “Demetrio Melandri”。浪漫剣士。聖堂教会最悪の聖騎士(パラディン)

 神父でもあり代行者と同じく異端狩りの仕事もするが、正式には騎士団の一人である聖堂教会所属の聖職者。他の騎士と同様に聖なる土地を守るのが基本的な職務であるのだが、この騎士は魑魅魍魎が跋扈する異郷の地へ斬り込む退魔の騎士でもある。本職は騎士であるため代行者ではなく埋葬機関員になれないが、実力的には彼らに匹敵する聖堂教会騎士団の人型兵器。つまるところ、聖堂教会内で各部門の渡り橋役になる武闘派蝙蝠屋。後、妻子持ち。

 年齢は五十歳程度だが見た目は三十代半ば。見た目はボサボサの髪を切らずに伸ばしている中年で、渋いと言うよりは若々しいオヤジ。黒髪黒目で特徴は余りないが、顔立ちは男らしく整っている。『侘び、寂び、萌え』を理解する日本通。実はかなりの不良神父で、女好き、酒好き、賭博好き。寡黙そうに見える堅物だが、実はひょうきん者なエロオヤジと言う分かり易い性格をしている。聖職者としての真面目さに反比例して剣に対する愛着はかなり強い。志の違いから言峰士人と軽い殺し合いをした事があるほど彼は自分の正義や信仰に妥協しないのだが、殺害対象ではない相手に暴力で訴えるのは自分が強者と認めている者のみ。戦闘狂の気が有るが、分別自体はしっかりしている武人体質。怪物が相手ならば聖騎士としてノリノリで殺しに掛るので、人外が相手になると無駄に残虐になる傾向が有る。敵が強ければ強い程、戦いに意義を見出す武人として燃えるタイプ。己を悟り切っているので聖職者として人助け等の慈善活動くらいしか、異端討伐や死ぬ以外にする事がなくなってしまった。裏話であるが、アデルバート・ダンの殺しの師とは宿敵であり無二の親友で、彼の影響はかなり大きい。

 彼は起源に『断罪』を持ち、それの詳細は“罪を裁く”こと。それ故、鉄槌の剣と呼ばれる概念武装とは頗る相性が良く、正義と言う言葉に対して異常なまで執着している。だからこそ“悪”を殺す事を至上の悦楽として戦闘を愉しんでおり、神父として分かり易い邪悪である“魔”を処することを一番の快楽とする。それが持ってして生まれた魂の属性。

 剣の“腕前”は聖堂教会トップクラス。教会に属する騎士なのだが彼は若い頃、山籠もりをしており、心の底から本気で神霊を超えようと毎日の鍛錬で死力を尽くし剣技に励んでいた。彼が造り上げた我流剣術は対軍・対城に位置する破壊的なモノであり、彼の剣技は英霊とも殺し合える領域。もはや唯の人間が敵う剣士ではなく、そこいらの化け物を一方的に屠ってしまうまでに強く極めてしまった。彼の剣技の特徴は判り易く、一撃に何もかもを込めながらも鉄壁の守りを持ち、攻撃性と防衛性が極まって共に高い剣術。魔術師としてはそこそこの腕前を持ち、魔力量も多く燃費も良いのだが、魔術の平均的な腕前を同僚のシエルと比べるとかなり劣っている。しかし、起源からして聖堂教会の魔術理論である秘蹟に特化した魔術回路であり、悪魔“払い”として凄まじい才覚を持つゴーストキラー。通常の魔術も平均以上に使いこなす器用さも有り、霊体や精神、そして魂に直接ダメージを与えられるので死徒の天敵。魔術自体に高い防衛性もあるので魔術師の天敵でもある。また、後天的に発露した天然の魔眼持ち。切除の魔眼を保有する。これは山に籠もって行っていた剣の修行により開眼したモノで、脳内の“斬る”イメージを視界に投射し、それで実際に対象を切り裂く魔眼となる。

 本来ならば生粋の剣士であり、剣以外など関心が無い。しかし、剣以外の技能も不死の怪物を殺す為に仕方なく習得し、趣味と合致したので娯楽として修行の合間に極めている。今では良い暇潰しであり、読書のような感覚。そして、剣はただ丈夫で良く斬れる事が全てであり、それ以外の能力は腕を鈍らせてると考えている。強い敵を言うよりも、死に場所を求めて彷徨っている節があり、死地を好んで踏破している。

 また、自己進化にしか興味が無く、敵と戦うことも強くなる為の要素としか捉えていない。彼にとって神とは進化し続けた果てにある自分自身そのものであり、信仰とは限界を延々と只管に踏破し続ける事となる。聖杯戦争のマスターに選ばれたのは、そんな自身の進化をする為にその願望が面白いと認められたから。

 

◆◆◆

 

名前:ライダー

身長:199cm

体重:91kg

属性:中立・中庸

イメージカラー:蒼色

特技:荒事全般

好きな物:目に映る世界、建国作業

苦手な物:覇道を阻む英傑、不可避の妨害、犬

天敵:特になし

 

――解説――

 

 略奪王。蹂躙皇帝とも呼ばれる蒼き狼。遊牧民を率いる草原の主。

 一代で己の国を建国し、絶対的な王権を手に入れた王。超巨大国家の基礎を築いた偉大なる征服者にて侵略者。正体はモンゴル帝国初代皇帝チンギス・カン。暴君の中の暴君であり、侵略者の中の侵略者。彼の覇業によって殺された人間は数千万人とも言われている虐殺者で、冷徹に眼前の現実を直視する慈悲無き合理主義者でもある。また、あらゆる苦境を止まらず突き進み、どんな困難であろうとも屈しない英雄の素質が異常なほど狂気的に高く、どんな目に合おうとも絶対に諦めない。何が何でも絶対に自分を諦めない英霊となる。サーヴァントとして召喚された姿は心身共に全盛期だった若い頃の彼であるが、その人格はモンゴル帝国皇帝として完成したカタチをしている。彼がライダーとして召喚されたのは騎馬民族の長で自身も馬乗りだったのもあるが、何よりも自分が建国した大帝国の、自分の野望を果たす為の侵略軍と言う本物の化け物を大陸で乗り回していたからだろう。

 心の奥底では目に映る世界全て、本当に価値あるモノは存在しないと考えている。そして、世界や自分自身の価値は己の手で創り出さなければならないと思っている。合理的な理性を持ち、哲学者的な側面をあるが、人格をカタチ作る根の部分はとてもシンプルな精神構造をしている。それは即ち、支配するか支配されるかと言う二択。物事の手段はとても計画的なのだが、行動理念は単純明解で“国を欲す、故に国を奪う”と言うな王様気質。侵略者で暴君でもある事は第四次ライダーと同じだが、内に秘める志は全く方向性が違っている。彼は侵略する為に侵略を行う王道を持ち、戦争をする為に戦争を行う覇道を持ち、そしてソレらを愉しみながら大陸を暴力で支配していった恐怖の君臨者なのである。彼は何処までも合理的な残虐さを持ち、必要ならば何もかもを破壊し、他国を無慈悲な滅亡に追いることが出来る。敵国の人間からすれば、自分たちの世界を破壊し尽くす恐怖そのものであった。支配した後の統治も合理主義の権化の如く、残虐な現実主義で継続された。チンギスにとって世界征服とは、快楽であり、娯楽であり、生き甲斐であり、野望でもある、当たり前な日常の営み。男たる者の最大の快楽は、敵を撃滅し、これをまっしぐらに駆逐し、その所有する財物を奪い、その親しい人々が嘆き悲しむのを眺め、その馬に跨り、その女と妻達を抱きしめることにあると臣下に言っていた。チンギス・カンは誠実な青年だったが自分の妻が敵軍に誘拐され何日も監禁・暴行されたことをきっかけに開き直り、それから狂ったように女を奪って犯すようになった。善人だったのだがヒトの欲望を肯定し、自身の内に眠る凶暴性を容認した。聖杯への望みは世界征服であり、聖杯の力で国造りを目論んでいる。

 サーヴァントとして全盛期であった若い頃の姿をしており、遊牧民族独特の装飾された民族衣装を着込んでいる。見た目は超大国の皇帝と言うよりも、軍隊の司令官風味。茶髪で顎髭を少しだけ伸ばして生やしている。宝具は四つ保有しているが大元は“一つの侵略軍”が正体。分断しているのはライダーが宝具を使い分けているだけであり、兵士と兵器と戦場の三つが英霊の幻想を構成している。彼が身一つで創り上げ、皇帝として君臨したモンゴル帝国の軍勢がチンギス・カン最大の矛であり盾である。ライダーの宝具は彼の侵略軍がそのまま宝具化しているとも言え、その能力は“侵略”の概念の塊と言えよう。日本でも高い知名度を誇るが、モンゴルなら更に四体の巨馬と四体の大狼に轢かれる陸上移動要塞戦車を更に宝具としてライダークラスなら持ち込める。

 また裏設定であるが、実は元々ザビ男に並ぶイケ魂の持主。素質と才能に溢れ返り過ぎた王になるべくして王となった主人公気質な少年。人格はザビで能力はレオみたいな凄い危険人物。しかし、危険はあれど慎ましい毎日を過ごしていて、元より質素倹約を基本とする彼に野望なんて一つも何もなかった。だが、ある日赤セイバーとザビ男並に相思相愛だった奥さんを襲撃を受けて拉致されてしまう。そして自分の妻が敵軍の男と強制的に結婚させられ、敵の男どもから性的暴行を何度も受けた。自分の最愛の女性を奪い返したものの、善人のテムジンが本気で復讐に狂い、人喰い獣の狼に成り始めたのはこの時期となる。原作登場人物でこのチンギス・カンを例えるなら、セイバーのネロを男共に嬲り犯されて、その復讐に狂い果てた末に暴君と化してしまったザビ男。彼の第一の妻であるボルテは暗黒面に旦那が堕ちても、それでもザビ男を支える赤セイバー的な立場となる。

 

◆◆◆

 

―――外伝―――

 

◆◆◆

 

名前:シエル

身長:165cm

体重:52kg

スリーサイズ:85/56/88

血液型:O型

誕生日:5月3日

イメージカラー:空色

特技:お菓子作り、飛び道具

好きな物:カレー、日本茶

苦手な物:吸血鬼映画、教会所属の魑魅魍魎な同僚

天敵:アルクェイド、割烹着的魔法少女、言峰親子

 

――解説――

 

 埋葬機関の第七位、弓のシエル。

 月姫本編だと年齢は23歳、第五次聖杯戦争時点で26歳くらい。Aランクを超える高位魔術師。聖銃の代行者。埋葬機関一の人徳者。わりと不思議で謎ないいひと。パン屋の娘で将来の夢はケーキ職人。お菓子作りの腕はちょっとしたものだが、昔を思い出すので本人は洋菓子を作りたがらない。好きな歌は『地下室のメロディー』。シエルという名は正式な洗礼名ではなく、本名はおそらくだがエレイシア。言峰士人と知り合い、その余波で言峰綺礼とも関わりを持ってしまった哀れな犠牲者。外伝や士人の過去話で登場する。

 戦闘能力を考えますと、第五次聖杯戦争時点の言峰士人より基本性能は高いが、士人と殺し合いを行えば最後の最後で嵌め殺されます。そもそも士人と戦った場合だと相性は最悪で、黒鍵の数や制圧力も上回れ、第七聖典は人間の代行者相手ではお荷物状態、魔術はそもそも投影された概念武装で防御され、精神干渉も効き難い呪詛塗れの悪魔体質、治癒阻害の武装も持ち出されると不死身体質(月姫後の回復力が高いだけの状態)が無効化、と実はシエルの天敵だったりします。その上、昔は素直で可愛かった後輩代行者だったと言う過去もあり、本人も士人とは戦い難い私情があったりなかったり。今の言峰士人に対してだと、もう自分がお守をする必要が無い一人前だと認めており、真っ直ぐな捻くれ者で聞き分けの良い後輩だと思っています。シエルから見れば、代行者の中でだと結構まともそうに見えるのだが、任務時に怪物以上に怪物的な超越者の気配を纏う事があり、其処ら辺を少しだけ心配している。

 

◆◆◆

 

名前:アインナッシュ

身長:直径50km

体重:不明

イメージカラー:不明

特技:不明

好きな物:不明

苦手な物:不明

天敵:殺人貴

 

――解説――

 

 死徒二十七祖の第七位。腑海林、思考林。

 一代目は真祖に殺されており、現在は二代目。二代目アインナッシュは自身の眷属たる吸血植物達が寄り集まってできた直径50kmほどの生きた森を統括し、50年に一度くらいの割合で活動する。活動時には森全体が血液によって赤黒く点滅し、森ごと移動して無差別に人を襲う。そして数百人単位の人間の血を吸うといずこかへと姿を消し、再び活動を休止する。

 この物語では外伝のラスボスとして登場した吸血植物。メレム・ソロモンの悪魔を吸収することで幻想種として一気に進化し、言峰士人に本体のアインナッシュが真っ二つにされた事で生存本能のまま巨人化した。人の遺伝情報を摂取し過ぎた為、アインナッシュは自分の構成体を森の大きさで人化する事が出来るようになったと言うオリ設定。超吃驚な超変化です。吸血鬼としての属性だけで無く、何気に名前を得た真性悪魔と変質していたのでヨーロッパは結構な大ピンチだった。でも主人公が真っ二つにしないで志貴が死の点を普通に突いていれば、このアインナッシュは巨人化することもなく死んでいたと言う裏設定があったり。このまま生きていれば本物の悪魔と成り果てており、アインナッシュと言う悪魔もどきとして地獄の森を形成していた事であろう。物語では辺り一帯の樹林を吸収して人化していたが、もっと自分の眷族を吸い取れば更に大きくなっていった。

 

◆◆◆

 

名前:ジャック・ストラザーン

身長:188cm

体重:70kg

血液型:?

誕生日:7月4日

イメージカラー:茜色

特技:射撃、縄投げ

好きな物:銃火器、アメリカンな料理

苦手な物:十字架、イギリス料理

天敵:言峰士人

 

――解説――

 

 魂魄の魔術師。傀儡鬼。

 マジカル・ガンマンでクールにハイテンションでトリガーハッピーな吸血鬼。死徒のような化け物ではないが不老の人外。魔術によって人外に再誕した魔術師であり、血を吸う必要がない代わり死徒らのように強力な怪物ではない。しかし血を吸えば魔力を補給でき、自分の人形に変えられる。言ってしまえば、血を吸う能力を持った不老の人間。弱点はないが死徒特有の超抜能力も零。しかし、魔道生命体のため魔を否定する聖遺物の類には弱い。それとルールブレイカ―系の契約破り。

 過去話で良く主人公に殺されている死徒。外伝9でもチョイ役で登場。元々は赤毛短髪でオールバック、長身で細身。とは言え、魂を宿している素体で姿形は全く違う。人間時代は思いっきり西部劇みたいな環境で暮らしていた。表の職業はもろガンマン。研究は、ヒトの起源によって世界の起源を目指すこと。魔術師として最終的には、魂を自分で設定して創造する魔法使いを目指している。生まれがアメリカ独立記念日と同じ年月。アメリカ西部生まれの魔術師。土地に適合せず家系は衰弱していってが、その中で生まれた突然変異で家系の中で過去最高の才能を持つ。ジャックの家系は現代も続いており彼は異端者の扱いを受けている。が、本人は何とも思っていない。この家はとある真性悪魔との混血である魔術師一族の分家で、彼は先祖還りをした強力な混血でもある。

 固有結界「魂縛界(Soul Prison)」と魔銃術式「GUNS OF THE ORIZIN」を持つ。戦闘は自分の魂に情報として刻み込み、投影魔術で物質化した大型リボルバー拳銃を二丁使って戦う。かなり強力且つ凶悪な吸血鬼兼魔術師だが、余り自覚はない。魔術師としての能力は、投獄した魂の数だけ有りとあらゆる属性と特性を持つ大魔術師と化し、その属性に特化した大魔術を使用すると言ったもの。苦手な魔術が無いと言うよりも、得られた魂の分だけ特化属性の魔術を使用出来る。専用魔銃でもって大魔術を無詠唱で連射する奥義を持つ。これの真骨頂は対軍戦で、何十、何百の人形を使っての戦い。人形は魂を固有結界に取られ人形に改造されただけで、生物としては正常に生きている。よって、操るのに魔力の消費は要らないし、いざと言う時の魔力タンクにもなる。

 

◆◆◆

 

名前:ルート・アーメント

身長:178cm

体重:61kg

スリーサイズ:90/58/87

イメージカラー:鮮血色

特技:拷問、人殺し

好きなもの:吹き出る血流、生々しい贓物

苦手なもの:光り輝く街の夜景

天敵:代行者

 

―――解説―――

 

 拷問狂。元代行者の死徒。

 吸血鬼に転生してから三百年程度の時が経つ。見た目は血の様な赤毛をセミロングにした清楚な白人女性で、外見年齢は十代後半と言ったところ。愛嬌も有る綺麗な顔立ちをした美女であり、男女両方からとても好かれそうな雰囲気を持つ。振る舞いによっては優しい村娘にも見えるし、高貴な貴族令嬢に見える事もある。死徒の中でも更なる怪物的異端者、そんな血を吸う怪物達の中でも実に人間的に凶悪な殺戮欲求と異常性欲を持つ。もはや完璧な異常者で、狂人と言うカテゴリーの中でさえも病的な性質を持つ精神構造をしている人格。欲望の標的になるのは男も女も関係無く、彼女は人型の生命体自体に欲情しているので見た目が整っていれば全て良し。そして、女が相手でも色々と生えるので無問題。三度の飯より死闘を好み、自分の命を掛ける事と相手の命を踏み躙る事に最高の幸福感を得る。死徒連中からも外れ者にされており、まともな死徒は蛇蝎の如く彼女を嫌悪している。

 人間時代では代行者として死徒や魔術師を討伐する傍ら、地下教会で人々を凌辱・拷問に掛けて遊んでいた愉快犯。元々は敬虔で清楚なシスターさんだったか、若い頃は自分の内面に眠る異常な違和感に葛藤。才能を第八秘蹟の連中に見出された後、ただの修道女から代行者になり、ヒトの命を奪い続ける事で自分が何を快楽とするのか気が付いた。代行者と成った後は“殺し”そのものを崇拝する様に悦楽に溺れ、村の人々を自分が勤める教会に攫っては地下室で欲望の快楽に浸り続ける。ベテラン代行者となり教会からも信頼されるようになったが、討伐で訪れた街で偶発的に凶悪な吸血鬼と出会い、その怪物に内側を暴き尽くされ、精神と肉体を共に凌辱され尽くされた末に血を流し込まれ死徒と化す。そして吸血鬼の配下になったが、その死徒の隙を突いて殺害に成功し、独立した死徒として活動を始める。その後、自分より数年先に同じく死徒化していた嘗ての同僚であるサカリアス・ヴェガと偶然再会し、死徒狩りの連中を撃退する為にコンビを組む事となった。

 代行者時代から魔術の心得を持ち、武器には戦闘用に改造した拷問道具を愛用していた。起源に『流血』を持ち、吸血鬼化してからは起源覚醒者でもある。死徒としての超抜能力で血液を自在に操作する事が可能で、これを魔術と併用する事で代行者時代とは違う新しい戦術を使うようになった。夢魔の血を吸った事があるので性魔術にも特化しているが、戦闘では大した役に立たない。様々な拷問道具を武器として愛用しているが、その中でも針の形状をしている拷問具を特別に信頼している。

 

◆◆◆

 

名前:サカリアス・ヴェガ

身長:180cm

体重:74kg

イメージカラー:紅色

特技:斬り合い、隙を突くこと

好きなもの:炎、武器の整備

苦手なもの:偽善者、博愛主義者

天敵:シエル

 

―――解説―――

 

 火焙りの騎士。元聖堂騎士の死徒。

 吸血鬼の魔術師であり、炎の魔剣を所持している。吸血鬼に血を吸われ、死徒に転生してから凡そ三百年が経過する。外見年齢は二十代半ばと言ったところ。見た目はそれなりに筋肉質な好青年で、黒髪で髪型が超普通としか形容できない。普段は真っ赤なシャツに黒いズボンを着ており、戦闘時には禍々しい色合いをした灰色の外套を着込んでいる。服の下に鎖帷子を仕込んでいるので地味に耐久性が高い。炎の剣とヘンテコな盾を装備し、クロスボウの礼装を愛用している。近代兵器にも通じており、何の苦も無く様々な武器を使用可能。筋力を大幅に強化し、筋肉が金剛となって怪力となる手甲型の魔術礼装を持っている。

 他者の事情や命を考慮しない無慈悲で冷淡な性格で、吸血鬼だから残酷なのではなく、人格の根っこ部分に生々しい狂気が宿っている。狂っているのではなく、生まれながらに苛烈な精神を持っており、善も悪も正も邪も、未来や過去にも関係なく己で己を導く事が出来る。火とか血とか、そう言った闘争の象徴を好む。撫で斬りとか焼き打ちとか皆殺しとか、そう言うのも大好き。

 人間時代は剣術と魔術と殺し合いにしか興味が無い聖堂騎士だった。万能聖騎士と呼べるほど多芸で何でも出来た。戦って戦って只管それを繰り返し、殺し合いの相手に丁度良いから死徒や魔術師を積極的に討伐していた。聖地を守るべき騎士であったが、そんな事知らねぇ、と外に出向いては代行者の獲物を横取りしまくっていた。そして今は滅ぼされている死都二十七祖の一体に目を付けられ、決闘の末に血を吸われて吸血鬼化。その死徒に負けた敗因の理由は修行不足であり、後数年修行して悟りに開眼していれば何とか勝てた。魔剣も有るので今なら余裕で勝てる。吸血されて死徒の下僕に成ったが直ぐに呪縛を自力で打ち破って独立し、両キョウカイや敵対する死徒の追手を殺しながら世界を放浪して修行を積み続けた。死徒となった今は闘争以外にも人生を見出し、様々な娯楽に興じられるようになり人間味が増している。超越者となり長い時を生きた所為か、面白味の無い殺戮装置から遊び心がある鬼畜外道になった。

 魔術属性は『火』、魔術特性も『火』、起源にも『火』を持っている魔術師。また、発火系統の超抜能力を持つらしく、思念のまま火を自在に操作する事が可能。彼は魔術師として、死徒として、パイロキネシスと融合した炎の魔術を使用する凶悪な発火能力者(ファイアスターター)である。溶岩を儀式魔術で固定させた炎の魔剣を愛用している。これは彼が死徒化した後、旅の途中で手に入れた武器。魔剣の名前は『外法炎詛』。この炎剣には、人身御供として生きながら焼き殺された少女の魂と、その少女が身に宿していた悪性の精霊・イフリートが封印されている。

 

◆◆◆

 

名前:イフリータ

身長:166cm

体重:51kg

スリーサイズ:87/55/84

イメージカラー:鈍色

特技:呪い、占い

好きなもの:火と煙、担い手

苦手なもの:水泳、水場全般

天敵:トオサカ

 

―――解説―――

 

 魔剣の悪霊。外法炎詛。

 溶岩で作られた炎の魔剣に宿る少女の霊。悪性の精霊であり、この魔剣の人造守護精霊でもある。溶岩の魔剣である通り能力は焼く、燃やす、融かす、焦がす、などなどと言った“火”を自在とする炎剣。刃から火を噴出させ、それを操ると言った芸当も可能。元々この悪霊の少女は、人格の無い現象そのものに加工した特殊なイフリートを呪術で移植されて、全身に呪詛の烙印を刻み込まれた呪術師。その少女を更に“贄の儀式”で焼き殺し、魔剣に魂を封じめた。イフリートとはジンと呼ばれる精霊の一種であり、特にこの少女に取り憑いて魔剣に封じられた個体は強力な力を持つ。悪性の精霊であるイフリートは様々の力を持つとされるが、この剣に宿る力は火を操る事に特出している。生贄となった少女自体も火に精通した呪術師で、起源に『火』を持っていた。

 生贄として殺されたのは約1100年前の大昔。元々彼女はこの魔剣を作った呪術師の一人娘。自分が人で在った頃の名前は覚えているが、悪霊になった今では人の名を捨てている。自分に相応しく無い担い手の場合、面白半分に内側から魂ごと焼き殺すので注意が必要。魔力で実体化する事が可能で、その気になれば自分で自分の本体である魔剣を使って戦闘する事も出来なくはない。

 目は淀んだ金色で、炎の様に赤い髪色で髪型はロングヘア。全身に禍々しい烙印が刻まれた姿を持ち、肌の色は褐色で結構な美貌を誇りスタイルもそれなり。服装は露出が激しいが神聖さが出ている踊り子もどき。性格はかなり歪んでおり、定期的に人を斬り殺したり焼き殺したりしないと、自身の存在理由を鬱々と悩み始めて担い手を怨霊の思念波で勝手に呪ってしまう。生前は精霊を肉体に宿す為、拘束された状態で全身を熱した細い鉄の棒で呪詛を焼いて刻まれ、拘束されたまま何人もの男に凌辱された上で、仕上げとして焼き殺されて魔剣の生贄となる。その後、儀式に成功したが想定以上に凶悪な怨霊と化し、彼女の父親も含めその場にいた全員が炎の犠牲となった。魔剣と化した後は世界を転々と回り、およそ三百年前に自身の主に相応しい人間を見つけ、その人物の愛剣として使われている。知人の亡霊に、ランプの精になった友人がいる。

 

◆◆◆

 

名前:ブリット=マリー・ユング・スヴァルトホルム

身長:155cm

体重:48kg

スリーサイズ:77/55/79

イメージカラー:漆黒

特技:魔術全般、家事全般

好きな物:殺し合い、血生臭い儀式

苦手な物:純粋無垢な子供

天敵:正義の味方

 

―――解説―――

 

 蝕死鬼。ウィッチワンダー。詠唱壊し(カウントレス)

 魔宴(サバト)のマリーと呼ばれる死徒の魔女。正真正銘の邪悪なる大魔術師。黒魔術の果てに吸血種と化した。黒髪銀眼で顔色は悪いが、かなりの美人。美女と言えば美女だが、どちらかと言えば美少女で、綺麗と可愛いを両立させている。黒衣に尖がり黒帽子がトレードマーク。

 秘密結社「日緋色魔宴(サバトサンライト)」のボス。死徒や外法の魔術師などの不老の人外が無節操に加入しており、主に都市占領、盗賊稼業、魔術実験、根源探究が活動目的。大規模な虐殺略奪も繰り返している模様。神秘を存分に悪用しており、私利私欲で暴虐の限りを尽くしてはいるものの、一般社会への神秘漏洩だけは絶対秘匿している。魔術協会と聖堂教会の両方から敵視されており、数百年の間ずっと指名手配されているとか。魔術師の団員の中には根源を目指している者もいるが、誰も彼もが自身の欲望に忠実。研究をするにしても人体実験や、態と血生臭い手段を取る輩が多い。

 西暦1400年頃に誕生し、17歳の時に不老の儀式を自分自身に施して吸血種となる。正確な分類だと真祖から派生する死徒では無く、魔術の果てに吸血鬼と化した死徒である。もっとも、血を吸って生命や魔力を補充出来るだけで、グールを生み出す生態系を持っている訳ではない。ある種の使い魔にして支配するような真似事が出来るだけの、死徒とは別種の吸血鬼。更に言えば、吸血鬼と呼ぶにも相応しくない不老の魔女である。

 西暦以前から続く神代の家系の分家が黒魔術を取り込み、中世で大家になった貴族。その分家の初代当主であり、現当主。なんでも神代において妖精の血が混ざった神官から続く家系らしく、スヴァルトアールヴヘイムの妖精種の血統であるのだとか。つまり、妖精との混血一族であり、固有結界を代々保有する大魔術家系。固有結界の持ち主のみ当主になれ、当主以外に固有結界の持ち主が出れば正式な貴族の格を持つ分家を作る事が許される。

 杖剣・妖精の遺産(アールヴスレフ)と魔杖・竜馬真骨を持つ。アールヴスレフは妖精の鍛冶で錬られた杖の剣であり、元々は実家の概念武装だった物を改造して自分の魔術礼装にした。竜馬真骨は竜種と一角獣の牙と角から作成されており、考え付いた設計図を基に材料収集から完成まで全て自分の手で創造した。魔術属性は「五大元素」、魔術特性は「具現」、起源は具現たる「形を現す」こと。黒魔術を極めた五大元素使いであり、何事も堪能で万能。詠唱を全て破棄した魔術行使が可能となる超抜能力を持つ為、一工程よりも更に早い思考レベルの領域で魔術を使える。それがカウントレスの異名の原因。

 快楽主義者。根源を目指しているが、心の奥底では魔術を極める事が好きなだけで、神秘を鍛え続けた過去に対する意味と、その行動の結果に価値を見出す為に根源を求めている。純粋な探究心しか無く、求めているから求めているだけと言う、ある意味本物の賢者たる魔女である。故に魔術師特有の誇示、諦観、固執が一欠片も存在しない。決まり事や他人からの束縛に従わず、常に自由気儘なマイルールで生きている。

 

◆◆◆

 

名前:イノセント・ホワイトヘッド

身長:195cm

体重:98kg

イメージカラー:白

特技:開発全般、兵器運用

好きな物:研究業務

苦手な物:図々しい人間

天敵:美綴綾子

 

―――解説―――

 

 災厄を撒き散らす外法。世界で一番関わりたくない錬金術師。

 人型の魔術礼装とも言える人物で、外見は人間だが中身は錬金術と科学技術と魔術で作成された機械人形。脳味噌も霊子回路に置き換えられており、電子頭脳とも言える異端の半人半機。

 元々はアトラス院の錬金術師。そして、大元は封印指定をされる前に脱退した時計塔の魔術師。アトラス院では研究成果を秘匿しなければならないが、彼は「兵器は使われなければ価値が無い」と言う信条があるので修練を積んだ後は直ぐに野へ下った。結果、時計塔からは封印指定を結局受けて仕舞い、巨人の穴蔵からも指名手配を受け、更には聖堂教会から刺客を向けられる事となり、加えて様々な死徒の派閥から命を狙われている。

 現在では美綴綾子が一番の客。彼女から金は勿論だが、色々な材料や、諸々の礼装や武装を貰って武器を売り渡している。研究一筋であり、自分の兵器を巧く使ってくれる為、美綴のことをかなり気に入っている。

 


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