黒の剣士と紅の死神   作:夢宵桜

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 どうも初投稿です。最近はシリアスものにはまっています。ですので兎に角暗いです。説明文、流れ、セリフは小説より拝借しております。もしかしたらBLに向かってしまうかもしれないし、そうならないかもしれません。それをご了承の上、読み進めていただけたらと思います。


それではどうぞ!!



プロローグ これはまだ始まりに過ぎない

「これは、ゲームであっても遊びではない」

  『ソードアート・オンライン』プログラマー・茅場晶彦

 

 

 

 

 

 無限の蒼穹に浮かぶ巨大な石と鉄の城。

 それがこの世界の全てだ。

 職人クラスの酔狂な一団がひと月がかりで測量したところ、基部フロアの直径はおよそ十キロメートル、世田谷区がすっぽり入ってしまうほどもあったという。その上に無慮百に及ぶ階層が積み重なっているというのだから、茫漠と広大さは想像を絶する。総データ量などとても推し量ることができない。

 内部にはいくつかの都市と多くの小規模な街や村、森と草原、湖までが存在する。上下のフロアを繋ぐ階段は各層にひとつのみ、その全てが怪物のうろつく危険な迷宮区画に存在するため発見も踏破も困難だが、一度誰かが突破して上層の都市に辿り着けばそこと下層の各都市の《転移門》が連結されるため誰もが自由に移動できるようになる。

 そのようにしてこの巨城は、二年の長きにわたってゆっくりと攻略されてきた。現在の最前線は第七十四層。

 城の名は《アインクラッド》。約六千人もの人間を呑み込んで浮かびつづける剣と戦闘の世界。

またの名を━━━

 

 

 

《ソードアート・オンライン》

 

 

 

 そこには深紅のコートに身を包み、フードを被り真っ赤なマフラーを巻いた『紅の死神』と呼ばれた一人の影のトッププレイヤーがいた。SAO最強プレイヤーだと呼ばれた男の素顔を知る者は『黒の剣士』と『閃光のアスナ』だけだといわれる。

 

 

 これは廻る世界の一角の物語。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 満月が昇る深夜。深い森の中で真っ赤なコートとマフラーをはためかせ《敵》━━猿のように手足は長く顔は人間に近い、毛に覆われたその見た目とは裏腹にその体は鉄よりも固く刀よりも鋭いその爪で男に襲いかかる。男も目にも止まらぬ早さでニヤニヤと笑うレベル85モンスター《モンキーザリッパー》に向かって攻撃を交わしながら短剣を振り戦場を駆け抜ける。しかしその短剣を素早く軽々と避けるモンキーザリッパーは明らかに男の攻撃パターンを読んでいるようだった。モンスターを動かすAIプログラムは、男の戦い方を観察し、学習して、対応力を刻一刻向上させている。

 突然、男が止まった。それを見たモンキーザリッパーはまるで意思を持った生き物のように好機とばかり襲いかかった。その鋭い爪が男を貫く━━━━━ことははなかった。男に触れるそのすう前にモンキーザリッパーは長い断末魔を振り撒きながら、宙に浮いたままぴたりと静止し━━━。

 ガラス塊を割り砕くような大音響とともに、微細なポリゴンの欠片となって爆散した。

 これがこの世界における《死》だ。瞬時、そして簡潔。一切の痕跡を残さない完全なる消滅。

 男はそれに目もくれず短剣を少し傾けた。すると月明かりに照らされていた何かがシュルシュルと静かに音をたて短剣へ吸い込まれていく。それは糸より細く何よりも鋭く頑丈な針金。男は攻撃を仕掛けていると見せかけてそれを仕掛けていたのだろう。濃密な計算と誘導。相手のスピードを利用した攻撃方。さっきのモンキーザリッパーは完全に男の罠にはまっていたのだ。全ては始まったときに勝負がついていた。

 

 男は静かにそこを去る。風に煽られたコートとマフラー、そして一瞬見えた妖しく光深紅の瞳はまるでこの仮想世界には流れない真っ赤な何かのようだった。

 

 

 

 

音もなく、何よりも静かに。冷徹に冷淡に。見えない表情は変わらず淡々と敵を刈る姿。

 

 

それはまさに『紅の死神』だった。

 

 

 




如何でしたでしょうか?

誤字脱字。または、これはちょっとヤバイんじゃないの?消した方が良いよ。という方はご報告ください。

亀更新です。期待なんかせず(するわけがないと思いますが…)、気長にお待ち頂けたらと思います。
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