緋弾のアリア Irregular Joker   作:大空の守護者

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装填

運命──。

 

どんなに頑張って覆せない絶対不変、生き物を操る糸、無慈悲なその言葉は大切なものを、想いすらも吹き飛ばしてしまうんだ。

何時、どんな風に、どんな形で降り注ぐか分からない理不尽を嘆き諦める為に生み出されたような言葉何だろうな。

運命なんて言葉は結局後付けで言えば良いんだと俺は思ってる。

何かあれば、起これば、『全部運命だったんだ』と──。

 

だから俺とアイツが会ったのも運命だったんだ。

それからだった。

俺が本気で空から女の子なんて降ってこなければ良いなんて思ったんだ。

そのアイツとの出会いの後に。

 

 

俺は『主人公』にも『正義の味方』にもなりたくなんかないんだ。

そう決めてから既に一度失敗して後悔してる。

だからこそより切実に、平和で平穏な世界に暮らしたい。

そう願っているんだ。

 

だから俺は改めて問いたい。

 

──空から女の子が降ってくると思うか?

 

─────────────────

 

2つ疑問が有る。

その1、何で俺はトランクス一丁で寝てんだ?

その2、朝からこの部屋に訪れてくる奴は誰だ?

 

……ピン、ポーン……

 

いや…2つ目の疑問は解消された、こんな慎ましいチャイムの鳴らし方をする奴なんて一人しか心当たりが居ないからな。

そもそもこの部屋に訪れてくる奴なんて片手か両手で足りるだろうしな、若干残念なことに。

あっいや、別に友達が居ない訳ではないが。

 

現在の時刻は午前7:00、枕元の携帯で確認したから間違いない。

 

(待たせるのも悪いし着替えて出るか…)

 

もそもそとワイシャツを羽織り制服のズボンをはくとこの一人暮らしするには広すぎるマンションの部屋を渡り玄関のドアの覗き穴から、外を見た。

 

「……予想通り…」

 

そこには白雪が立っていた。

武偵高のセーラー服をしっかりと着こなしコンパクトで前髪を直している。

何してるんだ白雪、こんな所で。

次には深呼吸をし始めていつも通り訳の分からない奴だった。

 

「なにしてんだ白雪」

 

ドアを開けると同時に白雪はコンパクトを仕舞うと俺のことを呼んだ。

 

「キンちゃん!」

 

「子供の頃の呼び方は止めろって言っただろ…で、何のようだ?」

 

「あっ、ごめんねキンちゃん…あっ…またキンちゃんのことをキンちゃんって…あぅ…」

 

このまま放置してみたら無限ループするのは目に見えてたから俺は白雪を中に招き入れた。

 

「え、えっとねキンちゃん…これ…作ってきたんだけど……」

 

俺は座卓の脇に腰を下ろし白雪は正座をすると持っていた和布の包みを解き中に入っていた漆塗りの重箱を俺の前に差し出すと箸を俺に渡して蓋を開けた。

中からはいかにも柔らかそうに出来てる玉子焼きや銀鮭、その他のおかずに白米が入っていた。

 

「いつもいつも思うけどこれ作るの大変だろ…感謝はするけど無理はするなよ」

 

「き、キンちゃんに喜んで貰えたら私は嬉しいから…それにキンちゃんから感謝なんて…ありがとうございますっ」

 

三つ指をつきながら土下座のようにお辞儀してきた白雪、セーラー服の胸元は少し緩んでいて深い谷間と黒い下着が見えた。

それと同時に体の芯体の芯(・・・)に血が集まる俺にとって嫌な感覚がしてきた。

即座に顔を逸らしご馳走と言うと勢いよく立ち上がった。

小さく舌打ちが聞こえたような気がするが……。

 

「今日から一緒二年生だね。はい防弾制服、それと拳銃だよ?持たないと校則違反だからね」

 

「……始業式くらい持たなくて良いだろ…」

 

俺の学校──東京武偵高校はうんざりするほど普通じゃない、世間一般からすれば狂ってるんだ。

 

校則、【武偵高の生徒は学内において帯銃・帯剣を義務づける】

 

(あぁ…やっぱり普通(・・)じゃないな…)

 

「今朝キンちゃんのこと占ったら…女難の相出てたし…武偵殺しみたいなのとか模倣犯が出たら…ぐすっ…」

 

「分かった分かった、分かったから泣くなって…」

 

内申が下がれば今の俺の目標は達成されにくくなるだろうしな。

 

──『普通の高校への転校(・・)』が。

 

白雪は【遠山キンジ】とある名札を付けてくれた。

四月はこれをつけないといけない決まりが有るからな。

 

「後は俺がどうにかするから先行ってろ」

 

「片付けとか洗濯とか──」

 

「いいから行けって」

 

………行ったみたいだな。

にしても女難の相か…。

 

(朝から白雪と会ったし気をつけるか…)

 

そういえばアイツ来てないな、その方がよっぽど疲れないし平和で済むから一向に構わないが…。

 

洗い物や洗濯を済ませPCのネットでニュースをチェックしたりして時間を潰していた。

 

(女難の相…昼行灯で女嫌いな俺にか…まさか留年しまくりの先輩に怪しい部活に誘われたり…そんなことなら有り得ないな…)

 

もし起きてもひたすら全力で拒絶するが──などと考えていてふっと時間を見たら既に7:55となっていた。

──58分のバスに乗り遅れたなこれ。

 

仕方ないから今日はチャリ漕いで行こう、そう決めたんだ。

 

 

───生涯。

生涯、俺はこのバスに乗り遅れたのを後悔するだろう…人生の中で本気で悔やむであろう出来事──その二度目として。

 

誰が考えると思う?

空から女の子が降ってくるなんて。

神崎・H・アリアが降ってくるなんて。




どうも初めましてこんにちは、またはお久しぶりです。
なんとなく3rd eye作品をクロスさせたいなぁっと思って書き始めたのがこの作品となります。
当初は『死神のテスタメント』か『幻創のイデア』とのクロスにしようかと思いましたが今年発売したソーサリージョーカーズをプレイしてルゥが気に入った為変更となりました。

誤字等があれば教えて貰えると非常に助かります。

初めは遠山キンジの視点、この作品の主人公はまだ出て来てませんよ。流石に
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