尸魂界に不法侵入した者を指す。
虚以外でも死神の許しなく入り込んだ部外者は霊魂・人関係なく排除され、「余所者は尸魂界に災いをもたらす」という通念からこの名称がついた。
しかし、
黒崎杏が七番隊三席に就任してから暫く平和であった隊舎内に、その報告により緊張が稲妻のごとく広まったのは言わずもがな。波紋を広げるように殺気立ち、男気を掲げている隊ゆえに強面の多い隊だ。十一番隊とは違った男臭さに拍車がかかり、扉を開けてみればそれはまさしく任侠の世界…いつからここはVシネの楽屋になったんだ、と…杏は生来の人見知りが発動する。七番隊の詰所の居心地の悪さに
一護、今頃空鶴さんのところかな…
番茶をそろそろ啜り一護に思いをはせると、舌先に感じた熱さに身体が揺れた。
そして警戒態勢の緊張が続く中、瀞霊廷内に衝撃が走る
「空が明るい…」
誰かが呟いたその言葉で皆が天を仰ぎ、喫驚の色に顔を染める
空が白み始めた早朝の空は、物質と物質の反発で煌々と常軌を逸した光を放つ。
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「全く、何故あなたなんぞと一緒に行動しなくてはならないのか」
「まあまあ、副隊長の指示ですから」
声は穏やかだが杏の前髪に隠れた目は、まるで蛆を見るように冷たかった。
あなたがきらいです。と、本人に飾りっ気なしで表してしまうその性根には思わず感嘆してしまいそうだが、奇遇だな私もお前が嫌いだ。杏は珍しく神経が毛羽立っていた。
七番隊四席 一貫坂 慈楼坊 破られた西門の守護者の弟で何かと私を嫌うこの男は、どうも特に功績のない女が自身の上に座しているのが気にくわないらしい。あわよくば、旅禍組みにこっそり接触してしまおうかと画策していた途端の副隊長からの思し召し、三席と四席が一緒に行動して戦力の偏りになるのではないかと言い訳をしてみたが指示は変わらず。これを機に、なんて副隊長の魂胆が見え見えだった。残念でしたな射場副隊長…これと分かり合える日は生涯こないであろう。
そして何より、黒崎 杏の今まで関わってきた者たちの引きが良すぎたのもこれに大きく影響を受けていた。人見知りで男が苦手、という性格であったが八番隊にいた頃は皆が香を嗜んだりと品の良い者たちや子供好きが揃っており、十一番隊にいた頃は書類仕事を押し付け…いや、書類仕事を専門としていたためあまり隊員と関わる機会がなく、隊員も杏に関心はなく副隊長のやちるのみが鬼事に誘ったり休憩時間を見計らってお菓子をねだりにきたりという生活を送ってきた。
そこに急激な敵対心を向けられて、半温室育ちの杏の心が萎びないはずがなく彼女は自身の精神的健康を考慮して敵意には敵意を持って返そうという防衛反応が展開した。
続けるにこの男、性根もさることながらボマードは使い過ぎでこってりだわにおいがキツイわで、てらてらとオイリー…つまり何が言いたいかお分かりになったでしょうか。人にはどうしても根本的に相入れない人間というものが二、三、四は存在するものなので、杏にとっては苦手に分類される男なのである。
ボマードの臭いで、鼻がやられないように何歩か離れて配置場所まで歩く。瞬歩で移動すればいいんじゃないかとも思ったが、面倒くささが勝ちそのまま素直に歩いた。
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「そしてさよなら、君には最早後悔させる時間すら惜しい__」
滅却師の男に向けた無慈悲な言葉に
男が醜い断末魔を上げ、
同時に”胸”に”腹”に矢が突き刺さる。
滅却師の男の蒼白い光を放つ矢が穿ったのは”鎖結”と”魄睡”と呼ばれる霊力を司る器官だ。もはやこの男が死神に戻ることはない。
「それで、次はあなたが僕の相手をしてくれるのかな」
「え?」
井上織姫が石田 雨竜に駆け寄ろうとした時、発せられた言葉に驚愕する。雨竜の眼鏡の奥で鋭く細められた瞳の先を見ると、倒された一貫坂 慈楼坊の側に先ほどまで居なかったはずの女性が立っていた。新たな敵かと雨竜に遅れながら、織姫はヘアピンに手を当て警戒態勢を取る。
「いいや、私は四席を回収しにきただけだから遠慮しとくよ」
緊張感のない声にひらひらと手を振り敵意がないことを示す女だが、その顔は長い前髪で隠され本心が見えない。ヘアピンから手を離した織姫に代わって雨竜は警戒を強める。
「本当だよ。敵意はない」
「それを信じるほど僕が愚かだと思うのかい。死神が仲間がやられておいて見逃してくれるほど優しくは無いだろう?」
「そうだね、その通りです。でも、今回は例外ということで…君達と戦いたくない理由てのが二つあって…彼は腐っても我が七番隊の第四席だ。彼がわたしを嫌っていてね、そんな彼がわたしの力は借りない・自身で事足りると宣言した。だから君達と戦って仇を打つってことは彼に対する冒涜で仁義に反しているとわたしは解釈した。というのが理由の一つで、もう一つがね
___君達、黒崎一護の仲間だろう。」
裏設定
杏から見た一貫坂について
実は卑怯な手を使ってまで敵を排除するという行為を、死神として正しいと思っているが嫌い
斬魄刀の能力を雑木林などの障害物ありきの場所や、不意をついての方が有効なのに馬鹿正直に喋っていてバカだなあと思っていた。
一貫坂から見た杏について
始解もできない死神と認識されているので十一番隊の末席から急に三席についたので、不正があったのではないかと訝しんでいた。
射場副隊長
隊長格は、杏が始解を習得しているのになんとなく気づいたいるため
杏がしっかり隊に馴染めるよういろいろ思案していた仁義の男
11/13 23時にちょっとだけ加筆しました
あと、感想で設定について結構疑問が多いようだったので思い切って、黒崎 杏の設定についての項目作ろうかと考えてます。そのうち増えてると思うので長い目で見ていただければ幸いです。
物語駆け足で書いているので変なところあれば加筆するかもしれません…ご迷惑おかけします。