兎にも角にも文章を打たねば…、打たねば…(´・ω・`)
―陰の月と陽の月が合わさる時、異空から来る者有り、その者災厄を悉く薙ぎ払い世に太平を齎さん―
「行って来まーす」
あの日、私は普段と何ら変わらぬ一日の始まりに、少し退屈に感じながらも普段通りに自分の通う学校へと向かっていた。
今日も退屈な授業を受けて、友人と昨日のドラマの話をしながらお昼ご飯を食べて、学校が終われば少し寄り道でもして家路に着く
自分にとってそれは当たり前の日常、その時考えていたのも別段特別な事でも無く、今日のお弁当の中身はなんだろな~程度だった様な気がする。
「あれ?」
そんな当たり前の日常に、例えば光り輝く宝石が突然と降り注いで来たら?
何をあり得ない事を言っているんだと思われるかもしれないが、あの時の私の心境はきっとそんな感じだっただろう。
「うわぁ…」
学校へと続く道の途中の交差点ですれ違った、銀毛の毛並み整った大型犬に目を奪われてしまった。
普段の私なら綺麗な子だなぁ程度で終わっていたのかもしれない、きっと後を追いかけるなんて事もしなかったと思う
でも何故か、あの日の私は無意識の内に美しい銀毛犬の姿を追ってしまった。
もしもあの時、そのまま学校へと向かっていたのなら、私は普段通りの日常を過ごしていた事だろう
人生のターニングポイントってのがあるとしたら、私にとってそれは【犬のあとを追う】という選択肢を選んだ瞬間
「あ、あれぇ?何処に行ったんだろ?」
犬の後姿を追いかけていたのだが、見知らぬ道まで辿り着いた所で見失ってしまった。
陽の光に反射してキラキラと輝く銀毛を探すが見当たらず、仕方ない諦めようとため息をついたそんな時だった。
『ウォン!』
という鳴き声に振り向けば、いつの間に其処に居たのか、お行儀良くお座りし私をジッと見つめる凛々しい姿が…
一歩近づく、逃げる様な仕草もせず犬は大人しくお座りをしている。
一歩さらにもう一歩と近づくも犬は動かない、ついに美しい銀毛に手が触れるという瞬間、私の身体に異変が起こる
一言で表すならば【浮遊感】とでも言おうか、全身が浮き上がる感覚が奔った。
思わず足元に目を向ければ、其処には見るにそのまま【大きな穴】がぽっかりと口を開いていて
あ、これ落ちる奴だ。
と自分でも冷静に状況を理解し、私はそのまま奈落の底にも感じられる暗闇へと落ちて行った。
「ぅぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
乙女らしからぬ悲鳴を上げながら落ちる様は、端から見ればさぞ滑稽だっただろう。
ドスンという衝撃、今思えば相当な高さから落ちたにも関わらず、あの程度の鈍痛で済んだという事を先ず疑うべきだった。
「ぅべっ!」
言うならばベッドから勢いよく頭から落ちたような鈍痛で目を覚ます、痛む頭を押さえ霞む視界を鮮やかにすべく目を擦りながら周囲を見る。
青々と草木が茂っている様子、視界に映る範囲でも相当に広い空間である事を不審に思った私は当然自分が落ちてきた【上】を見る
すると其処には…
「あ、赤い、空?」
夕暮れなんて比じゃない、赤黒い色をした空がだだっ広く広がっていた。
どうやら私、高坂佐奈の日常はとんでもない事になってしまったらしい。
どっかで見た?
うん、私もどっかで見たわ…物語の初めなんて皆そんなもんだって思ってください。