IS 切捨て御免!   作:六六

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国際テロリスト 篠ノ之束

 ぴーんぽーんぱーんぽーん。はろはろー! みんなの不思議なルイス・キャロル、世界の天才束さんだよ。

 

 

 おやあ、どうしたのかなあ、おかしな顔して。束さんのキュートかつセクスィーな顔にときめいちゃってるのかな?

 

 

 あ、わかった。これだね。私が作ったホログラフ通信装置だよ。衛星で座標軸を限定して特定の場所にホログラフ映像を映すことが出来るんだよ。束さんにかかればこれぐらい余裕余裕。勿論衛星はハッキングしてるから、別に君なんかをストーキングしてるわけじゃないから安心してね!

 

 

 それでねそれでね、今回は束さんから重大な発表があります!

 

 

 最近ばん君のことを探ってるどこかの鼠さんに伝えたい事があります。お耳に神経集中してよーく聞いてね。

 

 

 じゃあ言うよ! それ以上ばん君に近づかない事をお勧めするよ、この贋作品!!

 

 

 私の言いたい事わかるよね、それぐらいの知能指数は持ってるよねえ。君が幾らちーちゃんの妹だからって限度ってものはあるって私は想うんだよねえ。折角ばん君が私に珍しく頼ってくれて嬉しくなってたのに、それが贋作品を連れてくる手伝いだって言うんだから、私のがっかりが君にはわからないよね。しかも今ではそいつが私のばん君を探してるって言うんだから酷い話だよ。ほんとどうしようもないなあ。束さん困っちゃったよ。

 

 

 んー? 私が何を言ってるのか理解できないのかな?

 

 

 あは! そうだよね! 君にはわかんないよね、所詮作り物の君にはねえ!

 

 

 そっれじゃ理解力の壊死してる君にもわかりやすく説明してあげよう! 束さんたらすっごく優しいね!

 

 

 まずねえ、何から教えてあげようかなあ。

 

 

 あ、そうだ! どうしてばん君が君を助けたか教えてあげるね。

 

 

 そもそもばん君は君なんかどうでも良かったんだよ。君が存在してるなんて全然知らなかったしね。それなのにどうして君を連れて行ったのかって言ったら、君がばん君たちの偽者だったからだよ。どういうわけか遺伝子的にちーちゃんと同じだから仕方ないけど、そんな見ず知らずの他人を助けようだなんて普通考えないよねえ? だって気持ち悪いじゃない! しかも自分の妹の偽者なんだからね。私だったら即効廃品処理だね。

 

 

 でも君がちーちゃんの偽者だったからね。それがばん君が動いた理由だよ。

 

 

 まあ、ばん君がどうして偽者の君なんかを大切に思ってるかも理解できないけどね。

 

 

 てひひ、まあどうでもいいや! 時間がないからどんどん話しちゃうよ!あんまり時間かけるとばん君に見つかっちゃうしね。

 

 

 ばん君の居場所? うん、知ってるよ。この前だって私が作った料理を食べにきたんだから。『んまいんまい』ってばん君の食べっぷりすごいから思わず惚れ惚れしちゃったぜ!

 

 

 え? どこにいるのか知りたいの? でも君にばん君の居場所を教える理由がないじゃない。

 

 

 あれれ、どうして怒ってるの? だって事実でしょ? 束さんわかんなーい。

 

 

 まあ君がなんで怒ってるのか何だっていいんだけれどね! それでねそれでね、ばん君がどうして君を助けたかなんだけど、ばん君が家族を大切にしようって思ってたからだよ! 

 

 

 ばん君はねえ、私と似てるの。人間とかあんまり理解できないし、自分の強さや戦いにしか興味ないもん。でもそれじゃ駄目だって思ってたらしいから、そういうのを理解しようとしてるんだって。

 

 

 束さんはばん君やちーちゃん、それに箒ちゃんとかいっくんしかわからない人だから他の人間なんてどうでもいいって思ってるけど、ばん君は親がいなくなってからそれじゃ駄目だって決めたんだよ。ばん君も私みたいな人なはずなのに、それじゃちーちゃんやいっくんが生活するのに迷惑がかかるって思ったんだって。だから二人に関係する人も理解するように頑張ったんだ。私もちーちゃんたちのためなら色々やってあげるけど、他のどうでもいい人たちのことも考えるなんてばん君すごいよねえ。

 

 

 でねでね、前々からちーちゃんが君の事を気にしていたから、ちーちゃんの願いを叶えてあげたんだ。それでちーちゃんの偽者である君を引き入れたってわけ!

 

 

 だからね、君自身の事なんてどうでもよかったんだよ、ばん君は。

 

 

 ――――なんでそんな事がわかるか? へえ、束さんが言ってること疑うんだ。ま、仕方ないよね、凡人に天才の思考なんて理解できないもんね!

 

 

 まだわからないのかな? んー、こんなに頭が悪いなんて、本当にどうしてばん君が君を助けたのかわからなくなっちゃったよ。

 

 

 でもばん君は違う。ばん君は私を理解できる珍しい人なんだよ。だってばん君は剣の天才で、戦いの天才なんだからね。

 

 

 天才は天才を知るんだよ。だからばん君は私を理解できるし、束さんほどばん君を理解できる人もいないってわけ! これが理由、これが答えだよ。誰もばん君をあんまり理解できないけれど、束さんは十全かつ完璧にばん君を理解できるって事! 私たちほどお似合いの二人も人類史始まって以来なかなかないよね!

 

 

 つまり束さんはばん君が君なんかを普通に大切にする意味がわかるってわけ。わざわざ私が作ったISを使ってまで君を助けたのはそういう事なんだよ。

 

 

 あれ? 知らないんだ、ばん君の『灰鶴』は私が一生懸命作ったISだよ。オリジナルナンバー『白騎士』の次に作った完全なワンオフ。元々白騎士はちーちゃんのために作ってたんだけど、途中でばん君にばれちゃったから作ったんだ。それを今も解体せずにばん君は使ってるんだから、束さん愛されちゃってるなー。

 

 

 ――――『打鉄』の改造? 何それ? どうしてばん君にあげるISをそんな手抜きしなきゃいけないのさ。

 

 

 なるほど、君はそんな嘘を信じてたんだ。ちーちゃん達は知ってるのに、君は知らないんでいたんだ! 全然信用されてないんだね! 

 

 

 あ、確かにそうだよね! ついこの前まで敵で殺しに来てた偽者相手に話すことなんて何もないんだから。

 

 

 んふふ! 怒ってるの、悲しんでるの? ねえねえ、どんな気分? 自分の信じてた人に最初から信じられないってわかってどんな気分? 束さんに教えてよ! 束さんはそんなこと全然なかったからね! ちーちゃんもばん君も箒ちゃんやいっくんも私の気持ちを裏切った事なんて一度もないんだから。

 

 

 だからさっさと離れなよ。君の居場所なんてどこにもありはしないんだからね。それにばん君を追う事も許さないから。

 

 

 ――――え? なんで私がこんなにばん君に拘るか?

 

 

 そんなの考えるまでもないじゃない。君はほんとに馬鹿だなあ。

 

 

 天才は天才を求めるんだよ。なにせ凡人に囲まれてると飽き飽きしてくるからね。会話が全然成立しないし、くだらないことで悩んでばかりだからね。一緒にいて肩がこっちゃうよ。あ、おっぱいがおっきいからじゃないからね? 

 

 

 ばん君はそんな事ない。ばん君は何時だって私が何をしたいのか理解したし、何を話したいのかもちゃんとわかってくれた。

 

 

 だからばん君といると全然飽きないし、すごい楽しいんだ。ちーちゃん達といるのも楽しいけれど、ばん君といるのはそれ以上だねえ。

 

 

 それに私は始めて会ったときからばん君が私に似てるって気づいてたんだ、えへへーすごいでしょ!

 

 

 ばん君があの人に連れてこられて家に来た時なんだけど、こうビビッときたんだよね。神様の存在は全然興味ないけど、あれは運命の出会いだったと思うよ。

 

 

 おかしいかな? 束さんがロマンチックなこと言うなんて。

 

 

 でも、たぶんそれ以外の言い方なんてありえないよ。あの時は何もかも詰まんなくて仕方なかったけれど、ばん君が来てから少し楽しくなったんだよねえ。束さんは天才だし、ばん君も天才だったからたぶん惹かれ合ったんだろうね。おかげでちーちゃんとも会えたしね! それからいっくんとも仲良くなったから良い事尽くめだよ。

 

 

 楽しかったなー、あの時は。束さんとばん君ちーちゃんの三人でずっといたんだ。

 

 

 それがいつの間にかこの様だよ。ちょっと世界を変えてやろうってISを作ったけど、それからどうでも良い奴らがしつこくやってきてね。おかげで箒ちゃんにも迷惑掛けちゃったし、ちーちゃんの溜め息も増えたしね。流石にちょっと失敗しちゃったかなあ、って思ったよ。ばん君は『面白そうな事になりそうだの』って笑ってたけどなあ。

 

 

 そう言えばばん君だけだったなあ。私がISを作って嬉しそうにしてくれたのわ。たぶんそれで戦うって理解してたからだと思うけれど、あれだけばん君が嬉しそうに笑うの滅多にないんだからね。レアレア、超レア! レアすぎて殆ど生焼け状態だよ。

 

 

 私はね、ばん君が笑ってると嬉しくなるんだ。だからもっと笑って欲しくなるんだよ。

 

 

 ――――そうだよ、私はばん君が大好き! 

 

 

 もう世界なんてどうでもよくなるくらいばん君らぶー。

 

 

 ばん君が笑ってくれるならどんなことだってしちゃうぜい。

 

 

 だから今は一緒にいるんだ。束さんには面倒な奴らが多いからねえ。そいつらいっくら追い払ってもしつこいからばん君に任せてるんだあ。戦っても戦っても敵はやってくるからね。まるで子蝿みたいでしょ。

 

 

 ……やめさせろ? 君がどうして指図するの?

 

 

 ばん君は戦えて楽しいし、束さんはばん君に戦ってもらう事で守ってくれるから嬉しい。これ以上素晴らしい事はないよね。

 

 

 それに君の言葉なんて一体誰が聞くって言うの? 全然誰からも信用されてないのに?

 

 

 ふふ、ほんと笑っちゃうよね。え、なになに、もしかしたら自分が人間だって思ってるの? そんな事ありえないのに? ちーちゃんの粗悪品でしかない君が?

 

 

 ぷーくすくすくすくす! 冗談にしては酷すぎるよ。思い込みもここまで来ると怖いよねえ。

 

 

 君なんてどこにでもいるただの無意味だよ。私たちにとって何の意味も役割もないただの記号にさえならない存在だ。それなのに君はばん君の行動を勘違いして、ちーちゃん達の優しさに甘えてるんだからよく生きてるよねえ。ほんとすごいよ、束さん尊敬しちゃう!ほんと消えちゃえばいいのに!

 

 

 ……んん? どうしてそんなに暗い顔してるのかな? ほんとはわかってた事でしょ?

 

 

 自分の事から目をそらして、無理矢理誤魔化してきたのは君じゃないか。なのに今更自覚したなんてありえないよね。え、まさか本当にそうだったの? ふふー、これでひとつ賢くなったね!

 

 

 いやあ束さんいい事しっちゃった! 無能に懇切丁寧に教えてあげるなんて私とってもいい子だね。今度ばん君に頭なでなでしてもらお!

 

 

 ああ、ばん君に会いたいなあ。ばん君ばん君ばん君ばん君ばん君ばん君ばん君ばん君ばん君ばん君ばん君ばん君ばん君ばん君ばん君ばん君ばん君ばん君ばん君ばん君ばん君ばん君ばん君ばん君ばん君ばん君ばん君ばん君ばん君ばん君ばん君ばん君ばん君ばん君ばん君ばん君ばん君ばん君ばん君ばん君。あーもうすっごい大好き!! 

 

 

 もうばん君のことしか考えられないよお。……むう、切ないよおばん君。なんだか寂しいよお。

 

 

 あ、聞いて聞いて! 私ね、ばん君に頭撫でてもらうとぽかぽかするんだ。

 

 

 全身の体温が高まってなんだか身体が熱くなって脳がぼーっとしちゃうの。不思議だよね。それでお腹の奥がきゅんきゅんしちゃう、すごい気持ちいいんだよあれ!

 

 

 あーあ、いつかばん君に色んなところ触ってもらいたいなあ。体中全部、恥ずかしい所だって全然かまわないよ。おっぱいもオッケーだし、他のところもいつだっていいんだ。でも、もしかしたら頭が熱くなり過ぎてぱーん! ってなっちゃうかも。そしたら困っちゃうなあ。

 

 

 それにね、ばん君いつか言ってくれたんだ。IS作っても何だか退屈になっちゃった時にね、私の頭なでなでしながら『もしお前が全部に飽きちまったら、俺がお前を■してやる』って。それ聞いて私泣きたくなるほど嬉しくなっちゃった!

 

 

 それ聞いて私も思ったんだ。やっぱり束さんとばん君は同じなんだって。私もばん君を■したいって思ってたんだから。私がこんなに誰かに何かをしてあげたいなんて、今まで一回も思ってなかったけど。しかもそれがばん君の考えてることと一緒なんだから、もうこれはあれだね、シンクロニシティというか殆ど一心同体だよ。

 

 

 だから束さんはばん君が■してくれるまでずっと待ってるんだ。それまでの間はIS(暇つぶし)をしてるから、ちーちゃん達には頑張ってほしいなあ。

 

 

 むふふー、楽しみだなー。

 

 

 おや? これはばん君が近づいてきてるかなー? 君といるところなんて見られたくないし、君にばん君を見られたくないからそろそろ終わらないとね。

 

 

 さあて、今度は何を作ってあげよっかなあ。そろそろ私を食べてね! って言ってみようかな? 女体盛りってのも気になるし。

 

 

 それじゃ、束さんからのお話はここでお終いだよ。ハッキング作業もめんどくさくなってきたし、ちょっと妨害がうるさくなってきたしね。

 

 

 ではでは、君はどうでもいいけど、ちーちゃんによろしくねー!

 

 

 以上、ホログラフ通信装置しゅうりょー!

 




腹黒うさぎ束。
狡猾な羊らしいけれど、羊なのか?


ちなみに世界が無事なのは天災が発情してるから。
感想……くれちゃってもいいんだぜ?
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