PSAO=Phantasy Star/Sword Art Online   作:Noah/Deal

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Pray,for“IDOLA”the distorted

光ありて 影を成し

対ありて 対無く

 

不在の在

 

かかる姿の 転生の

 

宴 無限なる

律 ここに

印 結びなさん

 

ムゥト ディッツ ポウム

 

――惑星『ラグオル』地表モニュメントより

 

 

 

 

※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※

 

 

 

 

転送時独特の眩い光が四人を包み、彼らを"闇"の眠る場へと誘う。

 

眼前を覆う閃光に目を細めるも、やがてその光は消え――

 

 

 

「……なんですかい、こりゃあ……おったまげたなぁ…」

 

青き青年が、視界に映る光景に思わず絶句し。

 

 

 

「ほんと…、綺麗ね…」

 

法を担いし少女は、その光景に意識を奪われ。

 

 

 

「――気を付けろよ、何が出てくるか分かったもんじゃないぜ」

 

赤き青年は、その双眸を視界の中心に映るモノに向け。

 

 

 

「……――ぁ、……」

 

そして"彼"は、ただただ息を呑む事しか出来なかった。

 

 

 

――そこに在ったものは、広大な広場であった。

 

透き通るような青空に、視界一杯に広がる花畑。

その光景だけを見れば、実に美しく――

 

また、見るものを引き込むような何かすら感じられた。

 

だが……

 

 

広場の中央に鎮座する、巨大な石碑のような建造物と、その下に佇む石棺。

 

その存在が、この空間を異質な空間へと変貌させていた。

刻まれた文字は、紛れも無く古代文明の文字であり――

 

また、その意匠からも"ダークファルス"と無関係であるとは言い切れないものであった。

 

 

 

「……ちょっと、あの石棺を調べてくる。ここで待っていてくれ」

 

 

「本当にここに"ダークファルス"が居るのかしら…… 気を付けてね」

 

 

 

赤き青年は、その手に得物を掲げつつもゆっくりと石棺に近づいていく。

やがて辿り着き、棺に手を触れたその瞬間――

 

 

 

 

―――■■ァ■ぁああぁァ■――■ぁァあ■■―――

 

 

 

 

 

石碑が一段強く、だが暗い輝きを放ち――

 

大地は、美しい花畑は闇に包まれた。

 

 

――地の底より響きわたる怨嗟の声、声、声。

 

 

それらは、地面に顕れた無数の人面の呻き声であり、語られることの無かった"パイオニア1"の人々の末路。

 

 

闇の具現とも言える"ダークファルス"は、彼らの負の感情を取り込み活性化する。

 

ラグオルの地表を覆った、先の爆発は――これにより増幅されていた"ダークファルス"のエネルギーが、何らかのきっかけにより封印を掻い潜り放出された事が原因であった。

 

その爆発と同時に、"ダークファルス"はラグオル上の"パイオニア1"の人々を吸収し、己の一部としたのだ。

 

 

 

「何よ……これ」

 

 

「ハハ、ちょいと……悪ノリしすぎやしたかね」

 

 

「こ、こんなの……、酷い。酷すぎる……」

 

 

「気を抜くなよ、来るぞ――」

 

 

 

"ダークファルス"の元に攻め込むに当たって、彼らも事前にある程度の覚悟はして来たつもりであった。

 

だが、現実はどうだ――

 

 

彼らのうち、赤い青年を除く全員はこの想定外の光景に呑まれ、下手をすればこのまま戦意を喪失していたかもしれない程である。

 

 

青年の叱咤にかろうじて気を取り直すも、既に彼らは周囲を独楽状のエネミーに取り囲まれていた。

 

 

 

「……チッ! 出来る限り集まるんだ、周囲をカバーしろ!」

 

 

「分かったわ。でも、それまでに死んじゃうかも……」

 

 

「そんなぁ、姉御に死なれちゃ俺はどうすりゃいいんすか!」

 

 

「誰が姉御よ! 私がテクニックでカバーするから、前衛を頼むわっ!」

 

 

「了解、姉御ぉ!」

 

 

「了解です、俺だってこんな奴らには……!」

 

 

 

無数のエネミーを相手に、彼らはひとかたまりとなって応戦する。

 

少女が炎系上級テクニック"ラフォイエ"の爆風を以て焼き払い、残敵を青き青年と少年が殲滅する。

 

時折その隙間を縫ってきたエネミーには、青き青年の放つ弾丸が容赦無く叩き込まれる。

 

 

一人では賄えない死角を四人で抑えることにより、彼らは急造の陣形ではあるが効率的な戦闘を行っていた。

 

 

 

「――ッハァ――!」

 

 

 

手にした得物を大きく振り抜き、眼前のエネミーをまた一体排除する赤き青年。

 

次の標的を定めるべく周囲を見渡すも、いつのまにかあれほど存在していたエネミーは全て姿を消していた。

 

 

 

「やったの?」

 

 

「――いや。 まだだ……!」

 

 

 

――次の瞬間、立つ事すらままならない程の強烈な地響きが彼らを襲う。

 

地面に手を付け、体勢を崩さないよう耐える四人だったが――

 

 

 

「……うそ、だろ……」

 

 

 

……それは、誰が漏らした言葉であったか。

 

振動が収まり、視線を前方へと戻した彼らが見たものは。

 

 

 

 

――"Dark Falz"――

 

 

 

 

勃興せし闇、深淵なる闇の触覚にして、大いなる光と相反する闇の化身。

 

顕現せし姿を見たものはまず、禍々しきその姿に吸い込まれるかのような錯覚を受けるであろう。

 

 

最初に目に入るものは、大地を捉える、三つの頭を抱えた異形の下半身部。

 

遺跡のエネミーに酷似した意匠を施されている上半身部は、ヒトガタを模したものであろうか――

 

 

――そして、何より目を引くモノはそのヒトガタの左腕部分。

 

果たして、そこには……

 

 

 

「おいおい、マジかよ……?」

 

 

「リコ、貴女ッ!」

 

 

「こんな結末、酷すぎますぜ……」

 

 

 

その左腕部分には、ここまでメッセージを残して来た彼女(リコ)のトレードマークとも言えるであろう、赤い腕輪が付いていたのだから。

 

彼ら四人の脳裏に、先程までの光景が浮かび上がる。

 

 

 

――闇に取り込まれ、苦悶の叫びを上げる"パイオニア1"の人々。

 

 

――奴の復活には、有機体が必要とされる――

 

 

――"ダークファルス"復活の素体とされ、永遠に魂を囚われたリコ。

 

 

―――自分たちも、そうなってしまうのか?―――

 

 

 

「こんなの、嫌よ……」

 

 

「……やはり、応援を呼ぶべきだったな」

 

 

「俺、これで生き残ったら二度と独断でうごかねぇようにしますよ……」

 

 

「俺たちだけでこんなバケモノ倒せってことですよね……?」

 

 

 

口を閉ざし、ただ武器を握り締める彼ら。

 

四人が四人とも、その光景に圧倒されるばかりであった、が――

 

 

 

「……ッ! 来るぞ、こうなればやるしかない!」

 

 

「リコ、今助けてあげるから!」

 

 

「あっしの責任なら、最後まで付き合うのがスジってもんでしょう――」

 

 

「俺に出来ることがあるなら、ただそれをやるしかないですよね……!」

 

 

 

ダークファルスが放った極光。それらは天より降り注ぎ、地を穿つ。

 

突如放たれたそれを、彼らは辛うじて回避に成功する。

 

 

だが、その一撃がこの戦闘の火蓋を切ったことは間違いは無い。

 

たとえ虚勢でも良い。彼らは意識をダークファルスへと向けなおし、己の得物を構えた――




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