その男は誰よりも逞しく。
 その男は鋼の肉体を纏いし者。
 その男の眼光は気高き鷹を彷彿させる。
 誰が呼び始めたのか… その男はこう呼ばれている。

 パワーファイターのび太



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 その男は誰よりも逞しく。
 その男は鋼の肉体を纏いし者。
 その男の眼光は気高き鷹を彷彿させる。
 誰が呼び始めたのか… その男はこう呼ばれている。

 パワーファイターのび太




パワーファイターのび太… あらわる!

 

 

 日本が如何に世界と比べて平和とはいえ… 犯罪がないわけではない。

 人の目の届かぬ場所にて日夜理由なき暴力が、理不尽な犯罪が起こっている。

 そして今も人目のつかぬ裏路地にて――――

 

 

 「 よぉ兄ちゃん? 貧乏な俺らにお小遣いくれないか? ヒャッハー! 」

 

 「 あとで返すからよ? ヒャッハー! 」

 

 

「「 死ぬまで借りるけどな! ヒャッハー! 」」

 

 

 …と、ゲラゲラ品のない笑い声を上げるのはモヒカン。モヒカン。モヒカン…

 右から赤・青・黄・緑・桃の色に染め上げたモヒカンたち五人組。

 

 

 彼らに囲まれているのは二人組の人物。

 一人は学校の帰りだろうか、制服を着た男子高校生。

 もう一人は…

 

 

 「 すまないッパ。オイラが近道だから通ろうぜってこの道を選んだばかりに… 」

 

 

 男子高校生の身長の半分しかなく、背には亀のような甲羅を背負い。

 頭には皿。手足には水掻きを持った河童が…

 

 

 「 しょうがないよ。アルフレッド… こんな所にモヒカンがいるなんて誰も思わないよ 」

 

 「 ううう… すまないッパ… 」

 

 

 そんな二人のやり取りをニヤニヤと小馬鹿したように嘲笑うモヒカンたち。

 そのうちの一人、赤モヒカンが釘のついたバットを振り回しながら――

 

 

 「 ヒャッハー! どうやら、この二人は素直じゃねーみてぇだな~?

  それじゃ… ちょいとばかし痛い目に遭ってもらいましょうかなー? 」

 

 

 赤モヒカンが振るうは釘バット。

 振るっては空気が唸り、風圧が巻き起こり、暴力的な風が二人の顔に当たる。

 この凶器が頭に当たれば… 一体どの様な目に遭うのか… そして――――

 

 

 「 秘技 " 通り抜けフープ " …… 」

 

 

 バットが当たる寸前。何処からともなく聞こえてくる地響き思わせる低い男の声。

 次にモヒカンたちの後ろ。背後の壁が――――

 

 

 ドガァァァァァァァァァァッ!!!!!

 

 

 壁にヒビが入る。亀裂が走る。膨れる。膨張する。

 細かい瓦礫になって真横に飛ぶ。飛ぶ。飛ぶ。

 キレイな円を象った穴が出来上がった…

 

 

 その穴から片手が… 片足が… 頭が… 

 誰かが唾を飲み込む音が聞こえる。

 

 

 やがて、一人の男が暗い穴から現れる。

 身長はこの場にいる誰よりも高く。体躯はこの場にいる誰よりも逞しく。

 その人物は筋骨隆々。鋼の肉体を纏いし者。その眼光は気高き鷹を彷彿させる。

 

 

 白い襟のついた黄色いシャツ。動きやすさを選んだのか半ズボン。

 背中には何故か黒いランドセルを背負っている。

 

 

 しばし唖然。呆然。誰もが言葉を失い、声をかけることを躊躇う。

 それは本能的に " 敵わない " と悟り、理解した故の動物的本能といえようか…?

 それでもモヒカンの一人が意を決して突如現れた男に話し掛ける。

 

 

 「 あのー、どこのどちら様でございましょうか? あと何をしに此方へ? 」

 

 

 モヒカンが思いつく限りの丁寧語で対応を試みてみるも…

 男はただ目を閉じて黙するのみ。

 

 

 やがてシビレを切らせたモヒカンたちが武器を手に襲いかかる。

 相手は一人。多勢に無勢で押しきれば勝つる。そう判断した故。

 

 

 右から左へ腹部へのバットの攻撃を後ろに飛び退いて避ける。

 上からのは身体を横に向けてずらす。

 

 

 尚もモヒカンたちの攻撃続くが――――

 右から… 左から… 上から… 下から… 前から… 後ろから――――

 断続的に継続的に続けられるが…

 

 

 しゃがみ… 跳躍… 後ろに飛び退き… 身体を横に…

 上半身を後ろに倒し反らし… 逆に前のめりにして…

 

 

 避ける。避ける。避ける。

 尚且つ、この男は腕を組んだ状態で避け続けているのだ

 その力量は計り知れない。

 

 

 「 秘技 " ひらりマント " 」

 

 

 攻撃し続けたモヒカンたちは、体力が尽きたのか

 息も絶え絶えで地面に手をつく。 

 そしてモヒカンの一人が釘バットを二人に突きつけると…

 

 

 「 動いたらコイツらを殴るぞ !? 」

 

 

 と脅す。しかし――――

 

 

 「 笑止。所詮はモヒカンか… 」

 

 

 組んだ腕を解くと… 身体全体をねじり、ひねり… 停止する。

 

 

 「 秘技 " タケコプター " 」

 

 

 コマのように高速で回転。風が生まれ、巻き上げられ、風の渦を形成。竜巻を造る。

 モヒカンたちのみが竜巻に吸い込まれ… 渦に巻かれながら、上昇、飛翔。

 天に消えていった。

 

 

 モヒカンたちが天に消えていったのを確認すると男はその場から立ち去ろうとする。

 二人は慌ててその男に感謝を述べるべく駆け寄る。礼を言い恩人の名を訊ねた。

 男は答える。

 

 

 「 パワーファイター " のび太 " 」

 

 

 そう言って男は立ち去った。

 二人はその背中が消えるまでその場に留まっていたという…

 

 

 

 




 

 (´・ω・)にゃもし。

 一応、設定としては平行世界ののび太です。
 もはやドラえもんの要素が道具の名前のみ。
 でも前から書きたかったんだもん。
 ちなみに相方は『 ワイルドラえもん 』

 感想と評価とツッコミあると助かる。


 ※誤字、修正したよー。


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