ラブライブ! ─ 背中合わせの2人。─   作:またたね

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最近、やっと ─────── の出し方を見つけたので、投稿していた分も改善していきます。

では今回もよろしくお願いします!


アイドル、始めました。

 

 

「こんにちは」

「あら、海未ちゃんに朝日くん。いらっしゃい」

「お久しぶりです、おばさん」

「穂乃果なら部屋にいると思うから、どうぞ上がって」

「「お邪魔します」」

 

 

 次の日の放課後、俺たちは今後の方針について穂乃果の家で話し合うことになった。

 穂乃果の家は和菓子屋さんで俺自身も何度か客としてきたことがある店だった。

 ここの和菓子は絶品で、穂乃果の家に来るたび買って帰っている。

 

 

 ──まぁ、俺はここに来るまで生徒会でも一悶着あったんだけどな。

 

 

 

 

 

 

 時間は少し遡る。

 放課後、俺は2人に昨日決めたことについて話した。

 

「俺、あいつらの活動手伝うことにしたから」

「ちょっと、優真くん!?貴方何言ってるの!?」

「言葉通りの意味だよ。もちろん生徒会にも顔は出すし、ちゃんと活動もする。ただ、それと並行してあいつらのアイドル活動も応援していくってことだよ」

「意味がわからないわ……昨日はあんなに反対してたじゃない!」

「意味がわかったからだ。理事長の言葉の意味が。

 

───あいつらは俺達にはなかったものを持ってる。俺はそこに賭けてみたい」

 

「お、ゆーまっちわかったん?なになに〜?」

 

 白々しい。最初からわかってたくせに。

 

「…ま、これはお前自身で気付かなきゃダメだ、絢瀬。俺が言っても、お前は絶対納得しない」

「……なによ2人して…」

「え、ウチ!?ウチなにもしてないやん!」

「……はぁ…今日はもう帰るわ。今日は各々家で考えて、明日また話し合いましょう」

「お、おい絢瀬!」

 

 

 俺の制止を聞かずに生徒会室を後にする絢瀬。

 

 

「……わかったんやね、理事長の言葉の意味。よかった」

「半分は穂乃果、もう半分はお前のおかげだな。ありがとう」

「ウチはなにもして無いよ〜。穂乃果ちゃんたちの頑張りがゆーまっちに伝わったってことで!」

 

 

 素直じゃ無いな、こいつも。

 

 

「……そういえば、お前は手伝わ無いのか?あいつらの活動。反対してるわけじゃ無いんだろう?」

「……うん。でもウチは…えりちを放っておけないから。えりちを一人にするわけにはいかんやろ?」

 

 ……確かに、今の追い詰められているあいつを一人にするのは、問題だな。

 

「…そうだな」

「やろ?…やから、ウチにできるのは……」

「ん?」

「……ううん、やっぱなんでもない。ほら、穂乃果ちゃんたち、待ってるんやないの?早く行ってあげんとな!」

「……あぁ、わかった。…しばらくあいつを頼んだ」

「はいよ、頼まれました♪」

 

 

 東條に見送られながら、俺は三人の元へ向かった。

 

 

 

 

「あれ?海未しかいないのか?」

 

 待ち合わせ場所の校門には、穂乃果とことりちゃんの姿はなかった。

 

「はい。私は少し弓道部の方に顔を出してからこちらに来たので。2人は先に穂乃果の家に行っています」

「なるほど。弓道部の方はもういいのか?」

「はい。部長にこれから少し忙しくなるので、あまり顔を出せないと説明してしました」

 

 すごいな…。やるからには本気で、ということか。部長さんもよく認めてくれたもんだ。それだけ、海未の日頃の行いと実力が良いということか。

 

「…本当にすごいな。アイドルのためにそこまでやれるなんて」

「いえ。自分で決めたことですから。───さぁ、二人も待っているでしょうし、行きましょう」

「あぁ、そうだな」

 

 

 そして冒頭の部分へ至る。

 

 

 

 

「そうだ海未ちゃん、優真くん。新作のお団子があるんだけど食べていかない?」

「おぉ!是非いただ「いえ、大丈夫です。ダイエットしなければいけないので」……俺も大丈夫です」

 

 食べたかった、その団子……

 団子への未練を断ち切り、俺と海未は穂乃果たちの部屋へと向かう。

 

「お前……本当自分にストイックだよなぁ」

「これくらい当たり前です!……2人もきっとこれくらいの意識は……」

 

 

 

「あ、海未ちゃん優真先輩いらっしゃい!

今お茶淹れますねー」

 

「お団子もありますよ〜♪」

 

 

 ……えぇと…

 

「2人とも…?ダイエットはどうしたのですか?」

 

 

「「……あ゛」」

 

 2人よ、もう少し海未を見習おうや……

 

 

 

 

「で!今日決めることは、だよ!」

「急にやる気になったな」

「食べるお菓子がなくなったからね!」

 

 さいですか。

 あれから結局俺たち四人は卓上のお菓子を片付ける為、しばらくティータイムと洒落込んでいた。

 

「今日決めることは、今後の具体的な活動内容だな。まだお前ら、アイドル始めるってことしか決めてないんだろ?」

「そうですね……練習は大切ですが、練習だけではいつまでも知名度は上がっていきませんし…」

「だったらライブしようよ!そうすれば1発だよ!」

「えぇ!穂乃果ちゃんそれは……まだなにも決まってないんだよ?」

「そうですよ!まだ練習も始めていないのにいきなりそんな…」

 

 

 

「……いや、アリだ。やるぞ、ライブ」

 

 

 

「はいっ!?」

「優真くん!?本気なの!?」

「大マジだ。ほら、5月の頭に新入生歓迎会があるだろう?その後に講堂を使ってライブをするんだ。

そこでデビューといこうじゃねぇか」

「後1ヶ月しかないんですよ!?」

「元々ノープランからのスタートなんだ。勝算なんて全くない。

───だから、勝算を作り出す。

そのためにバクチを打たないとダメだ。

普通のことを普通にやってても絶対結果はついてこない。

……確かに後1ヶ月しかない。時間的に余裕があるとは言えない。

でも、俺はお前たちならやれるって信じてる。───いや、やるしかないんだ」

 

 

 廃校阻止するなら、奇跡を起こし続ける必要がある。

 でも俺は───こいつらならできると確信していた。

 

 

 

「うん、やろう!2人とも!やれるだけやってみようよ!」

 

 

 

 ここが穂乃果の凄いところだ。

 普通の人なら尻込みしてしまうようなモノにでも、臆せず突っ込んでいく。

 それは他の人にない、穂乃果の最大で最強の武器。

 人はそれを“勇気”と呼ぶ。

 そして穂乃果の勇気は───伝染する。

 

 

「そうだよね…!うん、頑張ろう!2人とも

!」

「やるからには、全力で取り組みましょう!」

 

 

 

 ───本当に、こいつらとならどこまでもやれそうな気がする。

 まだ何も始まっていないのに、不思議と俺はそう思った。

 

 

 

「じゃあ、実際にいろいろ決めてくぞ。

まずは曲か……」

「あ!曲なら心当たりがあります!一年生に、ものすごく歌が上手な女の子がいるんです!」

「西木野さんか?」

「あ、優真先輩知ってるんですか?」

「あぁ。演奏聞いたよ。綺麗だったな。

───でも、彼女やってくれるのか?」

「わからないです……でも、一応お願いだけはしてみます!」

「そうか……まぁ、俺にも1人あてがいるから、そいつにも一応話しておくよ」

 

 矢澤の曲作りの時にお世話になったクラスメイトだ。

 ……正直やつに頼むのは少し気がひけるんだが…

 

「次は作詞だな。作詞の方はどうする?」

「あ、それならここに適任が1人いますよ♪……ね?」

 

 そう言って海未を見つめることりちゃんと穂乃果。

 

「えっ…私ですか!?」

「海未ちゃんさぁ〜中学の頃、ポエムとか書いてたことあったよね〜」

「読ませてもらったことも、あったよね〜」

「……!くっ!」

 

 その場から逃げようとする海未の腕を、俺は掴む。

 

「離してください!朝日先輩!」

「まぁまぁそんな焦るなよ。座れ座れ」

 

 海未は渋々といった様子で抵抗を諦めた。

 

「お断りしますっ」

「えぇー!なんで!」

「中学の頃の話は私も忘れたいんです!……それに作詞なら、朝日先輩も出来るじゃないですか」

「え、俺?」

 

 突如自分に白羽の矢が立てられ、俺は驚きに目を見開く。

 

「入学式のライブの曲、作詞をしたのは朝日先輩達でしょう?」

「あぁー!そうだそうだ!優真先輩、是非お願いします!」

「いや、俺はほとんど何もしてなくて……」

 

 嘘です。あの詞、8割は僕が考えました。

 でも言えない……恥ずかしすぎて……

 

 くそっ、正直このまま海未になりそうで安心してたのにっ…!

 

「ほ、穂乃果はどうなんだよ?言い出したお前がやれよ」

「……朝日先輩、穂乃果は……」

 

 

 

 

おまんじゅう

 

うぐいすだんご

 

もうあきた

 

 

ほのか 心の一句

 

 

 

「無理だと、思わない?」

「無理だな」

「無理ですね」

「3人ともひどいよ!!」

 

 俺たち3人からの速攻の見切られ方に不平を唱える穂乃果。

 

「とにかく!俺は作詞はしない!やるなら海未が適任だ!」

「私に押し付けるつもりですか!?」

 

 作詞のなすりつけ合いをする俺たちに終止符を打ったのは、ことりちゃんだった。

 

 

 

 

 胸に手を当て

 

 

 

 頬を少し紅潮させ

 

 

 

 突如彼女から醸し出される色っぽい雰囲気

 

 

 

「優真くん……海未ちゃん…………」

 

 

 

 マズイ、何かが……

 

 

 何かが来る……!

 

 

 

 

 

「おねがぁい!!」

 

 

 

 

………………………………。

 

 

 

「よし、海未。作詞やろう」

「はい。全力で取り掛からせてもらいます」

 

 

「堕ちた!?」

「ありがとう、二人とも〜♡」

 

 いや、アレはやべえわ。一発喰らったら脳内で永遠にリピートしてくるあの破壊力。

 どんなお願いでもYesとしか答えられない魔力を秘めている。

 ことりちゃん……恐るべし。

 

 ま、やるって決めたからには全力でやるけどな。

 

 

「んじゃああと決めなきゃいけないことは……」

 

 

 

 

「ふぅ……結構話し込んじまったな。もうこんな時間か」

 

 

 あれから話し合ったことは、

 まず衣装はことりちゃんが服飾が得意だということで任せることになった。

 そして練習だが、基礎的なトレーニングは海未が監修、ダンスは一応経験者ということで俺が3人を教えることになった。

 

「そうですね、明日の朝も早いですし、今日はこれくらいにしましょう」

「……あ、そういえば。お前らのグループ、名前とかあるのか?」

「それが……今日3人で話し合ったんですけど、決まらなくて」

「で、結局校内に投票箱を置くことにしたんです」

 

 なるほど。それはいい案だ。

 投票箱を設置することでスクールアイドルの存在をアピールすることにも繋がるし。

 

「それでは、明日は朝7時に神田明神に集合です」

「おう、お前ら頑張れよ」

 

「「「え?」」」

 

「ん、何かマズイこと言ったか?」

「優真先輩、来ないんですか?」

「え、うん。基礎練なら俺の出番ないし」

「何を言ってるんです。優真先輩もやるんですよ?」

「は!?why!?」

「凛から聞きました。優真先輩は体力が落ちに落ちていると。加えて一人暮らしなのです、体を鍛えておかないと風邪を引きます!」

「凛、あの野郎…!ってか海未!お前は俺の保護者かよ!?」

 

 

 

 

「優真くん……」

 

 

 

 ──────あ、やば

 

 

 

「おねがぁい!!」

 

 

 

 

 本日2発目のことりちゃんの「お願い」で俺は朝練参加が決定しましたとさ。無念。

 




もっと表現の仕方を工夫したいです。
今後もいろいろ試してみたいと思います!
では、また次回もよろしくお願いします!
感想評価アドバイスお待ちしております!

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