ラブライブ! ─ 背中合わせの2人。─   作:またたね

38 / 101
新章一発目の個人回は、ことりちゃんです!
長くなりそうなので、前後編に分けたいと思います。
今回は短めです。
べ、別に推しだからたくさん書きたいなんてわけじゃないんだからねっ!




【第4章】ーいざ夏合宿!
【Days.Before】Venus of White 〜天使とお買い物♯1


35話【Days.Before】Venus of White 〜天使とお買い物♯1

 

 

6月のとある土曜日。

7月も近づいてきて、ますます暑さを増してきました。今日は私、南ことりには大切な大切な約束がある日なのです♪

でもいろいろあって……時間は遅刻寸前。

待ち合わせ場所は駅、そこに向かうと既にその人はそこにいました。

 

「───────優真くーん!」

 

名前を呼びながら走ってその人の元へと向かう。

 

「ん…おはよ、ことりちゃん」

 

「はぁ…はぁ…おはようございますっ、お待たせしました」

 

結構な距離を駆け足で来たから、私の呼吸も少し荒くなってしまいました。

今日はオシャレしてきたから、踵が少し高い靴を履いてきてて走りにくくて……

 

「ううん、こういう時は男が早く来るものだから」

 

「……『今来たところ』って言ってくれないんですね〜っ」

 

「俺は嘘も嫌いだからね」

 

軽い冗談の言い合いをするのも嬉しくて。

だって今日は優真くんと2人きりっ!

楽しみで夜もなかなか眠れなくて……

……それが遅刻の主な理由なんだけど。

 

「待ってて、切符買ってくるから」

 

そう言い残して優真くんは券売機へと向かっていった。

 

……もしかして、私の息が整うまで待っててくれたのかな…?

そう思うと、心が弾むようでした。

 

「お待たせ。はいこれ」

 

優真くんが切符を一枚私に差し出す。

 

「ありがとうございます!」

 

「んじゃ、行こっか」

 

さっきから気になってたこと……

もう慣れてたつもりだったけど、やっぱり優真くんはμ'sのみんなといる時と、プライベートで会う時は雰囲気が違う。真面目でピリッとした優真くんもカッコいいけど、こっちの優しい雰囲気の優真くんも……

 

「ことりちゃん?」

 

「ふえぇ!?どどどうしました!?」

 

「いや……君の方こそどうしたの?」

 

「な、なんでもありませんよ〜。さ、行きましょう!」

 

「う、うん……」

 

照れを隠すように先導した私の後を、やや怪訝に思いながらも優真くんがついていった。

 

 

 

 

 

 

電車の中、運良く2人で座ることができた。

 

「しかし……まさかあんなことになるなんてな」

 

優真くんが最近のμ'sのことを思い出している様子。

 

……そう、まさかあんなことになるなんて…。

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「それじゃ、廃校は無くなったんですね!?」

 

「まだ延期が決まっただけだけどな。…お前達の努力の成果だ」

 

話は数日前に遡ります。

オープンキャンパスが終わって、来場者のアンケートの集計を取ったところ、音ノ木坂を受験したいという中学生が多くて、とりあえず現時点での廃校は阻止されたのです!

つまり私たちのライブは…大成功したということ。

 

「やったにゃーー!」

 

「ま、当然ね」

 

「喜ぶにはまだ早いですよ。これからが本当の勝負なのですから」

 

海未ちゃんも口ではあんなことを言いながら、とても嬉しそうです。

 

「よし!この調子で『ラブライブ!』にも出場して、どんどん音ノ木坂を知ってもらおう!」

 

「そのためには順位を上げないと、やね♪」

 

現在μ'sのランキングは50位程。

オープンキャンパスのライブの映像をアップすると順位が爆発的に上がりました。

やっぱり絵里ちゃんと希ちゃんが入ったことが大きいようで、2人のファンになった人も多いみたいなんです。

 

「で、これからの活動なんだけど……優真、何かあてはあるの?」

 

「……まぁ、あるっちゃあるんだが…」

 

少しいい渋りながら、優真くんが私たちにスマホの画面を差し出しました。

その画面に映されていたのは……

 

 

「『ナツライブ!』?」

 

「……何よそのモロに『ラブライブ!』からあやかった名前は…」

 

「真姫ちゃん知らないのぉ!?」

 

「うえぇ!?なによ花陽!」

 

あっ……この雰囲気……

それを悟った瞬間、私の体はガタガタと震え出します。

 

「─────『ナツライブ!』はスクールアイドルが一つの会場に集まりライブを行うという構造こそシンプルなものですが、その特徴は“メンバー全員が水着で踊る”ということなのです!」

 

「メンバー全員が、水着で……?」

 

「はい!前々から開催は予告されていましたがスクールアイドル人口が少なかったのとスクールアイドルの認知の低さから数年間の間開催の延期が行われ続け……それが今年!やっと開かれるのです!!……ことり先輩!!きいてますか!?」

 

「は、はいいい!!」

 

花陽ちゃん……いや、オタ陽ちゃん。

忘れもしない…あの部室で行われた、思い出すのもおぞましいあの記憶……

 

「……ねぇ優真、あれは花陽なの…?」

 

「……慣れてくれ、としか言えない。なんか変わっちまったみたいで…アイドルの話をする可愛い花陽が見れないと思うと俺は「そこ!!私語がうるさいです!!」……さーせん」

 

「でも参加に関しては完全招待制で運営に選出されなきゃ参加は……」

 

 

 

 

「──────選ばれたんだ」

 

「──────────ゑ?」

 

「選ばれたんだ、俺たち。『ナツライブ!』に」

 

ええー!と声が上がる。

 

「だからここに出れれば確実に知名度は上がる。ただ……」

 

「────────“曲がない”、ってことね」

 

優真くんの言葉を繋いだのは、真姫ちゃんだった。

優真くんもその言葉に頷く。

 

「……今まで歌ってきた曲でもいいけど、水着で歌うのは少し違和感があるっていうか……」

 

「確かにアイドルの歌は衣装、曲、ダンス全てが合わさっていいものが出来上がるものよ。その中のどれか一つが欠けててもいいものはできないわね」

 

「矢澤のいう通り。多分今までの曲を水着で歌ってもいいものにはならない。『ナツライブ!』まではあまり時間もない。だから─────」

 

 

 

「───────合宿だね!」

 

「え?」

 

穂乃果ちゃんが瞳を輝かせながら、みんなに言う。

 

「合宿?」

 

「うん!だって時間ないんでしょ?合宿しかないよ!」

 

「……参加しないという選択肢は?」

 

「ないですよ?」

 

「……俺は短期的に集中して練習しよう、って言うつもりだったんだけどな…」

 

穂乃果ちゃんの曇り一つない笑顔で放たれる言葉に、優真くんも苦笑いを浮かべてます。

あぁ、やっぱり穂乃果ちゃんは凄いや。

 

「場所はどうするのです?」

 

「……真姫ちゃん家」

 

みんなの視線が真姫ちゃんに向く。

 

「うえぇ!?私!?」

 

「真姫ちゃんお願い!μ'sのためだと思って!」

 

「家は……多分無理」

 

「じゃあ別荘とかでもいいから!」

 

「いや、さすがに別荘はいくら真姫でも……」

 

 

 

「─────別荘なら、いいかも…」

 

 

 

「あるんかい!!」

 

「真姫ちゃーん!お願いお願い!!」

 

「わ、わかったわよ!頼んでみるから!」

 

穂乃果ちゃんに抱きつかれて、顔を真っ赤にしながら真姫ちゃんは答えた。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

こうしてμ'sはオープンキャンパスの代休を合わせて来週の金土日の3日間、真姫ちゃんの家の別荘で合宿をすることになったのです♪

 

「……ほんとに凄いよね、真姫の家は」

 

「うん……別荘まであるなんて本当にすごいです」

 

「……っていうか、今日は本当に俺でよかったの?」

 

「もちろん!優真くんと行きたかったんです!」

 

「……そっか」

 

少し照れたようにして優真くんが横を向きました。

そう、今日は優真くんと2人でお買い物をするのです!

衣装の材料はもちろん、合宿に必要な諸々……そしてもちろん、水着もっ♪

今回行くのは電車で数駅か先にある、隣町のショッピングモール。いつも行ってるところだと、誰かに会っちゃうかもしれません。

せっかくの優真くんと2人きり。邪魔されたくないのです!

 

「……ん、ついたね」

 

開くドアに向けて立ち上がり歩き出した優真くんの背中を追うようにして私も立ち上がりました。

 

 

 

 

 

 

そしてついたショッピングモール。

休日ということもあってその中は人でごった返していました。

 

「人多いなぁ……ことりちゃん、手借りるね」

 

すると優真くんが突然、私の右手を左手で握りました。

 

「ひゃぁ!?」

 

「わっ!?どうした!?」

 

「い、いや……いきなりだったから……」

 

「あ、ごめんね。はぐれたらまずいと思って。……嫌だった?」

 

私の反応を見て、優真くんは握った手を離そうとしました。

 

 

「────────ダメっ!嫌だ!繋いでて!」

 

 

離れそうになった手を自分からつなぎ直して優真くんに詰め寄ります。

 

「……う、うん。ことりちゃん、近い」

 

「……はっ…」

 

気がつけば目の前に優真くんの顔がありました。

 

「……ごめん、なさい……」

 

「ふふふっ。気にしないでいいよ。んじゃ回ろ?最初は水着からだっけ?」

 

「あっ……うん!」

 

優真くんの温もり右手に感じながら、私たちは歩き出しました。

 

 

 

 

 

 

 

「……目のやり場に困るなぁ…」

 

現在は女性用水着売り場のコーナー。

優真くんに見てもらおうと思って中まで付いてきてもらいました。

 

「どれにしようかな〜っ」

 

「ねぇ、ことりちゃん。俺って本当に必要かな?」

 

「必要ですよ!私が迷子になってもいいんですか〜⁇」

 

「……うまいこと言いくるめられた気しかしないな…」

 

「ふふっ♪」

 

 

そして2人で水着を選んでいた時。

 

そこにいるはずのない声が聞こえました。

 

 

 

 

「────────あれ?ゆーまっち?」

 

 

 

 

この呼び方で優真くんを呼ぶのは、私が知ってる限り1人だけ。

振り返るとやはりそこには……

 

「やっぱりゆーまっちだ!」

 

「優真……貴方こんなところで何してるの?」

 

 

希ちゃん、そして絵里ちゃんもいた。

 

「絢瀬、東條……!」

 

「こんなところで奇遇やな〜」

 

「……優真、貴方……」

 

絵里ちゃんが優真くんを見る目が冷たい……

まさか何か勘違いを……?

 

 

 

 

 

 

「─────貴方女性物の水着を着るのね」

 

 

 

 

 

 

「んなわけないだろ!!」

 

「え?違うの?」

 

「えりち、流石にそれは……」

 

絵里ちゃんの突然の天然ボケに空気が和みました。

絵里ちゃんはしっかりして見えるけど、実は抜けてるとこがあって、そこがまた可愛いんです!

最近は生徒会で忙しかったからその姿を見ることはできなかったけど、こんな絵里ちゃんを見たら絵里ちゃんが重圧から解放されたことがわかって、少し嬉しくなります。

 

「じゃあなんで貴方がこんなところにいるのよ」

 

「……ことりちゃんと買い物に来てたの。水着買うって言ってたから選ぶの手伝ってたんだよ」

 

「なるほど〜、大胆やな、ことりちゃん♪」

 

「の、希ちゃんっ!」

 

ニヤニヤしながらこちらを見てくる希ちゃんに、思わず顔を赤くしながら噛み付いてしまいました。

 

「絵里ちゃんと希ちゃんも水着を買いに⁇」

 

「ええ。合宿があるからどうせなら新しいものを、ってね」

 

なるほどー、と返事をしながら、私は内心落ち込んでいた。

あぁ、せっかくの優真くんとの2人きりの時間が……

 

「……ねぇえりち、どうせならウチらもゆーまっちに水着選んでもらお!」

 

「えぇっ!?ほ、本気でいってるの?」

 

「どうせ合宿のときに見られるんやし!いいよね、ゆーまっち!」

 

「……う、うん。ことりちゃんも、いい?」

 

「は、はい!」

 

本当はあまり乗り気じゃないけど……

2人の水着を見ることで衣装のヒントになるかもしれない。

そうプラスに考えて、私は希ちゃんの提案を受けました。

 

 

こうして、私たちは4人で水着を見て回ることになったのです。

 

 




今後の更新についてですが、作者が現実の方で多忙なので、更新頻度が以前のようにはいかなくなるかもしれません…汗
極力時間をとって執筆を続けるようにしますので、気長にお待ちいただけると幸いです。
失踪するつもりもありませんし、執筆意欲もバリバリですので、そこはご安心ください!
では、次回もよろしくお願いします!
感想評価アドバイス等お待ちしております!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。