ラブライブ! ─ 背中合わせの2人。─   作:またたね

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一期最終章突入です。


【1期最終章】ー未来
紅蒼の思い


66話 紅蒼の思い

 

 

 

「落ち着かねー……」

 

 にこと別れた後、俺はμ'sのメンバーを探して校舎内を歩き回っていた。

 前までは心の中から見てきただけだった空間を再び自分の足で歩くと考えるとなんだか非常にそわそわする。

 

 さて、皆はどこにいるのだろうか?

 

 帰ってしまった、という説もないわけでもないが、そう結論づけるのは校舎内を散策し終えてからでも遅くはない。

 そんなことを考えながら俺が向かったのは、部室。

 

 しかし残念ながらハズレ。誰の姿もなかった。

 ここが違うとなると…あと思い当たるとこと言えば……

 

 

 

 

──────♫

 

 

 

 奇しくもその音は、俺の考察の正しさを結論付けることとなった。

 最早聞き慣れた、耳を流れて行く綺麗な音色とその歌声。

 俺はその音の元……音楽室へと歩き出す。

 

 

 

 

 ドアの前に辿り着き、俺は瞳を閉じる。

 俺が彼女達にしてしまったことは、許されるようなことじゃない。

 俺がどれだけ複雑な過去を抱えていようが、彼女たちにとって大切な場所……μ'sを壊してしまったのは、紛れもなく“俺”。

 

 

 それでも。

 

 

 俺はそのドアを、開いた。

 

 

 

 中に入った瞬間、2人の後輩の驚きに満ちた視線に出迎えられる。

 

 

「……優真さん、なの…?」

「おう。久しぶり…いや、初めましてだな」

「では、あなたが“1人目”……」

「正確には、違うんだ」

「えっ?」

 

 不思議そうな表情を浮かべた海未に、俺は説明を続ける。

 

「確かに俺は“1人目”だけど、君たちが知ってる“3人目”もここに居る。今の俺は3人目の記憶と人格を所持した“1人目”……足して“4人目”ってとこか?」

「ますますわかりにくいのですが……」

「とにかく。俺は君達の知ってる朝日優真だってことだ。特に変な遠慮なんていらないからな。

……君と2人で作詞したことも覚えてるし、真姫と合宿中に混浴したことも……いだいっ!?」

 

 

 真姫の話をした瞬間、前方から物凄い勢いで何かが飛んできた。ソレは的確に俺の額に直撃し、床に落ちて割れた。……チョークかこれ。

 

 

「あああああなたねぇ…!今それを言う意味がッ」

「はははは破廉恥ですっ!!私達に隠れて夜にそんな乳繰り合いを……!」

「おい待て、発想がぶっ飛んでんぞ海未!俺は別にそこまでしたとは言ってねぇ!!」

「じゃあ一体ナニをしたというのですかっ!?男女が深夜に1つの湯を共有してすることなど1つしか」

「ちょっと黙ろうかこのムッツリスケベ!!」

 

 俺の方は冗談交じりだけどあなたの横にいるお嬢様が凄い目でこっち見てるから!このままだとやばいって!マジやばいって!!

 

「…海未、本当に偶然一緒になっちゃっただけだし、あなたが考えてるようなことは何もないわ。それどころかこの人は私の相談に乗ってくれたし」

「へっ……?そ、そうなのですか?」

「ホント。君が妄s……思ってるようなことは全くないから」

「妄想なんかしていませんっ!!」

「っはははは!」

 

 顔を真っ赤にしながら反駁してくる海未が面白くて、俺は思わず声を上げて笑ってしまった。

 そんな俺の様子を見て溜息をついた真姫。

 

「……まぁいいわ。今の感じ…どう考えても私たちの知ってる優真さんだし、あなたがそんな風に笑ってるのが見れて私も嬉しい」

「真姫………」

「でも」

 

 

 瞬間、真姫の目に怒気と鋭さが宿る

 

 

 

「────私はあなたを、許さない」

 

 

 

「っ!?真姫っ、ちょっと……」

「海未は黙ってて」

 

 宥めようとした海未を制止し、真姫はピアノの前の椅子から立ち上がり、俺の前に対峙する。

 

「あなたは私達の知ってる優真さんなんでしょ?」

「……あぁ、そうだよ」

「そう。だったら遠慮なく言わせてもらうわ。

 

 

 

─────ふざけるのも大概にしなさいよ?」

 

 

 

「……っ」

 

 真姫に、こんな一面があったのか。

 真姫の怒りオーラとなりが目に見えるよう。

 ただ俺は、この怒りをしっかりと受け止めなければならない。

 何故なら俺は──“朝日優真(3人目)”であり、改めて皆と歩んでいくと決めた、“朝日優真”なのだから。

 

 

「あなた私に言ったわよね?『俺を頼れ、それが無理でも誰かを頼れ。俺達は仲間なんだから』って。

 

───1番仲間を頼ってないのはあなたじゃない。

 

こんな重大なこと今まで私たちに隠して、よく仲間ヅラできてたわね」

 

「…………」

「そんなあなたの口からやれ信頼だの仲間だの話されてたと思うと、心底嫌気がするわ。結局あなたにとって私達なんて、“変わるため”の道具でしかなかったんでしょう?私を救って、自分も救われたつもりになってたんでしょ!?そのために!!私に近づいてきたんでしょう!?」

 

「真姫ッ!言い過ぎで」

「海未」

「っ……優真先輩……」

 

 真姫をたしなめようとした海未を、俺は言葉で制する。

 真姫の言葉がどれだけ厳しかろうと、それから逃げるわけにはいかない。

 

 

──『私を救って、自分も救われたつもりになってたんでしょ!?』──

 

 

 この言葉を聞いた瞬間、とある言葉が俺の脳裏をよぎった。

 

 

──『今のお前のソレは───唯の“自己満足”だ』──

 

 

 合宿の時にサトシに言われたこの言葉。

 あの時は理解しきれていなかったが、今はっきりとわかった。

 “変わろう”として相手に向ける優しさなんて、本当に相手のためになるなんて言えない。

 だからあの時サトシは俺の優しさを、“自己満足”と評した。そんな優しさを向けられていたと知った君が、こんなに憤るのも当たり前だ。

 

 でも、真姫

 

「……そうかもしれない」

「っ……」

「“変わるための道具”、か……君たちをそんな目で見ていなかったかと言えば、嘘になる」

「!?」

「優真先輩…!?」

 

 俺の優しさは、実際誰かを守れる俺になるために身につけようとした後付けのものだろう

 

「でも」

 

 ───違うんだ、真姫

 

 

「俺にとって君たちは、大切な仲間だ」

 

 

 この思いだけは、譲れない

 

 絶対に、譲らない

 

 

「……信じてもらえると思ってるの?」

「確かに俺は“変わるため”に、“誰かを救えるよう自分になるため”に行動してた。

でも、そんな思いはいつしか揺らいでた。

君達と過ごす日々が、あまりにも楽しすぎて」

『っ!』

「何時からか俺は、心の底から楽しんでたよ。君達と過ごす日々を。皆で1つの夢を追いかけていくことを。本気で、全力で。それこそ、“変わるため”なんて目的を、忘れてしまうほど」

「……」

 

「信じてくれなんて言わない。そんなこと俺が言える立場じゃない……

 

でも!!

 

俺は“変わる”、今度こそ……!!

他の誰かじゃなく俺自身が、君達を守れるように!

 

俺が変わる(自分本位の望みの)ため”じゃなく、“君達と歩む(他人本位の夢の)ため”に!

 

大切な仲間のために!!」

 

 

 俺の心からの叫びに、目の前の少女は何を思うのか

 

 

「っくうぅぅ!!」

「真姫!いけませんッ!!」

 

 握り拳を作った右手を振り上げ、目の前の俺へと

 

 

 

 ───振り下ろされることはなく。

 

 

 俺の胸へと、優しく当てられる。

 

 

「……私だって、信じたいわよ…!でももう、わからなくて!あんな話聞いて、今まで私達が信じてきた全部が壊れていくみたいでっ……嫌だったの、今までの優真さんの優しさが嘘だなんて嫌だったのッ!!」

 

「真姫……」

 

 俯いたまま、真姫は叫ぶ。

 他の一年生より大人びて見えたとしても真姫はまだ16歳。精神的な弱さを充分に孕んでいる年頃だ。しかも真姫はその性格上他人に頼ることをしないからその弱さは他人よりも大きい。

 

 

「……言って欲しかった…嘘じゃないって、“道具”なんかじゃないって……!でもそんなどっちつかずの反応されたら、どうしたらいいかわからないじゃない……っ!

何なのよ……あなたは一体!私達の何なのよ!!」

 

 

 顔を上げた真姫が見せたのは───涙。

 気の強い少女は今、俺の為に涙を流す。

 

 

「俺は君たちに、嘘をつきたくない」

 

 だから伝えよう

 

 俺の本心を

 

 

 

「───俺は君たちを、大切な仲間だと思ってる。

その思いは君たちと出会ってから、一度も揺らいだことはない」

 

 

 

 信じてもらえなくても

 

 信じてくれるまで言い続ける

 

 どれだけ君たちを欺いていたとしても

 

 この思いだけは、嘘なんかじゃない

 

 これは嘘に(まみ)れていた俺の、真実だから

 

 

「……なによ…」

 

 呟きながら彼女は俺を睨みつける…しかし、もうその目つきは鋭さを失い、彼女の感情を表すようにぐちゃぐちゃになってしまっていて。

 

「今更なによ、なんなのよ……なんでよ……」

 

 混乱のあまり、彼女は冷静さを失っている。

 そんな彼女から目を離すことなく、俺は見つめ続けている。そして待っている。彼女が出す、結論を。

 

「……聞かせて」

「…おう」

「……合宿の時、私に話してくれた言葉は…私を救ってくれた言葉は、誰のためだったの?」

「君のためだ」

 

 即答。嘘偽りない答えが故にすぐに口からすべり出た。

 

「……だったら私は、信じたい。

 

あの日あなたが差し伸べてくれた、手の温かさを」

 

 真姫は己の手を握り、目を閉じる。

 そして顔を上げて────

 

 

 

「───もう何処にも行かないで」

 

 

 

 

 祈るようなその言葉に、俺は

 

 

 

「あぁ。俺はもう、何処にも行かない。君たちを側で支え続ける」

 

 

 笑顔で返した。

 俺の言葉に、真姫は泣き笑いを浮かべている。

 

「……私、ずっと疑ってたわ。前に怪我をしてウチに運ばれてきた時、ママと優真さんの話を聞いてからずっと。『この人は、私達に何かを隠し続けているんだ』って。それ以来、ずっと優真さんに厳しく当たって……本当にごめんなさい」

「気にすんな。みんなに言わなかった俺が悪いんだ」

「ううん、それで意固地になってた私が悪い。だから……いや、こんな話しても仕方ないわ。

とにかく!これからも私達と一緒に居なさい!」

「急に強気になったなお前……」

「うるさい!わかった!?」

「……あぁ、わかったよ」

 

 笑顔でそう言った俺に、真姫は満足そうに笑った。

 

「……優真先輩」

「……海未」

 

 次は、彼女の。

 彼女の怒りを受け止めなければならない。

 

 しかし彼女は、笑顔で俺に言う。

 

「……私の言いたかったことは、粗方真姫が言ってくれたのでもう大丈夫です」

「お、おう、そうか」

「私からは……ずっとあなたに言いたかったことを、1つだけ」

 

 次の瞬間、海未の表情が真面目なものへと変わる

 

 

 

「優真先輩。あなたは()()()()()()()()

 

 

 

 …なんとなく、察した。

 海未が()()()()()()()()()()()

 

 

「わかりますよね?それこそあなたが先程口にした……()()()()()()()()()()()()()

 

 

 

 

 

──『……なぁ、海未』

『……なんでしょう』

 

『……俺、間違えたかな……?

 

こんな形で、本当に良かったのかな……?』──

 

 

 

「あの時私は、しっかりとした答えを出すことができませんでした。私のような第三者が、口を出していいような問題じゃないと思ったので。

ですが私達は、仲間です。

仲間だからこそ、しっかりと伝えたい。

 

だから優真先輩。あなたは間違っていました。

 

どんな理由があったにせよ、希ときちんと向き合い、話し合うべきでした」

 

 ……最もだ。

 あの時“3人目”が…俺が為した選択は、決して正しくなんかない。

 

 あの時、しっかりと向き合っていれば

 

 あの時、お互いの誤解を解きあっていたなら

 

 俺たちはこんなことにはならなかったはずだから

 

「……ですが優真先輩」

「ん…?」

 

 

「───()()()()()()()()()()()

 

 

「は……?」

「間違いをしない人間なんていません。あなたが希との過去をなかったことにしたことも、図らずもμ'sを壊そうとしてしまったことも、今更なかったことになんてならない」

「…………」

「ですが、大切なのはそれを悔やむことではなく、“次どうするか”。

 

間違いを“やり直すこと”は出来なくても

 

間違いを“取り戻すこと”は出来るんですから」

 

「海未……」

「優真先輩、私はあなたに怒っているわけではありませんよ?」

「…違うのか?」

「ええ、違います。私はいつもあなたが私たちにしてくれる様にしてるだけです」

「俺が…君たちに?」

「私たちが間違えそうになった時、あなたは私達を正してくれました。あなたが間違えた時はそれを正すのが私達……“仲間”でしょう?」

 

 海未はそう言いながら優しく微笑む。

 海未の言う通りにその表情からは怒りは感じられない。

 

「今まであなたは私達を助けてくれました。だから今度は私達に、あなたを支えさせてください。

迷惑かけたっていいんです、間違えたっていいんです。

それで助け合えるのが、仲間なんですから」

 

 海未の言葉に、俺は改めて思う。

 仲間というのは一方的関係じゃなくて、すべてを共にしていくものなのだと。

 

 辛い時は共に苦しみ、楽しい時は共に笑い。

 誰かが悲しみにくれるならばそれを全力で助けて。

 また誰かが迷う時はその手を差し伸べて。

 

 そんな風に絆を紡いでいくのが“仲間”なんだ。

 

 さっきまでの俺の考えじゃ、また同じことを繰り返していたかもしれない。

 

 

 

「……ありがとう、2人とも。またきっと迷惑かけてしまうけど…」

「それはこっちのセリフよ」

「今度は皆で、進んでいきましょう」

 

 2人の女神が、俺に笑いかける。

 その笑顔はとても美しく、儚いもので……俺なんかが見るには、勿体無いくらいの。

 でも俺はそんな2人の笑顔を、“守りたい”と心の底からそう思えた。

 

「……優真先輩」

「ん?」

「お願いがあります」

「お願い?」

「…今から私は私に出来ることをやっていきます。

9人がまた笑顔で歌うことの出来る未来を信じて。

だから優真先輩」

 

 そこで海未は言葉を切り、真っ直ぐとした揺るぎない瞳で俺を見つめる。

 

 

 

「──────お願いします」

 

 

 

────“私の大切な幼馴染達を”

 

 

 言葉はなかったけど、ちゃんと伝わった。

 彼女の願いに、俺は

 

 

「任せろ。必ず俺が、連れ戻してみせる」

 

 

 より強い決意を以って答えた

 

 

「……ありがとうございます」

「気にすんな。…んじゃ、俺そろそろ行くよ」

「皆のところに行くのですか?」

「あぁ。一人一人としっかり話がしたいんだ」

「そうですか…」

「学校にはもう誰もいないんじゃないかしら。凛と花陽は一緒に帰ってたし、穂乃果も帰っちゃって…絵里もさっき学校から出て行くのか窓から見えたわ。希はわからないけど……もう会った?」

「……おう、もう話した」

 

 『希』という言葉が出た瞬間歪みそうになった表情を、寸前のところで堪える。

 恐らく取り繕えていたとは思うが……

 

「そう。ならいいけど」

「あぁ。ありがとな、真姫、海未」

「いえ、全然構いま……あぁ、最後に1つだけ」

「ん?どした?」

 

 

「─────()()()()()()()()()()?」

 

 

「っ……」

 

 海未の不意打ちに、今度こそ俺の表情は露骨に歪んでしまった。

 

「……ことりだけでは、ないんでしょう?」

「……なんで知ってる」

「ことりも凛も、話してくれたのよ。あなたに想いを伝えたことを」

「……本人からか」

 

 どういう過程で打ち明けたかはわからないが、どうやらμ's全体がそのことを知っているらしい。

 

「ですが私達は知っています。あの2人以外にも、あなたに想いを寄せる人がいることを」

「……」

「優真さんも、薄々わかってるんじゃないの?」

「……さぁな」

「だから優真先輩。“答えて”あげてください、しっかりと。あわよくばその中の誰か1人には、“応えて”あげてください」

「あなたの決断でμ'sの存在が揺らいだりしないし…あなたが幸せになる決断を、私はしてほしい」

 

 …さっきからそんな心配されてばっかだな、俺。

 俺がそんなに答えを出せないようにみえるのか?

 ……まぁ実際出せてないわけだが。

 

 

 答えを1つに決めようとすると、頭に浮かぶのは想いを拒むことになってしまう他のメンバーのこと。

 遺恨が残るんじゃないかとか、関係に傷を生むんじゃないかとかそんなことばかり考えて結局答えを見出せそうになかった。

 でもそれは───良くなかったのかもしれない。

 だって彼女達はこんなにも…俺なんかよりも遥かに覚悟を決めて俺に想いを告げてきたのだから。

 周りの皆もそれを後押しし、俺を信じてくれている。

 

 だったら俺も───覚悟を決めよう。

 曖昧な自分の心に、答えを出す。

 

 

「……心配ありがと。しっかり考えるよ」

「こちらこそ、要らないお節介だったかもしれませんね」

「何言ってんのよ海未。このヘタレはこれくらい言わないといつまで経ってもズルズル引き摺ってくわよ?これくらいが丁度いいわ」

「誰がヘタレだおい!!」

「この場で1番ヘタレてるのはあなただと思うんだけど」

「さっきまでメソメソ泣いてたくせに急に強気だなぁ、あぁん?」

「なっ…!泣いてなんかないわよ!!誰があんたなんかの為にっ…!」

 

 俺を弄る立場から一転、彼女は顔を真っ赤にして俺に噛み付いてきた。フン、お前如きが俺を弄りに入ろうなぞまだまだ早い。

 

「じゃ、本当に行くから」

「……ええ、それじゃあね」

()()()()、会いましょう」

「おう、()()()()だ」

 

 そう言い残して、俺は音楽室のドアを開けた…

 

 

 その時

 

 

『────優真先輩(さん)!』

 

 

 俺の名を呼ぶ声に振り返ると

 

 心からの笑みを浮かべる2人がいて

 

 

 

『───しっかりやってこい!』

 

 

 

 力強いその励ましは、本当に俺の背中を押してくれたように思えた

 

 

「あぁ!任せろ!」

 

 

 突き上げた握り拳と共に、それに答える

 

 そして俺は今度こそ音楽室を後にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……行ったわね」

「優真先輩…また元気になってくれてよかったです」

「元に戻ったら、私達の知らない優真さんになっちゃうんじゃないかって心配してたけど……完全に杞憂だったわね」

「えぇ。あれは完全に、私達の知っている優真先輩でした」

 

 音楽室に残った2人は、話をつづける。

 

「……ねぇ、海未」

「はい、なんでしょうか?」

「やっぱりさっきの“アレ”、完成させましょ」

「今からですか?もう時間も遅いですし…」

「1番だけなら大丈夫でしょ?それに……」

 

 赤髪の少女は目を逸らし、小さく微笑む。

 

「……聞いてもらいたいのよ、早く。優真さんに」

「……ふふふっ」

「な、なによ?」

「いやいや。真姫も変わらないなぁと。私は詳しく知りませんが、そういうのを“ツンデレ”というのでしょう?」

「だっ、誰が!私のどこがツンデレよ!?」

「そういうところではないのですか?」

 

 なによー!と叫ぶ真姫を見て、海未は笑う。

 それには紛れもなく、大切な仲間が帰ってきたという安堵が含まれているに違いない。

 

 

 




後書きを書いていなかった期間に評価をくださった、

こーさかほたかさん、ゆいろうさん、Y.U.Kさん、邪竜さん、ゆーか≠るう。さん、柳緑さん、シンクロさん、エベロックさん、タクミ★さん、ありがとうございました!
応援の言葉、厳しいご指摘、すべてを活力に変えてこれからも頑張っていきたいと思いますので応援よろしくお願いします!

そして新たにお気に入り登録してくれた方もありがとうございます!何度も言いますが、皆様の感想やお気に入りがいつも私の執筆したいという原動力に変わっています。ご期待に応えられるよう、最終章も全力で駆け抜けていきたいと思います!

長くなりましたが今回もありがとうございました!
感想評価アドバイスお気に入り等お待ちしております!
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