リア渋なのと、今期上半期アニメ面白過ぎて更新停めてました。
ロクアカ、ケモフレ、小林さんち、プラネット面白い!
あと、スマホアプリ……戦車ゲーやらロボゲーやら、スナイパー3Dアサシンとか嵌ってました。
青春とは嘘であり、悪である。
青春を謳歌せし者たちは常に自己と周囲を欺き、自らを取り巻く環境のすべてを肯定的にとらえる。
彼らは青春の2文字の前ならばどんな一般的な解釈も社会通念も捻じ曲げてみせる。
彼らにかかれば嘘も罪とがも失敗さえも青春のスパイスでしかないのだ。
仮に失敗することが青春の証であるのなら、友達作りに失敗した人間もまた青春のど真ん中でなければおかしいではないか。
しかし、彼らはそれを認めないだろう。
すべては彼らのご都合主義でしかない。
結論を言おう。
青春を楽しむ愚か者ども……
砕け散れ。
ー深夜ー
俺は悶々とした一夜を過ごしていた。
教師の巡回も終わり、ようやくゆっくり休めると思った俺だが、現実はそんな甘くなかった。
結論から言おう。
美少女二人に添い寝されてます。
はい、ここで羨ましいとか思った奴、是非変わってくれ。
ストーカー行為、盗聴行為、盗撮行為を『親切』行為と解釈し、平然と行うちょっとヤバめな……かなりヤバめな女達に囲まれて寝てみろ。
安眠できるか!
今も着崩れた浴衣から見える見事な双丘や白い素足、一定毎に耳にかかる甘い吐息や聞こえる小さな寝息。
見た目完璧美少女の二人に挟まれてるこの状況、正直嬉しいが……彼女たちの残念な中身を知ってる俺としては素直に喜べないのだ。
「(……ぐっ、ち、近い)」
左隣から聞こえる風香のスー、スーと小さな寝息、そして甘い吐息を嗅ぎながら俺は悶々としていた。
二人とも浴衣を崩したまま寝てやがる……風香の奴、ブラ脱げそうだし。なんつう格好してんだ。
疲れてるのに、寝れない。
なんだ、なんだこの状況。
だめだ、とわかってはいても視線を風香の胸元へ向けてしまう。
男子中学生として、男の本能としては正しいのかもしれないが、この状況はマズイ。
自宅の自室ならまだしも……学校のクラスメイトが泊まる同じ宿で、同じ部屋で女子と一緒に寝るとか、そういう間違いを犯したと誤解されかねない。
しかも、風香だけじゃないのも問題だ!
風香に背を向けるように、今度は左隣に体交をした。
そこには何故か掛け布団を半分めくったまま眠る理子の姿があった。
えっと、理子さんや。布団半分ほど空いてるが一体そこは誰のスペースですか?
無論寝てるので何の反応もない。
反応がないから、これはこれでキツイ。
「隣で寝てても普通に寝ちゃう関係かぁ……あれ?」
何で俺、残念だなんて思ってんだろう?
風香とは婚約者と言っても親同士が勝手に決めた関係だし。
理子に関しては妹のような関係……そこに恋愛感情はない……はずなのに。
「(……わからん。考えてもわからない。こういう時は……)」
布団を被って目瞑ればきっと寝れる……そう思った俺はそのまま布団を被り続け、気がつけば眠りに落ちていた。
「……眠れるわけないじゃん、スバルのバカ」
そんな呟きが聞こえた気がした。
翌日。
朝食を済ませた俺達は旅館にある卓球場で卓球大会を開いていた。
温泉卓球。定番中の定番だな。
「行くよ〜曲がる
理子はサーブを打つ。陣営に一度着いた
二度目のバウンドをした球は高い山なりに弾んで風香の胸元めがけて飛ぶが……
「甘いよ……風斬スマッシュ」
風香が持つラケットが理子が放った球に当たる……誰もがそう思っていた、その時だった。
鋭い下回転がかけられた球は突如、何かに弾かれるように軌道を変更し、大きく曲がった。
ボールは弧を描き風香が構えた位置とは反対の方向へ曲がる。
「……っ⁉︎」
風香が反応してその球にラケットを当てるが……あーあ、だめだ。そんな高く上げたら……。
「くふふふ。いただきースマッシュ!!!」
パコーンとラケットの芯にボールが当たる音がしたかと思った瞬間、スマッシュは決まり理子にポイントが入る。転がった球を見てみるとまるで銃弾で撃たれたかのような穴が開いていた。
おいおい、まさか……。
「ちょっ、今のはズルいよー⁉︎ あんな風に球が曲がるなんてありえないよぉぉぉ!!!」
当然ながら、風香は審判役の坂本に抗議したが……。
「えー!!! 偶々だよー。偶々、何かに球が当たって弾かれただけだよー?
ね、そうだよねー? サー君♡」
坂本の馬鹿は理子の営業スマイルにデレデレになってて、使えない。ダメだコイツ。
「おい、理子。お前、
まさか、ただの卓球で使うなんて思わなかったから油断してたが、さっきのは間違いない。
「うん、さっーすがスバルだー。よくわかったねー」
俺に指摘された理子のバカは浴衣を捲って太腿にあるホルスター……ワルサーP38シルバーメタリックモデルをガンチラさせながら、あっさり肯定しやがった。
「お前なぁ……ただの卓球で使うような技じゃねえだろ!」
「そうだよ。あんなのズルいよ!」
「は? 何言ってんの? 使えるものは何でも使う。それが武偵卓球のルールだよ?」
武偵卓球。
一般的に武偵発足と共に出来た武装卓球の事を指す。
その名の通り、武偵が行う遊び、または競技で基本的には卓球と同じルールだが、武装卓球の名の通り、銃撃、斬撃、超能力……何でもアリな国際的な卓球のルールだ。
「何の為に防弾ラケットや防弾
いや、お前の中では普通の卓球をやるって選択肢はねえのかよ!
ってか、え? ここにある設備全部防弾製なの?
「……そう。だったら、私も本気でやらせてもらうよ。峰さん、いえ、四世さんには負けられないから」
「理子の中に負けの文字はもうない。理子は欲しいものは力づくで奪うから。だから、本気でかかって来な」
理子は風香に向かって挑発してきた。
うわぁ、理子の奴、なんか知らんがスイッチ入ってんな。
いつものおバカモードやヤンデレモードとは違う……裏理子スイッチだ。
「行くよ、曲がる
「それはもう見切ったよ!」
さっきと同じく、風香側の陣地に球が着いた瞬間、大きく弧を描くように曲がる。
しかし、ここでさっきには見られない摩訶不思議現象が起きた。
(ぼ、
クネクネ動き周り弧を描いていた球が構えていた風香の目の前に落ちた。
風香は大きくバウンドしたそれをラケットの芯で捉え、豪快なスマッシュを叩き込んだ。
理子は反応できなく、呆然とその球を見送っていた。
「チッ……
小さな声で呟く。
カゼ? 今、風なんか吹いてたか?
「何でもアリなら、いいんだよねー?」
今度は風香が理子を挑発するかのような顔をした。
もう、何なのさっきから君達?
「ふん、好きにすれば。
いっとくけど、私の技はまだまだこんなもんじゃないから。
私のサービスは108ある。
お前はどこの波◯球使いだよ⁉︎
ちょっと大魔王様入ってるし。皇帝の不死鳥とか出すなよ? 出すなよ? 絶対出すなよ?
「わ、わたしのスマッシュは1080バージョンあるもんね!」
「だったら、理子のドライブは一万種あります〜」
「わたしのツッツキ技は5万くらいあるもん!!!」
「理子のチキータは100万越えてます〜」
顔を突き合わせ、互いに互いを威嚇する理子と風香。
「「うぐぐぐっ!!!」」
はぁ、全くこいつらと来たら……
「仲良くしろ!」
「「無理!!!」」
即答かよ!
「ああ、もう、だったら試合で白黒つけろ。勝った方の言うこと1日聞く。それでいいだろ!」
「「うん、それがいい」」
よし、上手く収まった。
これで勝った方の言うこと聞かせて、なんとか仲直りさせれば……
「(勝ったらスバルとデート……恋人、もしかしたらそれ以上にきゃあ!)」
「(勝ったら昴君とお布団デート……子沢山、ぐへへへ)」
……あれ? なんか寒気感じるんだけど。
なんかここだけマヒャ◯ドス食らったように寒いんだけど。
攻撃魔力800越えてビッグバン以上の威力ありそうなんですけど。
凄い身の危険を感じるんですけど……。
「よーし、負けないよ。スバルの初めてはりこりんが奪ってりっこりこにしてやんよ!」
わーい原作の名台詞いただきましたー……って、何言ってんの!
中学生の女の子が初めを奪うとか言っちゃいけません!
「わたしだって負けないよ。わたしだけがスバル君と愛のタンデムして、ランバダするのー!」
お前は何言ってんだぁぁぁあああああ!!!
馬鹿なの? ねえ、馬鹿なの? 死ぬの? 社会的に俺殺したいの?
あっ、隣の台で同じように武偵卓球やってる北条達のパンツ見えた。
「は? スバルと結ばれるのはわたしだ。わたしだけのスバルでいればいいの……わたしだけの……邪魔する奴らは……死んじゃえ」
「ふざけないで! 昴君はわたしだけ……わたしだけを愛すればいいの。わたしだけを愛してるの……ねえ、そうだよね? ……何で返事してくれないの?」
うおぉぉぉい⁉︎ 何で二人とも銃や刀こっちに向けてるのかなー?
卓球やるんだよねー? 武器基本的に使わない競技だよねー?
何で二人とも目を据わらせてんの?
瞳からハイライト消してるの?
あっ、ちょっと……ヤバい。引っ張るな。え? 何コレ。何コレ。
「スバル……」
「昴君……」
あっ、ヤバ、二人とも何故かヤンデレモードになった。
「「一緒に磔灸やろ?」」
「待て! 字が違う!!! それは拷問の
はりつけ反対、火あぶり反対!
金次や坂本、不知火に助けを求めたが、みんな目を逸らしやがった。
お前らそれでも友達か!
隣の女子達に視線を送ったが、顔面にスマッシュを叩き付けられた。
……あ、パンツ見えた。 ……ご馳走様です。
再びパンツに視線を向けた直後、俺の意識は二人の死神によって、刈り取られた。アーメン。
「……知らない天井だ」
はい、お決まりの台詞言いました。
「ハッ!」
「ヤー!」
目を覚ました俺の目に入ったのはラリーを繰り広げる二人の姿だった。
「喰らえ、王子サーブ!!!」
「風斬流蛇行閃(ただの横回転ドライブ)……」
「甘い!」
「かかった!(能力使わないとは言ってない)」
理子がラケットを振るのと同時に球は横に大きく曲がってしまう。
「また!」
風香の奴、まさか……風の
だが、理子は諦めることなく、打球に追いつき、そして打ち返した。
打球は風香の陣地、卓球台の角に当たって球は床に転がってしまう。
派手な技やズルさはない、根性で食らいつく。地味だが、卓球をしている少女が確かにそこにはいた。
「……ズルいな。これじゃ、わたしが悪者だよ。いいよ、ちゃんとした卓球やろ?」
笑みを浮かべて、床に倒れた理子に手を差し出す風香。
育まれる友情、美しき青春、認めあったライバルとの正々堂々とした名勝負!
うんうん、やっぱ青春はこうじゃなくちゃ!
仲良きことは良きこと。
手を差し伸べた風香の逆の手に日本刀が握られてたり、理子がワルサーを風香に向けてる姿なんか気にならないな……ハハッ!
アー今日モ平和ダナァ。
ー1時間後ー
「……はぁはぁ」
「……ふぅふぅ」
現実に帰還すると、理子と風香は共に荒い息を吐いていた。
激しいラリーの応酬が続き、卓球場は惨状……もとい戦場の後と化していた。
武偵卓球により、卓球場内で発砲、斬撃、徒手格闘、超能力なんでもアリのせいで、施設はボロボロ。備品は破壊され、ラケットは真っ二つに折れ、風穴が開いた球は優に100を越えている。
ちょっと待ってほしい。青春は? 美しい友情は? 認めあったライバルとの正々堂々とした名勝負は?
どーすんの、コレ?
現実に帰還して呆然としていると……ガシっと肩を掴まれた。
笑顔の
ああ、コレはアレだな……
「「金払え。払えなきゃ、死ね。死に晒せ」」
あら嫌だ、息ピッタリ! さすがは蘭豹先生の
何でもここの宿の女将さんは武偵で、近衛雪姫さんという、ご先祖様は将軍家に嫁いだ由緒ある家の生まれで蘭豹の先輩とか。年齢は2……「永遠の17よ?」……あ、ハイ、ソウデスネ。
音もなく忍び寄られて頸動脈に刀突きつけられたらそう答えるしかないじゃないですかーやだーー!!!
「この太刀、正國六十三代孫波平住大和守平朝臣行安の錆にしても良いのだけど……?」
「17です。女将さんは永遠の17歳です。間違いありません」
「あらやだー正直者なんだからー///!!!」
「……」
今度は女性に年齢の話題は振るの止めよう。 絶対に!
「ところで用件は…」
「そやったな。お前らが破壊した施設の弁償金、補償金を払わせろ、っていうお達しや。
本来ならまだ武偵免許発行前の一年は免責制度があるんやけど……悪いな。これ、上の命令や」
「んな無茶苦茶な!」
上ってどこだよ?
「ちなみに被害額は……1000万ってとこね」
いっ、一千万⁉︎
は、払えるわけねえだろぅぅぅ!!!
「といってもうちらかて鬼やない。お前らにチャンスやる。
近くの山に生えてるキノコ取ってきたらチャラにしたる」
「キノコ?」
「一部のものは媚薬の原料になるとされる大変貴重なキノコね。取ってきてほしいのはドクササコ、ベニテングダケ、ワライタケ、白トリュフ……これは3㎏以上はほしいわね。中国人の知り合いに高く売れるから」
媚薬って……ま、いいけど。
「媚薬……スバルに飲ませれば」
「媚薬……昴君、いえ、アナタ♡」
うん、白トリュフは見つけたら片っ端から燃やそう。