鬼シリーズ(完) 作:スインガ
鬼シリーズ 11話 「異世界」
ネットで数々の異世界への行き方があるが、その中で最も有名なのは、エレベーターを使った行き方だろう。俺は異世界に行って見たいという好奇心でそれを実行してみた。
国の法律で5階以上ある建物にはエレベーターが絶対にある。だが、異世界に行くには10階以上が必要らしい。
しかも、絶対に一人で実行し、途中で誰かと乗り合わせるという事が絶対にあってはならないと書いていた。
まず、一人で乗る。次に4階、2階、6階、2階、10階の順に押す。この時は誰も乗ってこなかったから、まだ大丈夫だ。次は5階、ここで女が入ってくるはずだ。5階についた。ドアが開く。女が入ってきた。だが、その女は何度か街で見かけた事のある人だった。(なんだよー、面白くないなー)内心ちょっと怖かった。そして、1階を押す。そのままエレベーターは、10階には行かず、普通に1階に行った。
俺「は〜、失敗か」
ムロク「だな、でもおかしいよな」
俺「ん?」
ムロク「なんであの女ここにいるんだ。」
(そうだ。あの女はここにいるわけがない。)理由はまず俺の家の近くのマンションでする。と確実に人に出くわす、と言うことで深夜に行っていたはずなのに、街でよく見かける女がいた。さすがにこんな時間に女一人でいるというのはおかしい。俺はすこし寒気がした。
この事を友達に言った。いつものメンバーではなく、Dと言う同じクラスの奴に話すと
D「まじで?俺もやってみようかな」
俺「異世界行っても知らんぞ」
D「異世界って俺以外誰もいないんだろ?なら最高じゃん!何しても、誰にも怒られない!」
俺「それは、孤独を知る事になるぞ。まあ、行ってもいいが帰る方法はないと思う。って事で、試してくれ、もし、異世界に行けたら、エレベーターの押す番号を逆からやってくれ、10、2、6、2、4だぞ」
D「おう!任せろ!」
次の日、Dが学校に来なかった。
俺「おいおい、嘘だろ」
Dに電話する。機械のような声で「この番号は現在使用されていません」
俺「まさか、まじで行ったのか」
ムロク「Dは帰ってこれない」
俺「嘘だろ。」
その日を境にDは行方不明になった。
だが、Dの行方不明から2週間が経った時だ。電話がかかってきた。名前はDだった。
俺「D?幽霊になっても俺に電話しにきたのか。もしもし?」
D「よう!久しぶり!」
俺「お前、死んだの?今どこなの?」
D「死んでない!今俺の家にいる」
俺「2週間どこ行ってた」
D「異世界に決まってんだろ」
俺「は?マジで行ったのか?」
D「ああ!もう、超悲しかった。あれは究極の孤独だった。誰もいない。おまけに真っ暗で、空を見たら吸い込まれそうだった。しかも、途中で乗ってきた女はいつの間にかいないし。あの世界はやばい、今この世界の裏だ」
俺「なんでお前が行けて、俺が行けないんだ」
D「しらね」
俺「まあ、無事に帰ってきて良かった。逆からするは正解だったのか?」
D「まあ、正解だな。でも、もう2度と行きたくないな。」
俺「もう行くなよ。帰ってこれなくなる。警察にはちゃんと言っとくから、じゃあな」
D「おう!ありがとな、じゃ」
そうして、電話を切る。
ムロク「お前が行けなかったのって俺がいたからじゃないか?」
俺「あー!」
俺が行けない理由がわかった。
その後、学校ではDの話で持ちきりだった。Dが自分が異世界に行った事を片っ端から自慢していったのだ。そうして、異世界に行く方法を試す奴が多くなった。案の定、D以外誰も行けてはいないが、いつか誰かが行く気がして、俺はすこし心配だ。