鬼シリーズ(完) 作:スインガ
鬼シリーズ 12話 「しおり」
小川調査事務所の幽霊退治の仕事は主に加奈子さん中心で回っていくから仕事が俺に来る事は滅多になかった。前の仕事をしてから、かなり日にちが経ち、俺は事務所でボケーッとしていた。その日は加奈子さんは依頼を受けており出かけていた。
コンコンとドアがノックされ小川さんが「どうぞ」といい、誰か入ってきた。またも、女の人だった。だが、どこかで見覚えのある人だ。女は20代前半の髪は茶色のロングで身長は170センチぐらいだろうか、かなり美人だった。(俺の身長は約178センチ)
女「あのー、依頼なんですが」
小川「はい、どういう依頼でしょうか」
女「はい、この間、友達4人と心霊スポットに行ったのですが、一人が翌日から体調を崩してしてしまいまして」
俺「お祓いには行きましたか?」
女「いえ、お祓いに行くとかは、どうすればいいかわからず、なにもしていません」
俺「そうですか、でわその友達の所に行ってもいいですか?」
(俺の依頼だから寺に行かなくてもいいかな〜)
女「はい、もう連れて行くと言ってあります」
俺「では、今からいきましょう」
俺は女と二人でその友達の家に向かう事になった。
俺「名前はなんて言うんですか?」
女「私のですか?」
俺「はい」
女「私は『髙野 しおり』と言います」
俺「いい名前ですね」
髙野「ありがとうございます、あのーあなたは見える人なんですか?」
俺「まあ、見えます」
髙野「やっぱりですか。どれぐらい見えるんですか?」
俺「やろうと思えば見えないのはいません」
髙野さんは驚く。
髙野「あのー、連絡先交換してもらっていいですか?」
正直この時、嬉しすぎて吐血しかけた。
俺「はい、いいですよ」
俺達は連絡先を交換する。
(ええ子や〜)
年齢も俺と同じぐらいと思って聞いた。
俺「年はいくつですか?」
髙野「20です」
俺「大学2年ですか?」
髙野「はい」
俺「本当ですか!?同期じゃないですか!」
髙野「本当ですか?なに大学ですか?」
俺「岡山大学です」
髙野「私もですよ!あなたは見覚えがあったので、まさかとは思いましたが」
俺「あなたもですか、俺もあなたを見た時見覚えがあって」
俺たちは笑い合う。
そうして、喋りながら歩いていると髙野さんの友達の家に着いた、その人はアパートに住んでいるらしい。
〔髙野さんの友達を以降Eとする〕
髙野「Eちゃん、連れてきたから入るよー」
俺「お、お邪魔しまーす」
女の家に入る事にかなりの抵抗がある。しかも、嫌な気が充満している。
俺「いつ行ったんですか?」
髙野「2日前です」
まず、Eさんの枕元に男が立っていて、その男はEさんをずっと睨んでる。あとは、部屋の角に子供、それとずっと、押入れから俺を覗き込んでる奴もいる。
俺「これは、正直に言ってもいいですか?」
E「はい」
俺は今の状況を説明する。
髙野「どうにか出来ませんか?」
俺「出来ます。ちょっと髙野さんは外で待っててくれますか?」
髙野「わかりました、Eちゃんをお願いします」
俺「任せてください」
髙野さんは部屋から出る。
ムロク「どうするか。あの男は喋りかけても、聞かないだろ」
俺「押入れの奴からするか」
俺は押入れに向かい容赦無く開ける。子供だった。話しかける。
俺「なー、ここはお前がいていい場所じゃないよ。行くべきところに行きなさい」
子供の霊はムロクを見て固まったままだ。子供はあまりの怖さに逃げていった。
次は角にいる子だ。その子も先ほどと同様に逃げてしまった。
問題は男の霊だ。
こいつがEさんに害を出してる原因だが、こいつは話を聞かない。
俺「こいつが厄介だなー」
ムロク「こんなの食いたくないぞ」
俺「一回女から剥がして切るか」
ムロク「なんでもいい」
俺「なんでもいいんだな、じゃあ食ってくれ」
ムロク「いやだ」
俺はEから、男を強制的に剥がす。その後男を切る。その瞬間嫌な気が消える。
俺「髙野さーん、終わりましたよ」
と、髙野さんが部屋に入ってくる。
髙野「本当にありがとうございます!」
E「ありがとうございます」
俺「いえいえ、また何かあれば言ってください」
そうして、俺は事務所に向かう。
帰る途中
ムロク「お前髙野って奴に惚れたのか!」
俺「人の心を読むなって、恥ずかしいだろ!」
ムロク「いいじゃないか、お前も青春してんだなー」
俺「うるせぇ」
俺は、髙野さんが事務所に来た時から惚れてしまった。その日を境に大学で髙野さんとしゃべる事も多くなり、メールもするようになった。
あの依頼を受けてから、1ヶ月経った時。
髙野から電話がかかってきた。
髙野「あの〜、言いたい事がありまして」
俺「どうしました」
髙野「嫌なら全然断ってもらってもいいのですが、私と付き合っていただけないでしょうか。」
俺は固まった。あまりの嬉しさに数分間か黙り込んでしまった。
髙野「あのー」
俺「あ.......!じ、実は俺も好きだったから、喜んでですよ」
髙野が電話越しに叫んでいる。
俺も心臓バックンバックンだった。
俺「これからもよろしくな、」
髙野「はい!」と元気な返事をしてきた。
俺「じゃあ、おやすみ」
髙野「おやすみ〜」
ムロク「お前に彼女かー、もったいないな」
俺「いいじゃないか」
その日から俺には彼女ができた。
(俺青春してるな〜)
その日から俺は髙野を『しおり』と呼ぶようにもなって、幸せいっぱいだった。その後は、冗談を言い合えるような中でとても仲良く付き合うようになった。