マブラヴ~熱き漢達~   作:OFA様《疲労》

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書きたくて書きました後悔はしていない

基本勢いでいくので、展開はおおざっぱです


戦士よ立ち上がれ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『柏木は生きてるかッ!?』

 

『はいッ!何とか――機体の損傷は著しいですがねっ』

 

 

突如として富山県の海側より押し寄せた、数千の戦車級(タンク)と同数の兵士級《ソルジャー》、おまけにこれまた合計で数百の要撃級《グラップラー》に突撃級《デストロイヤー》。

直ちに、中隊が編成され事態の沈静化を図るが、その物量と急ごしらえの中隊であった為に連携と言うものが禄に取れず、部隊は全滅。しかし、戦術機が破壊されても衛士自体は何人か生存しており現在は戦場に残る兵士級の残党と戦闘を続けているとのことであった。

故に、この衛士達の救助及び、出現したBETA群の殲滅を命じられた精鋭部隊――。

 

それが、現在戦場を駆けまわっている特殊任務部隊A-01第9中隊、通称――伊隅戦乙女中隊(イスミヴァルキリーズ)である。

戦乙女中隊というだけあり、現在この中隊は女性のみで結成されているのだが、一人一人の練度が桁違いに高い事でもこの中隊は非常に有名だ。

それぞれのポジションは

迎撃後衛(ガン・インターセプター)が二人

制圧支援(ブラスト・ガード)

突撃前衛長(ストームヴァンガード・ワン)

強襲掃討(ガン・スイーパー)

砲撃支援(インパクト・ガード)がそれぞれ一人で編成されている。

 

そんな精鋭部隊の彼女たちが現在、非常に苦戦を強いられていた。

まず理由としては、怪我をしていた戦術機を持たない衛士達の援護をしつつ、BETAを相手取らなければならないからである。

その為、既に砲撃支援である柏木晴子の機体は装甲が幾何か剥がれ、現在も数体の戦車級が戦術機に張り付いて強靭な腕でバリバリと鉄を貪っていく。

その様子を見た、伊隅戦乙女中隊隊長――伊隅みちるは歯を食いしばって迫りくるBETAに対抗しながらも必死に脳をフル稼働させて他の隊員達の様子を確認を始める。

 

どうやら、本格的に不味い隊員は一人も今は居ないようであるが、それも時間の問題だと伊隅は考えていた。

柏木が既に、本格的に不味い状況に片足を突っ込んでいるし、突撃前衛の速瀬も今は必死に奮闘しているが、如何せん一人ひとりが相手をするには数が多すぎるのだ。

それに、要撃級や突撃級の後方数百メートル先に今しがた光線級が数十体出現したのである。

最早、空を飛ぶことも出来なければ撤退もままならない状態で、撤退を強行した場合は戦術機に乗っていない衛士達は間違いなく、突撃級に踏み殺されるか兵士級、戦車級に貪られるかの二択だ。

 

(ッ!このままでは全員殺される――今、最も最適な選択は……)

 

伊隅はチラリと、未だ兵士級と持っている銃火器で戦闘を続行している数人の衛士達を見やる。

彼らの瞳には既に諦めが見え隠れしていた。それはそうだ、伊隅達は戦意こそ無くなってはいないが、徐々に徐々に機体は摩耗して体力も削られている。

このままでは、何れかのポジションが崩れそこから攻めてくるBETAによって瞬く間に蹂躙されるであろう事は、簡単に想像がついてしまう。

 

(すまない……名も知らぬ戦友よ。今は私の愚かな選択を許してくれ)

 

伊隅は三人の衛士達を見捨てる覚悟を固めると、戦術機内部の通信機で伊隅戦乙女部隊の総員に通信を繋げようとした瞬間、とある異変に気が付いた。

 

「伊隅大尉、っ!!あっちの光線級共が、何やら変な動きを――」

 

「何だと?」

 

先ほどまで戦車級に纏わりつかれていた柏木が、漸く戦車級を振り払い少し余裕が出来たのかいつもの様に、冷静に戦場を見渡し何かを見つけたのか、BETAの相手をしつつ伊隅に報告をする。

その柏木の報告に、伊隅は要撃級を切り捨てたついでにチラリと光線級のいる方向を向くと、成程確かに様子が変であった。

光線級達は、先ほどまで伊隅戦乙女達が宙に舞うのを今か今かと待ち続けるかのようにジッとその巨大な瞳で、此方を見ていたのに今は空を見上げて、数々の戦友達を落としてきたレーザーを空に向かって只管に連射しているではないか。

 

(一体奴らは何を――)

 

そう、伊隅が疑問を抱いた瞬間であった。

光線級達がレーザーを連射していた部分から、巨大な何かが光線級達に向かってゆっくりと、しかし確実に向かっている。

それは一見すると、鉄の塊に見えるのだが、伊隅には今の所皆目見当もつかない。

 

「アレは、何だ?」

 

伊隅と同じ、迎撃後衛の宗像が戦場であるというのに呆けたような声を挙げて、降下する鉄の塊を見やる。

如何やら他の隊員達もBETAに気を配りつつも、その鉄の塊が気になる様で少々動きが緩慢になってしまっていたが、其処は精鋭部隊一度頭を振ると再び目の前のBETAに集中し始めた。

そして、光線級のレーザーに晒されながらもレーザーに融解も爆発もせずに鉄の塊は光線級達のど真ん中に降下して地面に接触。

 

 

瞬間――

 

 

 

 

 

ドガアアアァァァァンッッ!!!!!

 

というまるで、火山の爆発のような轟音が響き渡ったかと思えば戦場を包み込むかのようにして、爆風が伊隅戦乙女部隊の元まで押し寄せる。

幸いな事に伊隅は異常を察して衛士達を戦術機の足元に避難させたので、無事であったがBETA達はそうもいかない。

小型の兵士級や戦車級はその爆風によって、空高く吹き飛ばされると自由落下に従い地面へ激突し絶命。大型のBETA達も飛来する大きな岩などが柔らかい部分に命中して弱っている個体も発生していた。

鉄の塊の爆心地にいた光線級数十匹は跡形も無く消え、地面にはまるで隕石でも落ちたのかという様なクレーターが出来上がっている。

 

伊隅ヴァルキリーズは爆発の閃光と理解できない状況に硬直してしまい、動きを止めてしまう。

しかし、BETA達は硬直など一瞬で終わってしまい再び残った個体たちが群を為すと、伊隅ヴァルキリーズへ再び突進を開始、その地鳴りを聞きながらも伊隅ヴァルキリーズは動けない。

 

(ッ!!?しまったッ!!)

 

真っ先に硬直から回復したのは、やはり伊隅であったが他の隊員たちはそうもいかず、柏木に至っては既に目の前に要撃級が迫り、その凶腕を大きく開くと柏木の戦術機へと狙いを定める。

このままでは柏木は確実に、死ぬ

 

「柏木ぃぃッ!!回避しろッ!!」

 

伊隅が大声を張り上げて柏木に怒声を叩きつけるが、柏木はそこで漸くハッと我に返り、目の前に迫る突撃級を認識する。

しかし既に目の前まで突撃級は迫っていた――が、再びイレギュラーが発生したのだ。

 

「なにッ!?何故こんな所に歩兵がいるんだッ死ぬ気か!?」

 

柏木に迫る突撃級と柏木の戦術機の間に現れたのは、見たこともない恰好をした歩兵であった。

その数は数十人程と、少ないがそれぞれアサルトライフルやこれまた見た事がないロケットランチャーをその手に担いでいる。

そして、伊隅の呼びかけに一度だけ、隊長らしき妙齢の隊員がハンドサインを掲げる、それは『共に戦う』というサインだ。

 

思わず再び硬直してしまう伊隅ヴァルキリーズを放っておく形で、妙齢の男性は迫りくる突撃級に向かって真っすぐ腕を伸ばすと、声を張り上げる。

 

「お前達、生きて帰りたいか?、帰って酒を浴びるように飲みたいかッ!!」

 

「「「yes,sirッ!!!!!」」」

 

隊長の鋭い掛け声に、隊員たちの士気はドンドン上昇していき、その声は突撃級の走る際に生じる爆音を上回り空気をビリビリと震わせた。

 

「ならば勝てッ!!!行くぞ、EDF総員戦闘準備ッ!!!!」

 

「「「ウオオオォォォォォォッッッ!!!!!!!」」」

 

隊長が銃を構え走り出すと、EDF隊員達も士気を最大まで高めながらまるで勝鬨の様な叫び声を挙げながら、後へと続く。そして突撃級との距離が更に迫ると、まず一人の隊員がその腕に持つロケットランチャーを構え、突撃級が密集する部分の地面を狙い射出する。

ロケットランチャーの名前は『ゴリアスZ』と言い、絶大な威力を誇るが半面リロードに時間がかかる代物だ。

砲弾は突撃級の地面に命中すると、鋭い爆音をあげて数十体を横なぎに吹き飛ばした。

そして硬い甲殻部分ではなく柔らかい胴体が隊員達の目の前へと晒される事となる。

 

「今だ、胴体の部分を狙えッ!!」

 

「「「了解ッ!!!」」」

 

隊長の命令に、幾人かの隊員がアサルトライフルを構えると速射。

本来であれば、幾ら柔らかい胴体とは言え突撃級はアサルトライフル数発で死ぬほど軟ではない、ないのだが隊員達が放つ弾が数発あった瞬間、突撃級は次々と絶命していった。

隊員達が装備するアサルトライフルは『AF99ST』という、威力はアサルトライフルとは到底言えない程高いが、弾数が少ない事が課題の代物で、今回の様な場合には最適の銃である。

そして、複数の隊員達がアサルトライフルで次々と突撃級を始末している頃、少し後方では残った隊員達が肩に大型のミサイル『エアトータスME』を構え、要撃級へとロックをしていた。

ようは、前衛のアサルトライフル・ロケットランチャー部隊はミサイル部隊の為の時間稼ぎのようなもので、ミサイルが放たれれば此方の勝利は確定したようなものである。

 

「一匹たりとも、後ろへ回すんじゃないぞッ!!踏ん張れ!!」

 

「「「了解ッッ!!!!」」」

 

徐々に要撃級達と、爆風から生き延びた小型のBETA達を相手にしつつも隊長は再び部下へ激を飛ばした。

その掛け声に応じて、隊員たちの士気は益々上昇していく。

その気迫は尋常では無く、何故か戦術機の中で戦いを見守っていた伊隅ヴァルキリーズの心にも、闘志の火を再びつけた。

 

『伊隅ヴァルキリーズッ!!戦術機に乗った我々が戦わず、歩兵に戦わせたとなったら精鋭の名折れだ、行くぞッ!!!』

 

『『『了解ッ!!!』』』

 

そして、EDF隊員達に迫る要撃級へと伊隅達も突貫し、次々と獲物を屠っていく。

その姿は正しく、戦乙女《ヴァルキリー》と呼ぶに相応しい雄姿であった。

 

「トータス、打てます!!」

 

「よし、奴らに目にモノ見せてやれッ!!」

 

既にEDF隊員達は後方へと下がりロケットランチャーでの足止めを開始して、伊隅ヴァルキリーズも後方で銃弾を放ち続ける。

そして、ミサイル部隊がランチャーを空へと向けると一斉にエアトータスMEを発射、発射されたミサイル弾はゆっくりとBETAの群れへとそれぞれ向かっていき――

 

 

 

「我々の勝利だッ!!!」

 

「「「ウオォォォォォォッッ!!!!」」」

 

 

こうして、伊隅ヴァルキリーズとEDFは対面を果たす事となる。

 

 

 

既に基地でEDF司令部と交渉を済ませ、その上で先ほどの戦闘映像を見た、横浜の魔女はEDFの想像以上の戦果に喜色に、含み笑った――。

 




スッキリした……。
次話で横浜基地sideです
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