デート・ア・ライブ~ご注文は精霊ですか?~   作:ハセ

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またちょっと間が空いてしまいました。
今回はバトルメインです。
日常編はあともう少しでやってきます・・・!


第十羽 精霊奮闘

「ハァァ〜・・・今日も先輩と一緒に帰れた・・・これだけでまた明日も頑張れる・・・!」

 

リゼと別れたあと、シャロはご機嫌で家への帰路を歩く。

そして家の近くに来たあたりで、ある人に声をかけられた。

 

「あら、シャロちゃんおかえりなさい。すっごく幸せそうだけど何かいいことあったの?」

 

シャロの幼なじみ、千夜である。

どうやら店の前を掃除している最中だったようだ。

 

「り、リゼ先輩と一緒に帰れたってだけで別にそんな特別なことじゃないけど・・・。あ、そういえば新しく来た子達はしっかり店番できてるの?」

 

「ええ、三人ともしっかりやってくれていたみたい。シャロちゃん、時間あるなら中で冷たいお茶でも飲んでいかない?今日は何だか人通りも少なくて、今はお客さんがいないから」

 

「そうなの?じゃあお言葉に甘えようかしら」

 

そう言った後、シャロは店の扉を開けて中に入る。

そしてそれに合わせて中の三人が出迎える。

 

「いらっしゃいませ〜!・・・ん、なんだ、シャロではないか」

 

「慰労、学校お疲れ様でした」

 

「・・・・外での会話は全て聞いていた。お茶はもうそこに用意してある。どうぞ」

 

「ありがと・・・・ん?他の二人には外での会話は聞こえてなかったみたいだけど。私たちもそんなに大きな声で話してないし」

 

シャロの疑問に、折紙は何ということはないといった風に答える。

 

「防犯のため、店の周りには小型カメラや盗聴器を設置してある。それらはのデータは全てこの携帯に・・・・」

 

「驚愕、そこまで既に終えていたとは、さすがはマスター折紙です」

 

「くっくっくっ・・・・よくやってくれているな。さすがは我が眷属よ。これからも励むがよい」

 

「友達の家に何してくれてるの!?今すぐ外してきなさいっ!」

 

そんなやり取りを外で聞きながら千夜はクスクスと笑う。

と、そんな時、千夜は遠くにまっすぐこちらに向かってくる人影を見つけた。

こんなに暑い夏の日にローブを纏っている。

千夜は不思議に思うが、そこはやはり接客業ということで、踏み込んでローブの事を聞いて失礼を働くわけにもいかない。

そして千夜は笑顔でそのお客を迎える。

 

「いらっしゃいま・・・」

 

しかしその言葉の続きは轟音に遮られた。

千夜の背後から放たれた光がローブの客の頭部を吹き飛ばす。

ローブの客は光の粒子になって消えてしまった。

 

「〈絶滅天使(メタトロン)〉」

 

ウェディングドレスのような衣装を纏った折紙が静かに千夜の背後から現れる。

さらに折紙は細い羽根状のものを周囲に従えていた。

どうやら先ほどの光は折紙が放ったものらしかった。

 

「今のやつは確かラタトスクのデータに残っていた・・・確か、識別名はガーディアン。千夜、下がって。ここは・・・・私たちの出番」

 

「くく、そうだな。千夜、あとは我らに任せてお主は中でシャロとゆっくり茶でも飲んでいるといい。・・・それにしても、予想以上の団体客よの」

 

「疑問、いったい何が狙いなのでしょうか」

 

千夜の背後から、折紙に続き耶倶矢と夕弦が現れる。

現れた二人の姿は黒を基調とした服にベルトのようなものと鎖が巻きついており、その首元には南京錠らしきものが付いている。

一言で言うとかなりアブナイ格好だった。

そして耶倶矢は身の丈ほどもある巨大な突撃槍を、夕弦は黒い鎖の先に菱形の刃がついたペンデュラムのような武器を持っていた。

千夜は言われた通り店に戻りながら、三人が見上げる先を見る。

そこにいたのは、空を覆い尽くさんばかりに浮遊するおびただしい数のガーディアンだった。

 

「提案、耶倶矢。どちらが多く倒せるか勝負しましょう。負けた方は今夜のおかずを勝った方に献上、という事で」

 

「な、何気に辛いやつだ・・・・何よ、その【負けるのが怖いのですか?】みたいな顔。いーわよ、受けてやるわよ!」

 

「・・・おそらく100体以上はいる。二人とも、気をつけて」

 

そして折紙が言い終わるか終わらないかといったうちに、ガーディアンは無数の霊力弾を放ってきた。

折紙は冷静に〈絶滅天使(メタトロン)〉を構えると、霊力弾を的確に撃ち落としていく。

それと同時に耶倶矢と夕弦が空へと舞い上がり、各々の武器でガーディアンに攻撃を始める。

 

「折紙、援護は任せるぞ!」

 

「宣言、メインウエポンは私たちが務めます」

 

三人の激しい攻撃に対して、ガーディアンたちはなす術もなく倒されてゆく。

しかし・・・数があまりにも多すぎた。

何体かは攻撃をすり抜け・・・・。

 

「・・・・!まさか、狙いは」

 

「千夜たちであったか!」

 

店の入り口付近にいた千夜とシャロに襲いかかった!

そして攻撃が届こうとしたその時、ガーディアンの体は謎の衝撃波を受け、そのまま光の粒子になって消えてしまった。

 

「安心、二人は無事なようですね」

 

「・・・何だかすっごく格好いい登場ね。あれ、ズルくない?」

 

そう、二人をガーディアンから守ったのは光のドレスを纏った美九だった。

美九の操る音の力で衝撃波を生み出し攻撃したのだ。

二人を守るようにして立つ美九のもとに少し遅れて七罪も駆けつける。

 

「美九・・・七罪も!来てくれたのね!」

 

「遅れて申し訳ありません〜。でも、もう大丈夫ですよ〜」

 

「・・・私だけ大したことしてない分、これから頑張るから」

 

「七罪・・・どんな時もネガティブ思考なのね」

 

「・・・さ、さぁ!気を取り直してフィナーレと行きましょう!〈破軍歌姫(ガブリエル)〉【行進曲(マーチ )】!」

 

と、美九が天使の名前を呼ぶと、それに呼応し巨大なパイプオルガンが現れた。

そして美九が演奏を始める。

行進曲(マーチ )】、対象の力を増幅させる強化の旋律である。

そして七罪が素早く〈贋造魔女(ハニエル)〉を構える。

 

「〈贋造魔女(ハニエル)〉【千変万化鏡(カリドスクーペ)】!」

 

その瞬間、七罪の持つ〈贋造魔女(ハニエル)〉の姿が歪み、巨大な炎の戦斧に形を変えた。

 

「・・・・行くわよ、三人とも。私だってやればできるんだから!・・・・多分、そう多分。もしかしたら失敗するかもだけど。ああ、そんな感じなのにさっき行くわよとか調子乗っちゃいました、ごめんなさい死にますね」

 

「「「・・・・・・」」」

 

「・・・何よ」

 

「い、いやぁ、七罪はもうちょっと自分に自信を持ってもいいと思うぞ?」

 

「肯定、耶倶矢の言う通りです」

 

「・・・七罪はできる子」

 

「え・・・そ、そうかな・・・・」

 

「・・・何でこんなに緊張感がないのかしら〜」

 

「本当にね」

 

戦いの場ではあるのだが、この緊張感の無さにさすが千夜とシャロも呆れ顔だ。

しびれを切らした美九が叫ぶ。

 

「み、皆さん早く決めちゃってください〜!」

 

「そ、そうよね・・・もたもたしてごめんなさい。私のせいです。・・・・〈灼爛殲鬼(カマエル)〉【(メギド)】っ」

 

「よ、よし、行くよ夕弦!〈颶風騎士(ラファエル)〉」

 

「呼応、【天を駆ける者(エル・カナフ) 】!」

 

「〈絶滅天使(メタトロン)〉【砲冠(アーティリフ)】」

 

四人の精霊の攻撃が大量のガーディアンたちを一瞬にして消し飛ばした!

 

 

 

****

 

 

戦いを終えた精霊たちが静かに地面へと降り立つ。

 

「・・・確認、終わりましたか?」

 

「うむ、一匹残らず倒せたようだな」

 

「しかしこんな大規模な攻撃を仕掛けてくるなんて・・・・ここに他の精霊たち、そして士道が来ているなら早く探して合流しないと。士道も私との再会を望んでいるはず」

 

折紙の言葉に七罪と美九がハッとなる。

 

「そ、そうだった!今日士道を見つけたのよ!」

 

「十香さんと四糸乃さんも一緒でした〜。千夜さんが許していただけるなら、今から行きませんか〜?折紙さんの言う通り、この件の事は早めにお話ししておいた方がいいと思いますから〜」

 

 

 

 

 

****

 

 

 

千夜たちがガーディアンに襲撃される少し前、千夜と別れたココアは少し急ぎ足でラビットハウスへと向かっていた。

と、その途中で見知った顔を見つけ、声をかける。

 

「チノちゃーん!」

 

突然声をかけられたチノはビクリと肩を震わせる。

あたりを見て駆け寄ってくるココアの姿を見つけると、むーっと頬を膨らませながら言った。

 

「もう・・・街の中では恥ずかしいですからあまり大声は出さないでください。今は珍しく周りに誰もいなかったから良かったですが・・・」

 

「ご、ごめんごめん。ん、じゃあ気を取り直して一緒に帰ろ、チノちゃん!」

 

「全く・・・ココアさんは本当にしょうがないココアさんです」

 

口ではそう言いつつも声をかけてもらえて嬉しかったりするのだが。

そうして二人は再びラビットハウスを目指して歩き出す・・・・しかしその時。

 

「「えっ・・・」」

 

突如として二人の前に10体のガーディアンが現れた。

そして現れると同時にその中の1体が威嚇として二人にギリギリ当たらないように数発の光弾を放つ。

放たれた光弾は民家の扉や窓をたやすく貫く。

突然の恐ろしい出来事に思わずチノはその場に座り込んでしまう。

そしてガーディアンは再び攻撃態勢に入る。

おそらく次は・・・・二人に当てるために。

そして再び光弾が放たれようとしたその時、ココアはとっさに座り込むチノをかばった。

恐怖に震えるチノをぎゅっと抱きしめる。

そしてついに放たれた光弾は・・・・二人とガーディアンの間に割って入った士道に炸裂した。

あたりに鮮血が飛び散る。

 

「し・・・」

 

「士道くんっ!!」

 

チノとココア、二人の悲鳴にも似た声。

しかし士道は叫ぶ。

 

「俺なら大丈夫だ!」

 

その直後、士道の傷が炎に包まれ、その炎が消える頃には傷は何事も無かったかのように塞がっていた。

 

「十香!四糸乃、よしのん!任せたぞ!」

 

「ああ、任された!・・・・二人を傷つけようとしたこと、許さんぞ」

 

「許しま・・・せんっ!」

 

『さー、派手にやってやろー!』

 

名前を呼ばれた二人と一匹は三人の背後から現れるとガーディアンに飛び掛った!

方や美しいドレスを身に纏い大剣を掲げて。

方や可愛らしいウサ耳付きのレインコートを身に纏い巨大な怪物に乗って。

当然ガーディアンもそんな十香と四糸乃に霊力弾で応戦する・・・が、それらは全て四糸乃が操る怪物から放たれた光線で凍らされ、十香が大剣で切り落としてしまった。

 

「次は・・・お前たちの番だ!〈鏖殺公(サンダルフォン)〉【最後の剣(ハルヴァンヘレヴ)】!」

 

「〈氷結傀儡(ザドキエル) 〉【吹雪(ブリザード)】!」

 

全てを破壊する斬撃と凍てつく冷気の光線がガーディアンを殲滅した。

 

 

 

 

****

 

 

「・・・これは・・・一体どういうことなんですか?」

 

戦いが終わったあと、チノが士道たち三人に問う。

これ、とはまず間違いなく先ほどの十香や四糸乃のことだろう。

 

「・・・すまん、やっぱり初めから全てを話しておくべきだった」

 

士道はそう言うとチノとココアには伏せていた精霊関係の話を全て話した。

 

「・・・では十香さんと四糸乃さんは正確には人間では無かったんですね・・・異世界から来たってだけで信じられないのに・・・」

 

「もう、本当にびっくりしたよ〜。士道くんも謎の炎で怪我治っちゃったけど、あの時本当にびっくりしたんだからね!」

 

『あの時』、ココアのその言葉でチノの脳裏にあの衝撃的な光景がフラッシュバックする。

ガーディアンから二人をかばって傷つく士道、精霊の力で戦う十香と四糸乃、そして・・・チノを守るように抱きしめていたココア。

 

「・・・なん・・・で・・・すか」

 

チノがポツリと呟く。

 

「え、チノちゃん今・・・」

 

なんて言ったの?

そう言いかけたココアだがチノを見て口をつぐんでしまう。

チノがポロポロと涙を流していたからだ。

 

「何で・・・何で私を守ろうとしたんですか!?もし士道さんが来てくれていなかったらココアさんは死んじゃってましたよ!?・・・本当に・・・何でっ・・・!」

 

珍しく感情を荒げるチノ。

こんなことは初めてなように思う。

そんなチノにココアは静かに答える。

 

「・・・あの時・・・思ったんだ。チノちゃんだけは助けたいって。たとえ死んじゃったとしても、チノちゃんが無事なら、それでいいかなって」

 

「・・・ココアさんは本当に馬鹿な人です・・・ココアさんが死んで私が助かっても、私は全然嬉しくありません・・・。お願いですからもうあんなことはしないでください・・・守ろうとするものに、自分の命も入れてくださいっ・・・!」

 

ココアの答えにチノは消えるような声でそういった。

ココアは一言、ごめんね、と言ってからチノを優しく抱きしめた。

 

「・・・シドー、今回は完全に私たちの落ち度だ」

 

「ああ・・・十香の言う通りだ。チノたちには悪いことをしちまった」

 

「二人には・・・もう二度とこんな思いをさせないように・・・頑張らないと、ですね」

 

四糸乃の言葉に士道と十香は頷き、決意を固める。

そしてその後、士道は先ほどのチノの言葉を思い出す。

 

『守ろうとするものに、自分の命も・・・・』

 

「・・・・・・」

 

士道は涙を流すチノと抱きしめるココアの姿にいつしかの自分と琴里の姿を重ねるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

二亜「いや〜今回は完全にデアラ勢にごちうさ勢が巻き込まれたかんじだね・・・平和な木組みの街が・・・」

 

ティッピー「あと一羽挟んだらついに日常編に突入だそうじゃ・・・やっとじゃのお」

 

タカヒロ「それはそうと今回、精霊たちの技が出たと思うんだが一つだけ四糸乃くんの技がオリジナルらしいな。何でも冷気の光線に特に技名が無かったのが原因だとか・・・」

 

二亜「まぁ技名はそのまんまな感じだけどご容赦くださいってことだね・・・。あとチノちゃん泣かしたけど、これ大丈夫なのかね?」

 

タカヒロ「読者の受け取り次第じゃないか?まぁなるようになるだろう」

 

二亜「ん〜まぁそうか。というか実の娘が泣かされたのに凄い落ち着いてるね」

 

タカヒロ「そうじゃないのが一羽いるからその話は止めて予告へ行こうか二亜くん」

 

二亜「ああ・・・なるほど・・・じゃ、じゃあ気を取り直して!〈囁告篇帙(ラジエル)〉!

・・・ん〜次回第十一羽は【フラクシナスへ】!というかこの世界にフラクシナス来てたんだ。そして今回はいなかったけど予告へのゲストも復活らしいよ!・・・詳細が現時点だと全くわからないのが不思議だけど。お楽しみに!」

 

 

 

 

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