士道が説明を終えた後、リゼはうーん、と唸りながら言った。
「……本当に別の世界から来たのか?流石に信じられないんだけど……」
しかしその言葉にココアが目を輝かせながら言い返す。
「リゼちゃん、この人が来たって言ってるんだから信じてあげようよ!人を疑うのはよくないよ!」
「ココアはなんでもすぐ信じすぎだ!人を疑うことを知れ!」
リゼは思わずツッコんでしまう。
そのやりとりを見て士道は苦笑いを浮かべる。
そこでチノがフォローを入れた。
「リゼさん、簡単に信じられないのは分かりますが、本気で困っているようですし、ココアさんと同じように信じてあげてくれませんか?」
チノの言葉にリゼは驚いたような顔をした後、少し考えてから笑顔で答えた。
「ああ、わかった、信じるよ。それにココアの言う通り、勝手に決めつけて、人を疑うなんて悪いよな。悪かった。私にも何かできることがあったら協力するよ」
「もっちろん、私もね!」
リゼに続いてココアも笑顔で言った。
「よかった、信じてもらえて。ありがとう!」
そう言って士道は三人に頭を下げる。
それに続いて十香と四糸乃も頭を下げた。
「そんな・・・まだ何もしてないですし、頭を上げてください。・・・そういえば自己紹介がまだでしたね。私の名前は
「私は
「私は
ラビットハウス組の三人が三者三様の自己紹介を終える。
それに士道達がよろしく、と返してから自己紹介を始めた。
「俺は五河士道、よろしく、チノ、リゼ、ココア」
「私は夜刀神十香だ!よろしく頼む!」
「わ、私は四糸乃・・・です。それと・・・」
『よしのんだよ〜!』
そしてラビットハウス組の三人もよろしく、と返すがリゼがん?と言ってから四糸乃に聞く。
「今の・・・もしかして腹話術なのか?」
「あ・・・えっと・・・」
『んん、それは乙女の秘密だよ~リゼちゃん』
「・・・・すごいな」
四糸乃は答えなかったもののリゼはよしのんがもう一度話したことで腹話術だと確信したようだ。
しかしここでココアが言った。
「でもうちのチノちゃんだって腹話術できるんだよ!主に頭の上に乗ってるアンゴラウサギのティッピーを使ってね!」
そしてみんなの目線がチノに向けられる。
「や、やらないとダメでしょうか・・・」
「い、いや。無理にやれとは言ってないからな?」
困っているチノに士道がつかさずフォローを入れる。
チノはホッと息をついた。
しかしここで十香と四糸乃がチノに言う。
「じゃあ代わりと言ってはなんだが・・・その頭のウサギ・・・てぃっぴーとやらを触らせてもらえないか?」
「わ、私も・・・触ってみたい、です・・・!」
そう言われたチノはテーブルを見てコーヒーカップが三つあることを確認する。
確認したのは前に初めてココアにあったときにコーヒー一杯で一回モフらせるという約束をしたからだった。
そしてチノは、はいどうぞ、と言って十香と四糸乃にティッピーを渡した。
「ありがとうなのだ!おお〜!モフモフだな!なあ、四糸乃!」
「はい・・・モフモフ・・・です・・・!」
二人は感触が気に入ったようでモフモフを続ける。
その間、ティッピーの顔がどんどん嫌悪に満ちたものに変わる。
そして・・・。
『ええい!はなさんか小娘どもが!』
「「!?」」
突然ティッピーがダンディーな声で拒絶した。
そして驚いた二人がモフる力を弱めたその隙にピョーン!と飛んでチノの頭に収まる。
突然のことにモフっていた二人はおろか士道までもが固まってしまう。
そこでチノが一言。
「・・・今のが私の腹話術です」
「あ、ああ、なるほど・・・。なんだかんだやってくれるんだな・・・」
「そ、そういうことなら納得だ・・・」
「お、男の人の声だったので、少し驚きました・・・」
何とかごまかし切れてチノはほっと息をつく。
実は先ほどの声、本当にティッピーが発した声だったのだ。
ティッピーが話すといことを知っているのはチノとその父、タカヒロのみである。
チノはよくティッピーのことをおじいちゃんと呼んでいるが・・・・それはまた別の話である。
「何だかんだ言っても結局は披露してくれるチノちゃん、素直じゃないけどかわいい自慢の妹です!」
「ココアさんうるさいです。それに妹じゃありません」
ココアの謎の妹自慢を一蹴した後、チノはあいている席から椅子を持ってきて指導たちの席の近くに座った。
それに続いてココアとリゼも同じようにして座る。
そしてチノが話を切り出した。
「それで、私たちが何をしてあげられるかということなんですが・・・あ、どうぞ、食べながら聞いてください」
そう言われた士道たち三人はまだ自分たちが食事にほとんど手をつけていないことを思い出し、再び食べ始めた。
士道はコーヒーを飲み、十香と四糸乃はパンを頬張る。
それを見ながらチノはさて、と言ってから話を戻す。
「で、士道さんの話によると、突然全く知らないこの町に来ていたんですよね」
「ああ、そうだ」
「・・・そうなると何の準備もない状態で来たわけですね。お金などもないですよね」
「う・・・ああ。あ、でもこの食事代を払うくらいはあるから・・・」
「でも払い終わったら無一文だろう?ここから出たら泊まる場所もなく三人とも野垂死ぬだけじゃないのか?」
リゼの冷静な一言に士道は何も言えなくなってしまう。
十香と四糸乃も不安そうな顔をする。
しかしそこでチノが一言。
「はい、確かにこのままではリゼさんの言うとおりになってしまいます。そこで提案なのですが・・・最近父が平日にもこの店を開けたい、と言っていたんです。案外、開けてほしいっていうお客さんが多いらしくて」
「・・・ということはつまり?」
「はい、平日は私たちは学校なので店は開けられない。父も夜のバーの仕事で手いっぱいなことが多いです。だからもしよかったら、三人でこの店の仕事をやってもらえませんか?仕事のことは一からお教えしますので。もちろん、受けていただけるならここに住んでいただいても構いません」
「なるほど、それはいい提案だね!実際私も同じような立場だし」
ココアもその意見に賛成のようだ。
(・・・料理関係の仕事は大体俺ができる。オーダーは十香に任せてうらかたのしごとを四糸乃に手伝ってもらえば・・・!)
士道はそう考えた後チノに言う。
「・・・本当にいいのか?」
「はい、もちろんです」
チノは二つ返事で返す。
それを聞いた士道は言う。
「じゃあ・・・その提案、ありがたく受けさせてもらう!十香、四糸乃、二人もいいよな?」
「おお、もちろんだ!改めてよろしく頼むぞ!」
「よ、よろしくお願いします・・・!チノさん、リゼさん、ココアさん!」
そう言った三人にチノたちも笑顔で返す。
「提案、受けてもらってよかったです。よろしくお願いします」
「やったー!三人ともよろしくね!」
「まあ私はここに住んでるわけではないけど、顔を合わせることは多いと思うから、よろしくな!」
「・・・じゃあ早速ですが軽く仕事の説明をしたいと思います。幸か不幸かお客さんもいませんし・・・」
そう言ってチノは椅子をもとあった場所に戻し、カウンターのほうに向かった。
他のみんなもそのあとに続く。
「ねーね~、今日の夜、親交を深めるってことでトランプでもしない?」
「そういう話は仕事が終わってからしてください」
「・・・そうだ、せっかく世話になるんだから夕食くらいは作らせてくれ」
「おお!シドーの作る料理は絶品だからな!」
「わ、私も手伝いますっ・・・!」
(楽しそう・・・。さ、寂しくない、寂しくないぞー!)
リゼが一人心の中でもだえる中、士道はふと思った。
(・・・やっぱりほかのみんなもこの世界に飛ばされてるのか?もしそうなら・・・みんな大丈夫だといいけど・・・)
そしてその士道の予想通りに、ほかの精霊たちもこの世界に飛ばされていたのだった。
とりあえずラビットハウスでの出会いはこれでひと段落です。
更新しないうちにご注文はうさぎですか?四巻の発売、そして二期が始まったりいろいろうれしいことがたくさんありましたね。
四巻で初登場しアニメにもOPでちらっと登場しているあの人もいずれ出すつもりです・・・かなり後になるでしょうが。
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